東方五行大神伝   作:ベネト

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早苗の初陣...




スニーキングと唐傘お化け

大きな宝船が幻想郷の空を飛ぶという、今回の異変...

 

その宝船を調査しようと、守矢神社の巫女...東風谷早苗はそれの調査に向かう...

 

彼女にとっての異変の初陣...

 

彼女にとってはワクワクする冒険であったが...それを見守るためについてくる者がいた...

 

 

 

 

 

 

 

side華楠

 

「やっと!追いついた!!」

 

早苗の気配を辿ってやっと私は、彼女の後方へたどり着く...

 

やはり彼女に実力があるとはいえ...やはり私にとっては心配だ!!

 

早苗の体に傷でもついたら!私は自刃するしかない!!

 

...死ねないけど...本当にそれくらいしないと...黄泉の国のあいつに顔向けができない!!

 

「ふんふーん!!」

 

早苗は呑気に鼻歌を歌っている...

 

幸い雑魚も出て来てはいないし、とりあえず身の危険は無さそうだ...

 

 

 

 

 

 

 

「...ん?」

 

早苗の前方の木に誰かがいる?ここからでは、死角になって良くは見えないが...何やら紫色の大きな何かが隠れているみたいだ...

 

「恐らく...妖怪だな...」

 

私は距離を維持しながら妖怪へと攻撃の準備をし、妖怪が木から飛び出す!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「驚けー!!!」ばっ!!

 

「...」

 

「...」

 

出てきたのは小柄な少女...水色のショートヘアに同色のスカート・青のベストを身に着けており、水色と赤い目をしている...

 

「...オッドアイっというやつか?...それにしても...」

 

彼女の持っている紫色の大きな傘に私は着眼する...

 

先ほど見えていたのは、これのようだが...目のような物と大きな舌のようなものがついている...何となく正体が分かった気がするな...

 

 

 

 

 

「付喪神か...」

 

長い年月により、物が化けるようになった存在を付喪神という...実際には見たことが無かったが...早苗は戦えるのか?いざとなったら私がやるしかない...

 

遠距離から少女をロックオンするが、彼女は攻撃するようなしぐさを見せない...

 

それどころか...

 

 

 

 

「驚けー!!」

 

「...」

 

「驚けー!!!」

 

「...」

 

さっきから傘を閉じたり開いたりを繰り返し、驚かせようとするだけだ...

 

だが...全く怖くない...

 

見た限りワンパターン...驚けと言われても驚くはずがないだろう...

 

 

 

 

「驚けー!」

 

「...」

 

「驚いて!!」

 

「...」

 

「お願いだから!」

 

「...」

 

「...ぐす...わぁぁぁぁん!!!」

 

とうとう泣き出す始末...早苗の奴は呆れでもしているのだろうか?さっきから動きがない...

 

私は気づかれないように近くの草むらへ移動し彼女を見る...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...可愛い!!」

 

「ふぇぇ!!??」

 

「!?」

 

私が見た早苗の顔は、シイタケのようなキラキラとした目で少女を見つめていた...

 

その顔には少女も驚いており、早苗は目をキラキラさせながら少女へ接近する...

 

 

「ああ!!幻想郷にはこんなあどけない子がいるんですね!!」

 

「いやああああ!!何なのこの人間はー!!?」

 

少女は早苗から逃げようとするがあっけなく捕まる...

 

 

 

「ああ!!離したくないです!!」

 

「ひゃあああ!!?」

 

 

早苗は少女の頬をスリスリする...不味いな...これは弾幕ごっこではない気がする...

 

完全に捕食者と捕食される側の光景になっている...

 

 

「はむっ!!」

 

「ひゃああああ!!?」

 

早苗は今度は少女の耳を甘噛みする...この際何も言わないのがいいだろうか?

 

 

 

 

 

 

「!?」

 

「...ん?」

 

少女と私の目が合う...

 

(そこの緑のお姉さん!!助けて!!!)

 

彼女はそう目で訴えているが...私は隠れて見守ることしかできないんだ...どうすることもできない...

 

(すまん!)

 

(なっ!?)ガーン

 

少女に向け合掌すると、彼女はこの世の終わりのような顔をする...

 

「ねぇ!貴女お名前は?」

 

「ひっ!!」

 

早苗は少女に名前を聞くが、彼女は完全に怯えており話にならない...

 

 

 

 

「はむ!!」

 

「ひゃう!!!」

 

何故か早苗は再度少女の耳を甘噛みする...気にいったのか?

 

「お・な・ま・え・は?」

 

「ひぃぃ!!多々良小傘です!!」

 

少女こと...小傘は怯えながら返答する...

 

「小傘さんですね!!!本当にかわいい子です!!小傘さんは何の妖怪ですか?」

 

「...唐傘です...もう...おうち帰りたい...」

 

とうとう小傘は本格的に泣き出す...早苗...もういいだろう?

 

「大丈夫ですよー!お姉さんが抱き詰めてあげますからね!」

 

...原因はお前だよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

20分後...

 

「...」

 

「ふぅ!ではまたお会いしましょう!幻想郷では常識に囚われてはいけませんね!!」

 

早苗は再度異変解決へと戻り、早苗が飛び去ったところには、真っ白になった小傘がいた...

 

私は草むらから出て来てアンプルを彼女へ渡す...

 

 

「大丈夫か?」

 

「...お姉さん...何で助けてくれなかったの?」

 

小傘からは力のない抗議がくるが...私にはどうしようもない...

 

「すまん...姿を見られるわけにはいかなくてな...」

 

「こく...こく...」

 

小傘は私の渡したアンプルを飲み干している...

 

その姿は仕事帰りのOLのような哀愁が感じる...

 

 

 

「人間って怖いね...」

 

「...負けるなよ少女よ」

 

「うん...」

 

私は力尽きた小傘と別れて早苗を追う...

 

しかし...弾幕ごっこをせずにことを穏便に終わらせるとは...早苗には何かの素質があるのだろうか?

 

 

 

 




第一被害者多々良小傘ちゃん...

お許しください

ではこれにて
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