東方五行大神伝   作:ベネト

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萃夢想まで後僅か...


八雲家にて

華楠と煌炉は八雲家内に入り先ほど聞いた藍の叫び声の発生場所に急ぐ...

 

「どこだ?」

 

「多分紫の部屋だと思う!こっちだよ姉さん!」

 

廊下を曲がり紫の部屋の戸を彼女達は開ける

 

そこには...

 

 

 

 

 

 

「このお馬鹿!」

 

「ごめんなさい!!ごめんなさい~!」

 

藍に馬乗りになって傘で頭を叩いている紫の姿だった...

 

 

 

 

 

 

 

side煌炉

 

「え?」

 

私たちは目の前の光景を見て呆然としてしまう...

 

怒気を含んだ紫が藍を傘で叩いているこの惨状...彼女は私たちが部屋に入ってきたことでさえ気づいていない...

 

「これが家庭内暴力か...」

 

「何呑気なこと言っているのさ!」

 

華楠姉さんに一喝し私は紫が振り上げた傘を掴み止める...

 

「っ!?邪魔をしないで!って?煌炉?」

 

「っ!煌炉~!」

 

紫はようやく私達に気づき藍の方はその隙に紫から抜け出し私の後ろに隠れる

 

 

 

 

 

 

「ちょっと!藍!隠れないの!」

 

紫は傘を振り上げながら私の方へジリジリと近寄る...

 

「紫...何があったのさ?藍に暴力とかさ...」

 

「...藍が勝手に私の命令を無視して霊夢と戦ったのよ!!」

 

「...は?」

 

紫の言葉に私は耳を疑う...

 

紫の式である藍が命令を無視?藍に限ってそんなことが?

 

「本当なの?藍?」

 

藍に確認するが藍は俯いたまま何も返事をしない...

 

「...藍?」

 

華楠姉さんが藍を近くで様子を確認する

 

「煌炉...藍の奴気絶しているぞ?」

 

「え?藍!らーん!」

 

「...キュ~」

 

私は藍を確認するが彼女は目を回して気絶している...

 

 

 

 

 

 

 

「え?私気絶するまで殴ってないわ!」

 

紫は慌て、華楠姉さんは遠目から藍を観察している...

 

「フム...風邪か」

 

「は?風邪?」

 

「藍の顔を良く見てみろ...赤いし発汗がすごいぞ...熱があると見えるな」

 

姉さんn言われた通り私は藍の額に手を当てる...

 

熱い...すごい熱だ

 

「確かに熱があるね...」

 

「え?」

 

紫の方は驚いている...どうやら藍が風邪をひいていることに気づいていなかったようだ...

 

しかし藍が風邪をひくなんて

 

 

 

 

 

 

 

(久しぶりだな煌炉~愛してるぞ~!...んっ!)

 

(藍...私風邪ひいてて///)

 

(大丈夫だキスすれば治る...)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(...アレかー!)

 

私の風邪がうつってしまったのか?これって私が原因ではないか!

 

「藍を寝せてくるよ」

 

感情を殺して私は藍を抱えて部屋を出る...この時仮面をしていて良かった...私って表情に出やすいからな...

 

 

 

 

 

 

 

side紫

 

煌炉が藍を抱えて部屋を出ていき、部屋には私と華楠の2人が残る

 

「おっと!忘れるところだった...」

 

華楠は風呂敷の包みを私に渡す...暦のお稲荷さんかしら?

 

「ありがとう...暦に宜しく伝えておいて」

 

「ああ...伝えとこう...全く...熱が出ている時に戦えば正常な判断ができなくても当然か...」

 

「ええ...私の管理ミスよ」

 

「管理ミスね...フフ!」

 

華楠は口元を隠しながら笑い始める...

 

 

 

「な!笑わないでよ...どこがおかしいの?」

 

「フフ...失礼...まぁ...藍の命令無視は式神としてやってはいけないことだ...式神は主の命令通りに動いて主なみの力を得るが命令通りに動かないとその力は弱くなる。それはイコール藍が危険な目に合うということ君が怒るのも頷ける...」

 

「ええ...そのとおりよ...笑う要素が見当たらないわ?」

 

華楠は自分の尾を軽くなでる

 

「いや?随分と式神を大切にしてるなと思ってな...」

 

「な?」

 

「全く...同じ式神を使う境奈に教えてやりたいものだ...君が藍を叩いている時は今まで見たことがないくらいに怒気を感じた...それは藍を本気で心配している心の現れだ...煌炉が君に懐いていたのも何となくわかった気がするよ」

 

「煌炉が私に?」

 

煌炉が私に懐いていた?彼女が式だった頃はデレてくれたことなど一度もないような...

 

華楠が溜息をつく

 

「ああ...あいつは自分の本性を心の奥底に隠す癖があるからな...では失礼するよ」

 

華楠はそれを言い残し部屋から出ていこうとする

 

「待って!その話本当?」

 

「本当だ...その証拠にあいつは君からもらったあの導師服をいまだに着ているではないか...ご丁寧に同じ物の複製品を香霖堂に頼んでいるしな」

 

...確かにアレは私があげたものだ

 

式をやめても同じ格好だったから少し疑問に思っていたけど...まさか同じ物の複製品を頼んでいるとは...

 

「では失礼...今日は煌炉が泊まっていくだろう宜しく頼むぞ紫...」

 

華楠が最後にそれを言い残し消える

 

「え?えー!」

 

煌炉が今日ここに泊まる?やったー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在の時刻20:35

 

居間にて私と煌炉は夕飯をとっている...

 

藍の看病のために彼女が残ってくれるのはありがたいけど...

 

 

 

 

「モグ...モグ...」

 

「...」

 

空気が重い!

 

煌炉は黙々と食事をしているし話を切り出すにも何を言えばいいか...

