東方五行大神伝   作:ベネト

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異変終了と...


封印されし僧

魔界にて、異変解決組と異変起こす組での戦いは一時休戦となる...

 

異変組の1人である、寅丸星は異変組メンバーたちの努力により無くした宝塔を再び手にし、とある者の封印を解き始める...

 

これにて...長かったこの異変は終わりを告げる...

 

 

 

side霊夢

 

「...待っているのも暇ね」

 

「確かにだな...」

 

私と魔理沙は大人しく封印が解かれるのを待っている...

 

今回の異変は人助けのために行われたものであり、今までの異変とは少し違う...

 

目的の宝は手にすることはできなかったけど、見たいものもあるのよね?

 

私は潤香を見つめる...

 

 

大神潤香...大神家の1人で家族の中で一番謎が多い人物...

 

過去の事を深く話そうとはしないし、ヒトの姿以外の姿は見せないし、自らの本気も出そうとしないため情報が少ない...

 

そんな彼女の恩人となると、どういう人物か気になるわ...

 

 

「ドラ〇エでいう!魔王の封印が解かれる瞬間ですね!!」

 

「...済まない...ゲームは分からん」

 

目をランランと輝かせている早苗の話に、華楠はついていけていないようね...

 

華楠なら何かを詳しく知っているのかしら?

 

 

「封印されている人物を華楠は知らないのかしら?」

 

「...知らないな...昔のことだし...あいつとは管轄が違ったからな」

 

...姉である華楠も知らない人物か...ますます気になってくるわね

 

焦っても仕方がないわ...封印は解いているのだし...気長に待たないとね...

 

 

 

 

 

 

 

しばらくすると魔界の空間が歪み初めて中から夕焼けのような、橙色の光が漏れ始める...

 

「もう少しです!!」

 

星は嬉しそうな顔をしている...

 

 

空間の歪みから、女性が飛び出す...

 

「ああ...法の世界に光が満ちる...ついに封印が解かれたのですね」

 

金髪に紫の混じった長い髪をしており、白と黒のドレスを身に着けている...

 

彼女は寝ぼけた目で辺りを見回して、笑みを浮かべている...

 

 

「そして懐かしい者もいます!星!ナズーリン!お久しぶりです!」

 

彼女が手を広げると、星とナズーリンは目に涙を溜めて彼女に抱き着く

 

 

「聖!!聖ー!!」

 

「...大変だったんだぞ!!君を助けるために!!」

 

「ごめんなさい...長い間待たせてしまいましたね...」

 

聖を呼ばれた女性は彼女達を優しく抱きしめて、一筋の涙を流している...

 

...今までとは違っているわね

 

自らの欲望を叶えるための異変ではなく...今回は人命救助...

 

流石の私でも、手を挙げることはできないわ...

 

 

「...感動的だな...私達の生まれる前から続いているとなると...手は出せないな」

 

「私もそこまで野暮ではないわよ...」

 

流石の私でも、手を出せないわ...

 

潤香の方を見ると、彼女はその光景を見て笑みを浮かべているだけだ...

 

 

「アンタは行かないの?」

 

私の言葉に潤香は首を横に振る...

 

「...私が出る必要はありませんとも...白蓮様の無事を確かめられただけで満足です...」

 

「でも...顔見せくらいは...」

 

「良いのですよ...必要のない事です」

 

潤香が踵を返すと、白蓮と呼ばれた人物は、彼女の方を見て驚きの表情を浮かべる...

 

 

「あ...貴女もしかして!」

 

「...」

 

潤香は何も返答せずに、そのまま体を霧にしていなくなる...

 

白蓮は、寂し気な笑みを浮かべている...

 

 

「そう...貴女も見守っていたのですね...ありがとう...」

 

彼女は潤香が消えた空間に深々と頭を下げる...

 

 

 

 

 

「何だ潤香の奴?挨拶くらいすればいいのに!」

 

魔理沙は潤香の行動に、不服そうな顔をするが、華楠が頭を下げる...

 

「...すまん...色々とややこしい事情があるんだ」

 

「...おおう?...いや?私に頭を下げなくてもいい!」

 

魔理沙は困惑の表情を浮かべている...

 

 

ややこしい事情ね...

 

それに関しては詳しく聞かない方がいいかもしれないわね...

 

華楠は溜息をつく...

 

 

「これで...この異変は終了...これで丸く収まったはずだ...異変の解決と人命救助をな...」

 

「確かにそうだけど...」

 

...華楠の言う通り、とりあえず無事に異変は完了だけど...

 

何となく終わった気がしないのよね?

 

私達は幻想郷へ戻るが...どこかで何かが始まっている気がする...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃...幻想郷の森にて...

