side紫
「さあ!紫!藍!楽しい戦いを始めようじゃないか!」
煌炉は私たちの前に高速で移動しながら近づく...彼女が私に拳撃を与えようとするが藍が私の前に入り止める...
「煌炉...私がいるのを忘れてないか?」
「フフ!流石だ!藍!!」
煌炉は笑みを浮かべ藍の反撃が来る前に宙返りをして距離を取り辺りを駆ける...
私は煌炉に光弾を放つが彼女は笑いながらそれを避ける。
「っ!速いわね!」
「クク...あはははは!それで狙っているのか!?(ファキリタース・イグニス)」
煌炉のスペルにより火炎弾が私たちに飛ぶ...
「二重結界!」
私のスペルにより結界が貼られて火炎弾は全て防ぐ、そして結界を解除し中にいた藍が煌炉に迅速に向かう...
「煌炉!私が楽しませてやるからな!」
「ふっ」
藍の拳撃の乱舞を煌炉は次々と弾く...
やはり戦闘慣れしているだけあって九尾である藍の攻撃を弾くのは煌炉にとっては朝飯前か...なら!
私は煌炉の背後にスキマを開きスキマから彼女に向け光弾を放つ...
「っ!!?ごふあ!!」
光弾は見事煌炉に命中し被弾した煌炉が体勢を崩すと同時に藍のきつい一撃が彼女の右頬に当たる...煌炉は後ろ向きに倒れすぐに立て直し距離を取る...
「...なるほどスキマの死角からの攻撃か...」
「昔戦ったのに忘れたのかしら?」
煌炉は切れた唇をなぞり僅かに笑みを消す...
「平和ボケかもしれないな...昔より勘も鈍くなった...それに比べお前は変わらないな...あの時のままだ」
「そうね…まだ戦いは始まったばかりよ」
「...そうだよなっ!」
煌炉は藍の横を抜け私に一直線に走る...
「ちからづくって訳ね...なら迎え撃つまでよ!」
私は辺りにスキマを多数開き光弾を彼女に向け放つ...
「はは!」
煌炉はその放たれた光弾を全て紙一重で避けて私の方へ走る...スピードが速くなっている。すこしマズイわね!
「さぁ!私の間合いに入った!くらえ!」
「くっ!」
煌炉の蹴りを私は腕で防ぐ...軽い一撃だが速いわね...
「紫様!くっ!煌炉!」
「おっと...」
藍の攻撃を煌炉が避けてまた距離を取る...やはり彼女に攻撃を当てるのは容易はないわね...正攻法ではこちらがきつくなる...
「くそ!あいつのあの速さを止められれば!」
藍は周りを駆ける煌炉を目で追う...彼女の速さは大神家で一番早い…目で追うのがやっとだけど
「そうね...でもこれで終わりよ!」
私は結界を発動し煌炉を結界の中に閉じ込める...いくら速くとも逃げる場所さえ無くしてしまえばいい話しよ...
「っ?何!」
煌炉は結界に攻撃するが絶対に逃がさない!これが彼女に攻撃を当てる唯一のチャンス!
「これで終わりよ!」
煌炉の周りにスキマを開いて囲み光弾を放つ...
「こ...こんな!」
ドン!
結界内で大爆発が起こる...
そして結界を解除するとボロボロの彼女が地に臥せていた...
side霊夢
「さぁ...始めようか(ゲノムチェーン)」
暦の周りから青と赤の鎖が現れ私に飛ぶ...
咲夜から聞いたけど、この鎖に体が貫通してしまうと能力が無効化されて暦に能力が奪われてしまうらしい...これは何としてでも避けないといけないわ...
私は鎖を空を飛んでよけ、彼女の周りを旋回する...
「ん~?目が回るな...」
暦は私を目で追う...そのおかげで鎖の動きが鈍くなっている...このまま隙を見て暦に攻撃を当てるしかない...
「行くわよ!暦!」
私は光弾を暦に放つ...彼女は光弾を全力で避けている...でもその顔は余裕そうだ...
