side暦
白玉楼まであと少し...だが進むにつれ妙な力を感じ始める
どうやら私の予測は当たってしまったらしい...境奈は力を感じとったのかうっすらと笑みを浮かべる
「ビンゴ!ここが黒幕みたいね!!」
「ああもう...何でこんなことに」
「ねぇ暦?この異変の黒幕ってどんな人なの?」
私が頭を抱えていると咲夜が私に尋ねる...どんな人か...
「そうだね...ほわっとした穏やかな人だよ?冥界の管理人をやっているよ」
「冥界の管理人?随分と大物ね...能力は?」
「...確か死を操る程度の能力だっけ?」
「死を操る?随分とインチキな能力ね...」
私の言葉に咲夜が狼狽える...
咲夜の能力も充分インチキだと思うけど幽々子の能力は厄介だ...何せ私の能力(DNA情報を取り込む程度の能力)は用途不明なものに作用しない...死なんてものは曖昧であり、やろうと思えば能力の1部を使えるかもしれないがそんな能力私が扱える自信がない...
「ん?母さん?何か落ちてくるッスよ?」
銖理が上空を指差すと赤・白・黒の3つの何かがすごいスピードで落ちてくる
「何あれ?」
その場を空けると何やら叫び声のようなものも聞こえ始める
「うわー!!!!」
まずは赤いの
「ひょえー!!!!」
次に白いの
「...」
最後に黒いの
一瞬だったけど3人とも女の子だったようだ...現在進行形でものすごいスピードで落ちているけど上で何かあったのだろうか?
「何?今の」
「とりあえず上に行こう...私たちより早い先客がいるみたいね」
まぁ...上にいるのは大体予測はついている...
私たちが上に進んでいくと2人分の人影が見える...1人は私の予想通りの人物こと博麗霊夢・もう1人は霧雨魔理沙だ
2人は私たちが近づいてくるのに気付いたようだ
「ん?暦たちか?」
「さっきの3人組がリベンジに来たかと思ったわ...あら?咲夜も一緒だったのね」
「2人共久々~」
私たちは近くの石段に上がり、霊夢たちは境奈・銖理の2人を見る
「その2人...アンタの娘?」
「そうだよ~!2人は会うのは初めてだっけ?境奈と銖理だよ~」
「大神境奈で~す!」
「大神銖理ッス!宜しくッスね!!」
魔理沙ははしゃぎ、霊夢は溜息をつく
「おお!スゲー!!暦にそっくりだぜ~!霊夢」
「はしゃぐのは後よ...今は急いだ方がいいわ...何かヤバそうなの感じるし」
「わ...わかってるって...」
魔理沙は帽子を深くかぶり石段を上がり始める
「暦...この上にこの異変の黒幕がいるのよね?」
「うん...100%黒だよ...行こう」
石段を上がると石畳が敷かれている中庭にでる...この季節だというのに周りの桜の木が花を咲かせており、幽々子が黒という物的証拠が現れた
「桜だね...アリスの言っていた春度というやつかな?」
「完璧に黒ね...後出てきなさい...私にはわかるわよ」
霊夢が言うと中庭の奥から誰かが出てくる
「まさか...ここまで来るとは」
出てきたのは白い髪をショートカットにした少女...白のブラウス・緑のベスト・スカートを身に着けて背中に2本の刀をつけている者...
この子は魂魄妖夢...白玉楼の庭師で幽々子の世話係でもある。すでに戦闘体勢できているとは準備がいいな
「妖夢...貴女が戦闘体勢になっているということは幽々子がこの異変の黒幕でいいのよね?」
「暦様...おとなしく引くいて下さい...私としても困るんですよ」
「否定せずか...引くわけないでしょ?」
「そうですか...なら幽々子様のため!ここで貴女には止まってもらいます!!」
妖夢は刀を抜刀し一瞬で私の前に現れ刀を振る
ガキイイーン!!
辺りに金属音が鳴り響きそこにいる全員がその結末を見る
「なっ!?」
「何...母さんに刀向けてんだ...コラ...」
妖夢が驚く声と銖理が低く唸る声が辺りに響く...妖夢の斬撃は銖理が腕で防いでいた...音からして何か腕に仕込んでいるな
「ありがとね銖理」
「母さんたちは先に行って...こいつは私がやる」
「やりすぎは駄目よ?じゃあ皆行きましょうか...」
妖夢の相手を銖理に任せ私たちが行こうとすると魔理沙が不安げな声を上げる
「お...おい良いのか?あいつ1人に任せるのか?相手は刀を持っているんだぞ?」
「私の銖理が遅れをとるとでも?ありえないわ...行きましょ...皆」
「でもよ!」
「はいは~い~早く行くわよ~アタシの妹は大神の最終兵器なのよ?ほらほら行った!」
ごねる魔理沙を境奈が背中を押して先に進む...
