神霊の大量発生した異変は、博麗の巫女一行により無事に解決された...
異変の首謀者であった豊聡耳神子も霊夢により無事お仕置きを受け、後日謝罪に博麗神社へと向かった...
これにて異変も無事に完了した...一部の者を除いては...
そして異変の翌日...ここは人里にある甘味処...
いつも客で賑わっている所にとある者達がいた...今回の異変に協力した、蘇我屠自古と物部布都...そして沈んでいる状態の豊聡耳神子の3名がいる。
side屠自古
「...太子様...元気出してくださいよ」
アタシの目の前の席には沈んでいる神子様がいる...いつもの凛々しいミミズクのような髪は犬のようにしょげている...
「...だって...復活してこれからだというのに...いきなり巫女にしばかれて...行き成り出鼻を挫かれたから...」
「...あー」
神子様の話を聞きながらアタシは茶を飲む...
確かに神子様は、あの紅白の巫女に折檻を受けたな...潤香の奴は完璧に敗北し、青娥・芳香は逃亡・アタシと布都は仲間割れで統制がとれていなかったのも事実か...ある意味貧乏くじを引いたのは神子様だったか...
「まぁ...今日はアタシのおごりです...1400年前よりも美味しい食べ物が増えたんですから今日は楽しんでくださいよ」
「...感謝です」
神子様はケーキをつつく...これで元気になってくれればいいのだけど...
「!!!んほ!!!これはうまいのぉ!!!」
「...」
アタシの横では口の周りをベトベトにしながらケーキを食べている布都がいる...全くだらしない!!神子様はいるというのに!
「口を拭け!!」
ハンカチで彼女の口を拭う...
「ああ...すまんの」
布都はまたケーキを食べ始める...何だろ...いつの間にか世話係になっている気がする...
「確かに美味しいですね...復活して良かったです」
神子様の髪が僅かに戻る...よし!機嫌が直って来た!!
「確かじゃの!太子様!これで青娥殿と潤香の奴がいれば!昔に戻る...」
カラーン...
布都の言葉に神子様は青い顔をしながらフォークを落とす...
「...そうですね...残りは彼女がいれば昔見たいに元通りに...」
神子様の髪がまたしょげる!!あのバカ!!地雷踏みやがって!!
「あはは...神子様!彼女も多分そのうち現れますよ...多分」
「...?現れるも何も潤香の奴は今回の事に関わって...」
ふみ!!!
「ぐぉぉお!!?」
布都の脚を踏みつけて言葉を遮る!地雷原を爆走しまくりだろ!!!
「布都はどうしました?」
神子様が不思議そうな顔をするが...ここは誤魔化す!!
「あはは!!喉を詰まらせたみたいです!!ちょっと厠へ行って来ますね!」
アタシは厠に布都を連行する...
「おい!お主!!痛いではないか!!」
厠に着いた瞬間に怒鳴られるが、アタシは悪くない!
「あほか!!潤香の奴のことは前に教えただろ!!!もう神子様に関わらないって!!」
...そう...潤香の奴は今回の異変に協力を最後にアタシ達の前から消えると言っていた...アタシとしても、納得は出来ないが彼女の強い意志の前にはどうしようもない...
布都は頭を掻く...
「...ああ...確かにそうじゃが...未だに我は納得できんぞ?短い期間とはいえ、同じ目的を持った仲間だからの?まぁ...奴も面倒な忠誠心を持っておるから分からぬ話ではないが...」
「神子様に面倒をかけるのが嫌という理由だが...それが神子様の望みじゃないのに...分かってない奴だ」
...奴の生まれは特殊だ、奴は人間でもあるが、妖怪でもある中途半端な存在だ...妖怪の姿に関してコンプレックスを持っているみたいだし、今後...民を導く為に政策を行う神子様にとって自分は従者には相応しくない...迷惑になると思ったが故の行動だろう...
「確かに納得はできないけどよ...今のあいつを神子様に合わせたらどうなるか分からないぞ?どうなるかも微妙だしな...」
「はぁ...確かにの...まぁ...戻るとしよう...太子様を待たせる訳にはいかんからの?」
「...そうだな」
アタシと布都は厠を後にする...今後の事は考えるとしよう...
「お待たせしました神子様!」
「...ええ...布都は大丈夫ですか?」
「ええ!我は大丈夫です」
アタシらは席につき、神子様を見つめる...特に違和感は持たれていないが、悟られてはいけないな...神子様相手に嘘はつけんからな...
