東方五行大神伝   作:ベネト

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異変導入です


地底からの侵略者
温泉ザクザク神社


時は流れ幻想郷に冬が到来する...降り積もる白い雪...木々は葉を落とし生き物・妖怪の賢者は冬眠につく季節である。

 

雪がしんしんと降るとある昼頃...博麗神社では主である博麗霊夢が防寒着に身を包み境内に積もる大量の雪を雪かきしていく...

 

「...はぁ...いつものことだけど面倒ね」

 

独り言のように愚痴を言う彼女ではあったがとある変化に気づく...それが異変の引き金とも知らずに...

 

 

 

side霊夢

 

「...ん?」

 

神社の奥から聞こえる水の音に気づき雪かきを中断する...

 

...神社の裏から水の音?しかしチロチロという感じではないわね...大量に溢れているような水の音がする?

 

「...井戸の水が漏れてもしたのかしら?」

 

私は内心溜息をつき神社の裏へ向かう...そして神社の裏の景色を見て言葉を失う...

 

 

 

 

 

 

 

 

一方同時刻大神家...お昼時の大神神社の居間には巨大な炬燵の中で鍋を食べてくつろいでいる大神家の者達がいた...

 

本日は珍しく全員そろっており、皆鍋に没頭しながら庭の外を眺めて時間を過ごしていた。

 

 

 

side暦

 

「やはり冬は鍋に炬燵だよねぇ♪」

 

「「「「「ですよねー」」」」」

 

私の娘たちは満足気に鍋をつつく...

 

庭の銀世界を見ながら屋敷の中で炬燵に入りながら鍋をつつく...やはり冬の醍醐味はこれよね!

 

鍋からつみれを取ると境奈が炬燵から酒瓶を取り出す...

 

「雪見酒もいいじゃない♪」

 

「いいじゃないッスか境奈姉!」

 

銖理は嬉しそうな顔をするが華楠・潤香がげんなりした様な顔をする...

 

「おい...流石にもまだ昼間だぞ...」

 

「お昼からのお酒は魅力的ですが...何かダメな気がします...」

 

「いいじゃん♪お鍋に熱燗最高じゃないのよぉ!」

 

...境奈のいうことにも一理あるわね

 

「いいじゃないの華楠♪どうせ異変が起きるわけでもないんだしさ?煌炉少し温めて」

 

「はいはい」

 

煌炉に熱燗を任せて私はしらたきを口に入れる...たまにはこういう平和な日もいいかも...

 

 

 

 

 

「暦ー!!!」

 

「...」

 

庭の外を見るとそこには紅白の巫女こと博麗霊夢がいた...

 

彼女は庭を突っ切って居間へと入ってくる

 

「どうしたの霊夢?そんなに慌てて?」

 

「ちょっとアンタに頼みがあるのよ!来なさい!」

 

「え?ちょっと!!」

 

有無を言わさず私は手を引かれて連れてかれる...ああ...お鍋パーティが...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

博麗神社につくと霊夢は私の手を引っ張って神社の裏へと向かう...そこで私はとんでもないものを目にする。

 

 

 

ザー!!!

 

 

 

私の目の前には地面から溢れている大きな水柱...何でこんなものが?

 

「井戸の水が噴き出しているわけではないみたいね...」

 

「そんなものではないわ!触ればわかるわ」

 

水柱は近づいてみると何か温かいし湯気が立っている?...もしかすると...

 

私は噴き出した水に触れてみる...

 

「...お湯!?ってことは!!温泉!!!」

 

...水柱じゃなくて間欠泉だったのね...これは天の恵みかしら!!まさか!博麗神社に温泉ができるとは!!!

 

「うちの温泉で参拝客はザクザク...お賽銭もザクザク...ふふ...えへへ...」

 

霊夢は笑みを浮かべて夢を見るような顔をする...

 

「って!!このまま垂れ流しはいけないわ!!急いで河童を呼んでこないと!!」

 

「その前にさ?何で博麗神社に温泉が?」

 

「多分前回の大地震で地殻変動でも起きたんじゃない?とりあえず暦!現状維持をお願いね!」

 

「え?待って!現状維持ってどうやってさ!!」

 

私の話も聞かず霊夢は妖怪の山方面へと向かう...本当に私にどうしろと?

