東方五行大神伝   作:ベネト

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会話編


平和な日常

○月×日...

 

博麗神社の境内では、神社の巫女である博麗霊夢と友人である霧雨魔理沙がいた...

 

いつも通りの日常風景ではあるが、本日は何かが違う...

 

縁側で座っている魔理沙は顔を蒼白にし項垂れており、それを見つめている霊夢は、そんな魔理沙を見て困惑の表情を浮かべている...

 

 

 

 

 

 

 

 

side霊夢

 

「...はぁ~」

 

私の横に座っている魔理沙は深い溜息をつく...これで18回目かしら?

 

...思えば、この前の異変の後から、ずっとこんな感じだったわね?

 

「どうしたのよ?魔理沙...悩み事?」

 

「...黒歴史というのは...消せないものだぜ...忘れた頃になって現れる...」

 

「黒歴史?」

 

彼女が何を言っているか分からないわ...でもここまで沈んでいる姿は初めて見るし、私としても何か慰めの言葉をかけるべきかしら?

 

 

「落ち込んでも仕方ないわ...やってしまった以上消せないものよ」

 

「かはっ!?」

 

魔理沙は胸を押さえて崩れ落ちる...

 

あら?とどめを刺してしまったかしら?

 

 

「魔理沙...魔理沙ー」

 

「...」

 

お祓い棒で突っついても反応は無し...完全に虫の息だわ...

 

困ったわ...魔理沙がこれでは境内の掃除ができなくなるじゃない...

 

 

 

 

 

 

「やっほ~!」

 

「...あら?」

 

石段の方を見ると、そこには子供の姿の大神暦がこちらへとやってくる...

 

彼女は私達の前へ来て、崩れ落ちている魔理沙を見つめる...

 

「...魔理沙はどうしたの?」

 

「...異変後からこんな感じなのよ」

 

「異変後...ねぇ...」

 

暦は何か思いついたかのように手をポンと叩く...

 

 

 

「ああ!そういえばさとりとの戦闘で黒歴史がどうとか言ってたね!!良く分からなかったけど...うふ」

 

かち...

 

突如金属音が鳴り、魔理沙が暦の額に八卦炉を突き付けている...

 

 

 

「それ以上言ったら...マスパ撃つぞ...」

 

「え?何で...」

 

暦は青い顔をするが魔理沙は八卦炉を突き付けたままだ...

 

「お前をぴちゅって....私もピチュンする...だから...言うな...」

 

「...」

 

魔理沙の迫力に暦は口を閉ざし、私は魔理沙の腕を掴んで暦から引き離す...

 

「止しなさい!幾らなんでも物騒よ!」

 

「...うう...だって...」

 

魔理沙は力なく縁側に腰を下ろす...危機は脱したみたいね...

 

暦の方は冷や汗をかきながら無理に笑みを浮かべている...

 

 

「あはは...少しびっくり...」

 

「アンタも考えなしに話すんじゃないわよ」

 

 

 

 

 

 

 

15分後...

 

しばらく暦と談笑していると項垂れていた魔理沙も頭を上げる...

 

「...ふぅ...少しは落ち着いたぜ...」

 

魔理沙も何とか心が落ち着いたのか普段通りになる...さっきとは別人ね...

 

「戻ってきたみたいね...」

 

「ああ...私も強くならねえと...」

 

「魔理沙が戻って私も良かったよ~♪」

 

暦は魔理沙の前で笑みを浮かべ首を傾け、魔理沙はそんな彼女を見て頭を撫でる...

 

 

 

「相変わらず安定しないな...お前の方は...」

 

「え?」

 

「姿だよ...今日は子供の姿か?」

 

暦は自分の姿を確認する...

 

 

「この方が楽なのよ...大人の姿の方が見目は良いけどね~」

 

暦の姿は確かに色々とある...

 

子供の姿・大人の姿・五行モード・天狐の姿の4種類...

 

 

子供の姿は、空狐の姿だけど省エネモードらしい...弱そうに見えるけど舐めてかかるとトンデモナイことになるわ...

 

大人の姿は、子供の時の強化版かしら?子供の時以上に強運を持っている...何が起こるか分からないわ...

 

五行モードは、暦の本気の姿...自身が持つ力を思う存分に使うパワー型...実力は測定不可能らしいわ...

 

天狐の姿は、他の姿と比べて霊力は弱々しいけど、体術に特化した姿...

 

 

「アンタが厄介なのは変わりないわ...」

 

「ふふ...それは言えてるね...」

 

暦は口に紅を塗り笑みを漏らす...

 

本当に彼女の実力は未知数ね...相手するのには骨が折れるわ...

 

 

 

 

 

 

 

 

「暦様ー!!!」

 

「...ん?」

 

急に声が聞こえ、その方向を見ると、とある緑髪が目に入る...

 

守矢神社の巫女...東風谷早苗だ...

 

「...早苗じゃない」

 

「こっちに来るぜ?」

 

早苗は境内に着地し暦の方へ詰め寄る...あまりにも近いわ...

 

「暦様!!」

 

「な...何?」

 

早苗は暦に密着し再度口を開く...

 

 

 

「大神神社に入れません!!どうしてですか!!入ろうとすると電撃が発射されるんですが!!?」

 

早苗の言葉に私と魔理沙は口を半開きにする...

 

大神神社に入れない?何かあったのかしら?って...電撃って...本当に何よ?

