side暦
長い冬を越え暖かな春が幻想郷へとやってくる...
娘である華楠も長かった冬を越えることができて嬉しそうに桜の見学へと人里へと向かった...
幻想郷も安定した気候を迎えており平和な毎日を送らせてもらっている...
「ふぁぁぁ...春眠暁を覚えずとはいったものだね...」
私は早朝に是非曲直庁へ家族の書類を出すために彼岸へと向かう...
毎度毎度だけどいちいちこの申請をしないと思うと正直面倒だが...決まり事なのだから仕方がない...地獄の連中には会いたくはないし...
「...書類の判子...全員押したかな?」
私は持ってきた書類を確認しながら三途の川の水面を歩きながら是非曲直庁へ歩く...そういや...この川入ったら底の方まで沈んでしまうとか映姫ちゃんが言っていた気がするが...まぁ気にしない...
「全員分はあるね...たまに煌炉とか銖理が忘れるからね...」
書類を封筒に戻し...いつの間にか是非曲直庁の玄関に辿りつき私は申請書を出すために魂課と書かれた看板に従い奥へと進み窓口へ書類を提出する...
「...大神様...はい...確かに受け賜りました...コピーを発行しますので少々お待ちください...」
受付の子に書類を任せ私は待合室の椅子に腰を掛ける...
折角ここまで来たんだし映姫ちゃんに会っておこうと思ったが...今は仕事中だろうしやめておこう...
「あら?」
ふと遠くを見ると書類を持ちながら歩いている映姫ちゃんを発見する...
何という幸運かしら?帰るついでに挨拶でもしておこう...
「映姫ちゃん~!おひさ~!」
私が声をかけると彼女は私に気づき目を輝かせてこちらへやってくる...
「暦さん!お久しぶりです!この前のプレゼントありがとうございます!!」
「いやいや...気に入ってくれて何よりだよ~!最近どう?」
映姫ちゃんは私の横の席に座る...
「日々業務に勤しんでいます!中々大変なところがありますが頑張っております」
表情を見る限り元気そうだ...良きかな...良きかな...
映姫ちゃんは急に立ち上がる...
「そうです!久しぶりですし!お茶でもしましょうか!新しくカフェがここにできたのですよ!」
「...嬉しいけど...お仕事の方は大丈夫?」
映姫ちゃんは頷く...
「次の判決は午後ですのでまだ時間に余裕があります!さぁさぁ!行きましょう!」
映姫ちゃんに押され私はそのカフェ方面に向かう...
CAFE JUDGMENT
カフェに入り席に座りそれぞれに注文を行う...
窓を見るとカフェの外に三途の河が見えその前にはこのカフェが行っている花畑が一望できる...思ったよりいいところだ...店名を除いて...
「...中々いいところじゃない?」
「ええ...最近幻想郷も安定しているのでこういう娯楽も良いじゃないかと作られたんです...」
「安定ね...一年刻みで異変が起きているけどね」
ウェーターが私たちの所に来て映姫ちゃんと私にショートケーキと紅茶を机に置く...
「異変ですか...暦さんも異変に参加したとか...」
「...ただの利害の一致だよ..もう行動しないよ...博麗の巫女にコテンパンにやられたし...」
映姫ちゃんはケーキを口に入れる...
「暦さんをコテンパンに?今代の博麗の巫女はやりますね...」
「若いけど将来有望だよ~?最近の人間は強いね!驚きよ」
映姫ちゃんは額に指を当てる...
「まぁ...強いのならまだ良いですが...少々善行をないがしろにしているところがあると思います...あの妖怪賢者にも言えることですが」
「...紫?そうだね...まぁほどほどにね」
私は紅茶を口に含み庭の花畑を見る...
いや~!すごいね!桜に向日葵・野菊に桔梗!色々な花がそろっている...
ん?
現在は春...桜はあっているが...向日葵・野菊・桔梗は何かがおかしい...
「ねぇ?映姫ちゃん?あそこの花さ...季節感バラバラじゃない?」
「...ああ...とうとう出ましたか...」
映姫ちゃんは何事もなさそうに答える...
「幻想郷では日常茶飯事なの?」
「ああ...暦さんは幻想郷に来て9年目でしたね...そうですよ...幻想郷では60年周期でこのような現状が起こるのですよ...」
「60年周期?」
「ええ...外の世界での60年周期で死者が急増+幻想郷での博麗大結界の緩みがあるので幽霊が増えて花に取りついてこのような現象が起きるのです...ここだけではなく幻想郷全体に広がるでしょうね...」
...何ともまぁ...きれいな異変だこと...しかしながら何も知らない子が異変解決に来たら大変だろうに...
「この場合...異変解決しに来た子が彼岸に押し寄せるんじゃないの?」
「...想定済みです...私としても色々と言っておきたいことが山ほどありますので...」
映姫ちゃんは涼しい顔で受け答えをする...
言っておきたいことね...正義感が強いこの子の事だから止めても無駄だろうけど...無茶だけはしないでもらいたいな...
(...花ね...っということは...)
side華楠
「あははは!!」
私は幻想郷中を飛び回りながら風景を楽しむ...
とうとう長かった冬も終え私としても解放される!これで私を脅かすものなど何処にもない!!
しばらく空中を浮遊していると太陽畑が見える...
冬中ずっと行ってなかったな...幽香に挨拶くらいはしておくか...
私は畑に降り幽香の家の扉の前に行きノックをする...
「幽香、私だ久しぶりに会おうと...」
ドゴーン!!
私の前にある扉が急に吹き飛び私を巻き込んで花畑の方へと飛ぶ...
「ゴフ!...なっ?」
家の方を見ると幽香が立っており日傘を差し始める...
「...あら?華楠?いたの?久しぶりね...」
「...扉ごと吹き飛ばした者のセリフか?」
服の汚れを落とし私は扉を家に建てかける...
幽香の方は何かと落ち着かなそうにあたりをそわそわと観察している...
「...どうした?落ち着かないみたいだが?」
「貴女気が付かないの?」
幽香はとある花を私に見せる...桔梗と野菊だ...
桔梗:多年性草本植物...日当たりの良いところに自生する...季節は秋...
野菊:野生の菊...様々な種類があり季節は秋に咲く
...ん?
「...何で秋の花がこんな満開に?今は春だぞ?」
「...ええ...それどころかここ以外にも向日葵が自生しているとの情報があったわ...季節がバラバラの花が咲き誇っている...異変かしら?」
...異変か...随分と綺麗な異変だな...私と言えども季節の違う花を同時に見たことはこの長い人生でも全くないな...
幽香は私の腕を掴む...
「幽香?」
「...少し興味がわいてきたわ!華楠付き合いなさい!!長い間籠っていたんだから!」
「待てっ!...っ!ぎゃああ!?」
幽香にすごい力で引きずられ私は大空へと飛ぶ...
異変か...何事も起こらないと嬉しいのだが...
花映塚開始です!
一番書くのが大変な異変かも...
ではこれにて