幻想郷時間...午後10時...
竹林の妹紅の屋台には大神境奈がちびちびと酒を飲んでいた...
独り思考を停止させハイライトの無い金色の目は虚空を見ておりどこか危なげない...
屋台の主である妹紅も心配そうに見ているが彼女の余りの黒いオーラに押されて声をかけられないでおり状況は変えようがないものとなっている...
side境奈
「華楠に煌炉...とうとうアタシの姉妹はそっちの世界にいってしまったか...」
屋台で独り寂しくアタシは酒をあおる...何故こうなっているかというとこの前の華楠・幽香のアレを見てしまったことが原因にあげられる...
実の姉の情事を見てしまうとはアタシとしてもくるものがある...おかげで調子が悪い...
まぁ別に否定はしないさね...幻想郷は全てを受け入れる...人の恋も自由だ...でも寂しくも思えてくる...自分が孤独すら思えてくる
「昔は気弱だった華楠がまさかの幽香とね...生きるというのは何が起こるか分からないな...」
アタシはコップを置き竹林の夜空を見上げる...
曇っていて綺麗な満月は雲に隠れている...今のアタシの心と同じか...
「所詮生きる限り...血を分けた家族を持っていてもアタシという個は孤独なのね...」
「何が独りなのですか?」
「あ?」
後ろを振り向くと文が笑いながらアタシの後ろに立っていた...
「...文か...何か用?今日は脱がすのはマジで勘弁ね」
「...境奈...私は毎日のように発情してるわけではないのよ?その言い方は傷つくわよ...あっ!おでんの大根と卵・熱燗お願いします!」
文はアタシの横の席に座り自分の食べるものを注文する...
「...日頃の行いよ...椛をアタシにけしかけたりしたじゃない」
「はて?何の事やら...」
文は出された大根に箸を入れる...
全くこの天狗は...
「はぁ...」
「何溜息ついちゃっているんですか?そういや銖理はどうしたの?」
「...最近満月の日はあいつ姿消すんだよね...何かお姉ちゃんとしては心配です」
「もしかしてコレ?」
文は小指を立てる...んなアホな
「...お姉ちゃんはみだらな関係は許しません」
「いまどき珍しくないですよ?境奈も軽いと思いきやそこのところ固いんですから!」
「フン...」
文はアタシの顔を覗き込む...
「一体どうしました?いつもの境奈らしくない...」
「自分が孤独と思っただけよ...仲間を持っているアンタと違ってね...」
「それって...」
「そのままの意味よ...昔のアタシは自分は恵まれているとずっと思っていた...容姿端麗・頭脳明晰...そんなアタシですら持つことのできないものがあった...それはアンタは知っているでしょ?」
「仲間ですか?昔言っていましたね...」
「そう...大神は力を持つが故に個で活動するもの...天狗のアンタと違い群れで行動するなんてまずは無い、任務の時に敵の懐に潜入したときだって少しの間だったけど仲間という感じを感じられて良かったさえ思う...」
「孤独って...そんな悲しい考えは嫌よ...境奈だって家族がいますし!」
「家族は家族でしょ?他人との接点は全くないのよ...所詮生者は皆孤独よ...アタシとて例外ではないわ...」
「...もう!そんな境奈はこうです!」
文はアタシの頬に大根をつける...
「ひぎゃ!!??な...何すんの!?アタシの顔に傷ついたらどうするのよ!!」
アタシはひりひりする頬に手を付け文を睨むが文はアタシに抱き着く...
「え?」
「...確かにその考えだと皆孤独でしょう...ですが私は貴女を独りにはしませんよ...」
文の力が強くなり始める...
「...アタシは」
「大丈夫...世界中の人が境奈の敵になっても...私だけは貴女の味方です」
...文っ!万年発情していると思っていたけど...いいやつじゃないっ!!
「う...うわ~ん!あ~や!」
アタシは文に抱き着く...
1時間後
side文
「zzz」
1時間経過し境奈がとうとう寝に入った...
「...むふ...むふふふ!」
私は境奈の体に顔をつけ彼女の甘い匂いを嗅ぐ...ああ...境奈の匂いにこの柔らかさ...最高です!
「...ふぅっ!文様これで良いですか?」
椛が屋台の下からニョキッとあらわれる...手には怪しい色をした小瓶がある...
「ふふ...ご苦労様です...椛...」
計画通りです...独りの境奈を椛の能力で探し出しその薬を使ってお持ち帰りしようと思っていましたが運がいいことに境奈が傷心でしたのでこの私がその心の隙間を埋めてあげました...全ては私の計画通り...
まぁ...途中境奈が可愛すぎて鼻血がでそうになりましたが...
「あ...文様!私も参加しても?」
オフコース...椛も境奈狙い...この前椛をセクハラしている時にまさかの彼女が私と同じだったとは...彼女を誘ってあげて正解でした...時間があまりかかりませんし...今夜は逃がしません...
「ふふ...良いですよ...では行きましょうか!私たちの愛の巣に!」
お金と迷惑料を払い境奈を担いで私たちはその場を後にする...今夜はいつも以上に楽しくなりそうです...
side境奈
「ん?」
目を覚ますとどこかの部屋の中...何だろ?頭がガンガンする...
「...え?」
そして私を見ると着ている者は無く両手を縛られた状態でベットの上に寝ていた...何で?私は確か屋台にいたはず!
「あやや~♪起きましたか~?境奈~!」
声のする方を見ると文と椛がいた...文に関してはワイシャツ1枚だ!!
「...あの?これは一体どういうこと?何でアタシ縛られているの?」
「言いましたよね?独りにしないとね...私たちも境奈の全てを認めますから境奈も私を認めてくださいな...私は認めた相手しかこのような姿は見せませんよ?」
文はベットの上に座りアタシの下半身を触る...
「ひぐっ!?...も...椛!見てないで何とかして!!」
「申し訳ございません!」
椛もアタシの横に来て頬を舐める!!
「ひっ!?ま...まさか...椛!アンタも!?」
「残念ながら...私たちを止めれるものは誰もいません...さて?どうします?」
「土狐~!こいつらをピチュれ~!!」
土狐を呼ぼうとしても全く反応がない...何で?
「両腕を縛っている縄は博麗神社にて作られたものです...この前ゴミ捨て場に捨てられてたので拝借しました...さて?もう逃げられませんよ?いつもは私が前に土狐やら完全態になってことごとく回避されてましたし...準備はできています」
文はそのままの格好でアタシの上に乗る...
「あの?文?...文さん?...文様!?色々とヤバいわ!!っ!」
文がアタシの胸を握る...
「今日は寝かせませんよ♪」
最後に映ったのは文の屈託のない良い笑顔...
そして一心不乱にアタシの頬を舐めている椛の顔...
ああ...2人共アタシのこと考えてくれているんだ...アタシを全てを認めてくれるなら...好きではないけどこれも我慢するか...
思考を完全に切りアタシは流れに身を任せる...
椛...お前もか...
次回風神録です
ではこれにて