そしてギャグ...
とある早朝の守矢神社...
神社の一室で、ある者が布団から身を起こして伸びをする...
「ん~♪いつもより最高の朝です♪」
彼女は、東風谷早苗...この守矢神社の巫女である...
彼女は笑みを浮かべて横で寝ている者を観察する...
「うふふ...まだ華楠さんは、お眠のようですね...」
早苗の横では、大神華楠の姿があった...
「うぅ...」
華楠の方は夢にうなされているのか、青い顔をしながら眠りについており、その光景を見た早苗は不服そうに頬を膨らませる...
「もう!!華楠さんのヘタレ!せっかくの添い寝をやったのに!昨日の華楠さんは最後まで嫌々でした!」
早苗の言う通り、華楠は最後まで抵抗を続けていた...恐らく寝に入ったのは太陽が昇り始めた頃であろう...
「...次はお願いします」
早苗は寝間着から普段の巫女服に着替えて部屋を後にする...
朝日が差し込む守矢神社...早苗は太陽を見て伸びをする...
「う~ん!思っていたのとは違いますが...良い朝を迎えられました!」
彼女の事はいつもの光景だが本日は違う...
神社の裏で、虎視眈々と隠れて出番を待っている者がいることには...
「おどろけー!!」
「あら?」
神社の裏から紫色の傘を持って現れたのは...異変であった付喪神こと多々良小傘...
早苗は小傘の顔を見て目を輝かせており、対して小傘は早苗の顔を見て、見る見るうちに顔を青ざめさせていく...
「まぁ!!この前のあどけない子!!」
「ゲー!!!この前の狂人巫女ー!!」
小傘は逃げようとするが、早苗は彼女を捕縛する...
「何でこの人がー!!?」
「逃げないで下さい!はむ!!」
「はうっ!!」
早苗に耳を齧られて小傘を昏倒する...早朝からの珍騒動は誰にも見られてはおらず、彼女を助ける者は誰もいなかった...
side華楠
「...う」
目を覚ますと...ここは守矢神社?私は何故ここにいるんだろうか?
身を起こして眉間に手をやると、次第に記憶が蘇ってくる...
「ああ...彼女に言われて添い寝をしたんだったな」
思い出してみれば...異変の時に彼女に言われたな...昨晩は大変だった...一線を越えないように立ちまわるのは...
少なくとも問題は起こしてはいないはずだ...昨晩の記憶が余りないが...これも睡眠不足の所為だろう...
襖を開き、外を見ると爽やかな青空が確認できる!!...爽やかな朝だ...今日も良い一日を始める事が出来る!!
寝間着を脱いで普段着に着替え、私は境内へ出る...
「...清々しい朝...だよな?」
境内に出た私は境内で行われている事を見て言葉を失う...そこには...
「小傘さーん!!」
「...」
私の視線の先には、早苗が何時ぞやの付喪神に覆いかぶさっている姿が確認できた...
付喪神の方は真っ白になっており、精気を感じない...
...流石にも不味いか?
「早苗!それ以上はやめろ!!」
「あら?華楠さん!おはようございます!可愛いでしょうこの子?」
「一回落ち着こうか...」
私は付喪神から早苗を引き剥がす...
「...」
「おーい...起きろー」
私は真っ白になった小傘を突くが反応がない...早苗の奴どこまでやったらこうなるんだ?
「少し可愛がり過ぎましたかね?」
「早苗...やりすぎだ」
ぐぅ~
突如、音が聞こえ私達はその方向を向く...
そこには小傘がいるだけだが?
「何だ?今の音?」
「小傘さんから聞こえましたけど?」
ぐぅ~
また聞こえた...確実に彼女から音が出ている...この音はもしや?
「お腹が空いているみたいですね?」
「...何か食べるか?」
「...うん」
小傘は力なく返事をして、私達は彼女を抱えて神社へ戻り、朝食の準備に取りかかる...
20分後...守矢神社居間にて...
本日の守矢神社の朝ごはん:白米・納豆・味噌汁・目玉焼き...
「うーん!!少しだけ満足かも」
小傘は早苗が作った朝食に舌鼓を打っている...とりあえず満足してもらえてよかったと思う...
「やっぱり可愛いです!!是非守矢神社に入信してください!お腹が空いたらいつでもいいですよ!!」
早苗はちゃぶ台の奥から目を輝かせながら小傘を見るが、彼女は目を背けて私の後ろへ隠れる...