「...はい...もらったよ」
私の真下の地面から鎖が飛び出し鎖が私の体を貫通する...
「くっ...しまっ!!」
痛みは全くないけど脱力感がする...
暦は鎖を自分のところに戻して鎖の先についているガラスの試験管を手に取る...そこにはラベルには(主に空を飛ぶ程度の能力)と書いてある...
「さて...能力はもらったよ!」
暦は試験管の中の光を口の中に入れ薄ら笑いをしたあと私の方をジッと見る...
「...アレ?何で浮かんでいるの!?」
暦は驚くような顔をして私を指差す
「はぁ?」
「いや!何で浮いてるの?私の能力で無効化したはずなのに!?」
...確かに私は空を浮いているままだ...若干脱力感があるが能力が使えないというわけではない...
「?...まさか能力が広い意味を持っているからあやふやになっているの?チッ!幽々子と同じか!」
暦は自分で勝手に理解したようだ...
「暦!どういうことなの?」
「私の能力DNA情報を読み取る程度の能力は...簡単に言うと用途不明なものには作用しないの...てっきり空を飛ぶだけの力だと思ったのに...」
暦の力で奪える能力には例外があるみたいね...暦はすこし表情をくずす...
「あの~?霊夢?戦うのやめてさ~!少しお話しない?」
私はスペルカードを向け光弾を放つ!!
「だれが!認めるかー!!」
「ひょえええええ!?」
暦は半泣きになりながら私の放つ光弾を避けスペルカードを持つ...
「ス...スペルカード!!!クロスゲーム(スペルポーカー)」
暦がスペル宣言をすると大きなカード山と5枚のカードが暦の前に現れて光弾を防ぐ...
「クロスゲーム...フランと萃香の時のスペルカードみたいね...」
暦は大きなカードの陰から私をじっと見る...
「わ...私だって負けるのは嫌だもん!!...チェンジ!!...」
暦がつぶやくと場のカード4枚がカードの山に戻り新たに4枚補充される。カードが表になり恋符と書かれたカードが2枚・泡符・寒符・幻象とかかれたカードが1枚ずつ並ぶ...カードは文字の他に三つ葉・ひし形・ハート・剣のようなマークと数字やアルファベットがそれぞれ入っている...
「恋符(マスタースパーク)のワンペア!さあ!うてー!」
2枚のカードが光ると超極太の光線2本分が私へと放たれる!
私はそれを避ける...
「これは!魔理沙のマスタースパークじゃない!!」
「スペルポーカーは私が見たことがあるスペルカードを具現化することができるスペル...一定の条件を満たさないといけないけどね」
カード山に5枚戻り新たに5枚場に戻る。また表になると魔符・夢符・禁忌・火符・土式神と書かれたカードが出るがスペルが発動しない...
「う...よりにもよってブタ...」
暦はまたカードを裏に戻す...どうやらこのスペル何かしらの条件を満たさないとスペルカードの具現化はできないみたいね...
「どうやら...運頼みのようね...」
「まだ!終わってない!!さぁ!次!」
新たにカードが場に伏せられ暦はそれを確認する...
「...2枚チェンジ!」
カードが2枚変えられ表になると魔符が2枚・夢符が3枚となっている
「(ミルキーウェイ)と(封魔陣)のフルハウス!!いけー!」
5枚のカードから魔理沙のスペル(ミルキーウェイ)私のスぺル(封魔陣)が放たれる!!
「くっ!夢符(二重結界)」
結界を張りそれを防ぐが...威力が高い...これはほっておくとマズイ...
「今のを防ぐとか!ネクストゲーム!!...ゲェ!?」
暦はさっきの順序を繰り返すが今度はまたばらけた並びになり不発する...
「いつヤバいのが撃たれるかわからないわね...私も本気でいくわよ...」
「ま...待って!!ネクストゲーム!!」
「神霊(夢想封印)」
暦が次に入る前に私はスペル宣言をする...
物理法則を無視した光の球が暦へ向かう...
「ちょおおおおお!!」
暦は光の中に飲み込まれる...
そして同時刻紫側...
