間欠泉異変の首謀者霊烏路空を見事撃退した...大神暦と博麗霊夢の一行...
彼女達は動けなくなった空を無効化させるために縄で簀巻きにしていく...
これでこの異変も博麗の巫女一行により無事に終了した...
side霊夢
「ふぅ...これで大丈夫ね」
私の目の前には縄で簀巻きにしてある空の姿...
確かに強い力を持つみたいだけど...流石にも神である暦には手も足も出なかったみたいね...
私は念のために簀巻きにしてある彼女に札を次々と貼っていく...
「...うにゅ!」
「!!」
札を張っている最中彼女が目を覚ますがもう遅い...
「うにゅー!!!」
彼女は力を開放しようと力を出すが...先ほどには遠い弱い力が虚空をよぎる...
博麗の巫女特製の札が雁字搦めだもの...
幾ら強い力を持とうがどうにもならないわ!!
「うにゅ...私の力が...」
「諦めなさい!貴女の負けよ!」
空の顔が青くなる...
「わ...私は!!負けてないもん!!そこのイカサマの神様の汚い手に嵌っただけだもん!!」
空は暦を見るが暦の方は疲労困憊なのか座り込んでいる...完全体の方は疲れるとか前に言っていたものね...
「霊夢...帰っていい?」
「後はこっちで何とかするわ...」
「じゃあ...お願いするよ...皆帰るよー」
暦は娘達を引き連れてその場を後にする...
さて...暦にも頑張ってもらったし...残りは私の仕事よ...
私は札を持って空に近づく...空は冷や汗をかきながら首を傾げる...
「ね...ねぇ...な...何?私戦えないのに...何でお札構えているの?」
「これから暦に変わって私の仕事よ...今回の異変は未遂だけど...今後このようなことがないように...体で覚えさせないとね!!」
「い...嫌だー!!!助けてさとり様ー!!!」
折檻と同時に旧地獄内に空の慟哭が響く...
一方そのころ...地上の大神神社の敷地内に帰還した大神一行は神社へと歩を進める...
「...寝よう」
暦は着崩した着物を整え橋を進んでいくが尾から飛び出した子狐化した娘達が暦の前に立ちふさがる...
(寝る前に!)
(アタシ達を!)
(元の姿に!)
(戻すッス!!)
(お母様!!)
小さい体だが毛を逆出せている娘達の姿に畏怖したのか暦は後退しながら体から鎖を出す...
「わ...分かっているって...忘れてないよ?ほら!一列になって...」
(最初にアタシ!!一刻も早くお風呂に入りたいの!!)
黄色の子狐こと境奈が我先と乗り出す...
そして境奈の後ろに次々と娘達が並んでいく...
「OK...なら順番に...」
ビュオー!!!
「むっ!?」
突如一陣の風が吹いてその場にいた全員が怯み目を閉じる...
暦は目を擦りながら境奈の方を向く
「...目にゴミが入った...境奈ごめん...すぐに始める...」
だが暦に目に映るものは...先ほどまでいた境奈ではなく...境奈のいない虚空が目に映る...
後ろにいた娘達もその光景に驚いている...
(境奈姉がいなくなったッス!!)
(...何か用事でもあったのか?)
「...いや...幾ら何でも急でしょ?」
暦は首を傾げながら地面に落ちている黒い羽根を摘まむ...
そして何となく察しがついたのか青い空を見つめる...
「...流石幻想郷最速...速さも情報もか...」
一行そのころの境奈さん...
(ああああああ!!!)
「むふふ!!可愛いですよ!境奈!!」
幻想郷の空にて天狗の射命丸文に拉致られていた...
(何で文がー!!)
「可愛い姿ですねぇ...少しだけモフモフしてあげますよ!大丈夫です!エロいことはしませんから!」
(信用できるかー!!!!)
境奈の叫びも空しく彼女は幻想郷の空へ散る...
「まぁ...いつも通りだよね...」
(あいつが拉致られるのも...いつも通りだな...)
「次の方ーどうぞ」
暦は気にせず次の娘を受け入れる...
次の子は赤い狐である煌炉だ...
(...できるだけ早く...何か嫌な予感が...)
「いやいや...たまたまだって!!さて!次いくよ!」
暦は鎖を煌炉へ発射するが...
「まだ駄目よ!暦!!」
とある襲撃者の光弾に弾かれて妨害される...
(あ...あれ?)
「何の用?」
暦が何もない空間に向けて言い放つと空間が開いて中から慌てた様子の紫が出てくる...
「まだ!煌炉を戻しちゃダメよ!」
(おい紫!邪魔するな!!私は早く人間の姿に!)
