○月△日...お昼前...
とある昼...大神家のメンバーの一人...大神潤香が大霊廟へ向かっていた...
時間を見つけては、そこに向かっていた彼女ではあったが、とあるアクシデントにより全く来ることが出来ず日が開いていた...
そのことに内心彼女は焦っているようだ...
下手をすれば...待ち続けていた夢が泡沫の彼方へと消えてしまうことだってあるのだから...
side潤香
「...ふぁぁ」
眠い目を擦り私は大霊廟に続く道を歩いていく...
本来なら、少し前に行くはずでしたが...地霊殿でのアクシデントにより休まざるを得ませんでした...
「もうしばらくは、ブラシを見たくありません...」
大神神社でも、ブラシの類は段ボールに暫くしまっておくことにしました...
境奈お姉様・銖理お姉様もブラシを使わずに髪の手入れをしているくらいです...
「本当に恐ろしい器具ですね...」
...私の事はこれくらいにしときましょう
問題は、あの方の封印について...そろそろ頃合いらしいですが、如何せん青娥に任せているので彼女のお仕事が終わらない事には如何にもならない...
私のお仕事は...その復活の邪魔をする侵入者から守ることなのですからね...
「...見えてきましたか」
洞窟を抜け...私は更に下へと降りていく...
そして見えてくるのは大霊廟...
ここにあの方達がいます...
「...さて少し顔を見せたら早く帰って」
「いやあああああ!!!」
「...!?」
何やら大霊廟から叫び声が?
「まさか!何かが!!!」
私は大霊廟へ走る!!戸を開けて私の目に映りこむものは...
「...」
「にゃーん!!!誰か!私を助けてー!!!」
部屋の中央には大きな十字架が床に刺さっており、そこには霍青娥が縄で磔にされていた...
彼女は私に気づくと目を輝かせる...
「あ!!潤香!良いところに!!娘々を助けて下さい!!」
「...道教をやめて神道にでも入るのですか?」
「そういう冗談は!いいの!!!早く!!!早くしないと!!」
青娥は磔にされたままジタバタするが...縄が解けるはずがない...
バタン...
戸が開く音が聞こえその方向を向くとそこには、蘇我屠自古がいた...
「あら...屠自古」
「...潤香か...久しぶりだな」
屠自古の表情は機嫌が悪そうだ...彼女の手には何故か竹刀が握られている...
そして青娥の顔が青くなっていく
「と...屠自古さん!!!それで娘々を殴るのですか!!?やめて!娘々は悪くない!!」
「うるせぇ!!色ボケ仙人が!!!」
屠自古は竹刀を振り上げる!!!
いまいち状況を理解していませんが、これはまずい...
私は左手を硬化して屠自古が振り下ろす竹刀を受け止める...
「!潤香!邪魔をするな!!」
「落ち着いて下さい...どうしたのです?仲間内で争う暇などないはずです...」
私の言葉に屠自古は、目を潤ませて青娥の方に指を向ける
「こ...こいつが悪いんだ!!アタシの事を汚しやがって!!!うう!!初めてはあの方へと決めていたのに!!」
「...は?」
泣きじゃくる屠自古を後にして、青娥の方を見ると彼女は冷や汗を流している...
「私は悪くないの!!只!屠自古さんのお胸が大きかったので少しムラっと...」
...本当にしょうもない事を
確実に青娥が悪かったですし...屠自古の好きにさせるのがベストですね...
「屠自古...好きになさい」
「...うう!!お前が正しい奴で助かった...」
屠自古は、気持ちを直して竹刀を再度振り上げ、青娥は喚き始める...
「待って!!何で離すのよ!!」
「大神教聖書...第29条には、自業自得の者には相応な罰を...という言葉があるので」
「貴方の所の教えは知らないわ!!娘々の辞書には自業自得と因果応報という文字はないのです!!」
「...勝手な辞書ですね」
しかし...幾ら青娥がどう言っても、この状況を変えられるものにはならない...
大人しく叩かれて下さいな...
「...芳香!!カモン!!」
「はいよー娘々~!」
青娥の号令の下地面から彼女の僕こと...キョンシーの宮古芳香が飛び出て青娥に一礼する...
しまった...彼女には芳香がいましたね...彼女は青娥に忠実なキョンシー...
これは一悶着ありそうですね...
芳香は私と屠自古を見た後、青娥を見る...
「おい...娘々...何で味方同士争っているんだ?」
「仲間割れ勃発なのよ!!早く私を守って芳香ちゃん!!!」
芳香は青娥の言葉を聞いて私の方を向く...
「潤香...詳細を頼む...娘々の言葉は色々と抜けてて私には分からん」
「ええ...ではことの詳細から...」
キョンシーに説明中...
