IS×SPARTAN   作:魔女っ子アルト姫

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第五世代、束、073。

「いやぁカッコいいよなぁこれ!!先生のあれを初めてみた時からずっと思ってたんだよ、ISよりもこっち使わせてくれよ!!って、その悲願が叶うのか!!オッシャアアアアア!!!」

「お、織斑さんが凄い喜んでらっしゃいますね……」

「こういうのって所謂男のロマンって奴なのかな、お父さんも先生のアーマーを見た時に是非ともこういうISを作りたいなぁ……って凄んごい未練たらしく言ってたもん。多分元々ああいうのを作りたかったんだろうなぁ……」

 

第五世代型のテストパイロットへと任命された一夏、セシリア、シャルロット。彼女らがそれらへの眺めている中で高鳴り続けているそれにレイは驚いていた、何故ここまで胸が高鳴るように自分が喜んでしまっているのか。分からない、いや分かっている筈なのに理性がそれから瞳を反らしている。

 

「んじゃまあ着ちゃって着ちゃって~。右からスタンダート型に遠距離射撃型、万能型って調整にしてるから」

「あれって事は武器載せてるんですか?」

「そりゃねいっ君、宇宙にはデブリって物が存在しているんだよ。それらとの接触っていうのはかなり危ないから排除の為の武装とかは想定しておくべきなんだよ。遠距離射撃って事はレーダー面とかも強化されてるから周囲の状況把握に長けてるから指揮官的な感じになるんだよ」

「はぁ~宇宙って考えること多いですね」

 

確かにアニメなどでもデブリベルトなどは基本的に避けるべき危険地帯でありそこへと突っ込んでいくなんて自殺行為に等しいというのは聞いた覚えがあった。それを考えると今のISの兵器として見られているその方向性もデブリ排除という方面に切り替える事が出来ると思い至る一夏であった。

 

「んじゃ俺は……このジェガンっぽいバイザーのスタンダートで」

「ジェ、ジェガン……?まあ僕はこっちの万能型かな、なんかメットのあれが凄い広いね」

「それでは私はこの遠距離射撃型ですわね。フフフッ正に私向けなものですわ!」

 

とそれぞれが纏うものを選択すると束はそれらを一度待機状態(ドッグタグ)へと還元する。それらを渡してそのまま展開するように促す。

 

「おっし行くぜ……変っ―――身!!」

 

一夏は天へと手を伸ばした後、キレッキレな動きと力を込めた言葉と共にポーズを決めて展開を行う。それらと同時に光が溢れて瞬時にして一夏の身体をアーマーが包み込み、バイザーが強く光を放って装着を完了した。

 

「―――そう、俺こんなのやりたかったんだよ……やべっ俺泣きそう……」

「いっ君解ってるねぇ~そう、ロマンとは素晴らしい物だよ」

「束さん、この感動をありがとうございます」

「良いって事よ」

 

サムズアップと共に笑顔を浮かべている束と握手を交わす一夏。そんな一夏へ肩を竦めつつも二人もアーマーを展開してその身に纏った。纏ったそれを見つめながらも自らの身体を何度も何度も見つめるセシリアとシャルロットは自分達が普段展開しているそれよりも何処か快適な印象を受ける。

 

「纏っているという実感が全くありませんわ……身体の一部のように感じる程の一体感が……」

「うんそれに凄い涼しい……っていうか全然暑さを感じない、常に身体が適温に保たれてるみたいな感じ……」

 

それを聞いた073は本当にミョルニルアーマーの機能を再現しているのだと束の技術力に驚かされる、彼女の天才加減には驚かさせる。彼女が仮にハルゼイ博士と同じ時代、世界に生きていたら一体どうなってしまっていたのだろうかと考えたいようで考えたくない。

 

「宇宙で活動を想定してるからね、宇宙ってめちゃ寒いからその対策もするよ」

「パワードアーマーって言ったらパワーアシストとかがお約束だけど……おおっ持てたぁ!!」

 

