IS×SPARTAN   作:魔女っ子アルト姫

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073のCV、私は藤真秀さんで再生してます。
ジョジョ5部、黄金の風にてリゾットの声を担当された方です。


073、追跡、授業。

073の役目は授業の一部での教官役と警備任務、そして束の護衛。彼の場合の警備任務は基本的に夜にあてがわれているので昼間は授業などがない限りは基本的に本来の役目である護衛に徹する事になる。と言っても基本的に束が研究に集中している上にIS学園の特性上侵入者などめったに現れない上に束はごく一部の人間以外には情報開示されていない。端的に言えば073は束から試験を頼まれない限りやる事が無いのである、それ故か―――

 

「……問題はないな」

 

夜の警備巡回の為にルート確認などを兼ねた見回りを行う事にした、千冬からも一度は回っておいた方が良いと言われたのでそれに素直に従った。HUD内に表示されているIS学園内のマップ、それに表示されていたルートをなぞるだけ、問題はないと思いながら途中でレーダーに新しい反応へと視線を移した。自らの背後を付いてくるように移動している、動きには迷いはなく此方へと意識を集中しながらも姿を見せずに意識だけを向け続けている。視線を向ければバレると判断したのか、己の才覚のみで此方を追跡している。悪くは無いが―――余りにも意識を向け過ぎている。

 

幼い頃、徴兵を受けスパルタンとしての訓練を受けてきた073にとってその隠密はまだまだ幼稚な部類に入っていた。既に会う事は出来ないが同期の中には意識どころか自らの命の気配すら完全に消し去って姿を隠して暗殺を行えるスパルタンも存在していた。073はそこまでではない、だが今の追跡者はスパルタンならば確実に発見できる。例えモーショントラッカーによる探知など無くても見つけられるほどに。ハンドガンを抜き放ち背後近くの廊下の突き当り……ではなくそこから奥の通路へと銃口を向けながら殺気を放つ。

 

「―――行ったか」

 

レーダーで確認しなくても判別出来るが動体反応が遠ざかっている、追跡がバレたと判断してすぐさまに後退していった。思い切り自体は悪くもなく判断も素早いが、余計な自信が慢心を呼び技術を欠いている。ワザと殺気を放って警告めいたものにしたが逆に自分は気配を殺して相手を殺してやる事も出来た。束に消音機(サプレッサー)も受け取っている、完璧な消音が可能になる……が此処で無駄な殺しをする意味も無い。相手も謎の存在である自分を警戒しているIS学園の人間だろう。此処はそっとしておく事にしよう。

 

「見事な殺気だな」

「見ていましたか」

「ああ、途中からだがな」

 

背後にいた千冬は少しだけ汗を流しながら声を掛けてきた。M6Dを収めながら此方へと向き直る彼を見つめながら千冬は想像していたよりも遥かに途轍もない戦士だと再認識した。

 

「申し訳ありません、不必要な行いでした」

「いやお前に関する無用な干渉は奴にも通達されている筈だ、だがワザと行ったな……奴から見たら余程正体不明な存在だと映ったのだろう」

「正しい判断でしょう」

「束に報告するか」

「いえ先に銃を抜いたのは私です、私の落ち度です」

 

千冬は追跡を行っていた人物に思い当たる節がある、恐らくだが生徒会長の奴だろう。奴とてスパルタン()のアーマーへの興味と彼個人への興味が強かったのだろう。それに関しては自分も同じなので何も言えないが……それを優先させ過ぎて殺されでもしたら洒落にならんのでこちらでも忠告はしておく事にしておこう。

 

「フムそうだな、抜いた事を見逃がす代わりに次の私の授業を手伝って貰おう」

「次はIS基礎技術学、私の担当ではありませんが何をすれば」

「途中で変わって貰おう、そこでお前が何を教えるのかも話して貰おう」

「……了解しました」

 

少しだけ渋るような仕草をしたが直ぐに了承の返事を出すと千冬は笑ってから期待しておく、言いながら彼を連れて歩き出した。

 