「...!?」
ふと外を見つめると、甘味処に入ってくるカラフルな髪をした団体に目が留まる...
「偶には家族で来るのもいいかもな?」
「今回のアタシの奢りよ♪感謝しなさいよー!!」
「境奈姉!感謝ッス!!」
「まぁ...我が家の財政管理は境奈姉さんの仕事だからね...感謝はしているよ」
その女性4人組は...姿形・髪の色は違えど、潤香と顔が瓜二つだ!!!まさかとは思うが...潤香の姉妹か!?何でこんなバットタイミングに!!!
幸い!神子様の後ろにいるから気づかれていないが...この状況は非常に不味い!!
アタシの横にいる布都は、アタシに耳打ちをする...
「おい...屠自古...あの団体はもしかしなくても...」
「...分かっている...潤香の姉様達だ...こんな時に現れやがって!!」
姿は違えど、神子様に見られたら確実に面倒なことになりかねない!!潤香との約束も守れない状況になっちまう!!
「ん~?その前にちょっとトイレ行ってくるッス!」
白い髪の潤香の姉が団体から離れて厠へと向かい、他の姉は遠くの席に座る...
「こうなれば...やるしかない」
「おい...屠自古...どうするのじゃ?」
「お前は神子様を見張ってろ...アタシがこの事態をどうにかする...」
アタシは席を離れて厠へと向かう...潤香の約束を果たす為には...仕方のないことだ!!
厠につくと、鏡の前にいる潤香の姉がいた...幸いアタシのことには目に留めていないみたいだ...
「おっと!!やべぇッス!!」
白い姉は蛇口を捻り過ぎたのか...水が激流のように放出され、シンクに収まることなくあふれ出る...行き成りボケを見せるとは...少し抜けている所があるみたいだな...
彼女はあたふたしながら蛇口を閉める...
「うう...辺りがびちょびちょッス...最悪...」
辺りには水たまりが出来ている...あまり、この厠は水はけが良くはないらしい...
「...ふんふーん♪本当は潤香の奴も来ることができたら家族全員での楽しい一時だったんだけど...無理に起こすことは出来ないッス...」
白い姉は、気を取り直して独り言を呟きながら、手を拭き終わりメイクをし始める...完全に油断しきっているな...本当に潤香の姉か?
アタシは彼女の後ろへと回り込み、そして...
「...悪い」
「ん?」
アタシは彼女の手を握り、放電する!!!
「うぎゃああああ!!?」
痺れた白い姉は、黒焦げの状態で倒れる...手と体が濡れていたから効果は抜群だな!!
「まずは1人目...このまま全員を昏倒するだけだ!!」
こうなれば...彼女達の姿が神子様の目に触れなければ良いはずだ!!!このまま潤香の姉を全員ヤれば...事態は良い方向へ向かうはずだ!!!
「よっと...」
アタシは潤香の姉を1人個室の中へと入れる...残りは三名!!
「ふぅ...残り三名をどうするべきか...」
「おーい!銖理!トイレ長いぞー!」
「!!?」
アタシはとっさに掃除ロッカーへ隠れる!!厠には赤い髪をした潤香の姉が入ってくる!!くそ!!まだ準備が出来ていないというのに!!!
「...あれ?いない?」
赤い姉は厠の中を探している...ちぃ!!!ロッカーの中に入っていなければ!すぐに電撃で気絶させれたというのに!!
「...個室の中か?」
赤い姉が個室を調べ始める!!!?あの一番奥には!白い姉が入っているというのに!!気づかれたら警戒されてしまう!!そうなったら神子様にこの事がバレてしまう!!
「ぐぐ...どうすれば...あ!」
アタシは赤い姉の足元を確認する...
奴の足元には水溜りが!!さっきあの白い姉が撒き散らした時の産物が!!
「これは幸運!!この厠の床は水はけが悪いからな!!」
アタシはロッカーの扉を少し開けて、濡れた床に電気を放電する!!!
電気は濡れた床を伝わり、赤い姉の足元の水溜りへ!!!!
「...?ぎゃああああ!?」
赤い姉は黒焦げになり倒れる...万事急須だったが...幸いな事が続いて本当によかった...
「ふぅ...」
アタシはロッカーから出て、赤い姉を白い姉と同じ個室へと入れる...残りは2名!!この調子ならば!!何とかなる!!