「...ということですね」
「...娘々が悪いー」
「え!!?」
今までの経緯を芳香に話したら、彼女は青娥に否定的な言葉を呟き...青娥は悲鳴を上げる...
「何で!?芳香!!貴女は私の味方でしょ?私を味方しなさいよ!!」
「...いやー...幾ら私が馬鹿でも...善悪はつくぞ?」
「何で!!?貴女私の僕でしょ?空気読みなさい!!!私を助けなさい!!」
「娘々...それは人として駄目だろ...」
「にゃあああん!!!!どうしてー!!?」
...キョンシーに諭される仙人...これは貴重な光景かもしれませんね...こんな光景は滅多にありません...
もう青娥も観念すればいいのに...往生際が悪いです...
「...もう殴っていいか?」
屠自古はすでに、竹刀で叩く準備は出来ているみたいですね...
しかし...青娥の口が閉じることはない...
「にゃ...娘々は悪くない!!と...屠自古さんの胸が大きい所為です!!」
「私の心の傷を癒すには、これしかないんです!!」
「娘々の辞書には自業自得!因果応報!お仕置きなど書いてない!!」
「これは事故なのです!!!不慮の事故なのですから!!」
「にゃんにゃんにゃんにゃん!!!」
...とうとう訳が分からないことを言ってきた
全て穴だらけなのに、屠自古は何を躊躇っているのでしょうか?
彼女の方を見ると、竹刀を持って硬直している...
「ア...アタシの胸が大きい所為で...今回の事が?じゃあ誰が悪いんだよ...」
...完全に迷走している...混乱しているみたいですね...
なら私が軌道修正をするだけですね...
「ふぅ...屠自古...落ち着いて下さい...貴女は被害者でしょう?何を臆する必要があるのです?」
「...だって...アタシの胸が大きい所為で...青娥がこんな強行を...」
「何を惑わされているのです?これは青娥の虚構に過ぎません...」
「...嘘か...なら!!アタシのやることは1つだ!!!」
屠自古は持ち直して青娥に迫る...
青娥は更に言葉を並べる...
「にゃ!!娘々は精神喪失だったのです!!」
「大神家に言ったら雷撃を浴びせられて!!!」
「身も心も傷を負っていたのです!!」
「つまり悪いのは潤香なのですよ!!」
「...は?」
何で私が悪いことになるんですか?
でまかせでしょうか?
「何で私が悪いと?」
「娘々が行ったら!!行き成り雷撃じゃないですか!!これは人種差別です!!!私が仙人だからですか!?」
「潤香...何てことを...それさえなければアタシは!!」
何故か屠自古はこちらに敵意を向けてくる!!!
青娥の奴!!責任をこちらへと向かわせる魂胆ですね!!!
...それはさせない!!
「私は雷撃なぞ...起こせませんよ?」
「なら!貴女のお姉さんの一人の華楠さんです!!」
「..残念ながらそれはあり得ません...お姉様達は全員トラブルにより寝ていましたのでね...」
「トラブル!?」
「それに...その雷撃は屋敷の警報装置によるものです...貴女が不法侵入した所為ではありませんか?」
「不法侵入なんて...!!只私は貴女にブラッシングをしようと向かっただけです!!大神家は客人を無下にするのですか?」
...ブラッシングね...屋敷のセキュリティに感謝です...
...お陰で被害に遭わなくて済んだ
「屠自古...聞いたでしょう?この人は屋敷のセキュリティにかかってこうなったんです...つまり...不法侵入してのこの有様...」
「待って!!決めつけは良くないわ!!私は屋敷の外で...」
「それこそあり得ませんね...私の所は内部にしかセキュリティはかけていないんですよね...つまり貴方が屋敷より中に入らないとセキュリティ自体作動しないんですよ...」
「...嘘よ...それは嘘!!私を罠に嵌めるために仕組んだ!!」
「...もういい...アタシがやることは決まった」
屠自古は青娥に向けて竹刀を向ける
「...と...屠自古さん?」
「...つまりお前の自業自得でアタシはこうなったというわけだ...もうアタシは迷わない!!」
屠自古は青娥に向けて竹刀を振り上げる...
彼女もやることは決まりましたね...
「...じゃあ私は再び眠るぞー」
芳香は再び地面に潜る...
私も帰るとしましょう...残りは二人っきりで...
「では私もこれにて」
「おう...またな!」
「潤香ー!!!裏切者ー!!」
...裏切るも何も...貴女が独断でやったことではないですか...
私は悲鳴の響く大霊廟をそっと離れる...
出口から出る時、竹刀の良い音が聞こえましたが気にはしません...
私にとっては詮無き事...
私にとっての本来の役割は未来にあるのですものね...
「...○○様...役目を終えたら...潤香は...」
軽い日常編
ではこれにて