 

...少なくとも胸の話は禁句ね彼女との溝が余計に深くなりそう

 

私が色々と考えているうちに煌炉は食事を終えて自分の皿を片付け始める...

 

「紫...皿はそのままにしておいてくれ...私が洗っておくから」

 

「え?ええ...ありがとう」

 

急に煌炉が話しかけてきたため私の声が裏返る...

 

煌炉は台所へ向かい土鍋を持つ

 

「お風呂も沸かしておいたから先に入っておいて...じゃあ藍におかゆ食べさせてくるよ」

 

煌炉はそれを言い部屋を出る...

 

 

「...前より言葉に棘が無くなったし...前よりは話ができているかも!!うふ...うふふふ...」

 

煌炉との仲が進歩しつつあることを感じながら私は煌炉が居間に忘れていった狐の仮面を抱きしめる...

 

 

 

 

 

 

side煌炉

 

居間を出て私は藍の部屋に向かう...

 

長くここにいるのも久しぶりだ...私が紫の式神をしていた以来かこうしてみると式だった時が懐かしいな...

 

「よっと...」

 

藍の部屋に入ると布団の中に眠っている藍が見える...

 

私は布団の横に座りおかゆの入った土鍋を置くと藍がピクッと動く

 

「う?煌炉か?」

 

「藍?起こしちゃった?」

 

「いや...大丈夫だ...随分と楽になったよ」

 

彼女は目をこすり欠伸をする

 

「おかゆ食べれる?」

 

「煌炉が作ったのか?ああ!いただくよ!」

 

藍は笑う...元気そうで何よりだ

 

「うん...ではゆっくりと」

 

私は彼女の食事の手伝いをする...

 

 

 

 

 

 

 

 

20分後

 

「ごちそうさま!美味しかったぞ!」

 

藍はおかゆを全て平らげた...美味しそうに食べてもらって私も満足だ...

 

「お粗末様...さて...食器の片づけを...」

 

私が立ち上がろうとすると藍が私の導師服の袖を掴む

 

「煌炉...今夜は私と一緒にいてくれないか?」

 

「ええ?でも...」

 

「頼む...独りは嫌...」

 

藍は先ほどの笑顔ではなく悲しそうな顔をしている...う...そんな目で見ないで...

 

「分かったって...終わったら来るよ」

 

「早くな...」

 

私は藍に頷き土鍋を持って部屋を出る

 

 

 

 

 

「はぁ...」

 

台所にて皿の片づけをしながら私はボーっと考える...

 

ここにいたら昔の懐かしい思い出が頭によぎってしまう...さっきの藍のこともあるしどうしても迷いが生じてしまう...

 

「全く私らしくない...」

 

皿を棚にしまい、ふと台所の鏡が目に入る

 

鏡に映った私の顔は困惑の表情と額に汗が出ている...嫌な汗だ...早くお風呂に入ろう...

 

私は台所からお風呂へ向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

風呂場の脱衣所にて私は導師服の首のボタンをはずして服を脱ぐ...

 

「全く何だ...心がモヤモヤする」

 

風呂場の扉を開けて中に入る...

 

 

「...え?」

 

「...え?」

 

 

風呂場の浴槽の中にはまだ紫がいた...

 

それも裸だ...

 

あれから1時間30分経過している...まだ風呂に入っていたのか?

 

くそ!確かめなかった私が悪い!

 

 

 

 

 

「こ...煌炉?」

 

「...ゆ...紫?少し失礼...」

 

私はシャワーの前に立ち急いで体と頭を洗う...

 

「え?何?そんなに急いで...」

 

「...では失礼」

 

時間からして1分...

 

髪が長いから時間をかけたかったが一刻もこの気まずい空気から脱出したかった...

 

明日帰ったら朝一でお風呂に入ろう...

 

 

 

 

「え?煌炉!」

 

パタン

 

風呂場の扉を閉めて服に着替えるとそこには鏡があり、鏡に映った私が見える...

 

細見の体だ...あこがれの胸などない...平均はあるかもしれないが皆から見て相対的に小さく見える...

 

「さっきの紫の大きかったな...////!何を考えてる!私は!!」

 

私は脱衣所を後にし藍の部屋へ向かう

 

 

 

 

 

 

 

食器の片付け・風呂も終えて私は藍の部屋の入る。藍は布団の上で尻尾をブンブン振っている...

 

「来たな!待ってたぞ!...?煌炉?どうした顔が赤いぞ?」

 

「いや...何でも...じゃあ布団しくかな...」

 

押し入れの方へ行こうとすると藍が私のズボンを引っ張る...

 

「お前はこっちだ♪」

 

「おうっ?」

 

すごい力で引っ張られ私は布団の中に引きづりこまれる

 

「煌炉~♪」

 

藍は私を抱きしめて胸に顔を押し付けて足を絡める...

 

「いてて...」

 

何だろう...式神だった時の記憶が頭の中によぎる...

 

懐かしい...昔もこうしたっけ?暖かい...すごく...心地よい...

 

 

 

 

 

 

 

side藍

 

「~♪...煌炉?」

 

「すぅ...」

 

煌炉の奴眠っている...まだ1分も経っていないのに...少し残念だな

 

「まぁ...いいか」

 

私は再度彼女の体に密着する...シャンプーの良い匂いがする...

 

久々に煌炉の体を堪能できている...

 

今の彼女は私と同じ式神ではないが時が経てども絆は変わらない...少しずつ彼女の凍りついた心を溶かしているのが身をもって感じることができる...

 

「少しずつ昔のようにな...煌炉」

 

煌炉の導師服の首・鎖骨のボタンを開けて私は彼女を強く抱きしめる...

 

 




さて...少しやり過ぎた感がありますね...

ではこれにて
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