間欠泉異変の黒幕である霊烏路空を倒し、異変は無事収束を迎え博麗神社の間欠泉も無事に止まる...
間欠泉がお金になりそうだと思っていた霊夢は少し残念そうだったが、地霊殿の主である古明地さとりからの迷惑料を多額受け取ったため...時期にそれも忘れるだろう...
これにてこの異変も無事に完結したといっていいだろう...
そして...異変から2日後...幻想郷の端にある神社では異変に巻き込まれた大神家の朝食の時間がいつも通り行われる...
家族全員が揃った爽やかな朝食が始まる...はずだった...
「ふぁぁ...ねむ...」
「~♪~♪」
「...うう」
「zzz...」
「~♪」
「...」
家族の半数が死にそうな顔をしており食卓は重苦しい空気が流れていた...
side暦
「...ふぁぁ」
私の目の前には朝から疲弊している娘達が半数いた...いつもの朝食かと思いきや...重い空気が流れているね...
「♪~♪~」
「♪~」
華楠と銖理は機嫌が良さそうに朝食をとっている...この子達は問題ないね...
「ぐ...ぐぐぐ!!」
境奈の方は普段の彼女では考えられない程のボサボサの髪になっていた...
彼女は自慢のサイドテールに櫛を入れるが...全く通っていない...
「どうしたの?境奈?」
「うぐぐ!!文の奴が変な風に触るから髪が元に戻らないのよ!!」
境奈は力任せに櫛を入れるが櫛が折れて障子を突き破る...
「ああ!!もう!!!」
「災難だね...」
怒り狂う境奈を後にし私は煌炉の方を向く
「zzz」
煌炉はまだ夢の中のようだ...さっきから全く食事に手をつけていない...
「...煌炉?部屋で寝たら?」
「...ん?...いや...お腹減ったし」
煌炉は箸で豆腐を掴むが力が入り過ぎたのか豆腐が崩れ落ちる...
「寝てないの?」
「ん...ずっと藍と一緒だったからね...夜中も抱き着かれたまま眠ることができなかったよ...」
煌炉は欠伸をする...
この後眠らした方がいいね...
私は潤香の方を向く...
「...」
潤香は無言のままコーヒーを啜っている...
だけど...深い目の下のクマにどこかピリピリした雰囲気を出している...
「どうしたの?機嫌が悪そうだけど?」
「...何でもありません」
「え?でも...」
「何でもありません」
...あまり聞かない方がいいかもね
せっかく私が朝食を作ったというのに...これでは台無しね...
私は目の前の目玉焼きに箸を入れる...
「おっと!お塩は~」
塩を求めて机の上を探すが見当たらない...
切らしちゃったかな?私は目玉焼きはお塩と決めているのに...
「はい♪お姉さん!お塩はこれだよ!」
「あ...ありがとー」
塩のビンを渡されて私は目玉焼きに塩を振りかける...
「あ!お姉さん!お醤油ある?」
「醤油はここッス!」
銖理が醤油ビンを渡す...
「ありがとー!」
全く家族水入らずの朝食だというのに他の子も早く機嫌を直してもらいたいわ...
「なぁ?母さん」
華楠に呼ばれて彼女の方を向く
「...何?」
華楠は不思議そうに首を傾げる...
「...その子は誰だ?お客さんか?」
「誰って?家族以外いる?」
「いや...いるじゃないか」
華楠は私の隣を指さす...
「うん!おいしい!」
私の隣にはご飯に納豆をかけて食べている少女がいた...
黒い帽子に薄緑色の短い髪...オレンジ色の服に緑色のスカートを身に着けている...
胸には青いコードがついた何かがある...どこかで見たような?
私は少女の方を向く
「えっと...どちら様?」
「ん~?あ...やっと私に気づいたんだね♪えへへ...流石のお姉さんでも半日はかかったね」
...半日...この子の言うことが本当ならば...私も随分と腑抜けていたのかしら?
少女は私達を見回した後ペコリと頭を下げる
「皆さん!初めまして!地底からやってきましたー!古明地こいしですー!」
地底...古明地...ああ...あのさとり妖怪の関係者かしらね?
