白玉楼の庭の奥...
そこには巨大な桜の枯れ木こと西行妖がある。
普段はその枝には葉はついていないはずだが今回の異変の影響により、葉どころか蕾までつけている
そして西行妖の前には桃色の髪をした青い着物を身に着けた女性が西行妖を眺めている...
頭にはフリルのついた帽子をかぶっており、それが風邪で飛びそうになると女性は慌てて手で押さえる
「...来たようね」
彼女が西行妖から背を向けるとその先には異変に駆け付けた博麗霊夢・霧雨魔理沙・十六夜咲夜・大神暦・大神境奈の5名がそこに辿りついていた
side霊夢
大きな桜の木の前には、青い着物を身に着けた女性がいる...
その顔は少し青白く紫のによく似た帽子を乗っけている。この人が異変の黒幕か...
女性は私たちを見てニコッと笑う
「...あら?沢山来たわね~暦貴女も来るとはね~」
「そうね...まぁ危なそうな異変だし、私たちもこれに着手するしかないのよ...幽々子」
幽々子と呼ばれた女性は扇を広げる
「いつもの口調ではないわよ?本気かしら?」
「...そりゃ...命がかかっているからね本気にもなるよ...ふぅ...これでいい~?」
暦はいつもの口調に戻す
「どちらでも良いけど...妖夢はやられちゃったようね...博麗の巫女達と大神家がいるから仕方ないけど...あと少しで西行妖が咲くのに私自らが出ることになるとはね」
幽々子はスペルカードを出すが暦が止める
「待った...その前にさ何で西行妖を咲かせようとするの?」
「...書物を見たのよ...西行妖が満開になれば、その下で眠る者が復活するとね...見てみたいのよ...その人をね」
「その人?誰だぜ?」
「さぁ?」
この規模の異変を起こした理由が良く理解できない、少なくとも誰かが復活するのはわかるけど止めなきゃマズイということは理解できる
「誰かの復活ね~?あ...もしかしてその人って...」
「駄目よ暦!賢い貴女なら私の待っている人が分かるかもしれないけど言っては駄目よ!楽しみが半減するから...さて皆さん...まとめてかかってきなさい!!」
幽々子はフワっと西行妖の前に浮遊すると西行妖が妖しく光りはじめ妖力が上がっていく!?
「なっ?何?」
「う...うそだろ?」
咲夜と魔理沙が狼狽え、暦・境奈は深く溜息をつく
「あ~あ...やっぱりこうなるのね~」
「どうするよ?母さん?」
これはマズイわね...未知の力が関わっているとなるとこちらとしても動きづらい...
...でもやるしかないようね
「まだ西行妖が満開になるまで時間があるでしょ?西行妖に力を与えている幽々子を倒せば止められるわよね?暦!?」
暦は薄ら笑いを浮かべる
「そうだよ...幽々子を倒せばいけるかもね...境奈?準備は良い?」
「いつでもOKよ」
境奈がスペルカードを出し、他の2人もスペルカードを出す
「こりゃ...やるしかないもんな!最後まであがいてやるぜ!!」
「生きてお嬢様の元に帰るわ...」
「博麗の巫女として止めて見せるわよ!」
私がスペルカードを向けると幽々子がくすくす笑う。
「フフ...大神家と戦うのも久しぶりねぇ...私も本気を出さないとね...行くわよ!亡舞(生者必滅の理)」
幽々子がスペルを宣言すると紫色の蝶が大量に舞って私たちの方へヒラヒラと向かう
「行くぜ!魔符(ミルキーウェイ)」
魔理沙が放った弾幕が大量の蝶を打ち消していく
「お~!すごいすごい!!」
暦はそれを見てはしゃいでいる。見た目通り本当に子どもね...
幽々子の方を見ると不敵に笑っている
「フフフ...なら数を増やしてみようかしら?」
幽々子が扇を一振りすると蝶の数が増えていき、少しずつ魔理沙との距離を詰めていく
「やべ!...下手打った...」
逃げ場を失った魔理沙が辺りをキョロキョロ見るが完全に蝶の群れに囲まれている
「さぁ...これで1人仕留めたわ~」
幽々子が扇を閉じると蝶が一斉に魔理沙に向かう
「くっ!」
「っ!魔理沙ー!」
「ああ...もう...土式神(土狐召集)」
暦の横でボーっとしていた境奈がスペルカードを宣言すると魔理沙の近くの地面から泥が噴出し蝶を巻き込む...