境奈の言うとおり、銖理は大神家の最終兵器だ...普段は明るい性格だが一度ああなると煌炉以上に手が付けれなくなる
「それに過去の雪辱を晴らせるかしらね...一度妖忌にスクラップにされたしね」
side妖夢
暦様の護衛の1人が残る...
白いツララのような長い髪の女性だ...黒の革のジャンパーに白のスカート・同色の長い腰布を付けた格好だ...この人暦様に似ている
「貴女暦様の娘ですか?」
「ああ...そうだよ...私は大神銖理...大神暦の娘の1人だ...そういうお前こそ魂魄妖忌の娘...いや...年からして孫か」
「師匠のこと知っているの?」
「ああ...昔は私たちと八雲連合は少し敵対関係にあったからね...そのとき一戦交えたくらい...OH!!昔の口調に戻っていたッスね!!」
銖理はペカーっと笑い背負っていた黒い大きなケースを地面に置く
「さて!サムライガール!私の本気を見せてあげるよ!!う...うがあー!!!」
銖理が叫ぶと彼女の体に変化が起きる...白い9本の尻尾が生え、頭部には白い狐耳が生える
「藍さんと同じ九尾の狐ですか」
「フゥー!久しぶりの力の解放ね~力が溢れてくるッス!!」
銖理が指を鳴らすと黒いケースの蓋が開き中から銀色のアーマーのようなものが彼女の9本の尻尾にそれそれ装備される
「ん~♪パワードテールも調子がいいッスね!!」
9本の尾に着けられたアーマーから蒸気が噴き出し中から砲台のようなものがニョキっと生え、彼女は腿に仕込んでいた回転式拳銃を手に取り私に向ける
「...やりますか」
「行くッスよ!サムライガール!!」
銃と砲台が火を噴き光弾が発射される...
「その程度!!」
「おっと!」
砲撃をかわして彼女に一太刀浴びせようとするが距離を取られてよけられてしまった...あんな重装備なのによく動けるな
「ん~?サムライガール?世の中には銃は剣よりも強しって言葉があってね~戦い辛いッスか?」
「そんなことないですよ!!」
私は彼女に向けて走る...
こうなれば多少の傷も覚悟の上!!
「銖理相手に突っ込んでくるとはね~ロックオン...」
全砲台が私に狙いを定めて光弾を放つ...合計9つ...手に持った銃を合わせると10か...でもこの時が反撃ができる唯一のチャンス...懐にさえ入り込めたら
「Good bye!サムライガール!!」
「はあああ!!」
刀を抜いた刹那...何故か私の感じる時が遅く感じた...光弾が止まって見える...
ザン!ザン!
そして私が気づく時には全ての光弾が真っ二つに割れて消滅する...このことには流石の銖理も口を半開きにしている
「なっ?銖理の銃弾を切るんッスか~!?」
「これが私の実力です!!」
銖理の近くに入りこめた...彼女は銃を私に向けるが私はそれを弾き飛ばし一気に仕留める
「チイイ!!!」
銖理はアーマーを付けた尾を盾にし私の斬撃を防ぐ...
ぬかった...もう少し速ければ!!
「ぐぐ!!」
「やるッスね...流石魂魄妖忌の血縁だけあるか...やることがそっくりッス」
銖理は尾で私を弾き私は大きく後退する
「やることがそっくり?」
「そう!銃弾を刀で切るなんて普通は考えないッスよ...そして本気状態の銖理を幽々子と共に倒したのは貴女の祖父...銖理の輝かしい戦績に初黒星をつけたのもその時ッス!!マジで悔しかったッスよ」
銖理は溜息をつく
「...今が昔師匠が戦った再現となっているんですね...」
「本気は出していないッスよ?」
「!!本気でない?でも貴女は現に妖獣に!!」
「残念ッス!現在の形態は半獣モード!つまり人と妖怪の中間って訳ッス!妖獣モードの銖理は...うぷぷ!」
まだ妖獣モードではない?まだ変身を残しているの?
「まぁ使う気はさらさら無いッス...色々と面倒だし...さてここからが本当の戦いッスよ!!」
銖理の尾のアーマーについている砲台が全て引っ込む代わりにアーマーの中から剣が飛び出す...そしてジャンパーの袖の中から短剣が2本銖理の手に収まる
「計11刀流...これが銖理の近接戦闘モードッスよ!!」
「...11刀流ですか...今まで経験したことがないですね...でも幽々子様のため!そこを通してもらいますよ!!大神銖理!!」
「中々の威勢ッスね!!サム...魂魄妖夢!!」
計13本の刃が互いに金属音を打ち鳴らす...
次回は黒幕編です
ではこれにて