side霊夢
私達の目の前に桃色の長い髪をした少女が現れる...青い上着と桃色のスカートに身を包んだ少女...
彼女の周りには様々な種類の能面が浮いており、何か不気味な雰囲気を醸し出している...
「これが今回の異変の首謀者?」
この子...普通の人間ではない...妖怪でもないわね...不思議な力は感じるけど...正体がつかめないわ...
「...ふん...付喪神か」
「暦?」
暦の突然の言葉に私は彼女の方を向く...彼女は自分に香水を振りかけながら、やる気のない表情を浮かべているが彼女の方をじっと観察するように見つめている...
「中々良いつくりをしているようだ...パッと見て...年季の入った能面の付喪神といったところか...そうだろう?付喪神よ?」
暦は少女の方にぶっきらぼうに言い放つ...普段の温厚な話し方とは違うわね...完全に怒り心頭...マミゾウにゴミ箱にシュートされたのが頭に来たのかしら?
「ほう?我々の正体に気づくとは...流石は噂に聞く大神家の当主だけあるな...」
少女は無表情のままで暦の言葉を返す...
「ビンゴのようだな...」
暦は話をしながらに香水を振りまいている...彼女の周りの空間は甘い匂いで埋め尽くされている...
「おい!暦!!その香水振りまくのやめろ!!甘ったるいんだよ!!」
「...」
魔理沙の苦言に暦は黙り香水をしまう...その行動を見てか少女の方も地団駄を踏んでいる...
「そうだ!!その金髪の言う通りだ!!!!それが人の話を聞く態度か!!」
彼女は無表情のまま訴えている...彼女の頭には般若の面がつけられている...さっきまでそんなのしていたかしら?
そんな少女の言葉に対して暦はため息をつく...
「元々話を聞く気なんかないんだよ...ごめん...帰っていい?もうやる気が全くないのだけど...」
暦は少女の言葉を無視して帰ろうとする...
「待ちなさいよ!暦!!今回は最後まで付き合いなさいよ!!」
「やる気ない...帰る...」
暦は踵を返して帰ろうとする...
...が何故か少女が暦を縋るように止める
「待て!!せっかくここまで来たのだ!!!ここまで来たのだから最後まで付き合え!!!」
「いやいや...どうでも良いでしょう?」
「待って待ってー!!!お願いだから話だけでもー!!!」
帰ろうとする暦の足をつかみ少女は、ずるずると引きずられている...何か子供のような振る舞いね...能面も般若から割れた能面に変化している...あれは蝉丸っていう能面かしら?なんとなく少女が泣いている気がするわ...
「...暦...せめてでも話だけでも聞いてあげれば?」
「...はぁ...少しだけ」
暦はしぶしぶと了承する...
「我々の名は秦こころ...前述のとおり付喪神だ...」
こころと名乗った少女は大人しく話し始める...暦の言った通り彼女の正体は付喪神...先ほどから周りを浮いている能面を見る限り嘘はついていないようね...
「嘘はついていないようね...でもアンタの今回の動機が分からないわ...裏でこそこそとしていたようだし」
「希望の面を探している!!!それが我々の望みだ!!」
「希望の面?」
暦の方を見ると彼女も首を傾げている...どうやら流石の彼女でも知らないようだ...
「希望の面とは我々の所有物だ!!あれが無いと能力が暴走するのだ!我々の能力!感情を操る程度の能力が!!」
「能力ね?」
感情を操る程度の能力ね...能力の暴走というのは...まさか...この異変に関係があるのかしら?
「感情ね...ならこの異変もそれが暴走した結果ということか?」
暦の言葉にこころは頷く
「そうだ!!希望の面を紛失した結果!幻想郷の人々は1つの感情...快楽を求めたというわけだ!!それによりあのような事態になったのだ!!」
「あのような?...あ...」
この子の能力が暴走した結果がこのような結果になった...あの宗教戦争にはそのような裏があったのね...納得はしたわ...
「なぁ?つまり希望の面というのを探してやればこの異変は万事解決になるんじゃねえか?」
魔理沙が提言をするが暦がすぐに首を横に振る...
「この幻想郷を探すというの?すぐには無理...時間をかければかけるほど、この子の能力が暴走する」
確かに暦の言う通り...ことは一刻を争うわ...悠長に構えている暇はないわ...
私達が手をこまねいていると、こころが急にワナワナと震えだす...
「ん?どうした?」
「ううう!!!時間がない!我々が暴走する!!」
「別に荒事にしなくても良いでしょう?アンタも解決策を考えなさいよ!」
「解決策なぞ!これで十分だ!!!我々は希望を回収しに来たのだ!!!このお祭り騒ぎで勝利した者から希望を奪い!我々は再び完璧になるのだ!!さぁ!我々と戦えー!」
こころは長刀を取り出してブンブン振り回す!...何かしら?この子...急におかしくなったわ?
「結局これか...やだねぇ...」
暦はため息をついて辺りを見回す...
「暦?」
「情緒不安定な付喪神には少々のお灸をすえる必要があるようだ...2人とも協力して...迅速に終わらせるとしようか」
彼女はスペルカードを構える...やる気がなかったというのに、ようやく重い腰を上げたみたいね...
「おし!やるか!」
「3人がかりだけど...文句はないわよね!?」
私達がスペルカードを構えると、こころは私達に向けて指をさす...
「さぁさぁ!!お前たちの希望を我々によこせー!!」
彼女は私達に向けて走る...これが今回の異変のラストね...暦がいるから大丈夫でしょう...
短いですがここまで...
年末は時間が取れないです...
ではこれにて