そしてその泥の中から灰色の陶器のような体をした3匹の狐が現れて魔理沙を守る...
「あ...あれ?無事だぜ?」
「OK~土狐作成完了ね!!いつもながら良い出来ね...」
魔理沙は自分の体を確認し境奈は自分が作った土狐をうっとりとした顔で見ている
「境奈ご苦労様...腕は落ちてないようね~」
「当然!!アタシを誰と思っているの?」
「はぁ...心臓に悪いわね...」
幽々子の方を見てみると面白くなさそうに頬を膨らます
「貴方たち本当に厄介ね...あの時と変わってないじゃない暦...貴女はいつ本気出すか分からないわ...」
「さぁ?私も分からないよ...今の私は力を失った只の子供だよ?さぁ...皆~頑張ってね~」
暦は白旗を出し振り始める...
「暦...まさか...戦わない気?」
咲夜がつぶやくと暦は白旗をしまう
「悪いけど~...幽々子の能力は情報取り込むと下手したら取り返しのつかないことが起こってしまいそう...だし」
「そのほうがいいでしょ...母さんの能力は相手の能力を使うからね~」
境奈が私たちの横に来る
「暦が戦わないとなると士気が下がるわ...」
「いるだけで問題ないよ...アタシがサポートするからさ~土狐!GO!」
境奈の指示で土狐が私たちの前に立つ
幽々子はくすくす笑っている
「暦が戦わないか..良いこと聞いたわね~!貴方たち4人でも1人ずつ倒してあげるわ」
幽々子の周りに蝶が集まるが土狐が蝶を叩き落としていく
「幽々子~?アタシ相手にそれは無いんじゃない~?」
境奈はケタケタと笑う
「...あら?...なら私も本気で行くわよ!幽曲(リポジトリ・オブ・ヒロカワ)」
幽々子がスペル宣言すると蝶が次から次へと生まれて私たちの方へ飛ぶ
「霊夢!魔理沙!咲夜!行って!アタシがサポートする!!」
境奈の合図に魔理沙が飛び出す
「さっきのヘマはもうしないぜ!!恋符(マスタースパーク)」
魔理沙は懐から八卦炉を取り出し幽々子に太い光線を発射する...
幽々子は大量の蝶を盾にしてそれを防ぐ
「っ!さっきより強いけど...私を倒すのに至らないわ!」
「それはどうかしら?」
幽々子の背後に咲夜が現れる...
その手にはスペルカードが宣言されている
「空虚(インフレーションスクウェア)」
咲夜のナイフが幽々子を囲む
「(反魂蝶)」
幽々子の周りに蝶が現れ咲夜の全てのナイフを弾く
やるわね...
でもこれ以上勝手な真似はさせないわ...
side幽々子
「惜しかったわね...」
私は蝶をメイドにプレゼントしようとするが境奈の土狐に阻まれる
やはり境奈は厄介ね...最初に倒しておこうかしら?
境奈を見ると空中で足を組んで座っており、土狐に指示を出しながら私を観察している...
「余裕そうね...」
「アタシが直接手を下す必要なんてないでしょ?それに幽々子~よそ見していいの?」
境奈が上空を指差す...
その先には私に接近する博麗の巫女!
「しまった!忘れてたわ!」
「神霊(夢想封印)」
光の球がこちらにやってくる...
そんな...見たかったのに...私が知らないあの人に...
光の球が私を覆い尽くす
side暦
「...う」
霊夢の光弾をくらい幽々子は西行妖の根元に落ちる...
流石博麗の巫女...やるね
「...やったのかしら?」
咲夜が幽々子を見るが幽々子は目を回しており、戦闘続行は不可能と見える。これで異変も終わりか...
「ご苦労さま~皆...ムギュ!?」
霊夢が黒い笑みを浮かべて私の頬をビローンと伸ばす...
「こ~よ~み~!1人だけサボるなんて良い身分ね~!」
「いひゃい!いひゃい!!」
私と霊夢がそんなやりとりをしていると魔理沙が叫び声を上げる
「おい!あれを見ろ!」
魔理沙が指をさす方向には気絶したままの幽々子が浮いていた...
幽々子の体は西行妖の中ほどで止まり、それと同時に西行妖の枝の蕾が開花し始めていた...
次回にて春雪異変も終了します
ではこれにて