IS×SPARTAN   作:魔女っ子アルト姫

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073、授業中、軍人。

「ったく何なんだよあのボーデヴィッヒって奴……俺が何したってんだよ、先生にも迷惑かけやがって……」

「凄いピリピリしてたもんね……教室に行く前はそこまで、いや割とかな……」

「織斑、何かあれば直ぐに言え。織斑女史へと報告する」

「うっす分かりました。頼る時は見極めて、だけど頼る時は素直且つ速攻で頼れですね」

 

一夏とシャルルの護衛、新たな男子という存在を得たIS学園の生徒は確実に暴走する。そう読んでいた073の勘は間違っておらず男三点セットとして話題となった、一夏もシャルルも見た目は麗しいのもあるだろうが女子の間では073のメットの中に眠っている外見を妄想するのも楽しみの一つだという。そういうものなのかと思いつつも正論の刃と千冬への通報をも検討しなければいけないだろう、という抑止力を行使した結果無事に3人は授業を行う場へと到達する事に成功した。

 

「やっほ~一夏、そっちが噂のもう一人の男って奴ぅ?いやフランス人形って感じね、いやマジで」

「フランス人って美形多いってマジだよな」

「そう言われると照れちゃうよ」

 

と二組との合同なので到着した鈴は気さくに声を掛けながらシャルルへと視線を向けている。鈴は時々一夏に熱っぽい視線を向けつつも彼の親友的な立ち位置を確りと確立しながらちゃっかり隣を確保している。そこへ一組女子がやってきて、箒が鈴を牽制するような声を出すが本人は何処吹く風やら。肩を竦めつつも揃った事を確認しながら授業を始める事にした。

 

「さて……これより合同授業を開始する。本来は此処に織斑女史と山田女史が居る筈だったが御二人は多忙に付き来られない。不満だろうが私だけで勘弁してくれ」

「不満なんてありません~」

「スパル先生の授業分かり易いから大好き~」

「褒めて伸ばす万歳~!」

火災発生!!

『何よ今の!?』

 

と賑やかな女子生徒らにシャルルは笑顔を作りながらも楽しげな雰囲気に肩の荷が下りた気がした。その一方で見た目の重厚さと圧迫感故か少し苦手意識を持っていたが073の慕われ加減に驚きを隠せなかった。完全に人気教師として見られているのだから驚くの無理は無いだろう。

 

「さて、今回は各人にグループを作って貰いそれらが訓練機を動かしそれを考察改善を行って貰う。その班分けはリーダーに専用機持ちを据える、各自出席番号順にそれぞれに一人ずつ集まるように。男子に殺到防止だ」

『チッ先手を打たれた!!』

≪大破ァ!!

『だから今の何よ!!?』

 

何やら妖精めいた生徒が一人遊びで変な声を出しているようだが特に害も無いので放って置く事にする。そして専用機持ちはそれぞれのリーダーシップを発揮してきびきびと指示を出していく。一夏は経験値的には他の女子らと同じだが逆にそれを活かして仕切るのではなく一緒に歩んでいくという方式を素早く取って一緒に準備や指導を始めていく。中々に適応が早い。

 

セシリアは淑女せんとした礼儀正しさとマニュアルを一つ一つ確認しながらやるようなやり方で、鈴は感覚的な物だが一緒に動いて行うからか分かり易い。一番分かり易いのはシャルルだろう、懇切丁寧且つ理論的且つ感覚的な部分をバランスよく取り入れている。あれならばどちらのタイプでも把握出来る……そして一番の大問題枠はラウラだった。

 

「あ、あの先生私達どうすれば……」

「……」

「そうだな、まずはあれの説教からか」

 

完全にやる気なし、リーダーとしての役目を果たそうとしないそれに失望を更に極めているラウラの態度に073は呆れ果てていた。練習機を確保したのは良いがその後が分からず指示も出して貰えず困っているメンバーを無視し続けている、素直に助けて欲しいと声を出した彼女らにやり方を教えた後にラウラに向かい合った。

 

「ドイツ軍人、何故役目を果たそうとしない」

「ISをファッション感覚で思っていない奴らに指導する事など無い、価値があるとも思えん」

「貴様程度がそれを判断する必要などは無い、価値も無い」

「―――なんだと」

 