「2人共!遅ーい!!何をしているのよ!?」
「!?また次の奴か!」
アタシは個室に隠れる...そして扉のスキマから外を見ると、そこには黄色い潤香の姉が居た...
彼女はあたりを見回して、溜息をつく...
「あれ?いないし?...それに何よこのトイレ...水浸しじゃないの...」
僅かに不快そうな顔をした彼女は、入り口から動かずにトイレを眺めている!!
入り口付近まで水が通っていない!!さっきと同じ方法では倒せないじゃないか!!
「ったく!!2人揃って何処へ行ったんだか?もしかして個室にいるの?」
黄色の姉は遠目で個室を眺めているだけだが、その場から動こうとしない...こうなれば強行突破だ!!
「おらあ!!!」
アタシは扉から飛び出して、彼女の腹に雷パンチを繰り出す!!
「げほえ!!!?」
それは見事にクリティカルヒットを出し、黄色い姉は泡を吹いて倒れる...
「ふぅ!!!」
アタシは黄色の姉を個室に入れて一息つく...残りは後1人...何やかんやあったが...何とかやり遂げている...
「一回手を洗おう...黄色い姉の甘い匂いがついた...」
アタシが手洗い場へ向かうと、厠にまた誰かが入ってくる...
「...あれ?アイツら...何処へ行った?」
今度は潤香の緑色の姉が来た!!!これはチャンス!!!彼女とは面識がないから警戒される心配はないな...
「おっと...失礼」
「ああ...」
彼女とすれ違う...こいつも警戒が無いな...水溜りに足を突っ込んでいるし楽に行えるというもの!!
アタシはそっと地面に電気を流す!!これでなら!!緑の姉も!!
「...ふむ?入れ違いにでもなったか?」
「...え?」
緑の姉は首を傾げながら何事もなく厠内を観察している?何でアタシの電気が効かない?こいつに確かに通電しているはずなのに!?
「...!」
まさかこいつ!!電気が効かない!?
試しに電気を再度流すが、彼女は全然効くような素振りすら見せない!!!やっぱり効いていない!!こいつには無駄だ!!
「...ならば!!」
アタシは彼女の首に腕を回し!チョークスリーパーをかける!!流石の彼女もアタシに攻撃されたことに気づく!
「なっ!何をする!?」
彼女はアタシを必死に振りほどこうとする!!こいつ!!他の奴より頑丈だ!!アタシのチョークスリーパーに耐えているなんて!!
「おら!!落ちろ!!!」
「ぐぅぅぅ!!!」
だが!効いている!!このままやり続ければ!!いつかは落ちる!!
30分後...
「...う」
緑の姉から力が抜ける...良し!完全に落ちたな!!
「ぜぇ...ぜぇ...しぶとかった...」
アタシは最後の姉を個室の中に突っ込んで扉を閉める...これでミッションコンプリートだ...残りは神子様と甘味処から出るだけだ...
アタシは厠を後にする...
厠を出てアタシが席に近づくと、とある光景を目にする...
「...は?」
席の近くには、長い金色の髪をした女性がいた...白と黒の混じった着物を身に着けており、その女性は潤香と顔が瓜二つだった!!まさか!取りこぼしがいたというのか!?
神子様の方は彼女を驚愕の表情で見つめている...
「じゅ...潤香!?何で君が!?」
「ん~?何か用?娘達と待ち合わせをしていたんだけど?」
女性は神子様に呼ばれて困惑したような顔をしている...最悪だ...出会っちまった...
「た...太子様!!これは...」
席に近づくと、神子様がアタシの方を振り向く...
「...屠自古?何か知っていますね?」
「うぐっ!?も...申し訳ございません!!」
...もう隠し切れないか、アタシのやったことは無駄だったのかよ...
アタシは今までの事を全て神子様に話す...
今までの事を神子様に話し終えると、神子様は俯く...
「話は分かりました...そう潤香も私を助けてくれたのね」
「うう...そうです...彼女に言われて今回の事を...」
「はぁ...言わんこっちゃない...いつかはバレるんじゃ!」
布都は大きなため息をついている...後で覚えてろ...
「...全く潤香も潤香だけど...他の娘達にも被害が来るとは思わなかったわ...家族水入らずのお茶会にしようと思ったのに...」
厠の方向から、潤香の母親こと、大神暦がこちらに来て私達を同じ席に座る...
彼女の着物の袖に何かが入っているらしく、モフモフした緑色の尾がはみ出ている...
