大神神社の惨劇の同時刻...
竹林の夜雀亭には、大神家の1人...大神銖理が昼からお酒を飲みながらカウンターの奥にいる女将事...ミスティア・ローレライと談笑していた...
いつもと変わらない光景だが、今日は違う...ミスティアから大事な話があると呼び出されていたのだから...
side銖理
「う~ん!うまいッス!」
ミスチーに出された料理とお酒に舌鼓を打ちながら、銖理は伸びをする...
ここは良い!美味しいお酒と美味しい料理を食べられる隠れスポットだ!神社と同じように寛げるところでもあるッス!銖理としても大満足ッス!
「...?」
突如通信機からメール音が聞こえ、銖理は通信機を手に取る...
(助けてー!神社にさとりがー!!誰か応援を!!)by 境奈様
境奈姉からのメール...どうやら神社にさとりが来たという緊急事態みたいだけど...何でさとりが地底から地上へ?確か不可侵条約みたいのがあった気がするけど?
すぐに家族からメールが次々と送られてくる
(嫌です)by コヨミン
(無理)by コウロ
(多少の犠牲はつきものだ)by KANAN
(お世話になりました...)by潤香
他の家族からは、このようなメッセージが...銖理としても今神社に戻ることは出来ないッス...
(さよなら~!境奈姉~!( *´艸`))by 銖理♪
っと...メールを送信し、電源を切ってジャケットに通信機を入れる...
とりあえず今日は神社へは帰れないッス...今日はミスチーにお呼ばれしているから、ここで時間を潰すのは有りッス...
...しかし...ミスチーから大切な話があると呼び出されたんッスが...何の話ッスかね?
鶏肉は食べてはいないし、浮気など言語道断ッス...(影狼の場合は免除された)
お仕置きの類ではないとは思うんッスが...こっちはこっちで何か不安ッス...知らず知らずの内に何かをしてしまったのだろうか?
「ふふ...喜んでもらって何よりよ...そして...そろそろ大切な話をしないとね...」
ミスチーは料理を置いた後、銖理に向かいあう...
「な...何ッスか?銖理は何もしてないッスよ?何か逆鱗に触れることでもやってしまったんッスか!?」
「そんなに怯えないでよ!!お仕置きではないわ!!!今日はおめでたい話があるから銖理を呼んだの!!」
ミスチーはムスッとする...とりあえずはお仕置きではないことが分かって良かった...
しかし...おめでたい話とは何ッスかね?
「おめでたい話ッスか?」
「ええ!紹介したい子がいるの!入ってきて!」
ミスチーは部屋の戸を開けて誰かを呼ぶ...
しばらくすると、ミスチーと同じくらいの背の高さをした少女が宴会場に入ってくる...
小豆色のワンピース姿で、短い緑色の髪をした茶色の垂れた耳と尻尾を持っている...
一目見るだけで分かるッス...妖怪ッスね!
「銖理!紹介するわ!この子は幽谷響子!私のライブの相棒よ!」
「こんにちわー!!幽谷響子でーす!!!山彦をやってまーす!!」
「おおう!」
彼女は元気な挨拶をする...何と言うか元気すぎる...銖理の耳がキャパオーバーしてしまうッス...
山彦ね...中々珍しい妖怪ッス...山彦といえば、日本の妖怪の一種...山で叫んだりすると同じ声を遅れて返してくる妖怪の事をいう...
しかし...外の世界では音の反響音が障害物に当たって跳ね返っているだけ...と証明されてしまったらしい...
科学的に証明されたらロマンもないッス...
「こんばんわッス!銖理は大神銖理という名前ッス!一応人里でソロでバンドをしているッス!」
「知っています!白蓮様のお弟子さんのお姉さんですよね!?」
...白蓮?...弟子?
...もしかして...この前出来た寺の子なのかな?確か白蓮って名前...聞き覚えが...ってことは...その弟子というのは潤香のことか...
まだ挨拶に行ってなかったな...今度行っておかないと...
「うん...そうだね...しかしミスチーとのライブの相棒ね...」
...銖理と同じく尻に敷かれそうッス...仲良くできれば良いんッスけど...
ふとミスチーの方を見ると、包丁を持って余計なことを言うなという顔で銖理を見つめている...
やばい....余計なことを言ったらお仕置きッス!!
「いいんじゃない!!良いッス!!このまま幻想郷のトップに君臨してくださいッス!!そういえば!バンド名とかは決まったんッスか?」
私の言葉にミスチーは包丁を持ちながら考えるような顔をする...
「ん~?一応考えているのは鳥獣伎楽って名前かな~?響子をボーカルにして魂を込めたライブをするの!」
「頑張りまーす!!」
...山彦がボーカルとは...中々良い歌声が聞けそうかも?...しかし山彦が魂を込めたか...何かシャウトソングになりそうな気がするッス...
しかし...白蓮っていう住職は、この事を知っているのだろうか?寺の戒律には詳しくはないけど、寺的にはOKなのだろうか?
「応援してるッス!!」
「ありがとうございまーす!!...ん~?」
響子は銖理をマジマシと見つめている?まるで観察するような...感じだけど?
「...どうしたんッスか?」
「銖理さんって妖怪なんですよね?」
「正確には妖怪でもあり人間でもある感じッスね...」
銖理は半獣の姿になり、9本の尾を広げると彼女は驚くような顔をしている...