「...間に合っているもん...それに私はご飯だけじゃ満足できない」
「えー!!他に何が必要なんです!?」
早苗は不服そうに小傘に近づこうとするが...彼女は距離を取る...
満足できない...か...お腹の音はマシにはなったみたいだが...どこか今の彼女は満たされていない感じがするな...
「満足?何か他に必要なのか?」
私の言葉に小傘は立ち上がり傘を開く...
「驚けー!!!」
「...いや?質問に答えろ」
「可愛い♪」
「...うう!!!やっぱり私はダメな付喪神なんだー!!!誰も驚いてくれない!!!永遠に満たされないんだー!!」
私達の反応を見て小傘はしょんぼりとして部屋の隅にうずくまる...
成程...必要ななのは驚きというわけか...確かに異変の時も早苗を驚かそうとして出て来たな?...付喪神の生態は分からないが...誰かを驚かせれば満足するということなのだろうか?
「つまり驚けば満足するということか?」
「...そんな感じ...驚いてくれることで私は満たされて、お腹いっぱいになるの」
随分と面倒なことだな...しかし仕組みが分かれば彼女を満足させられるかもしれないな
「もう一回こい...」
「分かったよ緑のお姉さん!」
小傘は傘を閉じて、また開く...
「驚けー!」
「うわ!!びっくりした!!何て恐ろしいんだ!」
...驚いた感じを出してみたが...彼女は不服そうな顔をする
「そんなんじゃダメ!!!心の底から驚いてくれないと!!」
「無理難題だな...」
...地味に面倒だな...幾ら私でも、こんなものでは驚くことはできないぞ、ワンパターンだし...強面ではないし...驚かすことなぞ本当に無理じゃないか?
「私も驚くことはできませんね...可愛いとは思いますが」
「うわーん!!私は永遠にお腹が空くんだー!!」
とうとう小傘が泣き出す...
しかし困った...小傘の脅かし方では下手をしたら寺子屋の子供達ですら難しい気がする...それどころか返り討ちになりかねないな...
幻想郷に、ここまでのビビりがいるのだろうか?
「...あ...そういえば」
「華楠さん?どうしました?」
早苗が首を傾げながら私の方を向く...
「...もしかしたらアイツなら...本気で驚いてくれると思うぞ?」
「あいつ?」
「誰なの!!私に驚いてくれる人がいるの!?」
小傘が私に詰め寄る...近いな...おい...
「落ち着け...多分の話だ...あいつはホラー物には弱いからな...私の妹の大神境奈はな...」
「境奈さんですか?それは初耳です」
大神境奈...私の妹の中では一番気が強そうに見えるが、大の怖がりだ...
この前だって...外の世界のホラー映画を家族全員で見た時は、常時叫びぱなしだったな...
あまつさえ...その日の夜、私の部屋に来てトイレについてきて来てと言うくらいだ...
「ああ...あいつは気が強そうに見えて肝試しとかが大の苦手だ...環境さえ整っていればチャンスはあるんではないか?あいつなら多分いけるはずだ...多分君が満たされる程度にはなるだろうよ」
私の言葉に小傘は目を輝かせている...
「それなら!念願の満腹を味わえるというものなのね!!!」
「これなら小傘さんが満たされるというものです!華楠さん!さっそく準備を!!」
「私が!?」
早苗に任命されてしまったが...私としてもどうすればいいか分からない...
「待て...いきなり言われても困るのだが?」
「小傘さんの空腹を解消するためです!境奈さんを生贄に捧げましょう!!」」
まさか本当に実行するつもりなのか?
いくら境奈がびびりとはいえ...実の妹を生贄には捧げたくはないぞ...
早苗は私の手を握る?
「私からのお願いです!!小傘さんの悩みを解決しましょう!?それは華楠さんにしかできないんですよ!!」
「うう!!」
早苗は、キラキラとした目で私を見つめている...
やめろ...そんな目をされたら...断れなくなるじゃないか!!...というより断ること自体が無理難題だ...
「うううう!!!...分かった...あいつに連絡をするから待ってろ...」
「本当ですね!!やりましたよ小傘さん!お腹いっぱいになりますよ!!」
「やったー!!」
早苗と小傘は喜んでいる...私としては気が乗らないが、境奈には犠牲になってもらおうか...
私が通信機を取ろうすると、突然フラッシュがたかれる?
