IS×SPARTAN   作:魔女っ子アルト姫

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簪、一夏、仮想空間。

「駄目……これじゃあ全然ダメ」

 

整備区画の一角にて溜息と共に手の上にある資料を纏めてライターの炎で炙ってから廃棄物置き場へと放り投げながら完成が少しずつ迫ってきている自らの専用機へと目を向けてみる。

 

「あと少しなの……でも、データが全然足りない……やっぱり稼働データがいる……」

 

自分の夢であるそれ、目標であるそれへと到達には如何しても何歩かの跳躍が必要になってくる。だがその為に必要な物が現状では用意出来ない、確保出来るのは夏休み明け、それまで専用機開発が完全にストップしてしまう。システム面を進める事が出来るがそれでも稼働データと照らし合わせて調整や修正なども必要になってくるのでどちらにしろパーツ確保が必須になってくる。

 

「スパル先生みたいなのを作りたいって思ったのが間違いだったのかな……」

 

思わずそんな弱音を吐き出してしまった、少女はハンガーに繋がれたまま立ち尽くしている専用機へと目を向ける。光が灯っていないバイザー越しに瞳のような圧力を感じるのはスパルタンを模しているからだろうか、そんな思いに思わず肩を竦めながらも簪は今自分に出来る事をやるしかないと思いながらもディスプレイに向かい直る―――が矢張りデータを土台にしなければいけない現実に打ちのめされてしまう。予測データを打ち込んでシミュレーションする事も出来るが……それを本当に理論上でしかない上に信頼しているのかも謎。故に悩んでいる。汗もかいていたので塩分補給の夏ミカンジュースを含むと一夏の事を思い出す。

 

「そう言えば、一夏部活を作ったって言ってたっけ……時間が出来たら遊びに来てくれってメールくれたっけ」

 

携帯を取り出してメールを確認してみると確かに部活を作ったから暇なときで良いから遊びに来てくれ、という物があった。ご丁寧な事に学園のどこにあるのかまでメールに記載されてある、彼は意外と律儀な性格なのかもしれない。

 

「……行ってみようかな、パーツの確保出来るまで自分の訓練位しかする事ないし」

 

煮詰まっている今の自分をスッキリさせてしまうにはいい機会かもしれない、メールのお礼も言わなければいけないしと作業を切り上げて準備をしてメールを頼りに部室へと向かう事にしてみる。そして辿り着いた部室、少し緊張した面持ちでノックすると中から一夏の声が聞こえてきた。開け放たれたドアから直ぐに見える友人の顔に少し安心しつつ、即座に愕然となった。

 

「おおっ簪きたのか、入れよちょうどいま反省会してたところでさ」

「何だ一夏お客さんか?」

「もしかしてラウラとアンタが趣味とロマンを語り合える友だって言ってた簪?」

 

そこには見た事もないような設備に戦闘の様子が映し出されている大型モニターが組み込まれた円卓のような立派なテーブル、投影ディスプレイ、そして改善点を指摘する073と052などなど彼女からしたら胸が躍りまくる物ばかりがそこにあった。そしてお茶でも淹れるからと言っている一夏の肩を全力で鷲掴みにしながら笑顔で語りかけた。

 

こんな素敵な場所があるなら詳細に書け♪

「すっすいませんでした……」

 

「―――なんで俺こんな責められてんだよ……」

「今回はそうね……まあ部活の事はまだ発表前だったし明確な詳細は出さない方が正しかったし……」

「だが彼女からすれば自分の悩みを解決する策を友人が持っていたのに隠していたに等しいからな……」

「まっ強いて言うなら間が悪かっただ。運が悪かったと思って諦めな一夏」

「ノーブル先生それは無理ってもんだぜ……」

 

ソファに寝そべるように倒れこんでいる一夏、一夏は先程まで簪から鬼のような叱責を受けた。自分の問題を全て解決するような物が揃っている環境を友人に黙っていた罪は重いと言わんばかりの問い詰めに一夏は千冬の説教に近い物を感じて震えあがった。と言っても夏休みが終わってから正式な部活動を宣言するつもりだったので、千冬からもあまり口外はするなと口留めをされているので友達にも話していいのか分からず、それだったら直接来て貰えれば心配ないだろうと思ったのだが……タイミングが悪すぎたと言わざるを得ない。

 

「んで嬢ちゃんは嬉々として仮想訓練で稼働データ収集か」

「ああ、彼女の専用機の完成予想データは出来ている。それらを仮想空間で構築して運用する事は容易い、それに博士が稼働データは安心しろと太鼓判を押している」

 

『稼働データァ?ンなもん仮想空間で訓練してれば幾らでも取れるから別に渡してもいいよ、学園にあるのと束さん製のマシンのスペックを考えれば簡単だよ。コア・ネットワークが此処の監視と演算処理の手伝いもしてるんだよ、地球中のスパコン集めたって対抗しきれない処理能力があるんだから』

 

「と言ってた」

「全く本当に我らが博士は人類をしていらっしゃるな」

「全くだ、なあ篠ノ之」

「……勘弁してください、姉さんの事を言われると頭が痛くなるのです……」

 

分かりきっている事だろうが束が人類を超越してしまっているのはもう当然の事、そんな束でも再現しきれないミョルニルアーマーを纏っている自分達は一体どんな存在なのかと一瞬考えそうになるのだが、深く考えておくのはやめておく事にした。

 

「ふうっ……」

「簪感想は」

 

メットを上げる彼女へと感想を求める一夏、そんな彼へ簪は陶酔しきった満面の笑みでサムズアップしながら言った。

 

「大満足……!!」

「よしそれなら今度は俺達とチーム組んでさ、伝説の戦士たちを追いかけてをやろうぜ!!」

「やるっ!!」

「よし再チャレンジをしゃれ込もう」

「まあ4人パーティじゃ役割とか動き方が違うだろうから数回はイージーを周回しながらそれぞれの癖を掴んでいくのが一番ね」




プロフェット 正式な種族名 サンシューム
コヴナントの政治的、宗教的支配階級であり、特に預言者と呼ばれる3名(その中でも真実の預言者が一番)は絶大な権力を誇っている。身体能力は最も貧弱だが長大な寿命を持っているため知識が深い。簡単に言えば口八丁オバケ。

またフォアランナーを盲信しており、古代からその研究や技術転用を盛んに行ってきた。この知識と技術が宇宙戦でエリートに勝ちコヴナントの頂点に立つ要因となった。

そして何をどう勘違いしたかHALO起動を悲願としている、行った場合とんでもない事になるのにそれを救済とか言うので困ったものである。
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