「先程の殺気は見事だったな、相手へと直接注ぎ込む殺気とは」

「有難う御座います」

 

「っ……っ……心臓を鷲掴みにされたようなこのプレッシャー……あそこで無理矢理動いてなかった確実に殺されてた……あんな殺気を放てるって、何なの……!?」

 

 

「皆も理解していると思うがISには様々な機能が存在している、実際にISを稼働させるうえでこれらの機能は常に働いていると言ってもいい。だがそれらに依存しきるのは危険な行いだ」

 

IS基礎技術学、千冬からバトンを受け取った073が授業を進めている。ISを稼働させる上では様々な機能などが並列的に稼働して操縦者を守るながら機体を動かす事になる。それは銃を撃つだけでもパワーアシストなどで反動を抑え込む、自動照準補正(エイムアシスト)、弾数管理。だがそれらに頼り切るのは操縦者の多くはしない、己で出来る事は己でやりISには他の事をやらせて自らの補佐させる事が多い、その方が有益だからである。

 

「えっと、その……先生。如何すればいいんですか」

「慣れているならば分かるだろう、基本的にそれらの性質などを身体に覚え込ませる。反動、軌道、弾数などを自らの身体で感じておくだけでも大きく異なる。ISが表示する弾数表示を確認するのと自らの感覚で覚え込んだ弾数感覚、何方がタイムラグがないと言えば分かるか」

 

そう言われて生徒らは納得したような表情を浮かべる。キーボードのタイピングでもキーの位置を把握してそれらを感覚的に入力するブラインドタッチとキーを一々見ながら入力するのとどちらが早いかと言われたら感覚的な方が早いに決まっている。

 

「え、えとでも感覚でも間違える事があるんじゃ……」

「当然あるだろう。それを無くすための訓練だ、間違える事もあるだろうが間違える事など構わない、寧ろどんどん間違えろ」

 

間違えろという言葉に思わずぽかんとなる生徒が多かった、それらを見つめる千冬も何を言うのかと楽しみにしているかのような瞳を作りながら授業を見つめている。肝心の073はこれも任務だと真面目に取り組み、彼女らに理解出来るような言葉を彼なりに懸命に選びながら教鞭をとっていた。

 

「間違える、ミスをするというのは大切だ。逆を言えばそこには自身の成長の可能性がある証明でもある。そしてミスを無くす為の努力と訓練を積む、それが皆がすべき事だ。初めから何もかも上手くやれなど言うつもりはない。ミスを恐れるな、受け入れて前に進む事こそが成長する為の一歩だ」

 

それらを聞くと少女らからはおぉっ~と声が漏れる、その一方でアーマーに包まれている故か硬派で酷くスパルタな印象を抱いていた者が多かったのかそれらを改めるきっかけになった。同時に千冬は少しだけ悪い顔をしながら難しいと言いながらも中々に悪くない発破を掛けながら生徒達の授業への意欲を高めるのが上手いじゃないかと内心で褒める。同時にこれからも一緒に授業をして貰おうかな、と悪戯心を働かせるのであった。

 

「レイ君ち~ちゃんから聞いたよ~中々に良い授業やったったって」

「これでも懸命に言葉を選びながらだったんです、出来ればもう遠慮したいです」

「フムフム……レイ君は教えるのが苦手だからリードしてあげるべきっと……」




ハルゼイ博士とスパルタンⅢ

スパルタンⅢはハルゼイ博士を敵視するONI、海軍情報局上層部が発案した計画にて生まれた。ONIにとってスパルタンの戦果を無視できず、自分達の手駒としてスパルタンの簡易量産を計画。スパルタンⅡのデータ及び人員を盗用して作り上げたのがスパルタンⅢ計画。
それはS-Ⅱを我が子のように思うハルゼイ博士にとっては許しがたいことであった。
博士は計画への反発はもちろん、命令を優先する彼らをONIの操り人形という揶揄した事もある。

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