「ん?」
「あややー!いい話を聞かせてもらいましたよー!!」
その方向を見ると、そこには新聞記者こと...射命丸文がいた...
彼女はカメラを持って私達を興味津々といった顔で見つめている...
「あら?文さん?新聞の契約ですか?」
「いえいえ...その話で来たのですが...もっと面白い話を聞いたので、そっちの方を優先しようかとー」
...文はこちらに擦り寄ってくる...確実に何かを企んでいるみたいだ
「目的は何だ?」
「目的も何も楽しそうな事をしようとしているじゃないですか!!私も仲間に入れてくださいよー!!」
「...はぁ!?」
まさか...さっきの話を聞いていたのか?何で仲間にしなければならんのだ!?
「...貴様の目的が分からない...何を企んでいる?」
「それはいたって簡単なことですよ?」
文はカメラを起動させる
「恐れ慄く境奈の事を、このカメラのフィルムに収めたいのです!!私のコレクション収集のために協力してくださいよー!!」
「ええ...」
...理由が実に欲望的で歪んでいる...流石の私もこのようなことは聞きたくはなかったな...だが...こいつに話を聞かれてしまった以上...作戦が漏洩してしまう!!
「...とりあえず邪魔だけはするなよ?今回はヒト?助けの一環なのだからな!」
「ええ!!分かっています!!私は私のやりたいことをするだけです!」
「...大丈夫かな」
とりあえず私は通信機を起動させて境奈へと繋げると数秒もかからずに、彼女の声が通信機から発せられる
(はいはいアタシですが~?)
「いきなりで悪いな...華楠だ」
(アンタから電話何て珍しいわね?)
「...今日の18時空いているか?夜雀亭でお前に御馳走をしようと思っているのだが?」
(...急ね?それにアンタがやると何か気味が悪いわ)
...変に感が鋭いな...軽そうに見えて頭が良いから困るんだ!!...まぁ理由はすでに考えてあるから問題はないが...
「...お前には大神の金策をしてもらっているんだ...たまには姉らしいことをさせろ」
(...へぇ...ではお言葉にあまえようかしら~じゃあ!現地で待っているわよ!)
通信が途切れる...
とりあえず成功と言うべきか?後はうまいことアイツを誘導するだけだ...行き当たりばったりな作戦だが、うまくいくだろうか...
「とりあえず奴をおびき寄せることはできた...準備に取り掛かるぞ」
「「「ラジャー!!」」」
私達は夜雀亭へと向かう...作戦を練らなくてはアイツを最大限に驚かせられないからな...
18:00...夜雀亭にて...
「お待たせしました~!」
夜雀亭には、大神華楠と大神境奈の2名がおり、彼女達のいるテーブルには豪華のお酒と料理が置かれている...
境奈の方は予想外の光景に目を輝かせている...
「こんなにいいの!?」
「ああ...今夜は私からの奢りだ...」
「マジで!?じゃあ!いただきまーす!!」
境奈はその料理にありつき、華楠はお酒を飲みながら密かに合掌をする...
(すまん...この時だけは良い気分になってくれ...のちの惨劇を経験するのだからな...)
そのまま宴会は2時間経過する...
2時間後...
「くぉぉん♪...ふふ...久しぶりに満足かも~♪」
境奈は満足そうにテーブルに突っ伏す...
「そうか...それは良かったよ」
華楠は水を飲みながら、次の言葉を考えている...
...これから彼女を地獄に落とす作戦を
「...境奈...これで宴会は終わりだが...1つだけ気をつけろ」
「ん~?何を~」
境奈は話の方を半端に聞いているが、華楠は続ける...
「...酔っているようだな...泥酔しているのならは巨大ナスビに気を付けることだ...」
「巨大ナスビ~?何よ...何かの妖怪か何か?」
「...ああ...妖怪というより怨霊かな?」
「...霊ね...あまりそういうの信じないようにしているのよね」
華楠は頭をフル回転する...もちろん巨大ナスビという怨霊は存在しない...この後驚かす小傘への話に過ぎない...境奈を騙すためには回りくどい準備をしなくてはならないからだ...華楠は水を飲みながら頭をフル回転する...正直話は行き会ったりばったりの作り話...慣れもしていない嘘の話は華楠にとっては荷が重い...