紫たちは倒れている煌炉へ近づく...倒れている煌炉はつけている狐の面は半分割れており来ているものもボロボロでぴくりともしない
「紫様...これで終わりですよね!?」
藍はすがるような目で紫を見る...いくら彼女とはいえ愛する者を傷つけるのは気が引けているのであろう...その気持ちは紫も一緒だ...
紫は彼女の気持ちを察して頷く
「ええ...いくら大神の血筋といっても人間よ早く彼女を回収しましょ!」
彼女たちが煌炉に近づくと乾いた笑い声が響き始める
「くく...あはは...」
「煌炉!?」
笑いながら立ち上がる煌炉に紫は戦慄する...自分の本気の一撃を受けてまだ立ち上がるとは思っていなかったのだ...
「くく...やってくれる...げほ!...」
「煌炉!よせ!これ以上はお前も危険だ!!」
藍の言葉に煌炉は手で制す...
「こんな楽しい戦いは久しぶりなの...私はもっと戦いたい...」
「でもどうするのかしら?立っているだけでも限界に見えるけど?」
紫の言葉に煌炉は笑う...表情は仮面が破壊されたため良く見えている...その表情は穏やかに微笑んでおり、煌炉は手を自分の胸につける
「まだ...私にはアレがある...後のことなんて知るものか...さぁ!!楽しもう!私の本気を見せてあげるよ!!覚醒符(プロミネンス・フォキシリア)」
煌炉のスペルが発動し彼女の体に妖力が爆発的に集まり彼女の体が大きく変化し始める...
人の体は大きくなり身長は3メートルを超えた完全なる巨大な九尾へと変貌する...
その体表は火に覆われまるで火が巨大な九尾の狐を形作っているといっても過言ではなかった...
「きゅおおおおおおん!!」
煌炉は2本の足で立ち大きな遠吠えをし紫たちは変貌した彼女をただ見ている...
「煌炉...お前...」
「そう…その姿を使ってでも戦いたいのね...」
紫は決心するように拳を握る...
「藍...行くわよ...これが煌炉の最後の切り札...これを乗り越えれば行けるわ」
「そうですね...煌炉!行くぞ!」
「オオオーン!!」
完全なる妖怪となった煌炉と紫たちの本当の戦いが幕を開ける...
そして霊夢側
こちらも戦いが終わったかのように見えた...
辺りは夢想封印で発生した砂煙で何も見えない...
「これで終わりよ...」
霊夢は吐き捨てるように煙に言葉を放ち、光の壁を見る
厚い壁は向こうの景色を映さず何も見えない...
霊夢としてもここで止まっているわけにはいかなかった。本来の目的は歪んだ月をもとに戻すためここへ来た。時を止めているとはいえ早く終わらせなくてはならない
「向こうは見えないか...紫たち大丈夫...」
「きゅおおおおおおん!!」
突如鳴り響いた煌炉の遠吠えに彼女は驚く...
獣じみた遠吠えを聞けばだれでもそうなる...壁の向こうが見えない以上不安は隠せないだろう...
「何?今の遠吠え...」
「煌炉...妖獣モードを使ったのね...」
突如響く暦の声に彼女は再度ひるむ...
煙の方を確認するが彼女の姿はまだ見えない...
「暦!?そんな!」
「中々危なかったわ...久しぶりにやられたと思ったよ...でもさ?私も神に近い存在よ?こんなことでやられてしまったら...幻想郷のパワーバランスの一角になれないよ」
煙が晴れていく少しずつ彼女の姿が明らかになる...
霊夢はその姿を見て驚愕する...
霊夢の目の前には長い金色の髪をした長身の女性...
身に着けているものは陰陽玉のような膝上までの長さの着物...その変わった着物には霊夢は見覚えがあった...
「アンタ...その姿!?」
「これでも5人の母親...この姿でもおかしくないでしょ?元の姿に戻ってもさ...」
そう...霊夢の前にいたのは元の大人の姿に戻った大神暦の姿...
暦は驚愕している霊夢にいたずらっぽく微笑む...
暦・煌炉の正体が明らかになりました
ではこれにて