IS×SPARTAN   作:魔女っ子アルト姫

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トーナメント、073、開始。

学年別トーナメント当日。この日、IS学園には各国からやってきた来賓などで賑わっていた。各国政府関係者、研究所員、企業のエージェント、その他諸々の顔ぶれが学園に会している。そこに足を運ぶ目的はそれぞれ違うだろうが大部分共通している物もある。それは3年生のスカウトそして―――世界で唯一ISを稼働させてしまった織斑 一夏を自身の目で確かめたいというもの。シャルはこの事で若干緊張していたが、既に彼女の事は処理されているので問題は特に起きなかったので胸を撫で下ろしていた。そしてその一方……

 

「手続きが御済の方はお早くお進みください」

「是非ともお話を」

お進みください

「あの、せめて……」

お進みください

『は、はい……』

 

篠ノ之 束によって直接送り込まれ、彼女が直々に製作したというIS技術を応用して作られたというアーマーを纏う男、スパルタン-S-073の存在もあった。本来彼は出張るつもりはなかったのだが日を増して行く毎に対応するべき事柄や仕様の変更に予定変更のオンパレードが今年に限って発生してしまった。原因は間違いなく一夏と073なのだが千冬は自分達で処理しなければと努力したのだが……警備に割ける人員が極端に減りかねない程の人数が学園に殺到する事になった。

 

『了解しました、では私が各国の方々の出迎えなどを担当いたします』

『済まない、済まない……情けない教師で済まない……済まない……』

『ごめんなさいごめんなさい……普段から頼りっぱなしな上にこんな時にまで頼ってしまう駄目な先生申し訳ありません……』

 

千冬と真耶は申し訳なさMAXで依頼を出したのだが当の本人は全く気にする事もなく引き受けた。同時に懸念された彼へと殺到する人々もあったのだが……警備という名目で握られたアサルトライフル、そして彼へ何とかアクションを取ろうとする者へは本人から発せられるオーラがそれらを削ぎ落す。073の背後には篠ノ之 束がいる、なんとかコネクションを築きたいと思っても不興を買えばどんな不利益を被るか想像もつかないので強く出られなかった。073を上手く活用した結果、来場人数が過去最高なのに受付や受入は過去最短で終了したという。

 

「おい君は勝てるかね……」

「死んでもごめんです絶対に喧嘩売るなんて無理無理カタツムリです。大臣は私に太陽の中に突撃しろっていうんですか?」

 

「―――正直、彼の前を無事に通れただけで一生分の運を使い切った気分です……」

「うん素直に諦めよう」

 

数々の戦場で磨かれた威圧感と闘気が有効的に活用された瞬間であった。そして問題なく受入が終わると即座に次の仕事であるISの整備パーツや設備の予備部品などの搬入作業を開始していく。1週間かけて行われるトーナメント、生徒が全員参加するこの催しでは破損などは次の試合を直ぐに行えるようにすべてパーツ交換などで済ませられる。それらを行う設備の損耗も激しくなるので同時にそちらのパーツも同時に受け入れる。

 

「織斑女史よりお話をお聞きしました、お手伝いします」

「あっスパルさん、助かります!!それじゃあどんどんお願いしても良いですか!?」

「了解しました」

「ああいや専用重機がないと……」

『嘘ぉっ!!?』

 

と彼の事を全く知らない各国の人々は軽々とコンテナを持ち上げて運んでいくその姿に驚愕し、直ぐに戻ってきてまた運んでいく姿に愕然とした。

 

「助かりました、普通なら3時間は掛かっちゃう作業がもうあっという間でしたね!!」

「では私はこれで」

『如何なってるんだあのアーマー……』

 

 

『一言で申しますと核融合炉で動くアーマーですね』

「〈いきなり何を言ってる?〉」

 

 

「織斑女史、任務完了の報告にきました」

「何もう終わったのか!?」

 

と教員室へと顔を出しに来た073に思わず驚きの声をぶつけてしまう、千冬は千冬はまだまだやる事があるのでギリギリまで教員室で作業を行ってその後にアリーナに出向く事にしている。

 

「スパルさんどれだけ凄いんですか!?各国の皆さんに言い寄られたりしなかったんですか!?」

「されました、皆さんそれ程までに愚かではありませんでした」

「ははっそれもそうか、私達が余計な心配を回し過ぎてしまったという事だな真耶」

「そうですよね、だって皆さんいい男ですし政治家とか企業の重鎮とかが子供みたいに執着するなんてありえないですもんね!!余計なお願いしちゃったかもしれませんね」

 

知らぬが仏とはよく言ったもんである。因みにアサルトライフルについては学園長から確り携行許可を貰っている、例え学園長にクレームを言ったとしても学園側としては彼は篠ノ之 束サイドの人間であり此方から絶対的な命令は意味を成さないという名目もある。なので向こうは泣き寝入りするしかないのだある。

 

「他にする事はありますか」

「いやあとは此方で何とか出来るさ、学園としても束側であるお前に頼り切るというのは対面的にもまずいからなぁ……」

「出来るならまだまだお願いしたい物とかあるんですけどね……」

「では私はこれにて、何かあればご遠慮なく」

「ああ、その時が来たら遠慮せずに頼むとしよう」

 

そのまま教員室を立ち去る彼はそのまま歩き始めて、束の元へと戻ろうとするのだが……途中で思わずその足を止めてしまった。近くの窓から遠くの空を見上げてみるとそこには雲一つない晴天が広がっている。本当に良い天気、この大空の下で最初に戦うのは誰だっただろうか、とトーナメント表を見て見ると……そこにあったのは

 

織斑 一夏&ラウラ・ボーデヴィッヒ VS 篠ノ之 箒&凰 鈴音

 

という組み合わせだった。奇しくもある意味自分が訓練を見た者だった、彼らの激突は見たい気もするがそれよりも警備巡回を優先する。そして巡回を進めていく内に始まる時間帯になっていた。073は心の中で応援をすると再び巡回へと戻るのであった。




人類がコブナントと役30年も戦争を続けられた理由。

コブナントが人類への戦争を仕掛けたのはコブナントの最高権力者らが、自分達が信仰する神、フォアランナーが人類を後継者として定めた事を知り、自らの権力を崩される事への焦りが原因。そして人類が様々な星へと生活圏を広げているのも知らないまま、人類を根絶やしにする戦争を始めてしまった為。

そして人類はコブナントの攻撃を受け続けながらも母星である地球を徹底的に隠蔽している。全人類の艦船に対しコヴナント軍に地球の位置を知らせてはならないこと、船が拿捕される可能性が高い場合自爆すること、船が拿捕されそうな場合AIを破壊ないし除去することなどが決められた条約によって人類の母星に関して徹底的な隠蔽が成され、戦争が30年以上も続く事になった。

その中にはスパルタンらが直接情報の隠蔽に動いた作戦も多数含まれている。

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