「...気を付けた方がいい...巨大ナスビは泥酔した者を襲う怨霊なのだからな」
「泥酔も何も...アタシは大神の1人よ!?そんなそこらの怨霊に遅れは取らないわ...」
「能力が使えたらな...」
「...は?」
「...巨大ナスビに会った者はどんな力を持とうが...能力が使えなくなる...なすすべもなくやられるのが運命らしいぞ?」
「そ...そんなの嘘よ...そんなのいるわけないわ」
境奈は爪を噛みながら青い顔をしながら視線を泳がしている...内心この話を信じているのだろう...華楠は心の中で勝ったとガッツポーズをする...
「今夜は遅い...神社へ早く戻ろうか...」
「...う...何で怖い事聞かせるのよ~」
2人は夜雀亭を後にする...
大神神社への続く道...
帰宅途中...彼女達は道をショートカットするために人里を通過する...
人気のない人里の中...華楠は先導して道を歩く境奈に気づかれないように路地裏へと入り、そこにいた早苗と文の2名と合流する...
「遅いですよ!華楠さん!」
「ああ悪い...」
「あやや...境奈が一人になりましたねぇ!」
文の視線の先には、ブツブツとつぶやきながら人里を歩く境奈の姿...彼女は何か違和感を感じたのか後ろを振り向き、いるはずの華楠がいないことに驚きの表情を見せる...
「え!?何で華楠がいないの!?あ...あいつ~!こんな時に!!」
青ざめる境奈の顔を見て文は笑みを浮かべている...
「むふふふ!!良い顔ですよ~!境奈~♪」
「...ところで小傘は準備は出来ているのか?」
「ええ!境奈さんの進行方向の物陰に隠れていますよ!」
早苗の言葉通り見てみると、民家の陰に隠れている小傘を発見する...本人はうまく隠れているみたいだが、紫色の傘が隠れ切っていない...
華楠は軽く溜息をつく...
「大丈夫かな...これ...」
「何を言っているんです!!成功しますよ!!華楠さんの方こそ準備はしてきましたよね?」
「そっちの方はぬかりはない...」
華楠は気を取り直して境奈を観察することにした...
境奈は、早苗の思惑通り小傘がいる進行方向へと歩みを進めている...
「うう!!あいつ覚えてなさいよ!!アタシをここで置き去りとか!!ううう!!」
境奈は爪を噛みながら歩を進めていたが、小傘のいる場所へと近づくと歩を止める...
「...うぇ!?」
彼女の視線の先には、隠れている小傘からはみ出している紫色の傘...
普段の境奈なら笑い飛ばして彼女をやっているはずだが、今回の彼女はあることを聞いていた...
「う...うそよ...巨大ナスビがいるなんて!!」
巨大ナスビ...華楠の作り話を聞いていた彼女は完全に信じ切っており、それを見て怯んでいる...怯えているお陰で戦闘態勢を取らないでいた...
隠れている者達はガッツポーズをする...
「効いていますよ!!華楠さん!!」
「...まさか...本当に信じるとは」
「ああ♪境奈が真っ青になっていますよ!!」
文は境奈の事を見て、笑みを浮かべているが、いつまでもやられている境奈ではない...
遅れて境奈はスペルカードを取り出す!
「ううう!!こうなれば先手必勝よ!!!人里では禁止されているけど自己防衛!!土式神!!(墓夢土狐)」
境奈はスペル宣言をするが、いつまで経っても何も出てこない...
「...あれ?どうしてよ!!土狐!!来なさいよ!!」
境奈が喚いても彼女のペットである土狐達は出てこない...
隠れている者達は笑みを浮かべる
「作戦成功ですね!!」
「私の薬が効いたのだろうな...能力の影響ではない以上アイツには良く効くはずだ」
華楠は手元の小瓶を眺めている...
そのラベルには能力消去薬と書かれている...今の状況を考えるに境奈の酒にでも混ぜておいたのだろう...
いつまで経っても現れない式神に境奈は焦りの表情を見せている...
「嘘よ...何で出てこないの?...は!!」
(巨大ナスビと出会った者は能力を使えなくなる)
華楠の言葉を思い出した境奈は後退りする...勝てる勝負ではない以上長居するのは得策ではない...
「うわぁああ!!!何かの悪夢よー!!」
境奈は逃げそうとするが、小傘は物陰から飛び出して彼女の前に飛び出す!
「驚けー!!」
彼女はいつも通りの脅かしかたをするが、恐怖に慄いている境奈にとっては致命的だった...
