東方五行大神伝   作:ベネト

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遅れながら投稿します


次への第一歩

side暦

 

「…朝か」

 

時刻は9:25…随分と遅い起床だ…

 

妹紅戦って一週間が経過する…

 

あの戦い後だけどいまいち気分が晴れないな…いくら勘違いとは言え永琳を恨んでいた自分に憤りを覚える…出来ることなら忘れてしまいたい

 

「全く…大切な記憶は忘れるのに嫌な記憶は残るのね…」

 

私は身を起こし寝間着から普段着へと着替えて屋敷を出る…今は独りで考えたい

 

 

 

 

 

 

人里にて

 

甘味処の中に入り私はアイスを頼みカウンターにて外の景色をボーッと見る…

 

遠くには銖理のライブ会場が見え銖理が早朝ライブを行っているのが分かる…

 

「…楽しそうだね~我が娘ながら人気者で何よりね」

 

…今日はどうしようやることが全く思いつかないし考える余裕も全くない…

 

私は思考を停止させ黙々と運ばれてきたアイスにパクつきその後色々な所にフラフラと向かう…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…何でこうなるの?」

 

ふと我にかえると辺りは竹林で目の前には永遠亭…

 

おかしい…何故ここに来た?

 

「…来るつもりはなかったけどなぁ…あっ」

 

来た道を引き返そうとすると目の前には長い薄紫色の髪をした人物こと鈴仙・優曇華院・イナバと鉢合わせする…

 

彼女は私の姿を見た後目を細める…

 

「…あら?…確かアンタ…師匠の…」

 

「…久しぶりかな?永琳の今の弟子だっけ?確か名前は鈴仙・優曇…」

 

「鈴仙でいいわ…師匠に用かしら?」

 

「別に用という程では…」

 

私が帰ろうとすると鈴仙は帰ろうする私を止める…

 

 

 

 

 

「待った!ここまで来たんでしょ?師匠と話くらいはしてきたら?」

「でも…」

 

「ほら!行った行った!!」

 

鈴仙に背中を押され私は永遠亭内へと入る…

 

 

 

 

 

 

中は広く私は先導する鈴仙の後をついていくしかなかった…

 

何故私はここに来たのだろうか?

 

鈴仙はとある一室に止まり私を見る…

 

 

「ここが師匠の部屋よ…ほら行きなさい…」

 

「…何で?私は永琳に顔を合わせる資格なんかないよ…」

 

鈴仙は私の顔を見てため息をつく…

 

 

 

 

「はぁ…これは師匠のためでもあるのよ」

 

「え?」

 

「…ここ一週間の師匠は上の空状態なのよ…師匠の悩みといったら大概アンタが絡んでいるの!お互いに過去の柵をもうなくしたら?」

 

永琳が?やはり彼女も私のことを気にしていたのか…

 

「…わかったよ」

 

私は意を決して部屋の中に入る…

 

 

 

 

中に入ると部屋は畳張りの和室であり窓の所には机があり永琳がボーッと外の景色を眺めているのが確認できる…

 

「…来たのね暦」

 

彼女は振り向きもせず私が入って来たのを当てる…

 

「…ええ…良く分かったわね…」

 

永琳は軽くため息をつく…

 

「分かるわよ…長い時を生きていたもの…」

 

「…そう」

 

私は大人しく永琳の横に座り窓の外を見る…

 

窓の向こうには永琳の主こと蓬莱山輝夜とこの前戦った藤原妹紅が弾幕勝負をしているのが見える…

 

「くらえ!!輝夜ー!」

 

「甘いわ!妹紅!」

 

妹紅の火炎弾を輝夜は自分のスペルで打ち消している…

 

 

 

 

「…弾幕ごっこ?何故妹紅が輝夜と?」

 

「弾幕ごっこだけではないわ…最近あの子は姫と色んなことで勝負しているわ…外の世界のゲームやカードゲームなどだけどね…あの子に復讐の虚しさを教えたのは貴女でしょ?」

 

「…そうだったね…自分で言ってて忘れてたよ…」

 

永琳は私の頭を撫でる…

 

「…貴女には本当に償いきれないことをしてしまったわね…独り地上に残して寂しい思いをさせてしまったわ…」

 

「…あれは仕方ない事だって…永琳は私を獣から人間にするために本来使ってはいけない禁止薬物を使ってくれたんだ…当然私が月の民から異端者と見られても仕方ない事だよ…永琳も辛かったんでしょ?」

 

「…でも貴女が受けた心の傷に比べれば軽いものよ」

永琳は力いっぱい私を抱き締める…

 

「っ!?永琳?」

 

「これからは私が今まで出来なかった分私が貴女を愛してあげるわ…ずっと貴女には辛い思いをさせたもの…」

 

「…辛くないよ」

 

永琳は私の言葉に首を横に振る…

 

 

 

 

 

 

 

 

「…じゃあ貴方の顔の涙はなにかしら?」

 

「…え?」

 

顔に手を触れるといつの間にか涙が流れていた…おかしい…悲しくないのに…

 

「…何で?涙が…」

 

「…ずっと我慢していたからよ…神社での貴女は無意識に自分の感情に鍵をかけていたのよ…我慢しなくていいわ…暦っ!」

 

永琳は大粒の涙を流す…私も目頭がどんどん熱くなってくるっ!

 

 

 

「…うっ…うわああああん!永琳っ!寂しかったよっ!うわああああん!!」

 

涙が流れる…今までのと比べると止めることができない…何故か私の感情も次々と出てくる!

 

「暦っ!ごめんねっ!これからはずっと一緒よ!」

 

私は大声で泣き永琳は私を優しく抱きしめる…

 

 

涙と共に胸のモヤモヤが晴れていく…私はそれを出し切るかのように長い間泣き続けた…

 




日常編暦パートでした

次は誰かな?

ではこれにて
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