夜雀亭の事から時間が経過し...夜8:00...
命蓮寺にて...
命蓮寺の白蓮の自室では、聖白蓮・古明地さとりが談笑している...
「モフモフって良いですよね~!この前何か私は大神家の当主様以外をブラッシングしたんですよ!」
「まぁ!羨ましいです!!私も昔は潤香をモフモフしたんですよー!」
同じ志を持つ者達のモフモフについての談話...何もない平和な時間だと思われるが...
「...」
...談笑している彼女達の傍らには、モフモフもとい...青い顔をした大神潤香の姿があった...
side潤香
「...どうして」
...何でさとりがここにいるのです?
確か地底の不可侵条約があるから、彼女はここへは来れないはず!!
ですが...半刻前に境奈お姉様から...
(助けてー!神社にさとりがー!!誰か応援を!!)by 境奈様
と...メールが送られてきて家族からは...
(嫌です)by コヨミン
(無理)by コウロ
(多少の犠牲はつきものだ)by KANAN
と...いうメールが...
私も犠牲になりたくはありませんし...
(お世話になりました...)by潤香
と...メールを送信...残りは銖理お姉様が助けに入ると予測していましたが...
(さよなら~!境奈姉~!( *´艸`))by 銖理♪
という...まさかの見捨て...完全に境奈お姉様は生贄にされてしまいましたね...
「う...」
...さとりが大神神社にいると思って帰らなかったのが裏目に出ました...
まさか...命蓮寺に来るとは!!それも!私が挨拶に来る日を狙うなんて!!!神よ...潤香はいつまで試練を耐えればよいのですか!?
「潤香さんをモフモフですか...」
話が終わったのか...さとりが私の方を向く!!!彼女は片手にブラシ(凶器)を持っています...このままでは境奈お姉様の二の舞...ですが...恐れることはありません!!!今の私は完全に人間の姿!!モフモフされる尾なんて何処にも存在はしません!!
「...私は絶対にブラシはさせませんよ」
「つれませんね...貴女の尾も手入れをすれば中々の物ですのに...」
さとりはブラシを撫でながら答える...
私にとっての凶器を持っている以上、抵抗はできない...白蓮様も助けてはくれないでしょうし...どうすれば...
「さとりさん...あまり潤香を虐めないでくださいね?この子...半獣の姿には慣れていないようですから...」
「!?」
...まさか白蓮様からの助け?これは助かります...さとりも白蓮様とは仲が良いみたいですし、これ以上の事はできないはず...
「...貴女が言うなら仕方ありませんね」
さとりは大人しくブラシをしまう...何という行幸!!!仏の声により私は救われました...ああ...白蓮様...潤香はこの御恩を忘れません...
「ですが...彼女にとっても己の姿と向き合うことが大切だと私は思いますがね...」
突然のさとりの言葉...姿と向き合う?
「...それはどういうことで?私が何に向き合うと?」
さとりは自身の胸についているサードアイを私に向ける。
「貴女の心が読めなくても貴女のトラウマは手に取るように分かりますよ?貴女は獣の姿を恐れている...そろそろ獣の姿と向き合ってもいいのでは?」
「...貴方には関係のないことです」
「まぁ確かに余計なお世話かもしれませんがね...いつまでもそれでは、貴方本来の輝きをいつまで経っても見いだせないではないですか...私としてはモフモフが輝きを見せないまま朽ちるのは我慢なりませんので」
「私としては見せずして朽ちた方が良いのですがね...」
私の言葉にさとりは肩を竦める...
「卑屈ですね...そこまで自身の姿を嫌うとなると、相当なトラウマがあったのでしょうね...例えば...」
「...大切な人に...見られて拒絶されたとかですかね?」
「あまりしつこいなら...私も出るとこ出ますが?」
私は左腕を氷結させて彼女へ向ける...何も分からないのに...私の心に土足で入られるのは良い気分ではありません...
だが彼女は臆することなく、口を開く...
「図星みたいですね...」
「...」
私が彼女へ向かおうとすると、左腕を誰かが掴む...
「潤香...手を挙げては駄目ですよ」
「...白蓮様」
私は左腕を元に戻す...そして白蓮様はさとりの方を向く...
「人の過去に口出しをするのは褒められませんよ...さとりさん」
「...これは失礼しました....私の方も出過ぎましたね...」
さとりは私の方を向いて...僅かに笑みを浮かべる...