「古明地ということは...地霊殿の主の関係者?」
「それは私のお姉ちゃんだよー!今日は...大神家のお姉さん方を地霊殿に招待しに来ました!」
こいしは手紙を私に渡す...
(拝啓大神家の当主様...先日はうちのペットがご迷惑をお掛けしました...皆さま方にお礼がしたいのでどうか地霊殿までお越しくださいませ...古明地さとり)
っと...書かれている...
他の娘達にも見せると境奈が鼻を鳴らす
「...ふん...こんな爆発ヘアーでは行けないっての...」
「お姉ちゃんはそこの所は気にしないよー!だから~!お姉さん達が来てくれないとー」
こいしは笑顔で境奈のフォローに入るが...何か焦っている気がする...
地霊殿にご招待か...地霊の不可侵条約は何処へ行ったのやら?
「...まぁ...いいか...皆は今日は用事は?」
「...今日はやることがないな」
「...この爆発ヘアーを何とかしないと外に出られないわ」
「...特に無しだね」
「ライブは明日ッス!」
「...しばらくは知っている人には誰にも会いたくありません」
とりあえず皆暇の様だ...それなら丁度いいか...
「じゃあ...お邪魔しようかな?」
「なら決まりだね!」
こいしは満面の笑みを浮かべる...
地霊殿ね...この子がいればすんなりと行けるでしょう...
今日は地底の世界を楽しみましょうか...
sideこいし
「あははー!お姉ちゃんも喜ぶよー」
「話は分かったよ...とりあえず片づけしてからでいいかな?」
「うん!待ってる!」
お姉さん達は食器を片づけに台所へ向かう...
「あはは...はぁ...」
...私の僅かな良心に罪悪感が溜まる
こんないい人達をこれから地霊殿に連れて行くのか...
まだ普通のお礼の仕方なら私も心の底から案内できたと思う...でも...昨日のアレは...
10時間前...地霊殿...
「もふもふ♪もふりん!狐のお姉さん~」
いつも通り地霊殿の廊下をスキップする私...
いつも通り気ままにお姉ちゃんの部屋へ向かう...
「お姉ちゃん!」がちゃ!
扉を開けなければ良かったかも...それは間違いだったのかもしれない...
「♪~♪~」
「お姉ちゃん?」
部屋の真ん中ではお姉ちゃんが巨大なブラシを持ってスイングしていた...
お姉ちゃん...どうしたんだろ?普段は本を読んで静かにしているのに...
扉を少し閉めて観察していると何やらぶつぶつ聞こえてくる...
「古明地さとりには夢がある!それは伝説の妖獣である妖狐をブラッシングしてみたいという大きな夢!!大神家の皆さま方を...ふふふ...くくく!!あははは!!!」
何やら...一人で高笑いしている...
「駄目だ...このお姉ちゃん...早く何とかしないと...」
お姉ちゃん疲れているのかな?今日は...お部屋でオトナシクしていた方がいいかも...
その場を離れようとすると誰かをぶつかる!
「いた!!」
「ああ!申し訳ないです!こいし様!!」
私の目の前にはペットの一人...お燐とぶつかる...
最悪のタイミングだ...
その物音でお姉ちゃんがこちらを向く!
「あら?こいしにお燐...ちょうどいいところに来たわ...こっちに来なさい」
「...うん」
私はお燐と一緒に部屋の中に入りお姉ちゃんからとある任命を受けるのであった...
「う~ん!」
本当にこれでいいのだろうか?
明らかに大神のお姉さん達が悲惨な目に合う未来しか見えないんだけど...お姉ちゃんと頼みだし...どうしよう?
悩んでいると私の肩に手が置かれる
「こいし...一応こっちの準備は終わったよ?」
「あ!うん!」
大神のお姉さん達が集まってくる...
考えても仕方がない...私は私の仕事をしないと
とりあえずこれでOK...残りは地霊殿に連れていくだけか...
(...ごめんね!お姉さん!)
私は悪くないもん...只言われたことをやるだけだもの...
私は悪くない...うん!悪くない!!
自分に言い聞かしながら心を無にして私はお姉さん達を地底に連れて行くのであった...
こいしちゃんの登場です
ではこれにて