IS×SPARTAN   作:魔女っ子アルト姫

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学園、夏休み、会長。

臨海学校の三日目、最後の日となったその日は朝食を取り終わった後にIS及び専用装備回収作業を行った後に学園へと戻る事になっている。9時辺りには既に作業が終了し、生徒達はバスへと乗り込んでいき学園へと出発し、学園へ戻って来た。本来はもっと時間がかかる筈だったのだが、スパルタン二人が作業を円滑に進めてくれたおかげで特に困る事も無く、旅館への挨拶を終えて二人はワートホグへと乗り込んでバスを追うようにしながら学園への帰路へと着く事になった。

 

IS学園は特殊な教育機関であるがそれでも一教育機関には変わらない、故に夏季休暇も存在する。無事に終了した臨海学校、その後には期末テストも存在しているがそれさえ乗り越えればいよいよ学生たちが待ち侘びた夏休みへと突入していく。

 

「さてと、あと何往復だ?」

「3だな」

 

そんな学園にて教官職を兼任している073もテストに関わる事になると思っていた、筆記では特に力には慣れないだろうが実技面での試験位はやれるだろうと思っていたのだが、教員達の方針でテストは自分達だけで受け持つという事になっていた。如何やら以前の自分の働きに学園長が流石にまずいと思って教員達でするような方針に切り替えたらしい。なので073は本来の護衛と警備巡回、そしてコンテナ運搬などをする事に落ち着いた。

 

「夏季休暇は素直に有り難い、世界の事を調べる時間が出来た。それに……なんか女の子ばっかりに教えるっていうのもまだ慣れないな」

「その内慣れるさ、俺と同じでな」

 

052の役回りも基本的には073と同じ、護衛と警備巡回などが主になる。教官職もする事も考えているがそれはISに関する知識などを付けてからという事にした。そしてまずは此方側の世界の情報を集めておく事も重要になってくる。何も分かりませんでは話にもならないのだから。

 

「んっ……ほいほいどったのよ、ああそっちね。うんうん、はいはい伝えておくよ~ん」

 

と護衛任務中の最中、束の携帯が鳴り響いて暫しの会話が続いた。近くではジョージが様々な情報を閲覧しながら今の社会の歪さを見て仲間の女性スパルタンたちが見たらどう思うんだろうなぁと思案しつつも本当にレイと合流する事が出来た事に安堵する。

 

「レイ君レイ君、ち~ちゃんから伝言だよ。弟の面倒を見てくれた事を本当に感謝する、これで私は漸く安眠できる。だってさ」

「何かやったのかレイ」

「単純に実技訓練を見てやっただけ」

 

如何やら期末テストの結果が出たようで、その結果を見て千冬は心からの安堵と深い喜びを抱いたらしい。ハッキリ一夏は唐突にISに関わる事になってしまった故に他の生徒と比べても大幅に知識面などが遅れているし訓練などもそれが言える。故か試験が姉としても教師としても不安だったのだ、しかし一夏はスパル先生の指導の下で代表候補生とほぼ互角に戦える程の実力を付ける事が出来ている。そして筆記面は友人のラウラに箒や鈴、セシリアやシャルロットたちと勉強会を開いてそこで徹底的に叩きこんで貰ったらしい。その結果―――

 

「にしてもいっ君これは頑張ったよ、上から数えた方が早いよ。しかも成績上位だし」

「おおっやっぱり一夏は中々に見所があるみたいだな、陸上運用だとあいつが一番上手かったからな」

 

臨海学校での一面を思い出すジョージ、第五世代の陸上でのデータ収集の際に軽い模擬戦を行ってみたがセシリアとシャルロットは何処かぎこちなかったが一夏は中々に動きにもキレがあり勇猛な所があり、前衛を務めるには優れた素質を持っていた。やや突撃癖のような物があるが、それはそれで何処かノーブルチームの一人を彷彿とさせるようだった。

 

「いっ君の成績は実技だと学年で8位、筆記だと17位だったみたいだよ。クラスだともっと上らしいけど」

「学年でそれなら十分過ぎるんじゃないですかね、ちょっと前まで完全な一般人だった事を加味すりゃ十分過ぎるせいだ。そりゃお姉さんも安堵するってもんだ」

 

ジョージの言葉が正しく千冬の言葉の全ての意味を代弁しているような物だった。成績についてはある程度の免除や補修による補填などでサポートを行い予定だったがそれらは完全に必要なくなった。今の一夏は代表候補生並の優等生と言う訳になる。

 

「レイ君に凄い感謝してたよち~ちゃん、今度是非一緒に飲まないかだってさ」

「なんだなんだ随分と美人に好かれてるじゃないか、羨ましいぞ」

「止めてくれジョージ、巡回の時間だ」

「そうだったな、それじゃあ博士また後で」

「いってらっしゃ~い」

 

と二人を送り出した束、ジョージを案内するかのように前に立ちながら普段の巡回ルートを歩いていくレイ。そんな途中で彼は多くの生徒達に話しかけられている。

 

「うわぁ~んスパル先生大変だ~……来週に実技の追試があるんですよぉ如何したらいいんですかぁ……」

「その時の担当は私だから何ともな」

「うっそだぁ!!?」

 

「先生~この前教えて貰った所がバッチリテストに点数もバッチリでした!」

「赤点回避、という意味ではないだろうな」

「さ、さぁ~て如何でしょうなぁ~(震え声)」

「お嬢ちゃん声が震えまくってるぞ」

 

巡回をしていて改めてレイの慕われ具合にジョージは素直に感心していた。彼は教官職は任務だと思っていたから上手くやれたと言っているがそれだけではない。訓練をしていた昔、彼は指折りの学習速度で覚えたそれを誰かに教える事をしていた。教官からも此方側でも大成したと太鼓判を押すほどだった。

 

「俺もその位になれればいいんだけどな、頑張るか」

「期待してるよ、ノーブル先生」

「言うねぇサバイブ先生」

 

052がチームの名前で呼ばれるので073もそれで統一している、彼らはそれで呼び合う事にしている。そして間もなく巡回ルートの案内も終了しようとしている時の事だった。二人は全く同時に足を止めた、何者かが自分達を追跡している。単純に道が同じ……ではなく確実に此方を追ってきている。

 

「〈レイ、心当たりは〉」

「〈一度だけ、その時は軽く払っただけだ。お前の存在で再発したか〉」

「〈あり得るな……〉」

 

悟られぬように足を進めようとした時に、その足音が一気に近づいてくるのであった。そしてそれは堂々と身を晒しながら此方を赤い瞳で見つめていた。

 

「突然すいません、お話をさせて貰えないでしょうか―――お二方」

 

その人物に覚えがあった。渡された学園の資料にあった生徒会長、更識 楯無。千冬が直々に注意はしておいた方がいいと言っていた人物でもあった。




改ハルシオン級巡洋艦「ピラー・オブ・オータム」

Reachの最後で、シックスから受け取った希望を回収して離脱したUNSCの軽巡洋艦。
高い生存性に目をつけられ「レッドフラッグ作戦」への投入に備えた魔改造が行われたため、建造中の極秘戦艦を除けば現存するUNSC艦艇の中では最強クラス。

この魔改造による戦果、コブナントの上位艦を4隻撃墜という歴史に残るような大戦果が戦後非常に高く評価され「ピラー・オブ・オータムII世」級重巡洋艦が制式採用される運びとなった。
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