「何です?」
「...潤香さんもお怒り見たいですし...今日はお暇した方が良さそうですね」
彼女はそのまま、部屋から出ていく...何がしたいのですか...あの子は...
白蓮様の自室には私と白蓮様の2人のみとなった...
「...」
「...えっと」
何というか...非常に気まずくなっています...
話も続きそうにありませんし、帰った方がいいのではないでしょうか??
「...私もこれでお暇します」
「駄目です!!」
席を立とうとすると白蓮様が私に抱き着く...
「まだお話も何もしていませんよ!!!」
「確かにそうですが...」
...正直こうなってしまうと話すことも無いのですよね
本日はご挨拶に来たぐらいですし...話のネタになるものもないのですから...
「...」
「...」
...この沈黙が辛いです...私としても何を話せばいいか!!こういう時こそ饒舌な境奈お姉様・銖理お姉様が羨ましいです!!
「なら!せめてお茶の1杯は飲んでいってください!!」
「え?」
「いいですね!!」
白蓮様はそのまま、部屋を出ていく...
数分もしないうちに、お盆と玉露と書かれたラベルが入ってある緑色のビンを持って部屋に戻ってくる...彼女は中身を湯呑に注ぐ...
「玉露です...」
「ええ...ご丁寧に...しかし...玉露をビンに入れて保存しているとは...」
「ええ!戸棚の中に大量にあったので持って来ました...私の方は作りたてが良いのですが...作る時間もありませんし...」
白蓮様は湯呑を持って寂しそうな目で私を見つめている...
「...そんな目で見ないで下さいよ」
「ですが...貴女が来てくれたのに...」
白蓮様はじーっと私を見つめている...
こんな顔をされてしまったら...帰ることなんて出来るわけもないです...
「わ...分かりました!本日は帰りませんよ...」
「まぁ!本当ですか!!」
さっきと打って変わって白蓮様は顔を輝かせている...
「ふふ!!なら今日は潤香の話を沢山聞かせてくださいな!私は貴女の事をもっと知りたいですもの!!」
そう言って彼女は玉露を飲む...
ですが...私は気づくべきだった...
本当に湯呑の中の物は、玉露だったのか...と...
「...うふふふ」
「...?」
白蓮様は顔を紅潮させながら、艶のある笑みを浮かべている?
「どうしました?白蓮様?」
「うふふふ♪...潤香が沢山みえましゅ...気分がすごくいいでしゅね~」
何故か呂律が回っていない?何故こんなことに!!!
「はっ!!」
私は湯呑に注がれた物を確認する...一見緑色で玉露に見えますが...一口失礼して...
「...けほ!!」
玉露の香りに混じった香りにむせる...
...これ..本当の玉露じゃない...玉露に焼酎を混ぜたものではないですか!!!何で寺にお酒が置いてあるのです!!!
「フンフーン♪」
白蓮様の方を見ると鼻歌を歌いながら体をユラユラさせている...酔っている...確実に酔っている...
そこまで強い度数ではなかったですが...普段から飲まない人にとっては酩酊状態にする代物ですね...
「...とりあえず犯人捜しは後にして...まず最初に白蓮様の介抱を...」
「暑いでしゅ...」
白蓮様は黒い法衣を脱ぎ捨て、更に下の白の法衣まで脱ごうとしている!!
私は彼女の行動を止める!!
「駄目です!白蓮様!!色々と駄目です!!!」
「だって暑いんでしゅもの!!!」
何故か半ギレで返答する彼女...完全に出来上がっていますね...
これは...見てないと危ないですね...色々と...
「ふぅ...とりあえず...彼女に水を飲ませて...次は早く寝に入らせなくては...」
「潤香ー!」
白蓮様は私に抱き着き、私の胸に顔を押し付けている!!
「ふふふ...潤香の匂いがする~♪」
「白蓮様!駄目ですって!!」
「何がダメ?いいじゃないでしゅか!!」
白蓮様は手早く私のジャケットを脱がし、ブラウスのボタンを1つずつ外していく!!!
「え...待って...何が何だか...」
私としても...状況が掴めていない!!!このままでは...私はどうなってしまうのですか!!!
「ふふふ!!綺麗なお肌です!もっと自分に自信を持った方がいいですよ?」
白蓮様は私を押し倒して、私の首を舐める!!!