「申し訳ない...潤香と顔の似ている姉妹がいたらバレると思って...」
「いや...理由があったのなら良いけどさ?」
暦は神子様を見つめる...
「貴女はどうする?潤香に会う覚悟があるなら屋敷に案内するけど?」
神子様は顔を上げる...真剣な表情で暦を見つめている...
「勿論だ!!すぐに彼女に会って...あの時の事を謝罪したい!許されるか分からないけど...」
「...ふぅん?謝罪ね?」
暦は神子様をジッと見た後、笑みを浮かべる...
「...まだ時間を置くべきかもしれないね?」
「な!?何故!?」
暦の一言に神子様は席を立ちあがる...周りの客がそれに気づくが、暦が神子様を座らせる...
「落ち着いた方が良い...会うなとは言っていない...お互いに時間をかけてゆっくりと解決するべきだと私は思うよ?」
「時間をかけて...解決?」
暦は頷き、傍にあったシュガースティックの中身を口に含む...
「...今の貴女...まだ恐怖が抜けきっていない...その状態で潤香に会ったら、また過去と同じ過ちを繰り返しかねないよ?そうなってしまったら...どうしようもなくなると私は思うけどね?」
「...」
暦の言っていることは、厳しいとは思うが正論だ...確かに時間をかけた方がお互いの為にはなるが...
「恐怖なんて...もう捨てた!!」
「...あら?」
神子様の言葉に暦は驚くような表情を浮かべる...もっともワザとらしいが...
「私は死を乗り越えてこの世に再び君臨した!恐怖何かしない!過ちは繰り返さない!大事な従者を二度と失うわけにはいかない!!」
神子様の言葉に暦は呆けたような顔をするが、目を閉じる...
「へぇ...これはこれは芯が強いみたいだね...止める心配はないみたいだね...」
「では!さっそく!」
神子様が身を乗り出すが暦は指を3本立てる...
「駄目!3日後!!」
「何で!!?」
まさかの拒否に神子様は崩れる...
「おい...大神の母よ...あまり太子様をからかうでないぞ!」
布都が暦に言うが彼女は肩を竦める...
「これはどうしようもないわ...だって潤香が完全に起きるまでにそれくらいの時間が掛かるんだもの...だから最低三日後に来てという事だもん...こればっかりは良いよね?」
早速というのは向こうの都合で無理という訳か...これは仕方がないか...神子様もこれに関しては頷くしかない...
「話は分かりました...では3日後にお願いします...」
「うん!いいよ!じゃあ使いをそのうち送るから!じゃあ!」
暦は甘味処から去る...
3日後か...確かに時間はあるな...神子様の気持ちの整理もつくだろうし...
「さて...帰りますよ...屠自古は後で私の所に来るように」
「は...はい!」
...やっぱりか...怒られるに決まっているよな...アタシなりに筋は通したつもりだったんだけど...
「っっ...」
布都は笑いを堪えてやがる...後でしばく...
私達も甘味処を後にする...この後、神子様からのお呼び出しか...何を怒られるのだろうか...はぁ...気が重い...
22:00...仙界...神子の部屋にて...
指定された時間にアタシは神子様の部屋の扉をたたく...
「どうぞ...」
「失礼します...神子様...って!!」
部屋に入ると桃色の風景に囲まれた大きなベットの上で神子様が待っていた?何だこの部屋?何だ?このベット!?
「...え?何これは?」
いつもは...書を書いたり、薬を作成する書斎の様な感じなのに...何だこの部屋...見たことない...
「まぁ...いらっしゃい屠自古!」
手招きされるまま、アタシはベットに座る...
「え?何ですこの部屋は?てっきり...甘味処の件で怒られると思って来たんですが?」
「怒ることなんてないですよ?...今日は私と貴女の夫婦の営みをしようと思いましてね?」
「営み!?というかストレート!?」
アタシの顔が熱くなるのを感じる!?正直急な事だったから...心の準備が...
「い...行き成り言われても!!アタシは!!」
「何...君も今日の甘味処では私の為に尽くしてくれたんでしょ?なら...私もたっぷりしてあげないと!それに1400年分のも残っているし...」
「み...神子様...んっ!!!!」
神子様にディープキスで口を塞がれ、アタシは押し倒される...
「み...神子...」
「ふふ...可愛いです...さぁ...今夜は寝かせませんよ」
ああ...堕ちていく...
...悪い一日ではなかった...少し報われた気がする
屠自古さん大ハッスル回
ではこれにて