「駄目なのよ!」
(...あれ?)
子狐の言葉で異議を申し立てる煌炉ではあるが紫には言葉が通じずにスルーされる...暦は彼女に首を傾げる...
「今度は何?異変はちゃんと終わったじゃない!」
「ええ!異変の完了おめでとう!!でも新たな問題が起きたのよ!」
「問題?」
怪訝そうな顔をする暦...
「子狐の煌炉が!藍にばれちゃったのよ!!」
紫の言葉に深く溜息をつく...
「何か問題が?」
「問題大有りよ!藍の奴が!(何でそんな大事な事を私に教えてくれなかったんですか!!)って...怒っちゃって...ヘソを曲げちゃって...」
「...何となく想像はついてたけど...それは私が決めることではなく煌炉が...」
暦は煌炉の方へ目を向けるが小さい足でその場から逃走を図る煌炉の姿が目に映る...
(ほとぼりが冷めるまで私は身を消す!!この状態やばいー!!)
「本人は嫌だって...」
「藍!煌炉が逃げるわ!!捕まえて!!」
紫は煌炉の逃走経路にスキマを開く...
そのスキマからは...もちろん藍が出てくる!
(な...何ー!?)
「うふふ...やはりお前は愛い奴だな煌炉...私はお前がどんな姿になっても愛せるぞ!」
煌炉は方向転換して逃げるがその方向には紫が...
「駄目よ!貴女を逃がしたら...藍の特別コース食べそこなっちゃうもの...」
前門の紫...後門の藍...もう逃げられない...
(食に釣られてるんじゃねぇよ!!!)
煌炉の遠吠えが辺りに響き...あっという間に藍に捕まえられる...
(待って!せめて人間の姿に!!)
「ん?何言っているか分からんな♪」
(嘘だ!通じてるもん!同じ狐でしょー!)
そして煌炉は紫達に連行されスキマの中へと消える...
「...嵐みたいだね」
(は...早く!!次は私だ!!幾ら何でもこの姿で半殺しされたら!ひとたまりもない!!)
次に出てくるのは緑色の狐である華楠...本人は何を恐れているのか暦の足下を前足でぽかぽかと殴る...
「次は華楠だけど...何か...やばいことやったの?」
(身に覚えはないが!このままでは絶対に私は拉致られる!!幽香か?それとも静葉・穣子か?)
...もはや恐怖で疑心暗鬼になっている華楠...不死身である彼女とはいえ、この姿はあまりにも弱々しかった...
「お邪魔しまーす♪」
(ひぎぃ!!!)
突如の来訪者に彼女は腰を抜かして橋の隅っこへと避難する...暦はその来訪者の方を向く...
「あら?早苗じゃない?」
暦の目に映るのは守矢神社の巫女である東風谷早苗...
彼女は満面の笑みを浮かべて暦に抱き着く...
「こんにちはー!暦様!今日は華楠さんはいないのですか?」
「華楠ならあそこで腰を抜かしているわ...」
暦は華楠を指さし早苗はその光景を見て驚きの表情を見せる...
「え?これが華楠さんですか...何か...小さいですけど...」
(早苗ー!見るな!この貧弱な私を見るなー!!)
華楠は苦痛の叫び声を上げるがもちろん早苗には狐語は理解できない...逆に早苗はどんどん華楠に近づいていく...
「か...華楠さん!おいで~!」
早苗はお祓い棒を丸で猫じゃらしの方にして華楠へとフリフリさせる...
(...)
「華楠さんー!怖くありませんよー!」
(...)
華楠は前足でそのお祓い棒にじゃれる姿を見せる...
「ほら!華楠さん!ゲット!」
早苗は華楠を抱きしめ華楠は早苗の胸に顔を埋める...
(え...えへ...えへへへ...)
彼女も満更ではなく尾をブンブンと振っている...
「華楠~!元の姿戻すの?」
(...)ブンブン!
暦は彼女に尋ねるが華楠は首を横に振る...
それに気づかない早苗は暦の方を向く...
「暦様!少し華楠さんを借りますね!!」
そのまま早苗は華楠を抱いて空へと飛んでいく...暦はそれを微笑むことしかできなかった...
「...本人が満足してればいいか...次ー銖理ー!」
「え?」
「...ん?」
暦の目の前には白と赤のドレスに身を包んだ女性こと...今泉影狼がいた...(獣耳・尾なし)
彼女の腕の中にはすでに銖理が収まっている...
「...あのどちら様?」
「え?ええっと...」
影狼は顔を真っ赤にして目を泳がす...
