「シエラ先生のライフルは私のと違って実弾なのですね」
「ああ、こちらの方がしっくりくる」
そう言いながら一夏の指導の傍らで自分の狙撃を見て欲しいと依頼されたのでセシリアの指導をしていると彼女から是非自分の狙撃を見たいというリクエストを貰った。なのでその期待に応える事にして束に再現して貰ったスナイパーライフルを展開して見せた。そしてそれを構えると即座に発砲した、放たれた弾丸は的確に出現した的の中心を呆気なく射抜くと即座に別の的へと放たれた。
「早い……!!」
次の弾丸を込め直すまでに次の標的へと狙いを定め発射体勢まで取って即座に発砲するを繰り返していく。流れ作業のような速度で狙撃を行っていく。
「な、なんて音……それにあんな威力を出せるライフルの反動を受けていないのか……!?」
箒はそれを近くで見ているからか凄まじい発砲音、そして的が命中した際の砕け散り具合に驚愕していた。的が炸裂しているかのような壊れ方をしている。一夏のアサルトライフル、セシリアのライフルとは桁違いの威力に目を丸くしながらそれだけの威力ならばとんでもない衝撃が起きる、例えISでも支えきれない反動がある筈なのにそれを苦にすることもなく連発する073を見つめた。
それもその筈、彼が使用しているライフルは対物仕様のスナイパーライフル。14.5x114mmの弾薬を使用しておりISでも損傷を与えられる、そしてこのライフルは高速徹甲弾を使用して約2キロ先のエリートの頭部をシールドごとぶち抜く事すらできる威力を誇る。
「凄い、全弾中央部を捉えていますわ……!!」
その腕前にセシリアは感激しきった声を出した。彼女のISは射撃戦仕様で彼女自身も狙撃を得意とする、そんな彼女からすれば中々お目にかかる事が出来ない程の射撃技術を拝見出来た事は光栄な事。しかし肝心の073は不満そうな声を出す。狙撃するにしてもあまりにも近い、これでは通常のライフルで十分過ぎた。
「すっげぇ~!!スパル先生ってカンスト砂*1かよ俺もスナイパーライフル持てねぇかな!!」
「いやアンタそれを高速戦闘仕様の機体に乗って言うの、凸砂*2にしかならないからやめときなさい。だけどホント凄いわね……弾込めと次の照準が出るのを並列して行いながら出現予測が完璧……スパ先生って何者なのよ」
鈴は僅かな期間でメキメキと頭角を現し代表候補生に昇りつめた猛者、そんな彼女からしても彼の技術は異次元級だった。只者ではないという事しか分からなかったがそれが更に明確に見せつけられて同時に強く感じた―――絶対に戦いを挑んではいけない類の存在だと。
「織斑、撃ってみるか」
「良いんすかぁ!!?」
「以前撃たせるという約束をしたからな」
「おっしゃあっ!!俺これでもスナイプばっかしてたんで自信ありますよ!!」
「いやそれゲームの中の話でしょうが……確かにヘッショ率7割は凄いとは思うけど」
この後、一夏はスナイパーライフルを体験するのだが意外にもそちら方面の才能がある事が判明。流石にゲームとは違うが初めての狙撃銃で命中率5割を記録した。セシリアから見てもかなり才能があると見て間違いない物らしく、一夏ならば射撃仕様のISだったとしても上手く乗りこなす事が出来ただろうと断言出来る程の物だった。
「本当にお見事な狙撃でしたわシエラ先生!!私が目指す射撃こそシエラ先生の物ですわ!!」
「君は君らしい射撃を見つけるべきだ、私なぞより遥か上の狙撃手はいる」
「ぁぁっそんなご謙遜なさる先生も素敵ですわ……」
その言葉は真実な事に彼女は気付いていない。彼女にとっては073の見せた技術こそが最上の物、しかし073は己以上の狙撃を行える者を知っている。2キロ先の上空の目標に命中させてしまう程の神掛り的な狙撃をするスパルタンを。彼女に比べたら自分のそれなどは子供の児戯に等しいだろう。
「織斑、お前は射撃適性があるという事はこれからも私とセシリアからの指導はより一層厳しくなる事になるのは覚悟しておけ。事と次第によっては博士にライフルの追加を頼む事にもなりえる」
「よっしゃバッチこいです!!でも束さんに頼むって流石にまずいんじゃ……」
「これは博士の意向でもある、雪片の一件は流石の博士も予想外だったらしいからな」
改めて一夏に雪片の一件を伝えてみると一夏は呆れ果ててしまった。
「ええっ……何、俺って個人として見られてないのかよ。いやまあ千冬姉の事を言われると何も言えないけどさ……流石に千冬姉と同一視されても俺困る。千冬姉みたいにブレード一本で無双しろとか撃ってなんぼのFPSで近接格闘とグレネードのみでキャンペーンクリアしろって言ってるようなもんだぞ」
「ただのマゾゲーね、というか一夏マジで同情するわ」
「姉さん……いやこの場合姉さんが常識を期待してしまったのが原因なのでは……せめて一言添えておけばよかったのでは……」
この時の発言を偶然聞いてしまった束は思わずグフゥッ!!と噴き出しながら胸を押さえながら猛省したという。流石に大切に思っている妹からそう言われると来る物があるらしい。
「それで如何だ凰、君から見て一夏の実力は」
「全然余裕、負ける気がしませんね」
正しく余裕綽々という言葉がよく似合う態度と言葉。そこには単純な一夏の実力が低いだけではなく、自らが努力によって育て上げた実力とそれらを目の当たりにした周囲の大人たちから裏付けされたもの。実際彼女は世界中を見て有数の有望株だと言われる程の代表候補生だと言われる程。そんな彼女のそれは侮りなどではなく正当な自信なのである。それに対して箒は一夏を侮るなと言おうとするがそれより早く一夏が言う。
「言ってくれるな鈴。だけどな俺だって言われっぱなしで終わらない、クラス代表戦でそれをハッキリさせてやる。俺はその時にまでにもっともっと腕を磨いてお前をあっと言わせてやる、その為の努力を惜しむつもりはねぇ。それに―――俺だって男の子だぜ、そこまで言われたら逆に闘志が沸くってもんだぜ」
「へえっ……」
良い目をするじゃないと内心でそれを褒めた。一夏の瞳にあるそれは正しく闘志、自分への挑戦を意味する炎で見ていた。真っすぐで澄んだそれに思わず身体を震わせてしまった、人を魅惑的に惑わせてしまう程の物がある。
「言うじゃない、それじゃあその時を楽しみにする為に協力するのは今日だけよ。アンタからしたら私の実力を把握しきれないのもあるからきついわよ、それでもいいわね」
「ああ望むところだぜ、見てろよ」
コブナントが人類に戦争を仕掛けた理由を簡単に説明。
①HALO世界では、かつて「フォアランナー」と呼ばれる種族が銀河を圧巻していた。
②コヴナントは多種族の連合であり、フォアランナーを神として崇めている。
③コブナントの権力トップは自分達は神、フォアランナーに遣われた預言者として君臨している。
④だがフォアランナーは人類を自分達の後継者的な位置づけで見ていた。
⑤それにコブナントの権力のトップらが、ふざけんな俺達の立場がねえじゃねえか皆殺しだ、野郎ぶっ殺してやるぅ!!
⑥開戦。
大体こんな感じの流れ。