「ん...っくちゅ...ふふ...」
「まって...まだ心の準備が...」
「待ちません!!!それに...」
白蓮様は私の左胸の傷痕をそっと触れる...
「まだ貴女には...お礼が出来ていませんでした...私の愛を受け取ってください!っ!!!」
「っ!!!」
白蓮様からの濃厚な接吻が...
「っ!んっ!!」
「んっ!!ん!!」
彼女の体温が...心地よい...
私の...体がとろけてしまう...
...
翌日早朝
side白蓮
「...ん!?」
布団から身を起こし...私は頭を抱える...
...頭が痛い...昨日の記憶が全くありません...
さとりさんが帰って...その後に潤香と玉露を飲んだのは覚えているのですが...
「うう...それに寝間着に着替えずに寝てしまうとは...」
今の格好...白の法衣の姿...白の法衣は、このまま寝た所為でシワシワになっています...
黒の法衣を探すと、部屋の隅に畳まれずに放置してあります...普段の私ならこんなことしないのですが...
布団から出て法衣の方へ向かうと、違和感を感じて立ち止まる...
「ん?何か...股がすーすーします...」
私はそっと法衣をめくる...
...私のパンツはどこへ?
私はそっと法衣を戻して...考えを纏める...
「...昨日の事は全く覚えはありません...私は一体何を!?」
もぞ!
「!!!」
物音に気づいて私は、その方向を見る...
そこには...私がさっきまで寝ていた布団の光景...
...布団が蠢いている...布団の中に...誰かがいる?
「...いざ南無三!!!」
私はそれを捲る!
そこには...
下着姿で眠っている...潤香の姿が!!!
「なむさーん!!!!」
私は崩れ落ちる...
一体何をしたんです!!昨日の私は!!!只言えることは...潤香と何かをやってしまったということだけ!!!
...いや...少しずつ記憶が...
「うふふふ♪...潤香が沢山みえましゅ...気分がすごくいいでしゅね~」
何故か呂律が回っていない?私の姿...
「暑いでしゅ...」
法衣を脱ぎ捨て、更に裸になろうとしている私を止める潤香の記憶!
「ふふふ...潤香の匂いがする~♪」
潤香の胸に顔を押し当てている私の記憶!!
「何がダメ?いいじゃないでしゅか!!」
潤香の服を剥いでいる私の記憶!!!
「ん...っくちゅ...ふふ...」
彼女の首を舐める私の記憶!!!!
「っ!んっ!!」
...そして...潤香と...せ...接吻を...
「...何てことを!!」
まさか...あの玉露にお酒が入っているとは...
夜って弟子を襲ってしまうとは...何てことを!!!
もう謝っても許してもらえないじゃないですか!!
うう!!...潤香にだけは嫌われたくなかったのですが...
「ああああ...?」
潤香の方を見ると、彼女は寝ながら笑みを浮かべている?
「...ふふ...白蓮様...」
「...」
私との楽しい夢でも見ているのでしょうか?しかし...彼女の笑みを見たのも...遥か昔ぶりですね...
「...これはこれで悪くはないですね...」
久しぶりに良い物を見れました...ですが...今度はお酒の力を借りずに彼女を愛しましょう...お酒で暴れていた私のやったことは間違っていなかったとは言えませんし...
...お酒?
「...そうです...元は玉露にお酒を混ぜた者が原因です...さて...」
私は黒の法衣に袖を通して潤香を起こさないように部屋を後にする...
そして台所...犯人はそこにいた...
「ふぃ~朝からの一杯はたまらないね!」
...台所で酒入玉露を飲んでいたのは、弟子の雲居一輪...これは現行犯逮捕です...
私が台所へ入ると、彼女は口に含んでいたお酒を吐き出す
「げほ!!!姐さん!!!」
「一輪!!!貴女と言う人は!!ここはお酒が禁止だと言ったのに!!」
「ひっ!何でバレた?」
「...この前のお仕置きが足らなかったようです...久しぶりに怒りました...表に出なさい!!」
「ぎゃあああ!!姐さん許してー!!!」
私は一輪を引きずり境内を目指す...
ですが...潤香の笑顔を見れたのは紛れもない事実...
今日の所は前回より気持ち軽めにしておきましょう♪
まだ続く日常編
ではこれにて