謎の神霊が現れる今回の異変...
命蓮寺近くの森にて行われる、大神潤香と封獣ぬえ+幽谷響子の戦いは時をかけて幕を引きかけている...
ボロボロの状態で立っている潤香の周りには、満身創痍のぬえと響子の姿があった...
sideぬえ
「ちくしょう!!!」
潤香の攻撃を弾いて後退する...
さっきから全力で攻撃を行っているが...奴が倒れる気配が全くない!!
やはり...腐っても大神家の一族だけあり、こいつが本気を出している以上!!このままでは私の手に余る...どうするべきか...
「ち...」
「...はぁ...はぁ」
それに新人の奴...もうへばりやがった...このままでは足手纏いだというのに...
「ぬえ...退くことをオススメしますよ?その子を守って戦うのは流石の貴女でも厳しいでしょう?」
「うるせえ!!!お前だってそれなりにダメージを受けているだろ!!」
...この状況は不味いが...潤香の奴にも、それなりにはダメージを与えたはず...このまま耐えれば...
「退くことは...私からのお願いです...これ以上貴女達を傷つけさせないで下さい...」
僅かながら嘆くような声が聞こえるが...そんな戯言!信じるか!!
「裏切り者が!!白蓮を裏切った奴に言う事何か信じられるか!!」
「...っ」
僅かに潤香の攻撃のペースが下がる...私の言葉が効いたのか?...だがこのチャンスを逃すぬえ様ではない!!
「くらえ!!!」
私が放った光弾が潤香を捕らえる!!!
爆発が起きるが、そこには平然と立っている潤香の姿がある...僅かながらに黒焦げているだけ、ダメージらしいものはない...
「っ...」
「ったく!!固いな!!」
「...これ以上の...時間はかけれませんね...残念ですが...貴女達には、ここで眠ってもらいましょうか...」
「...」
潤香の体に更に妖力が集まり、体が変化していく!!巨大な...九尾の狐の姿に...
まじかよ...これが噂に聞く大神家のメンバーの本気の姿だというのか?
「!?...まずい!」
回避行動をしようとするが遅かった...私の体が凍り付き動けなくなる!!
「なっ!?」
「この罰は...後程受けます...ごめんなさい」
彼女の体が輝き、私の意識が暗転する...
side潤香
「...」
完全体の姿を解き、私は目の前の光景を見つめる...
目の前には、石畳の上で倒れているぬえの姿がある...
...彼女は白蓮様の為に私を止めようとした...それを私は...
「...感傷に...浸る暇はありません...できることをしなくては...」
「ひっ...」
「!?」
声が聞こえ、その方向を見ると、そこには先程までぬえと一緒に戦っていた子が腰を抜かしている姿...早々に離脱したから忘れていましたね...
...確か...白蓮様の門下に入った子ですね...確か幽谷響子という名前だったでしょうか?
「大丈夫ですか?ぬえを連れて離脱してくださいな...」
「ひう!?」
彼女は体を震わせる...私の事を恐れているのでしょうか...無理もありませんね...
「...」
...この光景には...見覚えがありますね...
あの方が...私の半獣の姿を見て畏怖した時にそっくりです...
「...っ」
...あの件は私の罪...あの方は悪くありません...そう...悪いのは私なのですから...
「...あら?」
響子の方を見ると、ぬえを担ぎながら私の方をジッと見つめている...
体が震えているというのに...逃げたいと思っているだろうに、逃げる素振りすら見せようとしない?
「...どうしました?」
「あ...あの!銖理さんの妹さん!」
彼女のはっきりとした声で私の耳が震える...そうでした...この子は山彦でしたね...
「何です?これ以上の戦いはオススメしませんよ...」
「...えっと...!!」
響子は私の方を見つめる...
「中々!神々しい姿を見せてもらいました!!流石は銖理さんの妹さんですね!!」
「...は?」
...神々しい?この私が?禍々しいの間違いではないでしょうか?
というよりこの子...何かイキイキとし始めていますが?何というか...シイタケのような目をしていますし...薄っすら涎が...
「な...何を言っているのです?」
「銖理さんと同じ狐の妖怪さん...すごい綺麗でした!白蓮様も貴女の事は美しい子だと言ってましたよ!」
「一応お礼は言っておきますが...」
...調子が狂います...ここまで容姿を褒められたことはないですから、何というか...この気持ちは何というのでしょうか?
