注目の学年別トーナメント、一年生の部。その第一回戦、織斑 一夏&ラウラ・ボーデヴィッヒ VS 篠ノ之 箒&凰 鈴音、注目の対戦カードとなった対決に多くの人が視線を向けていた。そんな中で見せ付けられた一夏とラウラの戦い様は各国のIS関係者や重鎮らが驚く程の物だった。
「いくぜ少佐殿!!」
「ああやってくれ!」
「一球入魂、イッツァパァァアリィィィ!!」
一夏とラウラの連携戦闘の基本は互いが入れ替わりながらの戦術が主軸、一夏自身が連携に不慣れな事も考慮しそれらと射撃と近接の経験も積む為の物であった。だが073に鍛えられている故か既にラウラから見ても高い実力を身に着けているからか、更にラウラの教えもスポンジに水を吸い込ませるかのようにどんどん吸収していく。そして咄嗟のアドリブにも長けている。それは相手が想定している定石、行動パターン、ペースを崩すには十分な効力を示す。
前衛と後衛の交代、だがその時一夏は思いっきり後方へと下がった。下がり過ぎなのではと言う勢いで、逆にラウラは凄まじい勢いで突貫していく。それにカウンターを仕掛けるべき箒は"打鉄"のブレードを構え抜刀術の構えを取るのだが、彼女はブレードの射程範囲に入る寸前に一気に後退した。しかもそれは"瞬時加速"の後方移動版、"
「あんですてぇぇ!?」
「無茶苦茶すぎるぞ!?」
加えて"瞬時加速"をも組み合わせる事で瞬間的な速度は高等技術である"
「がはぁ……!!」
「ちょっ箒ぃ!?」
『篠ノ之 箒、SEエンプティ』
「嘘でしょ、まだ結構SEあった筈なのに今の連撃で削り斬ったって訳なの!?」
「全くよくもまあこんな奇想天外な作戦を思いつくな、お前には常識がないのか」
「失礼ながら転入直後の少佐殿ほどではないと思われます、マム!!」
「ウグッ……そ、それは言わない約束だろう……」
驚きの視線を向けられる中で一夏の元まで後退したラウラと一夏が何やら寸劇染みた事をしつつもこちらを警戒している。向こうとしては完全に対面有利の形へと持ってこれている、2対1では此方が圧倒的に不利、幸いなのが鈴の"甲龍"は燃費を重視している仕様故に長期戦にも強いという点だが……それでも火力が優れているタッグである二人を前にしてそれは心もとない。
「(アタシってば馬鹿ね、幾らそりが合わないからってこういう時は歩み寄ってやるのが当たり前なのに……後でちゃんと謝らなきゃ)」
鈴と箒はハッキリ言って仲が悪い、単純明快な程に相性が悪い上に箒とは一夏を巡る恋のライバルでもある。下手な相手と組むよりも勝率が高いだろうという目論みで組んだが、互いが自由にやるのでコンビネーションも無かった。先程は訓練の時よりはマシなコンビだったが、自分がもっと歩み寄るべきだったと反省しながら武器を構える。
「(だったらアタシは全力で戦うのが筋よね、最後の最後まで足掻いて足掻き続けるのが粋ってもんよね)さあ来なさいよお二人さん、音にも聞けッ刮目せよ!!中国が代表候補生凰 鈴音、例え苦戦が必至だろうと全力で立ち向かって御覧に入れよう!!」
「おおっなんか鈴がめっちゃカッコいい……!!」
「むぅっ……あれが以前クラリッサが見せてくれたアニメにあった名乗り、と言う奴か……いいなあれ、よし次の試合では私達もあんな感じのをやろう」
「話が分かるでありますな少佐、まあ取り敢えずは―――」
「そうだな―――」
「「あの全力を全力で迎え撃つ!!」」
この後、一夏とラウラの激戦が始まった。鈴の卓越した観察眼はハイパーセンサーをフル活用して完璧に二人を捉えながらも立ち回り続けた。そして燃費の良さを生かして持久戦を展開しながら細かな攻撃と機動で二人の攻撃を何とか凌ぎ続けていた……がそれにも限界があり、ラウラの"