なお暦と影狼は面識がない...影狼の方も暦が大神家の誰なのか把握していない...
(影狼!何でここに!)
「ええっと...銖理が小さくなったと聞いて...見てみたいなと思って...」
銖理の言葉に反応する彼女...狐と狼...種族は違えど言葉はある程度分かるようだ...
暦は彼女の返答に疑惑の目を向ける
「...一応分かったけど...何で今の銖理の言葉が分かるのかな...私銖理の母親何だけどさ?貴女銖理とはどういう関係?」
暦の言葉に影狼は緊張した顔で言葉を考えている...
「銖理のお母様!!?...ええと...その...こいび...友達です!!ごめんなさい!済んだら返します!!」
「え?ちょっと!」
影狼は銖理を抱えたままその場から逃げるように去っていく...
そんな彼女達の後ろ姿を見ながら暦は頭を掻く...
「でもあの人...既視感があるな...どこで見たっけ?最後...潤香ー終わらすよ...」
暦は辺りを見回すが潤香の姿は無し...何となく暦も察しがついていた...
「...潤香のお友達かな?しかしすごいね...私の気が逸れているうちに潤香を持っていくとは...へくし!!!」
暦は辺りに匂いを嗅いでくしゃみをする...
「香水の匂い...女の子だね...私とは違って大人のお姉さんみたいな感じの香りだね...へくし!!!」
暦はハンカチで鼻を拭いた後屋敷へと歩を進める...
「シャワー浴びて寝よ...」
潤香のことを気にせず暦は屋敷へと入る...
一方その頃神霊廟の一室...
そこには色々と神出鬼没な仙人こと霍青娥がいた...
彼女は片手で潤香の首を掴んでぶらぶらさせている
「うふふ...潤香?可愛らしい姿じゃない?貴女の新たな一面を見れて娘々嬉しいわ!」
(私は怒る一歩手前ですがね...)
「ツレナイわね...せっかくブラッシングしようと思っていたのに!」
青娥は潤香を自慢の胸に挟み込みながらブラシを持ち頬を膨らませる...
(青娥!!私は愛玩動物ではないですよ!!)
「今の貴女は可愛らしい狐♪ほら!綺麗にしてあげますよ!」
青娥は潤香の毛にブラシを入れる...
(ひゃう!!!!)
...あまり獣の姿に慣れていない潤香にとってはきついことだが
「うふふ...可愛い声だしちゃって...このままだと私...食べたくなっちゃうわ!」
(やめてください!!!私にはそんな趣味はないわ!)
「ええ?でも貴女のお姉さん達は...色々と経験しているじゃない!大丈夫よ!エキノコックスを消す手段はあるわ!」
(私にはそんなものない!!)
もはや青娥に遊ばれている潤香...
あまりにも騒いでいたため...部屋の障子が荒々しく開けられる
「おい!!うるせえよ!!!昼寝ができないじゃないか!!!」
「あら?失礼しましたわ...屠自古さん」
青娥の視線の先には同じく神霊廟の住民である蘇我屠自古...
彼女はイライラしたような顔をしながら青娥の胸に挟みこまれている潤香に気づく...
「ん?それって?」
「潤香にですよ♪こうやって綺麗にしているところですわ」
「...本当に狐なんだな」
屠自古は潤香をまじまじと見る...
(た...助けてください!屠自古!!このままでは青娥のおもちゃに!)
潤香は助けを求めるがもちろん屠自古には伝わることはない...
それどころか...
「面白そうだな!アタシも混ぜろよ!」
(はぁ!?)
潤香を絶望に落とす屠自古の言葉...
「ではやりましょうか!」
「おう!」
屠自古はブラシを手に取り潤香の尾にブラシを入れる...
(あううううう!!!!)
「お?これは面白いな!」
「でしょ?さて...これから沢山楽しまないとね♪」
(いや...嫌ぁ...お慈悲を!!お慈悲を潤香に!!神よー!!!○○様ー!!○○様ー!!!)
潤香の悲痛の叫びが神霊廟に響く...
一方そのころの大神家...
シャワーを終えた暦は寝間着の着物に着替えて布団の中へと入る...
「...今日はもう寝よう...何もする気も起きないよ...」
彼女はそのまま目を閉じ寝息を立てる...
神社に侵入者がいることも知らずに...
「...あれ~?神社ってここだよね?...迷っちゃった...」
侵入者は暦の部屋に入り寝息を立てている彼女に気づく...
「...綺麗な狐さん?ふふ!良い匂いがする!」
彼女は暦の布団に入り何故か一緒に昼寝を開始する...
次回日常編!
ではこれにて