『サバイブ1より各員に通達、エリートは全て撃破した。残りはグラントとジャッカルだ、援護射撃は継続するので突貫せよ』
「了解、フォーメーションはお前達の普段通りで頼む。俺がそれに合わせる」
『わ、分かりました!!』
ノーマルモード、標準的な難易度とはいうが戦場を経験した事のない物にとってそれは酷く難しく全方向への注意をも必要とされるモード。素早い標的の選択、撃破までの時間、油断などせず時には相手の得物すら奪って戦いを進めなければならないのだが……二人のスパルタンがいるだけで難易度が劇的に下がっているように思えた。
「次ってうおっ先生の狙撃やばすぎない!?今4枚抜きしたわよ!?」
「おい鈴背後に来てるぞ!!せぇい!!」
セシリアの狙撃も高水準且つ優れた腕前の筈なのに、073のそれはさらに上を行く。スパルタンである彼の動体視力は敵の動きを的確に読み取りながらその先を計算しながら狙撃して貫きなんて簡単な物。そして片目でスコープを見ながら片目で次の標的を探し、その繰り返しで狙撃で敵を貫いていく光景を目の前でやらされている鈴は驚きの言葉しか出なかった。
「今だ突っ込め!!」
「おっす!!!行くぜ簪ぃ!!」
「うん!!!」
「「ダブルキィィィイクッッッ!!」」
と052のガトリングの制圧射撃の後に素早く飛び込みながら蹴り込んで戦線を崩壊させながら周囲の敵を滅多切りにしていく一夏と簪、そこへ次々と敵が集中して押し潰しにかかろうとするがそれを052の分隊支援火力が襲い掛かって逆に返り討ちにしていく。ステージの目的であった基地の奪還は一夏たちがクリアした時よりも遥かに早く終了し、最後に残った再奪還の為に差し向けられる敵の撃破となったのだが―――
「サバイブ、ハンターだ。任せるぞ!!」
「ああ引き受けた!!」
そこでもスパルタンの強さを見せ付けた、迫りくるエリートへと殴り掛かりながら至近距離でハンドガンで頭部を撃ち抜きながらエナジーソードを奪い周囲のエリートの首を刈り取りながらハンターへと向かって行く。エネルギーも少なくなってきたそれをハンターへと投げ付けて盾で防がせた所でスライディング、股抜けをしながら弱点である背中へとショットガンを連射。
『―――っ!!!』
「渋滞する、邪魔だ」
崩れ落ちるハンターから奪い取ったロットガンを迷う事なく全弾発射してハンターを沈める、そして残った一発で一夏たちの援護をした後に再び迫りくるコブナントの兵たちへと銃口を向けながら走り出していく。
「くそっやっぱりこのウェーブの敵の量凄すぎねぇか!?」
「迂闊に頭を出すな、的確に相手の呼吸を見極めて撃つしかない!!」
「それが出来たら苦労しないレベルの弾幕なんでしょうがぁ!!」
「でも……今は……」
ノーマル攻略時にも体験した嵐のようなプラズマの嵐、飛来する
「うそぉん……あれ殴り壊せるんだ……」
一夏の言葉に思わず同意が浮かぶがスパルタンならではである。スパルタン式対車両戦闘、スパルタンは冗談みたいに強い為、専用の対物武器がなくても徒手空拳で車両に対処できる。具体的に言えばノーブルが行ったように車両に組み付いて殴るだけで対処が終わる、殴って壊せる、例えコブナントのものだろうと。
「私も行く、援護して!!」
「お、おう!!」
そう言って飛び出していく簪、それの援護射撃をする一夏たち。それを受けながら簪はノーブルのガトリングを見て作り上げた機関砲を起動させる、それはかのドイツの撃墜王が愛用した航空機にも搭載されていた物。大型化したISのパワーによって保持出来るようにしたもの。そう―――知る人と知る、航空機搭載機関砲のなかで最大・最重そして、攻撃力の点で最強を誇ると言われている一品。
「おいちょっと待て簪ぃ!!?おま、それ閣下のあれじゃねえか!!」
「30㎜、その身で味わえエイリアン!!!」
低く重いと共にスピンアップしていくそれ、そして放たれていく圧倒的な火力の暴力。それらはコブナントのシールドなんて無視するかのように一瞬で突き破りながらコブナントの身体をネギトロのような死体へと変貌させていく。それを見たノーブルは口笛を吹きながら隣に陣取ると同じように斉射を開始した。
「細かいのはやってやるよ、それじゃあ小回り効かないだろ」
「はい、足を止めないと撃てないです。だからこれとガトリングシールドの選択式になってます」
「面白いな、それじゃあ、ダブルで行くぞ」
「ハイっ!!」
と簪とノーブルのガトリングの嵐が迫ってくるコブナントを逆に押し返していく。先程まで圧倒的な数で押し潰しにかかろうとしていたコブナントの軍勢が一気に散っていく、難易度の都合もあるだろうが此処まで一方的な物になるんだ、と一夏は少し寒気を覚えた。
「アイエエエ……何たることか、コブナント=サンの軍勢は簪=サンのガトリング・ジツによって爆発四散、ネギトロめいた死体に変えた……コワイ、実際コワイ」
「一夏、恐怖のあまり忍殺語に染まってるわよ」
「何て火力だ……成程な、ある種こういった物を求める人達の気持ちが分かってしまった気がする……火力こそ正義と言いたくなる訳だな……」
簪の専用機が開発終了したらその時に対策と怖さ、そしてスパルタンの凄まじさを再確認した一夏たち。ノーマルモードの制覇に掛った時間は自分達の4分の1程度だった。それを知った時に自分達の実力の無さを再確認して若干凹むのであった。
フラッド
最小単位は細胞レベルの寄生生命体。
知的生物に寄生し、増殖、また寄生を繰り返す。宿主は死亡し体を明け渡すことになり、またフラッドは寄生した生物の知性を若干受け継ぐらしい。そのため手持ちの武器程度は扱ってくるため非常に厄介。
それを抜きにしても尋常ではない増殖力による夥しい物量は脅威であり、迂闊に手を出してはエサになるだけである。
フォアランナーはこれに対する最終兵器としてHALOを建造した。