アーマーが収められていたコンテナへと手を伸ばしてみるとそれをあっさりと持つ事が出来た。当然これにもパワーアシストは搭載されている、そのパワーも大きくISのそれを上回る。流石にミョルニルアーマー程ではないが。

 

「それじゃあ武器システムのチェックをお願いね」

「うっす。えっと……太ももにハンドガンとコンバットナイフ、アサルトライフルにショットガンにバトルライフル?ってのが入ってますね」

「凄いですわ!!」

 

そこへセシリアの興奮したような声が響いた、そこにはスナイパーライフルを構えている彼女の姿があるのだがいち早く宙に浮きながら様々な射撃体勢を取りながら、予め仕込んであった訓練用の仮想敵と思われる物へと銃口を向けているが、かなりの興奮を孕んでいる。

 

「如何したのそんなに興奮して」

「狙撃状態を試そうとしたのですが、バイザー全体がスコープのようになって広い視野で標的を狙える上に私の瞳の動きと完璧に連動して狙いがつけられますわ!!ISのハイパーセンサー以上の情報がありますのにそれらを完璧に捌けるうえに周囲の情報の取得も完璧……これは狙撃手としては最高ですわ」

「狙撃仕様な上にそれ自体が指揮官機仕様だからね、一度に複数の情報を並列処理できるようにしてあるよ。同時にそれを装着者にも伝えるんだけど大丈夫かい、情報量が多すぎたりすると頭痛とか起きるんだけど」

「今のところは全く!!」

 

酷くご機嫌そうにしながら射撃体勢を取るそれに束はそのまま続けて長めに時間を取って体感した事を教えて欲しいと伝えると、セシリアは上機嫌そうに答えながら宙返りなどの激しい動きをしながらの狙撃体感を始めた。

 

「でもこれ本当に凄い……全ての武装のデータが頭に入ってくる上にそれらが一切混雑しないで理解出来る。手に取った中の状態まですべて把握出来る……」

「うぉっブレードまであった。凄いなこれ……ブレードの射程範囲まで表示されてやがる……」

 

薄い光のような物がバイザー内で表示され、手にした武器の射程範囲すら把握出来る。束曰くそれは初心者向けの練習ホログラムらしいが一夏としては武器の射程を目で感じられるというのは酷く新鮮に思えた。そんな彼女の元へ073が近づいた、過去に自分は言った、スパルタンにするつもりなのかと、着せないで欲しいと言った。なのに―――

 

「博士……貴方は」

「―――どうレイ君、目の前で仲間に近しい存在がいる感想は」

 

理解した、胸の高鳴りは何なのか……自分は目の前の光景に過去を投影し感激しているのだ。ⅡでもⅢでもない、だが今彼らの形は完全なスパルタンだ。それに自分は安らぎを覚えているのだ、二度と得る事が無いと思えていた仲間とよく似ているそれに、スパルタンとしての自分が漸くの癒しを感じている。

 

「私は―――」

「気持ちはわかるよ、でも少しは我儘を言いなよ。好い加減にさ」

 

そう言いながら束ははしゃいでいる一夏たちへと寄っていく、それらを呆然と見送りながら改めて今の光景を見つめ直し―――自分は矢張り同胞を強く望んでいたのだと思い知らされてしまった。この世界に必要はなく、嵐を呼びかねない存在であるスパルタンを。この世界で一番の安らぎを。

 

「―――私は……」




軌道防衛タレット

超大型のMACガン、通称スーパーMACを中心とした軌道防衛システム。1発で3隻のコヴナント艦を戦闘不能に追い込めるほどのMACガンを数秒毎に連射できるという変態性能を誇る他で簡易な宇宙ドッグや司令部も兼ねる。
リーチにもコレが20基ほど展開していたが、よりによってコヴナントがタレット網の下に現れたため本領を発揮できなかったが地球にはこのタレットが300基展開されている。
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