 

暦は少し迷ったような顔をした後口を開く...

 

 

 

 

「...現在大神神社は厳重なセキュリティなのよね?...しばらくは解かないかも...下手に近づくと黒焦げになっちゃうよ?」

 

その言葉を聞いた早苗は暦に更に詰め寄る

 

「何でです!!華楠さんに会えないじゃないですか!!」

 

...ああ...そういえば早苗は華楠の奴に懐いていたわね...

 

彼女に会おうとして神社に行ったら門前払いされたから、こっちに来たというわけね...

 

暦は早苗の気迫に負けそうになるが、息を整えている...

 

 

「...ふー...現在娘達は休養中なのよ...幾ら貴女でも会わせるわけにはいかないわね...」

 

「休養中!?...な...何かあったんですか!!」

 

早苗は更に近づく...

 

もう暦とは眼前の距離まで近づいている...

 

 

暦は彼女を軽く押し口を開く...

 

 

「...少し事件があってね...大丈夫よ...すぐに元通りよ」

 

暦は目のハイライトを消す...

 

これは彼女の癖...

 

暦は本当に嫌なことを話す時は目の光を消す癖を持っている...長い付き合いだから何となく分かるわ...

 

「~!」

 

「私から言えるのはここまで...これ以上話すことはないわ」

 

「...うう」

 

早苗も暦が、これ以上話すことが無いと分かると力なく縁側に腰をつける...

 

 

 

「おい...何があった?」

 

「...言う必要はないわ...」

 

魔理沙の言葉を暦は一蹴する...

 

本当に話したくはないみたいね...仮にも幻想郷のパワーバランスの一角である大神家が休養中って...本当に何が起きたのよ?

 

 

 

「...知らぬが仏よね?」

 

私はその話を聞き流し湯呑を飲み干す...

 

とりあえず...深刻な状況ではないでしょう...いつも通り何かに巻き込まれた...そんな感じね...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃...大霊廟にて...

 

16:00大霊場にて、亡霊である蘇我屠自古が昼寝から目を覚まし霊廟内を漂っている...

 

それはいつも通りの彼女の行動であったが...ある変化に彼女は気づいて歩を止める...

 

 

 

 

side屠自古

 

「...ん?」

 

昼寝から目を覚まし、散歩をしていたアタシだが...物音に気付き歩を止める...

 

(シクシク...)

 

霊廟の奥から誰かがすすり泣く声が聞こえる...

 

...あの奥って...確かあの方の部屋!!?

 

「まさか!復活したのか!!」

 

アタシは部屋へ急ぐ!!

 

1400年の眠りからやっと目覚めたのだ!!あの方の妻として真っ先に出なくては!!

 

「復活したのですね!!太子様!!」

 

アタシは扉を開き中へ入る!!

 

 

 

 

 

 

「...へ?」

 

「ううう!!幾ら何でも酷いです!」

 

アタシの眼前にはあの方の棺の上に座ってグズついている霍青娥の姿が映る...

 

いつもは青々とした姿である彼女だが...現在は全身真っ黒な姿だ...薄っすら焦げ臭い...

 

「おい...青娥...そこから降りろ...」

 

「うう!!屠自古さん!!」

 

青娥は目に涙を溜めてアタシに抱き着く...

 

う...焦げの臭いに混じってこいつの甘い匂いが鼻につく...

 

 

「おい...どうした?イメチェンって奴か?」

 

「これのどこがイメチェンですか!!!うう!酷い目に遭いました」

 

彼女はハンカチを取り出し鼻をかむ...

 

イメチェンではないか...てっきり路線変更をしたと思ったが...

 

「どうした?...襲撃でもあったのか?」

 

青娥は顔を上げる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「潤香をブラッシングしようと思って屋敷に侵入したら雷撃にあったんです!!おかげに黒焦げです!!」

 

「...は?」

 

...つまり不法侵入して迎撃にあったってことか...完全にこいつの自業自得じゃないか!!

 

 

「完全に自業自得じゃねえか...不法侵入は犯罪だぞ?」

 

「娘々の辞書には!自業自得と不法侵入の文字はありません!!」

 

 

...都合が良い辞書だな

 

青娥はアタシの体を更にきつく抱きしめる

 

「...おい...そろそろ離れろ」

 

「...して下さい」

 

「...は?」

 

青娥は顔を上げる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私を慰めてください!!娘々の心の傷を慰めて!!」

 

彼女はアタシを押し倒す!!!

 

そして服をはだけさせる!!

 

...これは...まずい!!

 

「こら!!離せ!!アタシの体はあの方だけのものだ!!!」

 

押し返そうとするが...びくともしない!!

 

仮にも仙人か!!華奢そうに見えて!!力が!!

 

 

 

 

「大丈夫です!私がリードしてあげますから!!」

 

「やめろ!!!」

 

...只でさえここは!!あの方が眠るところだというのに!!!

 

そんなところで...こんなこと!!!

 

「おい!やめろ...今なら冗談で済ませてやる...だから考えなおせ!!!」

 

「嫌です...もう止まりませんもの!!」

 

 

「い...嫌だー!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

...30分に渡り...大霊廟内に屠自古の絶叫が響く

 

 

次第に弱々しくなっていく悲鳴だが...彼女を助けられる者は誰もいなかった...

 

 

 

 

 

 




青×屠

ではこれにて
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