「ったく負けっちゃったかぁ……あ~あ、頑張ったのになぁ……」
「いやマジで凄かったぜ鈴、あのタイミングの射撃を読まれるとは思わなかった」
「ああ。此方も出すつもりはなかった停止結界を切らずにはいられなかった、温存するつもりが……これからの戦いはパターンを変えていかねばならないな」
停止結界は以前073へ使用したがその時には全く通用しなかった、しかしそれは相手が核融合炉を持っているミョルニルア―マーだったから。通常のIS相手ならば十二分に通用するし一対一の状況では最早反則染みた効力を秘めている。しかしそれを使ってしまうと後の試合ではそれを警戒されてしまうので戦術パターンを組み直す事を決めた少佐に一夏軍曹は敬礼で返すのであった。
「後どうでもいいんだけどさ、一夏はなんで少佐殿って連呼してんのよ」
「だって少佐だぜ佐官だぞカッコいいんだよ、だったら殿って呼ぶしかねえだろ」
「フムいい心がけだ一夏軍曹、先程の機動も大したものだったぞ」
「ハッ光栄であります!!」
と若干遊びも入っているが、一夏とラウラは今は対等な友人として触れ合っている模様。タッグを組んだ事でより一層仲良くなったのか少佐と軍曹と呼び合ってじゃれ合う姿が確認されている。何故軍曹なのかというと、一夏的に軍の階級で一番好きなのがそれだから、という割かしどうでもいい理由だった。そんな二人にエールを送った後に自分達のピットへと戻ると箒が酷く悔しそうにしていた。
「あ~あ、あんだけ張り切っておいてこれかぁ……もう面倒だから一夏が優勝してくれたらあれも無効になるんじゃないかしらね」
「何を言ってんだお前は!?その場合はラウラが一夏の彼女になってしまいかねないぞ!?」
「いやそれはないでしょ、あの二人は完全にダチの空気よ。しかも絶対に恋愛発展しないタイプの」
「ふん、恋愛経験もした事が無い奴が言っても説得力がないぞ」
「アンタに言われたくないよ」
「何だと!!?」
「何よ!!?」
と鈴は何故か箒と口論になってしまった、気付けば箒へと謝ろうという考えは銀河の彼方に飛びだってしまったのか次のタッグがピットに入ってくるまでその言い合いは続いていたとの事。
「フン、そもそも一夏は絶対に私の方が好みだと思うぞ。このスタイルにかけてもいい」
「ハンッそんな物でマウント取るとか何言ってんのよ、最後に物を言うのは家庭的なスキルと相手を気遣う心よ。その点アタシはパーペキだしぃ?」
「私とて料理ならば自信あるのだぞ、何なら勝負するか!?」
「アタシに勝てると思ってんの、中華料理店の娘舐めんじゃないわよ」
「「上等だ勝負ぅっ!!」」
「織斑女史、あれは止めなくていいので」
「じゃれ合ってるだけだ気にするな」
ODSTとスパルタンの確執
スパルタンIIであるジョン-117(後のマスターチーフ)は、強化手術後のリハビリ中にODST4人とのボクシングで加減が効かず、死傷者を出してしまう。このケンカそのものが上層部がスパルタン計画の成果を確認するために意図的に起こしたとする説もあるが、当事者からすればそんなもの知ったことではない。
この後「最精鋭」の座を奪われたこともあってか、スパルタンとODSTの確執は深まっていく。最も男とは単純なもので死ぬほど敵視していたスパルタン(S-141 通称能登ルタン)の中身が美女だったと分かるや否や対応が180度変わったりもした。まあ相手が能登ルタンだからね、しょうがないね。