IS×SPARTAN   作:魔女っ子アルト姫

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073、トーナメント、噂。

教官という立場にある073だが彼は正式な教員ではない為学年別トーナメントの運営には一切かかわっていない。基本的に無干渉であり警備巡回をし続けるだけ、寧ろトーナメントという場には学園外より人が来るのでより警備の力を入れるべき。なのだが学園の中では既に当たり前の光景となっているが、外からすれば篠ノ之 束が遣わせた人間である為に何かしらの接触を図ってくる事も予想される。故に余計なトラブルを生むのではと考え、当日の警備は此方で請け負うべきでは、という話も出ている。

 

彼としては警備をしても構わないのだが、その最終判断はそちらに任せながら束の護衛に警備、そして教官職を普段通りにこなしていくだけであった。そしてそんな日常の中にも変化は少なからずあった。例えば……

 

「シャルロット・デュノアです、訳あって男性として入学する羽目になってましたが本当は女の子でした。改めてお願いしますね」

「という訳でシャルルではなかったという訳だ、文句はフランス政府に言うように」

『えええええッッ!!?』

 

まず、シャルロットは名実ともに自由になった。彼女は073との対話の後に本社と連絡を取って社長夫妻と対話をする事が出来た。そこで彼女は本国に戻ってISとは全く縁のない生活を送る事も出来るという選択肢を与えられたのだがそれを拒否して学園に居たいという思いを吐露した。そして彼女は社長夫妻の許可も得てシャルロット・デュノアとしての再入学をする事になった、まあそのせいで千冬たち教員がまた苦労を抱える事になったのだが……。様々な反応の中でもシャルロットは思いのほか好意的に受け止められたのか、あまり変化なく学園生活を送れるようになった……のだが

 

「シャルロットさん、貴方シエラ先生に近すぎではなくて。先生はこれから私とのお時間なのですが?」

「僕だって先生との時間を楽しみにしてたんだけど、そこへそっちが無理矢理予定をねじ込んできたんだから遠慮するべきじゃないかな、英国淑女ってこうも強引なの?」

「「……」」

 

あれからシャルロットとして生きられるようになった彼女は生き生きするようになったのだがその反動に自由に生きる!と言わんばかりに073へと猛烈なアプローチを掛けるようになった。警備巡回中に出会えば抱き付く、上目遣い&涙で同行許可を強請る、訓練に参加したがるようになっている。セシリアほどではないが彼女の場合は妙にあざとい、自分の武器をよく理解している女といった印象を受ける感じである。

 

「あ、あの先生……大丈夫っすか?」

「お前に言われたくはない、タッグの相手は篠ノ之か凰の何方か決めたのか」

「いえ全く……」

 

と一夏に僅かながら心配されるのだが、073的には一夏の板挟みの方が気になる。箒と鈴の相性はあまり良くなく一夏を巡って口論に加え、時たまISでの戦いにまで発展している。箒も箒で一夏と共にスパルタン仕込みの訓練に参加していたので一夏ほどではないが実力が大きく向上しているので鈴に喰らい付く事は出来るようになっている。がそれが逆に勝負が付かなくなったりする原因にもなって争いは更に過熱したりもしてしまっている。

 

「二人とも落ち着け、何故そこまで争うのか……」

「「女のプライドです」」

「……」

 

と言われて下手に仲裁する事を諦めた。女は時として魔物になるのだ、それはスパルタンも変わらなかった。いやスパルタンだからこそより凶悪な大魔王として顕現する事があった。それを垣間見た時、近くに居た他のスパルタンと共にこういう時は不干渉が一番だと頷き合ったのが良い思い出だったりする。

 

「そっそうだ先生、ちょっとお願いって言うかそんな感じの事があるんですけど!!」

「妙にふわふわした表現だな」

 

そんなトーナメントも迫ってきている中の事、一夏のパートナー問題は全く解決していなかった……のだがそこでラウラが助け舟を出して彼女と一夏が組む事に決定した。箒と鈴は予想外過ぎる展開に噛みつくのだが、それを073が止める中、一夏が強引に話の流れを変えようと何かを切り出した。

 

「俺がトーナメントでいい成績だしたら一個お願い聞いて貰っていいですか?」

「何だそのお願いというのは、内容によるが」

「先生の素顔が見てぇっす!!」

 

その時、一同に電流走る。スパルタン-S-073の素顔、それは今現在IS学園で最も知りたい七不思議の一つとして扱われている。何故ならば彼はアーマーを脱いだ姿が目撃された事もなく、食事時にも姿を現さない。故に常にメットを被ったままなのでその素顔を誰も知る由も無かったのである。天啓を得たりと言わんばかりに放ったそれに一夏は活路を見出したのだろう。

 

肝心の073としてはどうするべきかと思った、彼もイグから

 

『いい成績を出せばご褒美を出すと言えば事態が収束するのでは?』

 

という意見もあったので一応検討はしていたのだが……まさか自分の素顔を要求されるとは思わなかった。この世界に自らの戸籍も無ければ親族の戸籍も無い。故に軍事機密に当たるスパルタンの素顔はある意味見せたとしてもそれほど問題にはならないのかもしれない、スパルタン計画の概要を話すよりはマシなのでは、とイグからも言われる。そして一同的にもそれは酷く気になっている事だった。

 

「……まあ考えてやってもいいが、随分と下らん事を知りたがるな」

「いやいや、スパル先生学園内でどんだけ先生の素顔がどうなってるのか知りたがってる人がいるのか分からないからそれ言えるんですよ」

「その通りですわ、女子たちの間ではシエラ先生のご尊顔を拝見したいという声は酷く多いのです!!」

「うん、僕も見たい!!みんなの間じゃ先生の素顔の事で一晩潰せるぐらいには話題性あるもん!」

「わ、私も興味がある……!!」

「アタシも!!」

「わ、私もだ……」

 

とスパルタン計画の事を話したセシリアやラウラもそれは同じだった模様。随分と乗り気だったので取り合えず前向きに検討しておく、とだけ返答するのだが一同は大喜びだった。これは本気で素顔を出さなければいけないな……と思いながら警備巡回をするのであった。がそれは後日思わぬ方向にぶっ飛び始めた。

 

「お、おいなんかすげぇ事になってねぇか……?」

「どうしてこうなったんだ……」

「確実にシエラ先生はご存じではないでしょうし、まずいですわ……」

「いやいや……だからってなんでそうなるのよ」

「何処かで聞き耳立てられてたのかな……」

「私達が責任を取るしかないのでは……」

 

なんと何処かで素顔云々の話が漏れていたのか、それが1年生の間で大流行してしまった。そしてそれは流れていく内に変質してしまい―――最終的に『学年別トーナメントで優勝すればスパル先生か織斑 一夏と付き合える』という事になっていた。一体どうやったらそう成るのだろうかと一夏は思いながら、迂闊な発言をした自分を呪うのであった。




スパルタンの肉体

参考としてマスターチーフ、S-117を上げる。彼の身長はアーマー込みで218cm。
これは強化手術のみならず異常なまでの戦闘訓練生活の影響も大きいようで、強化手術当時14歳のジョンは「18歳のオリンピック選手に見える」ほどだったという。

そして彼らは生身でも凄まじい身体能力を持っている。過去にS-117は揉め事のケジメとしてODSTとボクシングを行う事になったのだが対戦相手を殺害してしまう程だった。
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