 

 

とある者達の戦いが終わりを告げる...

 

「ぎゃあああ!!」

 

黒髪の少女が膝をつく...少女の背中からは、赤と青の触手のような翼が6本ついており、明らかに人間ではない風貌をしている...

 

「...あら?もう終わりなの?」

 

倒れている少女を見つめているのは...大神家の当主である、大神暦...

 

暦は退屈そうに、少女の額にチップを張り付ける...

 

 

 

 

 

「今回の異変の妨害をしようとしたみたいだけど...とりあえず未遂で終わった感じかな?」

 

「あ...アンタ何者!?...アンタみたいな奴...あの大神家の悪魔しか思いつかない!!」

 

少女は息絶え絶えで暦を見つめるが、暦からは冷たい視線が浴びせられる

 

「私は貴女の思っている悪魔の母親だもの...娘がお世話になったわね」

 

「む...娘って!!...まさか!アンタ!!退治屋の大神家の当主!?」

 

「まぁ...古い呼び名だけどね...」

 

暦はチップを指で弾きながら、少女の周りをくるくる回る...

 

 

「...しかし...私としても今回は異変に参加しなくていいかなと思っていたけど...強い妖力を感じちゃった以上、向かうしかないじゃない...まさか...古の大妖怪の鵺がいるなんて、思ってもみなかったからね...」

 

鵺と呼ばれた少女は暦を睨み返している...満身創痍とはいえ大妖怪...己のプライドが許さないのだろう...

 

「そんなのしらねえよ!!!私はただ...人間を助けようとしていた、あいつらの妨害をしようと...」

 

「...貴女は外を見て内部を見ないタイプなのね...それじゃあ...事の本質を見抜くことなぞ永遠にできないわね...」

 

「はぁ?何だよ!それは!!」

 

ぬえの言葉に暦は退屈そうに彼女を見つめたまま、チップをキャッチする...

 

「本当に分かっていなかったのね?...まぁ...簡単に言うけど、今回救出された人間は、妖怪を守り共に暮らすという思想を持っている人なのよね?」

 

「嘘だね!!そんな奴いるわけ...」

 

「じゃあ貴女は!私の娘に殺されかけ、そして!とある人間に助けられたことを覚えているか?」

 

「な...!?」

 

暦の言葉にぬえは言葉を詰まらせる...確かに彼女の記憶の奥底に確かに、その光景は覚えていた...はるか大昔...都で騒ぎを起こしたことが原因で大神家の者に狙われ、とある人物に助けられた記憶を...

 

ぬえの表情の変化に暦は笑みを浮かべている...

 

 

「どうやら...記憶にあったみたいだね...」

 

「だから何だ!!私の過去と今回の事は関係のない...」

 

「...いや?関係はあるわね...貴女を助けた、その人物こそ...今回捕らえられていた人物としたら...」

 

「封印されてたの...あの人?な?...じゃあ私は...私がしたことは...」

 

「...完全に恩を仇で返した結果に終わったということだ...流石の大妖怪でも...堪えたみたいだな?」

 

暦の言葉にぬえは殺気を濃くし、翼を暦に向けて飛ばす...

 

「うるさい!!私は大妖怪ぬえ様だ!!」

 

ぬえの6本の翼が暦のもとへ飛んでいくが、彼女はそれを避けもせずに片手をあげる...

 

 

 

 

 

 

「愚か者が...」

 

 

 

 

 

ぼん!!

 

 

 

暦の言葉を同じくして、ぬえの額が爆発し、彼女はそのまま後ろ向きに倒れる...

 

 

「ごほぉ!!」

 

「...安心しろ...火力は抑えてある...命までは取らないわ」

 

暦はそのまま踵を返すが、ぬえが叫ぶ...

 

「おい!待て!!まだ終わって...」

 

「...これ以上は私が何かをする必要はない...大妖怪よ...自分でどうしたいかは...お前が決めろ」

 

暦はそのまま姿を消し、ぬえは体を震わせる...

 

「なんだよ...なんだよ...どうするって何を!!?」

 

ぬえの記憶の中にある人物の顔がよぎる...

 

潤香に襲われている自分を身を挺して守ってくれた人...

 

そして自分は、隙をついて潤香に重傷を負わせ礼も言わずに逃げた...

 

その時は、多少なりとも良心の呵責があったが...弁明することはもうできない...

 

只でさえ...今回の異変の妨害までしてしまったのだから...

 

「どうすることもできないじゃない!!...許してもくれないよっ!...う...うぁぁぁあ!!!!」

 

彼女の慟哭が幻想郷に響き渡る...

 

これからのことは彼女自身が決めること...