073の物言いにラウラは赤い瞳に怒りを燃やしながらそちらを見た、そこには相変わらず変化もしないアーマーに身を包みながら生徒の一人を練習機に乗せながら一歩一歩確認しながらやればいい、と指示を出しながらセシリアらに余裕があればで良いから此方も見てやって欲しいと声を掛けておく。するとすぐに対応がなされ、それぞれが生徒を一人受け入れて授業が進行される事になった。そして残った数名の生徒は073が直接見る事になるのだが、彼女らには少し待って貰う事にした。

 

「お前が価値を見出す事への意味と価値はなんだ、それを行うのは我々側だ」

「兵器を扱うのに相応しくはない、正当な評価だとしてもか」

「最初から正しい認識などない、だからこそ学習と訓練を通して失敗と成功を繰り返し理解と成長する。その意味も分からんのによくも少佐などである物だ……呆れて物も言えん」

「何だと貴様っ!!!」

 

と声を荒げるラウラ、それに周囲の女子らが身体を震わせる。少女とはいえ正式にドイツ軍から少佐に任命されている存在の怒号は身体を震わせるに相応しい圧力を放つ、だが073からすればその程度そよ風以下でしかない。寧ろ何故少佐などという地位を与えられているのか理解出来ない。地位を与えられている物はそれに適した責任と役目がある。彼女はそれを果たしているのだろうか、学園に来ているから軍人ではないとでもいうのだろうか。これ程までに軍人である事を強調しているのも関わらず。

 

「ならば貴様は何だというのだ、貴様に軍人の何が分かる!!?訳の分からない奴が何を語るか!!」

 

そんな叫びを鼻で笑う。逆に問いたいぐらいだ、そちらは何を理解しているのか。

 

「舐めるなよ小娘、貴様に俺の何が分かる」

「―――っ……!!」

 

その時、ラウラだけが鋭敏に感じ取った。彼から感じ取った圧倒的な存在感、殺気、闘気、敵意。様々な物が要り乱られる中で圧縮されたそれらが内面を攻撃するかのように迫ってくる。巨大な星にすら見える程に力に後退りをする。そして益々理解が追い付かなくなってくる、だが073は敢えてそのまま言葉を続けた。必死に努力を重ねて一歩一歩ISを動かしていく生徒を見ながら。

 

「今の彼女らは原石、それらの価値を見出すのが我々の仕事だ。そしてその価値を伸ばす、価値を与える、価値を示す、それが織斑女史の仕事でもある。幼稚な否定をするだけで前に進めていないなドイツ軍人、織斑女史には報告しておく。後は好きにしろ」

 

そう言い残して073は舌打ちをする彼女など無視して待たせてしまった少女らへの指導を開始する。同時に彼の中でラウラへの評価が最低へと一気に下降していく、千冬には悪いが073の中でラウラへの評価はほぼ固定され始めていた。それらを変える事は出来るだろうが彼女が変えるだけの事をするのだろうか……。




ミランダ・キース 中佐

ジェイコブ・キースとエリザベス・キャサリン・ハルゼイの娘。人類の誇る英雄が両親というラノベ主人公も真っ青である。
幼少の頃に父方に引き取られ育てられた為か軍人を志し、それも戦艦の乗員として最前線での戦いを志願していた。それに肝を冷やしたハルゼイ博士が手を回し、学術研究艦ヒルベルトの乗員として遠方のコロニーに配置される。

しかしヒルベルトは不幸にもコヴナントに遭遇。攻撃される味方艦を前に、ミランダはヒルベルトを敵艦に突撃させるという蛮行に出る。戦艦を鈍器にされたコヴナント艦は大気圏に落下し爆散。そして生き延びたミランダは父と同じ戦術によって英雄となり、中佐に昇進。

非常に思考も柔軟かつ勇猛果敢。PCにラーメンだばぁする位やばい事する敵艦にも怯む事がない位に凄い人。
部下の話にも耳を傾け戦局を見る目も優れている軍人の鏡で今の少佐とは酷い差である。
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