デジモンがリメイクされ、SAOのラノベ読み返していたらネタが思いついたので投稿してみます。
注意書きにもありましたが、SAOなのにキリトは登場しません。
SAOは小説2巻の『黒の剣士』が終わって次の次の日くらいを想定してます。
四話の短編なので、どうぞよろしくお願いします。
また、お使いのパソコンは正常です。
VR技術が進化して、オンラインゲームが完成する。
当時、小学6年生の綾乃珪子にとって、このニュースの重大さはちっとも分らなかった。だが、クラスメイトも先生もこぞって騒ぎ、テレビでは連日のようにニュースで取り上げてられていた。
チャンネルを回してもCMにはソードアート・オンラインが当たり前のように放送され、スマホで動画を見ていても広告はやっぱり、ソードアート・オンライン。
「ソードアート・オンラインって何が凄いの?」
ためしに彼女がルポライターの父親に聞いてみると、複合世界MRが開発されるのも時間の問題だ。という回答が返ってきた。MRという単語にまた首を傾げる彼女だったが、SF映画やSFアニメの世界が実現可能だと分かると、ただ漠然と凄いことが起こることが分かった。
MRが開発される前に、代替現実SR、拡張現実AR、拡張仮想AV、仮想現実VR。これら四つが完成する必要がある。VRゲーム、ソードアート・オンラインの完成が騒がれているのだから、他の三つの技術もVRに匹敵するくらい凄いものだろうし、その最終形態のMRが完成したらどうなるのか。珪子はそれが楽しみになってきた。
電脳と現実が混ざり合う日も近いだろうと誰もが予想する中、西暦2022年に一つのゲームが完成された。それが世界初のVRMMORPG、『ソードアート・オンライン』。この頃にはすでに珪子は小学6年生で12歳。ソードアート・オンラインをプレイするために必要な機械ナーヴギアは13歳からだったが、それでも我慢できず、レイティングを破ってまで『ソードアート・オンライン』をプレイすると固く心に決めた。
そして迎えたソードアート・オンラインの発売日。珪子は何とかしてナーヴギアとソードアート・オンラインを購入。珪子からシリカへと名前を変えて、ナーヴギアをかぶる。期待に胸を躍らせてプレイしてみると、数時間後にはプレイヤーの死亡が現実の死亡へと繋がることを知った。
デスゲームと化したソードアート・オンライン。それでもシリカは何とか生き延びて、今では≪フェザーリドラ≫という青い小さな竜のモンスターのテイムに成功。シリカは可愛い見た目にやられて、ピナと名前を付けて可愛がった。そんなピナもご主人様の愛に応えるように、回復や索敵でサポートする。こうしてシリカはピナという相棒を手に入れて順調に経験を積んでいった。
ソードアート・オンラインを攻略する最前線には出れないシリカだったが、一年という年月をかけて中堅クラスのでは強い分類に入った。可愛い容姿も相まって、中堅プレイヤーの中では有名人。『竜使いのシリカ』と二つ名までつくようになる。
途中、ピナが死んでしまったものの、偶然出会った攻略組の黒の剣士と出会い、一緒に冒険してピナの蘇生に成功。ピナは甦り、新しく黒の剣士と友達になり、ゲームが終わった後で再開の約束をし、それなりに楽しく暮らしていた。
そんな、ある日の午後。シリカがピナを肩に乗せてのんびりと草原を散歩していた。
黒の剣士から貰ったお気に入りの防具に身を包み、鼻歌を交えて散歩する。この辺りは景色がきれいなうえに近くにモンスターが登場しない。シリカはピナと遊ぶお気に入りの場所となった。
名前の知らない花を見ながら川に沿って歩いていくと、桟橋の先に霧がかかっていた。嫌な予感しかしないシリカだったが、珍しくピナが霧の先に行け。と鳴きだす。
「嫌だよ……だって、強いモンスター居そうじゃん」
シリカが抗議をするが、小さな相棒は鳴きやむ気配は無い。それどころか、相棒は首を振って進めと騒ぐ。
「分かった、分かったから」
とうとうシリカは降参し、ピナと一緒に霧の中に進むことに決める。もちろん、相棒の願いを叶えたいというのもあるが、ピナは索敵を行ってくれる。つまり、自ら進んで敵の居る場所に向かうとは考えにくいし、いざ敵が現れてもピナが見つけてくれる。霧の中は意外と安全かもしれない。念のため、戦闘に突入してもいいように自分に最大のバフをかけた。
「よし」
シリカは自分にバフをかけ終わると、ピナを見た。すると相棒もこっちを見つめ返してくる。
「ちょっと待っててね」
シリカは以前にピナを失った過ちを侵さないように、ピナにもバフをかけることに決めた。最近レベルアップして覚えた使い魔専用のスキルがある。
シリカは手際よくステータス画面を開いた。
≪プレイヤー:silica≫
≪ステータス≫
HP:8300
STR:73
VIT:97
AGI:97
DEX:97
≪装備≫
イーボン・ダガー
シルバースレット・アーマー
……
≪アイテム≫
ポーション×13
ハイポーション×7
……
親の顔をより見たウインドウを操作して、お目当てのバフをピナにかける。
「≪ガードチャージ≫と≪アタックチャージ≫をかけて……あと≪アクセルブースト≫も」
