IS×SPARTAN   作:魔女っ子アルト姫

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073、束。

「束博士、荷物は此方でいいのか」

「あっありがと~いやぁ助かるよ、ありがとねスパちゃん」

「一宿一飯の恩義という奴だ」

 

惑星リーチでの戦死と覚醒、それから約2週間が過ぎようとしていた。スパルタンⅡ-シエラ073は少しずつであるが現実を受け入れながらも前に進もうと努力を進めている。その中で彼は自らを発見した女性、篠ノ之 束博士の下に身を寄せる事となった。束としては073が纏っているパワードスーツ、ミョルニルアーマーへの興味とそれを纏っている彼への興味が強く受け入れる事へと決めた。

 

073としては受け入れの条件として自らの情報とミョルニルアーマーの技術提供を条件として出された事に難色を示した。ミョルニルアーマー、そしてスパルタンの個人情報は軍部の極秘情報。それらを提供する事に迷ったが彼はこの世界への理解を深めていくと共にこの世界自体が自分の世界とは全く別の歴史と技術体系を所持している事が分かった。1週間時間を貰い迷いに迷った結果……技術提供に応じ、073は束の保護下にはいる事になった。

 

「いやぁ……凄いよ本当に凄い、このミョルニルアーマーを作ったって人ってやばくない?技術的な話はまあ未来だから分かるけどこれって……宇宙服に応用が利きまくる、いやこれをISに応用したらどんな風になるんだろう……!!」

 

と束は瞳を輝かせながら073から提供されたミョルニルアーマーのデータに釘付けになっていた。彼女は超一流の科学者であると同時にこの世界特有のインフィニットストラトス(IS)と呼ばれる宇宙空間での活動を想定したマルチフォーム・スーツの制作者。そんな彼女にとって宇宙空間でも平然と運用可能なミョルニルアーマーなどは垂涎の物と言える。

 

そんなISだが致命的な欠点として女性しか使用できない上にその中核を成すコアの数は467。しかも肝心の束は製造し各国に配布した後に姿を眩ませてしまったという。何故かと言われればISを軍事利用されてしまう事が不服且つ宇宙へと旅立たせるという者が居なかったからというのが理由らしい。そんな彼女は世界から逃れつつ研究を続けており、今は拠点の一つにしている無人島に作った秘密ラボにいる。自分はその島に出現したらしい。

 

「ねえねえスパちゃん、これを作った人って君のお母さんと同じなんでしょ!?」

「―――ええ、キャサリン・エリザベス・ハルゼイ博士。人類最高の天才にして、スパルタンの母です」

「いやぁそりゃそう言われるわ、いやマジで感服したわ」

 

そんな風に天災とさえ呼ばれ畏怖される束すら顔すら見た事もないハルゼイ博士へと尊敬の念を向けている。そんな姿に嬉しさを浮かべつつ博士の事を思う、最後に博士にあったのはリーチでの通信だけだった。例えアーマー越しであったとしてもどのスパルタンなのか見分ける程に自分達に強い愛情を持ってくれているあの人、彼女は技術を提供している事を知ったらどう思うのだろうか……怒るだろうか……。

 

「おっとととと……いけないいけない解析作業に夢中になっちゃってスパちゃんご要望の武器の事忘れるところだったよ~……アハハハごめんごめん」

「いえ科学者としては当然の事かと」

 

そう言って貰えると助ける~と言いながら束はISの拡張領域(バススロット)へと量子変換して入れておいたそれを取り出し073へと投げ渡した。それは073にとって慣れ親しんだライフル、UNSCで最も普及していた突撃銃であるMA5B アサルトライフル。手に馴染んた感触とトリガーの硬さに重さ、全てが自分が戦争中に使用していたものと全く同じ物。

 

「……すみません博士、貴方にこのような要望を出してしまい」

「いいのいいの、束さんのボディガードをお願いしちゃってるんだから武器を持ってもらうのは当然だよ。それに異世界(未来)の武器を再現してみるっていうのも一種のロマンで楽しかったからね」

 

今現在の073の立場は束の護衛(ボディガード)、彼女は国際指名手配を受けている身。自由に研究したいと言っても追手が自分を見つけて確保しようとするのも目に見えている。それを自力で対処してきた束だが折角従軍経験があるスーパーソルジャーがいるのだからそちらの方面のプロに任せようという事になったのである。

 

「にしてもさ、そっちの対物ハンドガンもそうだけどUNSC……だっけ、それの武器ってやばいね。どれもこれも威力ありすぎじゃね?」

「相手が相手でしたからね……それでも人類は劣勢でした」

「……信じられないけどマジなんだろうね」

 

束はアーマーと共に武器のデータも受け取っている、その中には到底に人間相手に向けられるような物ではない者も多くあった。エイリアン連合との戦争なのだから当然と言えば当然だろうが……そのような武器が大量にあり、銀河中に生息圏を広げていた人類を劣勢に追い込んでいくかのような存在と戦っていた。そう考えると束は逆に今の軍事利用されているISの流れは強ち悪くはないのではないかと気を持ち直し始めていた。外宇宙には信頼なる隣人だけがいる訳ではない、ならば今あるそれらを発展させてそれらに対抗するための物の研究の基礎にするのも悪くないと発想を転換させる。

 

『ねぇねぇスパちゃん、宇宙って……やっぱり綺麗なの』

『……ああ、数多の星々が作り出す無限の天海。だが一番美しいのは……この地球だと思っている』

 

そうだとしても見て見たい、宇宙の海を。そしてそこから見る事が出来る母なる青い星である地球を。だから束は諦める事はしない、絶対に宇宙に行ってみせると決心しながらデータを見つめた。

 

「えっと、スパちゃん悪いけど4-Uのユニット持って来て貰っても良いかな。重いけど大丈夫?」

「問題ありません、60tの戦車(スコーピオン)をスパルタンは一人でひっくり返せるので」

「わぁおっ……」

 

アーマーのパワーアシストにも目を通したがIS以上のパワーを誇っている事に思わず目が点になりそうになる、そして戦車を一人でひっくり返す光景を想像してみるとシュールを通り越してホラーになった。そして束は次の情報に目を通す事にした。それは―――スパルタンについて。

 

「さてと……彼が纏めてくれたスパルタンについての情報……彼ほどのスーパーソルジャーがいっぱい居たなんて信じられないなぁ……どんな手段でそんなのを育成したんだろ、それじゃ……ポチっとな」

 

この時、束は後悔した。単なる好奇心でその情報を要求した事を、こんな事を思い出させてしまった事を、だが目を放す事は出来なかった。そこにあった地獄に等しい情報は紛れもなく彼が生き延びてきた歴史の一端……そして束は無意識のうちに―――涙を流しながらそれに喰い入っていた。




MA5B クs…アサルトライフル

7.62mmNATO弾を使用する突撃銃。UNSCで最も普及して(しまって)いる歩兵装備である。集弾性もお世辞にもいいとは言えず7.62㎜にも関わらずマガジン撃ち切っても相手を倒せなかったりすることが多発。撃ちだしているのがBB弾ではないかと思われるぐらいに弱い。故にクソルトライフル、玉が撃てる鈍器、殴った方が強い、殴れる豆鉄砲と呼ばれてしまっている。
フォローしておくと、HALO4、5では威力が見直され威力も精度も向上している。優秀であるが器用貧乏という印象は拭えないが、十二分に活躍出来る武器となった。

因みにグーグル先生でHALO アサルトライフルで検索しようとすると候補で弱い、電動ガンと表示される。最早虐めである。
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