「ぬえを早く運びなさいな...手加減したとはいえ、私の術はキツイと思いますし...」
「それはそうします!...ですが...最後に一つ言いたいことが...」
「...まだ何か?」
「白蓮様は毎回言っていました...貴女は美しいのに自信がないからもったいないと...もっと自分に自信を持っていいと思います!」
...そういえば言われていたような気がしますね...自信と持つですか...
...無理難題ですね...生まれてこの方...幾数千年...今更この性格を変えるというのは厳しいものがあります。
「...善処しますよ...早く行きなさいな」
「お願いしますね...白蓮様は心配していましたし...では!私はこれで!!」
響子は、ぬえを抱えて私の前からいなくなる...私はそれを見送り、懐から小瓶を取り出す。
「けほ...流石にも...完全体の姿は堪えますね...念のためにこれを用意して良かったです」
やはり数分とは言えど、完全体の姿は疲労が溜まります...妖力の消費が激しいですし、コストパフォーマンスが悪いです...
小瓶の中には金色の液体が入っている...
私の姉である華楠お姉様の作成した秘薬...これがあれば失った妖力を瞬時に回復させる優れもの...くすねておいて正解でしたね...
私は中身を飲み干して霊廟へと続く道を進む...
一方その頃...異変解決組は...
「ううう...何で私まで~」
「大丈夫ですよ!妖夢さん!!今回は大勢で行きますから!だから前線でお願いします」
「安心しろよ...落ちたら置いてくから!」
「...鬼ね...アンタら」
博麗霊夢・霧雨魔理沙・東風谷早苗・魂魄妖夢の4名が異変解決へ向けて命蓮寺へと急ぐ...
待ち受けている者の存在も知らずに...
side霊夢
「ったく!」
後ろでバカ騒ぎしている3人を見ながら私は命蓮寺へと進む...
幽々子が言っていたことが本当ならば、今回の異変は命蓮寺近くの何処かに異変の黒幕がいるはず...
しかし...今回の異変は今までとは違って何か違和感があるわ...
意図的に起きたというより、消えたり現れたりを繰り返している霊達は...まるで誰かに救いを求めて現れているような...そんな感じがするわ...
「おい!霊夢!お前も混ざれよ!今回は4人何だから楽しいだろ?」
「遠足ではないのよ...それにいつも通りじゃないの!そのうち大神からも誰かが派遣されるでしょう?」
「今回あいつら来るのか?早苗がいるから華楠が来るとは思ったけどよ?」
確かにそうだけど...今回は暦達大神家の者達は来ないと思うわ...確証はないけど、何か嫌な予感がするわね。
「っ!」
突然悪寒を感じて私は身震いする...
少し気温が下がった気がするけど...それだけではないわ...この妖力は...
ふと下の景色を見ると、私は手で制して後続の魔理沙たちを止める...
「...アンタ達...止まりなさい」
「おい!どうした?」
「何かありましたか?霊夢さん?」
まだ彼女達は気づいていなかったみたいね...
私は下へ降りて森の中へと着地する...
私が着地した地点は...木々がなぎ倒され、地面が抉れている森の光景...先程まで誰かが戦っていたみたいね...
「っ...」
「...あちゃ~随分と派手にやったみたいだな」
「そうみたいですね...妖怪達が暴れていたのですかね?」
魔理沙たちも降りて来て森の惨状を見た感想を漏らす...
「只の妖怪なら良かったわ...」
私は近くにある木から葉を1枚千切り取る...葉が凍り付いている...まだ冬ではないというのに...
「はぁ...」
...最悪ね...私の勘が外れて欲しいものだけど、確実にここで戦っていた者は限られているわ...
「魔理沙...今回の異変はいつも以上に気を引き締めなさいよ...」
「ん?分かっているけど?どうした急に?」
...ここで言ってもいいけど...確証が無い以上、思い込みはやめておいた方がいいかしらね...
「念のためよ!さぁ!早く行くわよ!」
私達は再度命蓮寺へと向かう...
...潤香...まさかアンタなの?
軽い会話編でした
ではこれにて