防御力が上がる≪ガードチャージ≫と、攻撃力が上がる≪アタックチャージ≫。そして次に与えるダメージが2倍になる≪アクセルブースト≫と三つのバフをかけた。
ピナという使い魔は主にサポートに特化しており、ダメージを二倍にしたところで活躍できるかは疑問だが、無いよりはマシだろう。それにこの三つの技を使うのは初めてだ。いったいどれほどの効果があるのか、シリカ自身知りたかったこともある。
「いくよ」
「キュイ」
シリカとピナは意を結して、霧がかかる桟橋へと歩いていった。
シリカはダガーを両手で抱きかかえ、ピナの鳴き声に耳を傾けながらも、恐る恐る進んでいく。すると、霧の中に二つのシルエットが浮かび上がった。一つは人影で、もう一つは四角い箱と、それに長い手足のようなものが付いている。
敵かと思い、一度シリカはピナを見た。索敵が得意な相棒はシリカを見つめ返すだけで、警戒モードに入っていない。どうやら、あの影は敵ではないらしい。
「ふう……敵じゃないみたい。プレイヤー? NPCかな?」
一安心したシリカは肩の力を抜いて、二つのシルエットに近づいた。二つともシリカに対して背を向けているようで、こちらに気づいていない。
「おじいさんと……なにこれ、モンスター?」
一つ目の影はおじいさん。白髪のべん髪に黒いローブを着ている。ローブとはいっても、ゲームの魔術師が着ているようなものではなく、医者が着るような白衣を黒くしたようなモノに近い。どことなく研究者に近い印象を与えた。
もう一つの影。こちらが特徴的な見た目だった。洗濯機に巨神兵の手足が生えたのような見た目をしていた。背中には燃料タンクらしき、これまた四角い機械のようなものが付いている。頭の部分は青い透明の半円状のカプセルが乗っていた。
ソードアート・オンラインのモンスターはリザードマンやイノシシ、植物型が多く、ゴーレムなどを除けば機械のような見た目のモンスターはあまり存在しない。明らかにコイツだけ浮いている。
≪繝。繧ォ繝弱Μ繝「繝ウ≫
正体を確かめようとシリカが機械型の生物にカーソルを合わせるとこのように表示された。明らかに文字化けしており、かつ霧に包まれたこの空間では異様な存在だ。それでもこの機会生物は襲ってくる気配は無い。
いよいよNPCの正体が分からなくなって、シリカが疑問符を浮かべると、正体不明の二人組がシリカに気づいた。振り返る老人と機械のモンスター。
「おお、こんなところに人が来るとは思わんかった。お嬢さん、どうしてこんな場所に来たんじゃ?」
おじいさんが話しはじめた。会話ができることから、いきなり戦闘に突入することはなさそうだ。トリガーを踏んだのか、イベントが始まったとシリカは確信する。
めんどくさいことにならないといいな。内心そんなことを思っておじいさんの言葉に耳を傾ける。そんなシリカに対し、おじいさんは肩にとまったピナを見ると、細かった目を皿のように見開いた。
「おお、そのモンスターは……ふむ」
おじいさんの食いつきっぷりにシリカは首を傾げた。
「ピナについて何か知っているんですか?」
「アー……知らん」
シリカはズッコケた。
「すまんすまん、ワシはゲンナイ。お嬢さん、こうして会ったのも何かの縁じゃ。改めて選ばれし子供と呼ぼう」
めんどくさいことになりそうだ。選ばれし子供という単語からダルそうなクエストを思い浮かべる。手に負えなかったら放置しよう。でも、隣にいる機械生物が襲い掛かってきたらどうしようか。そんなことを考え始めた。
もちろん、シリカの脳内のことなんてゲンナイが知る訳も無く、話は続いている。
「とあるマンションに兄妹が住んでおる。その二人にこれを届けて欲しいんじゃ」
「ごめんなさい、ちょっと忙しいので」
単なるお使いクエストだとは思うが、霧に包まれた空間も、ゲンナイの隣にいる文字化けモンスターも怖い。早めにここから退散しよう。ただのNPCならここで会話が終わる。そう、ただのNPCなら。
ピロンと電子音が鳴った。
『 ≪繝?ず繝エ繧。繧、繧ケ≫ を入手しました』
断ったはずなのにクエストが開始された。渡されたアイテムも文字化けしている。シリカが驚きと戸惑いで混乱する。
「すまんの、すでにブツは送ってしまった。それじゃあ、頑張るんじゃぞ、選ばれし子供よ」
シリカの視界が歪んでいく中、ゲンナイが手を振っている。意識が沈んでいく中、シリカが覚えているのはピナの鳴き声と、隣にはお腹が時計になった人型のモンスターだった。
次にシリカが目を覚ますと、そこはさっきまでいた桟橋でも草原でも、ましてや剣でモンスターと戦うような世界じゃない。太陽は空高く昇り、高層ビルに囲まれ、ジュースの自販機が並び、灰色のコンクリートに囲まれている。
シリカが当たりを見渡すと、街頭に植木、ベンチが置が目に留まる。広場では子供たちがボールで遊んでいた。どこか公園のような休憩スペースらしい。
遠くを見ると、マンションや観覧車があった。
「観覧車、マンション……え、フジテレビ?!」
シリカが良く知る、いや何度帰りたいと夢にまで見た場所。
「ここ、東京?!」
ちょっと実験してみたことがあって、わざと文字化けさせてみました。
なお、シリカのステータスですが、SAOのゲーム、ホロウフラグメントから引用。体力だけ変わっていますが、コピペしたらキリトより強くなるので許してください。