 

 

 

 

 

 

 

「...へくし!!寒い...」

 

まだ雪が降っているし間欠泉のそばにいるとはいえまだ寒いな...屋敷では鍋パーティなのに...

 

「見張ってればいいかな?あ?」

 

しばらく間欠泉を見張っていると遠くの空からこちらへ向かってくる人影が見える...見覚えあるな...

 

 

 

「おーす!暦!」

 

「どーも...魔理沙お久しぶり」

 

とんできた人物は白黒の魔法使いこと霧雨魔理沙...彼女は私の前に着陸して間欠泉を眺める...

 

「なんだこれ?前までは博麗神社にはなかったはずだが?」

 

「温泉が噴き出しているのよね...霊夢に見張っててって言われてどうしたらいいか...」

 

「温泉!!おお!!これはすごいぜ!!」

 

魔理沙は完全に間欠泉に夢中になっているようだ...

 

しかし前触れもなしに間欠泉が神社に出るとなると...嫌な予感がする...

 

しかも...

 

「...」

 

「ごぼぼぼ」

 

何か間欠泉から茶色の霊的なものが出ている...明らかにあれって霊魂って奴だよね?

 

間欠泉と...霊魂...もう嫌な予感が...

 

「おい...暦?なんか霊的な物が間欠泉から出てるけど?」

 

「私シラナイ...何も見てないもん...帰るか...魔理沙!ここは任せたよ!!」

 

「おい!!待て!!何で急に!!って...」

 

魔理沙は私の後ろを驚くような顔で見つめる...私の後ろに何かいるのだろうか?

 

私は恐る恐る後ろを向く...

 

 

 

 

 

 

 

「待たせたわね!」

 

「...きゅー」

 

私の背後にはいつの間にか戻ってきた霊夢と脇に抱えられたにとりの姿があった...にとりの奴無理やり連れてこられたのかな?

 

「...あははは...お帰り」

 

「あら?来てたのね魔理沙?」

 

霊夢はにとりを置いて魔理沙の方へと移動し魔理沙の方は間欠泉を指さす...

 

「霊夢...なんだこれ?」

 

「朝来たらあったのよ...どう?これで博麗温泉が開業できるわよ!」

 

「...いや...開業の前にこれがお湯と一緒に出てきているんだが...」

 

魔理沙は間欠泉から出てくる霊魂を箒で突き霊夢は顔を曇らせる...

 

 

「げ!!何でこんなのが!!」

 

「やはり...異変だと思うのよね...認めたくないけど」

 

私の言葉に霊夢は難色を示すが霊魂の様子を観察している...

 

 

「大人しそうだし...大丈夫だとは思うけど...はぁ...とりあえず...紫ー!!」

 

彼女は何もない虚空に向かって叫ぶ...

 

しばらくすると虚空の空間が割れて中から紫が眠そうな目をしながら顔を出す...

 

「はいはい...ゆかりんよ~...冬眠中だから要件はお早めに~」

 

紫は横着して隙間から首を出してうっつらとしている...そういえば冬眠中だったよね...これは悪いことをしたかな?

 

だが霊夢は間欠泉の霊を紫に突き出す。

 

 

 

「神社に急に間欠泉が出来たのよ...それと一緒にこれが!」

 

「...あら?」

 

紫は少し興味があり気に霊魂を見つめる...

 

「...少しこれは不味いかもね...専門家の意見を聞きましょうかね?」

 

「むきゅあ!!!!」

 

紫が新たにスキマを開くとぼたっと誰かが地面に落ちる...

 

紫色の髪に同色のローブ...見覚えはあるね...紅魔館の魔法使いパチュリーだ...

 

彼女は事態を呑み込めないまま頭を押さえながら涙目で辺りを見回す。

 

「痛いわね!!急に何なの!?何で私が神社にいるのよ!」

 

「はいはーい!ちょっと貴女にお願いがあるのよー!」

 

紫は宥めるようにパチュリーに接近し、霊魂を見せる...