「うわ~狐さんだ!」
「これが銖理の姿ッスね...そこまで驚くようなことでもないッス」
「...」
響子は銖理を再度観察している...尾をマジマジと見たり...尾の感じを確認するために手で触れたりしている...
尾を悪戯に動かすと彼女は、それを目で追う仕草をする...何か面白いな...猫に猫じゃらしで遊んでいる感じになるッス...
「楽しんでもらえたッスね」
「え?いえー!何でもないですよー!!」
何故か彼女は顔を赤くする...
「顔が赤いッス...熱でもあるんッスか?」
「...う...う~」
彼女のおでこに手を当てると、彼女の顔が更に赤くなる?
何故か尾を振っているけど...
「響子!そろそろ門限じゃないの?また住職様に怒られるわよ?」
「え?」
急なミスチーの言葉に彼女は驚くように時計を見つめる...
「あ!本当だ!今日は境内の掃除をしなきゃいけないのに!!!ごめん!ミスチー!私帰る!銖理さん!またねー!」
響子はそのまま店を後にする...
もう少しお話したかったけど...お寺の仕事か...真面目にやっていることは良い事ッス...
「ん~♪しかし...中々良い逸材に会えた気がするッス...って...」
「...」
ミスチーの方を見ると、包丁を持って怒気を感じる顔で銖理を睨みつけている...
あれ?何かこれ...既視感が...
「ミスチー?何で怒っているの?」
「しゅり~?私の目の前で良くもそうできるわよね?」
「え?それはどういうこと?」
「...私の目の前で響子とイチャイチャして...本当に良い物を見せてもらったわ」
「...そ...そんなことはないッス!!」
銖理がイチャイチャ?只熱を測っただけだというのに!!
「ふふふ...相変わらず大神家の子は...女の子にモテモテね...」
「ひぃー!!」
ミスチーは私にユラリと近づいてくる...
やばい...これは確実にお仕置き...お仕置きだけは...お仕置きだけは避けなくては!!!
「待って!!これは不可抗力であって!銖理は悪くない!!」
「...」
弁明空しく...ミスチーが更に近づいてくる...
「ああああ...」
終わった...銖理は頑張ってお仕置きを受けないように立ちまわっていたというのに...こんなことで...
...もう覚悟をしておいた方がいいッス...今回で3回目...前回と同じく耐えねば...耐えきれる気がしないッス...
「...もう!!」ぼふ...
「...?」
ミスチーは銖理の胸に顔を埋めて優しく抱きしめる...
あれ?思っていたより...平和だ...
「...これがお仕置きッスか?」
「お仕置きじゃないわ...大神家の貴女が女にモテるのは、もう仕方のない事よ...だけど...お願い今日だけは私を見て...」
彼女は着物を着崩して銖理に抱き着く...
あらら...ジェラシーを感じてしまったみたいッス...ミスチーに少し可哀想な事をしてしまったッス...
「...何かごめん」
「...いいの...仕方のない事だもの...」
ミスチーは銖理から離れて包丁をまな板に置き店の看板をクローズにして、鍵をかける...彼女は着物を脱いで銖理に抱き着く...
「私も我慢の限界よ!!痛くしたら...お仕置きだから!」
「善処するッス...お...お手柔らかにお願いしまッス...」
...私は畳に横になり、彼女が私に覆いかぶさる
大神が同姓にモテるのはこの際仕方のない事...悪くはないんだけど...何かクセになりそうッス...私はいつからこうなったんだろうか?
一方その頃...命蓮寺にて...
命蓮寺の境内には、幽谷響子が境内の掃除を行っていた...
せっせと箒を動かしている彼女ではあるが...その表情はボーっとしている...
side響子
「...はぁ」
...お掃除してるけど...何か今日は気が晴れないな...
あの銖理っていう人...狐の妖怪みたいだけど、色からして何か神々しいのよね...あの人の姿が目に焼き付いちゃった...
「...いけない!!雑念を払わないと!!このお寺で修行をするのだから!これも!何かの試練のはず!」
「響子~!帰りましたよー!」
突如聞こえる声......この声!!白蓮様の声!!!
「おかえりなさい!!白蓮様!!...?」
お寺の入口へ向かうと、そこには白蓮様の他にもう一人いた...
桃色髪の女の子...胸にはコードのついた赤い目をしたものがついている...
女の子みたいだけど...妖怪ね...何か赤い目が私を見つめている気がする...
「白蓮さま...この方は?」
白蓮様は笑みを込めて女の子を前に出す...
「ただいま響子...この方は古明地さとりさん...私の新しい友人です」
「古明地さとりです...宜しくお願いします」
さとりさんは私に向けて会釈をする...
「あ!幽谷響子です!宜しくお願いしますー!」
私も会釈を返すと、さとりさんは笑みを浮かべている?
「...ふふ...甘酸っぱい青春ね」
「え?」
彼女の言葉に首を傾げると、白蓮様が口を開く
「この方を客間に案内してくれるかしら?色々と私の方でも聞きたいことがあるので」
「わかりましたー!」
さとりさんを迎え入れて私達はお寺の中へ入る...
「...甘酸っぱい青春って何だろう?」
そしてさとりさんが妖怪だということは分かったけど...何の妖怪なのでしょう...
まだ日常編は続きます
ではこれにて