今回は銖理と華楠の出番です。
秋が終わり季節は冬に移り変わる。
人里にて音楽活動を行っている。大神家の者こと大神銖理は自分の姿が分からないように黒いローブを身にまとい、甘味処のカウンター席にてスプーンを咥えながら新聞を見ている。
side銖理
文々。新聞の一面にて...
(人里人気女性ランキング...25位大神銖理)
という文を目にして私は新聞を閉じる。
「まぁ...知名度ないよね」
残ったアイスを口にしながら新聞をローブの中に入れる...
上位ランキングの人は博麗の巫女とか白黒の魔法使いとか妖怪の賢者にセンセー・アキュー・そしてちゃっかりこの新聞の発行者がランクインしている...
そして私の身内まで!!
(12位大神境奈・16位大神潤香)
潤香が私の上というのはよくわかる...人望あるしね...
でも何で!境奈姉が私たちより上なの?胸か?胸なのか!?そうだよね私たちより大きいものね!!
私は自身の胸を見る...
5人姉妹のうち下から2番目...
常人よりはあるかもしれないが...無い...
「はぁ...遅くならないうちに帰ろ...」
代金を支払い甘味処を後にする...空を見るとまだ昼ごろなのに何やら怪しい雲行き...
でもいい今日は濡れたい気分なの...お酒を浴びたい気分なの
「あら?銖理じゃない?」
声のする方を見ると買い物袋を抱えた影狼がいた
「影狼?久しぶりだねッス...元気だった?って...よく気づいたね銖理のこと」
今の私の格好はローブ・フード姿で少なくとも誰だか分からないはず
「え?...ファンだもの気づくわよ」
ファン...嬉しい...とても嬉しい...つい涙腺が緩みそうになる
「どうしたの?」
「なんでもない...そうだ!この前のこと覚えてるッスか?折角あったんだしどう?」
「屋台でお酒ね!覚えてるわ行きましょ!」
「それはよかったよ!では行こうか!!」
ここは竹林の夜雀の屋台幻想郷の隠れスポットであり、おでんとか八つ目ウナギとか美味しいものが沢山ある
「あら?銖理きたのね~」
ここの経営者こと夜雀のミスティア・ローレライが私たちに気づき席を用意する。
「こんにちは~ッス!とりあえずおすすめをお願いするッス!」
「わかったわ~...あら~?」
ミスチーは影狼に反応する
「貴女私のこと見ても驚かないけど人間なの?」
「え?わ...私は...人間よ?」
影狼は何故かうろたえる...どうしたのかな?ミスチーが妖怪と知って驚いた?
「大丈夫ッスよ影狼~ミスチーはお客さんには手をださないからさ」
「え?...そうね!ほら来たわよ!」
ミスチーが日本酒とおでん・ウナギのかば焼きをテーブルに出す
「うん!美味しそうッス!」
「今日はサービスしといたわ~あとさっきのコトごめんね?気を悪くしたかしら?」
ミスチーは影狼に頭を下げる
「いえ...気にしてないわ」
本当に人間か...私は人間でも妖怪でもある存在だ...人里の時は人間として出ているけど...
ファンにばれたら...どうなるのだろう...また昔のようにあの目で見られるのかな?
「銖理!銖理!!」
「え?」
影狼の声で我に返る...しまったボーっとしてた
彼女は日本酒の入ったグラスを私に渡す
「ほら...貴女の分よ」
「ありがと...では乾杯~!」
影狼とグラスを合わせ乾杯するとミスチーが声を上げる
「あ!見て雪が降ってきたよ!!」
屋台の外を見ると竹林からわずかに見える空から雪がシンシンと降り始める。
「きれいね...」
「そうだね」
まぁいつか言わないとダメッスね...隠し事など私には似合わないし、前向きに行こう
影狼達と雪を見ながら私は酒を飲む
一方その頃
妖怪の山のある民家の中では、その民家の主である秋静葉と秋穣子・そして大神家長女の大神華楠がパーティーをしている。
...しかしながらパーティーといっても彼女たちの表情は沈んでいた...
壁にかかっているパーティ用の装飾の入った看板には擦れた文字で第80回目ラスト・オータムという文字が貼られていた...
「はい...雪が降ってきたわね...穣子・華楠」
姉である静葉がケーキを切り分ける...そのナイフを持つ手はプルプルしており危なげない
「私特製のお芋のケーキとワイン...どうせならもっと早く出すべきだったね...お姉ちゃんに華楠...」
妹の穣子はワインをつぐが震えた手でやっているためワインが飛び散る
「ラスト・オータムか...文字がかすれてしまったよ...静葉・穣子」
華楠はペンのキャップを戻し席に着く...
そして三人はワイングラスを持ち乾杯をする
「「「最後の秋に乾杯...そしてこんにちは...私たちの嫌いな冬...」」」
三人は顔を俯かせ、パーティーが開始される。
次回は異変です
ではこれにて