 

 

「...霊魂?いや?地霊ね?」

 

「少し貴女の意見を聞きたいのよ...これが出てくる重要性というものをね...」

 

パチュリーは少し面倒そうな顔をする...

 

「...貴女の頭なら私の意見を聞かなくてもわかるんじゃなくて?」

 

「いいから!」

 

「...危険というべきかしら?確か幻想郷の地下って地底よね?」

 

「やっぱりそうよね...」

 

「地底って何だぜ?」

 

魔理沙はパチュリーに聞くが紫が代わりに口を開く...

 

 

 

「地底...それは昔は地獄と呼ばれた場所だったところよ...今では忌み嫌われた能力を持つ者達が暮らす地底都市となっているわね...」

 

「幻想郷にそんなのがあったのね...」

 

霊夢は興味なさそうにつぶやき紫は溜息をつく...

 

「...本来貴女は知っておくべきなんだけど...地上と地底は不可侵を決めているからね...教えても教えなくても同じよね...」

 

「そんな場所があったのか?しかし何が問題なんだ?危険って?」

 

「...地上と地底は不可侵を決めているのよ...それが破られて地底の怨霊が来ているとなるとそれは少々問題なのよね...完全に地底の何者かが地上に進行しているということになるわ」

 

「...異変ということでいいのかしら?」

 

霊夢の言葉に紫は頷く...

 

...やはり異変になるのか...でも地底の事は私達大神は関係ないよね?

 

私はそっとその場から去ろうとすると霊夢に着物の袖を掴まれる...

 

「...もちろんアンタも来るのよ?」

 

「...あははは...やっぱり?」

 

逃げ場はなしか...地底とか未知の世界だから私の力が通用するかどうか分からないというのに...

 

落胆する私を尻目に魔理沙の方はやる気満々のようだ...

 

 

「よし!久しぶりに異変だぜ!!さっそく行ってきて異変を起こした奴を...」

 

「待った!!地底に行くならちゃんと準備した方がいいわ...」

 

紫が魔理沙を止める...

 

「準備?」

 

「地底はさっきも言ったけど忌み嫌われた能力を持つ者の楽園よ...地上の妖怪と比べてレベルは遥かに高いわ...第三者のサポートがあったほうがいいわね...」

 

「サポートね...じゃあ!紫手を貸しなさいよ...」

 

霊夢は紫にズバっと言い紫はやれやれといったような顔で霊夢に陰陽玉を手渡す...

 

「通信機付きの陰陽玉よ...これで地底に入っても私がサポートできるわ」

 

「...頼んだわよ」

 

「じゃあ私はパチュリー!!お前に決めたぜ!」

 

「...何で?」

 

明らかにパチュリーは面倒くさそうな顔をするが...魔理沙の眩しい笑顔に負けたのか懐から小さな本を手渡す。

 

「...これを身につけておけば私の魔法でサポートできるわ...ちなみに貸すだけだから」

 

「死ぬまで借りるだけだぜ?」

 

「地底から出たら返すのよ!!!」

 

何やかんやで魔理沙の方もサポート完了か...

 

2人は間欠泉の穴の方に立つ...

 

 

 

「じゃあ!軽く行ってくるわ!」

 

「向こうでお土産あったら買ってくるぜ!」

 

そういうと二人は穴の中へ飛び込む...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side紫

 

霊夢と魔理沙が地底に行ったのを見送り私は陰陽玉型通信機に集中する...

 

幾ら霊夢が強くても地底の妖怪の力は強力なものが多いと聞く...私のサポートがカギを握るわね...

 

「ねぇ...」

 

横にいたパチュリーが私に尋ねる...

 

「...何かしら?」

 

「...暦がまだいるんだけど?」

 

「...あ」

 

穴の方を見ると暦がその穴を観察している姿が目に映る!!