「うぎゃああああ!!!」
境奈は一目散に人里の出口へと逃げていく...その光景を見て小傘は満足そうな顔をする...
「あ...少しお腹が膨れたかも!!よし!もっと驚かすぞー!!」
彼女は境奈を追撃する...その光景を見守っていた者達は満足気な笑みを浮かべている...
「これなら彼女も満足しますね!」
「...立場的に微妙だが...こういうのもアリか...」
「うふふ!!私も満足ですよー!」
彼女達は物陰から移動して彼女達の後を追う...
「うぎゃあああ!!あ!...ぎゃあああ!!」
人里の出口まで逃げてきた境奈は石につまずく...
すぐに体勢を整えるが、彼女の後ろには傘を構えてにじり寄ってくる小傘の姿が...
「いやぁああ!!来ないでよ!!!アタシなんか食べても美味しくないわ!!」
境奈の目には、今の小傘が化け物に見えているのだろう...小傘は気を良くしたのか傘を振る...
「うらめしや~!!恐怖をおいてけー!!」
「ああ...ああああ」
恐怖のあまり境奈は、へたり込んだまま動くことができず白目を剥いている...彼女の限界が来たみたいだ...
「そろそろ...境奈さんが可哀想です...」
「頃合いだな...あいつを回収するか...」
物陰に隠れていた華楠達が動くが、文が先陣を切る...
「その前に!!彼女の思い出をフィルムに焼き付けましょう!」
文はカメラを構えてシャッターを切る...
それが...失敗だった
ぱしゃ!!
カメラから発射され光がたかれ、早苗と華楠は予想外のアクシデントに動きを止める...
「...あやや?フラッシュが出てしまいました」
「お...おい!!余計な事をするな!」
「文さーん!!」
3人は隠れようとするがもう遅い...当の被害者である境奈がこちらを見つめていたのだから...
「...どういうこと?」
「うらめしやー!...ってあれ?」
境奈は立ち上がり、小傘を押しのけて彼女達の方へ向かう...
「どういうことよ!!今の光は!!」
境奈が見据えるとそこには隠れていた華楠・早苗・文の3人の姿が映る...
「あ...アンタたちー!!これはどういう事よ!!」
...境奈の顔は鬼の形相だが、怒りか悲しみか...涙目になっている
「...いや...色々あってだな」
「何が色々よ!!特に文!!アンタ最低よ!!あ...アタシにこんなことをして!!」
「あやや...きょ...境奈?」
「もう!アタシに付きまとわないで!!うわあああん!!!」
境奈は涙を流しながら走り去ってしまう...
「うらめしやー!」
「五月蠅い!!馬鹿ー!!」
「うぎゃああ!!」
小傘が境奈を驚かそうとするが、突き飛ばされ撃退される...どうやら作戦は失敗に終わったようだ...
文の方は、その場にへたり込み真っ白になっていく...
「...文?」
「あ...文さん?」
「...ふふふ....もう終わりです...境奈に嫌われたら...ふふふ...」
文は今まで見せたことがないような、絶望に満ちた顔をしており、華楠達は彼女を見て助け起こす...
「早苗!帰るぞ!今日は終わりだ!」
「はい!小傘さん!帰りますよ!」
彼女達は文と小傘を回収して神社へと戻る...
今回は完全に失敗に終わった...あまりにも大きすぎる犠牲を払って...
その頃の境奈さん...
彼女は泣きながら、人里を走っている...
「酷い!酷いよぉ!!!あ!」
「いて!」
しかし何も考えず走っていた所為か、とある人物にぶつかる!!
「ぐす...ああ!悪いわね...」
「たく!気を付けてよ!!」
境奈は、その人物に手を指し伸ばし、それと同時に月明りがその人物を照らす...
「え!?」
「...ん?」
境奈が手を伸ばした人物には...首が無かった...
そしてその者の足元には...紅い髪をした生首が転がっている...
境奈は再度...顔を青くして白目を剥く...
「あ...ああ...ぶくくく!!」
そのまま彼女は泡を吹いて倒れる...
そして境奈がぶつかった人物は不服そうに首を頭に乗っける...
「失礼な奴ね!!ぶつかっておきながら気絶とか!!」
その人物は、境奈を近くのベンチに寝かせてその場を去る...
そして翌日...体調を崩した境奈が慧音に見つかり無事神社へと搬送される...
小傘ちゃんの食事回でした...
ではこれにて