今回も登場が早いキャラがいます
潤香と青娥の話し合いが終わるころ
人里の広場にて歌声が響く...
その声の発信源は里の端の広場のステージの上にいる大神銖理だ...彼女はいつも通り歌を歌い終え演奏を終了する。
side銖理
最後の曲を終え..私は目を開け観客席を見る...
観客席には20~30名ほどのお客さんが拍手している...この時が一番心地よい...この仕事をしてよかったと思えるよ
「皆~!今日も銖理のライブに来てくれてありがとー!!」
(うお~!銖理ちゃ~ん)
(今日もサイコ―だぜ~!)
(こっちむいて~!)
観客席からお客さんの声援が響く...とてもあたたかい...
この気持ち...昔は味わうことができなかったけど良かったと思う...でももう本日はここまで...
「皆~!暗くなるから気を付けて帰ってね~!銖理との約束ッスよ~!!」
(オー!!)
皆私の言葉通りにぞろぞろと帰っていく...毎度毎度思うけどこの時少し寂しくなるんだよね...
さて...今日はどうしようかな?いっぱい屋台で飲みたい気分だ...
「さて...あら?」
観客席の端にはまだお客さんがいた...長い黒い髪に花札の芒に月のようなデザインの白と赤のロングドレスを身に着けた女性がいた...
女性はもじもじしながら私の方を見ている。どうしたのだろうか?
私はステージから降り女性のほうへ行く
「ひゃ!」
女性は私が近づいてきたのに驚いたのか顔を赤らめる
「どうしたんッスか~!?どこか体の具合でも...」
女性は私の前に色紙とサインマーカーを出す
「サ...サインいただけるかしら?」
「銖理のサインッスか~?ファンの頼みは断れないッス!!」
私は色紙・サインマーカーを受け取りサインを書き始める...
サイン求められるって嬉しい...やっぱり誰かから求められることは私にとっての生きがいだ...この仕事しててよかった
自分の名前を書いた後に女性の名前を聞いていなかったのを思い出す...
「ねぇ?お名前は何て言うんッスか?」
「い...今泉影狼よ」
「影狼ね~良い名前ッス」
彼女の名を書き終わりサインを彼女に渡す...彼女は嬉しそうに跳ねる...
「あ...ありがとう!嬉しいわ!!」
影狼はサインを抱きしめる...よほどうれしかったのかな?
「ん~!さて今日はお開きッス...影狼はここの人ッスか?」
彼女はサインをバスケットの中にしまった後私の質問に答える
「いえ?ここには住んでいないわ...私の家は竹林の方にあるのよ」
竹林?随分と遠くに住んでいるな...幻想郷の人里の外は妖怪であふれかえっている...
人が外に出る=猛獣の檻に入れられるに等しい...私はともかく彼女は人間だしそうもいかないだろうし
「大丈夫ッスか?銖理が送っていこうか?どっちにしろ竹林にある屋台でお酒飲んで帰るんだけど一緒にどう~!」
「え?銖理とお酒飲めるなんて...夢かしら?もちろん行くわ...?」
影狼は空を見て止まる...すでに日は落ち辺りは薄暗くなっており、雲に隠れている月がそろそろ顔をのぞかせる...
「~っ!...と思ったけど用事あるから、またね!!」
「え?ちょ...」
影狼は人里の出口の方へ走る...
足速いな...もう見えない...一体何があったのだろうか?
「う~ん...一人酒というのも寂しいものッスね...」
「...」
「誰ッスか?」
背後に何者かの気配...こんな夜に気配消して私の背後に立つなんて...でも...妖気が漏れている!!
「誰って聞いてるんッスよ!!」
私は足に着けていたホルダーから銃を取り出し素早く後ろに向ける...
そして満月の光が辺りを照らす...
「銖理~!待ってアタシだよ!!」
振り向くと後ろには境奈姉がいた...何だ境奈姉か...
「気配消して後ろに立たないでくれッス...銖理びっくらこきました!」
「いやいやー!人里の中で銃をぶっ放そうとしないでよ...」
境奈姉はサイドテールの髪留めをはずし、髪を振る...
「境奈姉だって!人里の中で妖気漏らさないでよ!妖怪が私の後ろとったかと思ったッス!!」
「はぁ?アタシ妖気漏らしてないよ?ここへは僅かに妖気を感じたから来たの!逆にアンタが妖気を漏らしたんじゃないの?」
境奈姉の妖気ではない?じゃあだれ?
「それよりさ~華楠のバカが家の台所を爆破したって連絡きてさ~!今日の晩御飯できてないってよ?」
華楠姉...何てことを...
「じゃあ屋台行く?いいところ知ってるッス」
「良いね~!じゃあ行こうか」
私たちは竹林方面へ向かう
...だが気づいてはいなかった
私たちを遠くから見ている者のことには
「...ワオ~ン!!!」
というわけで影狼さん
青娥娘々と並んで早めの登場です
ではこれにて