 

「暦!貴女行かないの!?」

 

「...いや?だって...私は何もサポート受けないし...どうすればいいかと思って」

 

「いや!貴女ならサポート無しでもあの本気の姿を使えばいいじゃない!!紅魔館組を全滅した時にみたいに!」

 

パチュリーが言うが暦は首を横に振る。

 

 

「流石にもあの姿は余り使うことはできないよ...非常に燃費悪いし...疲れるし...前半はうまくいくかもしれないけど後半がきつくなるよ...」

 

「後が怖いわよ...霊夢は来いと行ったんだから」

 

私が脅すように言うと暦は溜息をつく...

 

「...そうだよね~...はぁ...私もお昼切り上げてきたというのに...」

 

しぶしぶと暦は通信機を取り出して誰かに連絡をする...

 

「...あ!ごめん!少し問題が起きてさ?博麗神社に皆まとめて来てくれない?...はい!宜しくー!」

 

そう言って暦は通信機の電源を切る...

 

 

「貴女の娘に連絡かしら?」

 

「...そうだよ...私に協力なんて家族くらいだからね」

 

暦は体から鎖を放って自身に打ち込む...

 

そして彼女のお尻から4本の巨大な金色の尾が出て彼女の体を包む...

 

「...わざわざその姿?竹林の医者から聞いたけどその姿は子供の時より力が劣るって言ってたわよ?」

 

「...いいんだよ...その分身軽になったんだからさ...あ...来た来た」

 

暦が上空に向かって手を振る...その方向には彼女の娘達全員がこちらへと来て境内に着陸する...

 

 

 

「どうした?問題とは?」

 

長女である華楠が暦に尋ねる...

 

「わざわざありがとね!今からさ~地底に行くことになったから貴女たちにバックアップをお願いしようと思って呼んだのよね」

 

「地底ね...しかし?バックアップ?どうやってする?」

 

「ん?大丈夫そのことはすでに決めているからさ...」

 

煌炉が首を傾げるが暦は笑みだけを浮かべて尾から大量の鎖を放出する...

 

「ちょっと...母さん?その鎖でどうするのよ?」

 

「何か嫌な予感がするッス」

 

「...お...お母様」

 

彼女の娘達は青い顔して後ろに後ずさるが暦はじりじりと距離を詰める...

 

「大丈夫!痛くないから!!オトナシク!私についてきて!!」

 

暦は鎖を発射し娘達全員を捕縛する...

 

「待った!!ゲノムチェーンに触れてたら私達バックアップできない!!」

 

煌炉が叫ぶが暦はうんうんと頷くだけ...

 

「分かってる分かってる...ちょっとコンパクトにするだけよ」

 

「それってどういうっ!!」

 

華楠が尋ねる前に彼女達の姿が光りだす!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...う」

 

私が目を開けるとそこにはとんでもない光景が広がっていた...

 

 

「良し!成功だね!...これで何とかなるかも」

 

「「「「「きゅーん!!!!???」」」」」

 

そこには鎖を尾にしまう暦と彼女の周りにいる子狐たち...

 

緑・黄色・赤・白・黒...

 

色から見てその子狐達の正体が分かった気がする...

 

 

「こ...暦...その狐達ってもしかして?」

 

「ん?娘達...」

 

暦はそう言って尾に子狐達を入れていく...

 

やはりあの狐達は華楠達だったのね...まぁ...元々狐だったみたいだし驚きはしないけど...ここまで小さくなるものなのかしら?

 

暦に近づいて赤い子狐を見る...色からして煌炉かしら?彼女は尾から顔だけ出して軽くクシャミをすると尾の中へ引っ込む...

 

純度100%狐の姿の煌炉というのもこうして見ると可愛いものね...完全態の姿は怖くてどうしようもないけど...今藍がここにいたらどうなっていたことか...

 

暦は狐達を回収し穴の淵に立つ...

 

 

 

「じゃあ!行ってくるわ...」

 

そう言って彼女も地底の世界へと向かう...

 

しかし...あの子狐達にバックアップができるのかしら?暦には何か考えがあるみたいだけど?

 

「...とりあえず私は私の仕事をしましょうかね」

 

私は再度陰陽玉に意識を集中させる。

 

 

 

 

 




次回地底へ

ではこれにて
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