 

この後どうなるかは誰にも分からない...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3日後...とある場所に...ある寺が建設される...

 

その寺の名は命蓮寺と名付けられ...新たに幻想郷で暮らす者達の居場所となった...

 

 

 

そしてその命蓮寺の地下にある...大霊廟では言い争う者達の声が鳴り響いていた...

 

「おい!どうなっているんだよ!!どうするんだよ!これをよ!!!!」

 

「落ち着いて屠自古さん!!!これ以上、揺さ振ったら娘々!吐いちゃう!!!」

 

その者達の正体は蘇我屠自古と霍青娥の2名とそれを静観している大神潤香・宮古芳香の計4名...

 

屠自古は怒りに身を任せて青娥を高速で揺さぶっている...

 

揺さ振られている青娥の顔は全く視認できない...

 

 

「何で霊廟の上に寺が出来るんだよ!?これでは、あの方の復活に支障が出るじゃない!!」

 

「にゃ...娘々は悪くないです!!文句言うなら!寺を建てた住職に文句を言ってください!!そ...そして屠自古さん!!そろそろやめてくれないと...本当に吐いちゃう...潤香ー!!助けてー!!」

 

青娥は潤香に助けを求めるが、彼女は芳香に干し肉を上げながら霊廟を見て微笑んでいる...

 

 

「屠自古...恐れる必要なぞありませんよ...青娥を開放しなさいな」

 

「で...でもよ!これではあの方の復活に大幅な支障が!!」

 

「...確かに多少の妨害はあるかもしれませんね...ですが?あの方が、この程度の事で復活できないという事はありえませんよ...」

 

「うおおお!待てー!」

 

潤香は遠くに干し肉を投げ、芳香は釣られて、その方向へと向かう...

 

屠自古は青娥を開放し、潤香の方を不安そうな目で見つめている...

 

「...確かにそれはアタシだった思っていたさ...でも...もしもの事が怖いんだ!」

 

「気持ちは分かりますよ...」

 

「本当に分かるのか?...アタシは...亡霊になって!ずっとあの方を待っていたんだ!!もし...あの方が戻らないとなったら...アタシ...アタシは...」

 

屠自古は大粒の涙を流す...

 

「...もしもの事なぞ...私がさせませんよ...」

 

「え?」

 

突如の潤香の冷え切った声に、屠自古は潤香を見つめる...

 

そこには、笑みを浮かべている潤香がいるが...目は全く笑っていない...

 

「心配は無用です...貴女がするべきことは、あの方達を迎えることだけです...」

 

潤香は霊廟の出口へ向かう...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あんなこと言って良かったんですか?」

 

潤香が霊廟の入口に辿りつくと、壁からさっきまで満身創痍だった青娥が飛び出す...

 

「...心配する必要はないといっただけですが?」

 

「そっちのことではないわ...(もしもの事なぞ...私がさせませんよ)のところよ...」

 

「何かおかしなところでも?」

 

潤香は青娥を見ずに返答するが、彼女は首を横に振る...

 

「(私が)の部分よ...私が言う言葉ではないけど...変な気は起こさないで...自分の命を懸けるまではしなくていいわ...」

 

「あら?貴女にしては優しい言葉ですね?邪仙として...色々と過去にやっているはずですが」

 

潤香が笑うと青娥は地団駄を踏む

 

「もう!!過去の行いを言わなくても!!!私が心配しているのはもう一つ!あの方の復活の時!絶対に博麗の巫女たちと貴女の家族の誰かが来るわ!!そこの所の対策もできているの?」

 

「大体はできています...少なくとも家族を止める方法はね?それに霊夢や魔理沙達が攻めてきたとしても、私が遅れをとることはありません...」

 

潤香の姿が一瞬、覚醒九尾状態になり、青娥は驚きの表情を浮かべる...

 

 

「...へー...少しだけ見えたけど、それが貴女の本当の姿かしら?」

 

「ええ...軽くやってみましたが...慣れませんね...あまり見せるものでもありませんし」

 

「...綺麗な姿だと思うけどね?」

 

「...どうでしょうね?...では失礼しますよ?この後、母と命蓮寺に挨拶周りも向かいませんと...」

 

「...あの寺に?」

 

「ええ...母も幻想郷のパワーバランスの一角ですし...やることはやりませんとね...では」

 

潤香はその場から消え、青娥は笑みを浮かべる...

 

 

 

 

「あの方の心配は要らなそうね...問題は当日になって潤香が暴走しなければいいけどね?真面目な子ほど、どんどん泥沼に嵌っていくというのにね?」

 

 




次回日常編

しばらく続きます

ではこれにて
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