放浪の赤の星の主従   作:謎の食通

9 / 11
ライダーも書きたいがさすがに連載どれか完結させないとなー

*加筆しました


第九話『ゆうきが勇気になった日』

BETAに囚われた白銀武と鑑純夏の前に突如として現れた白い機械の巨人。ここに少年少女と戦士が出会ったのだ。

 

 

「赤の・・・星の戦士?」

 

 

武はキングジェイダーの名乗りを反駁する。

 

 

「なにやら引っかかる言い方だが・・・今はそれどころではないな」

 

 

その区切り方に某ピンクの悪魔を想起するジェイだが、現状を再確認し行動に移す。

 

 

「うぇい!?」

 

「お、降りて来た!?」

 

 

ジェイはキングジェイダーとのフュージョンを解除し、武たちの前に降り立った。

 

 

「さあ、私に掴まれ。ジェイセイヴァーに収容する」

 

 

緑の鎧に身を包んだ男は少年少女たちを促す。

 

 

「た、武ちゃん・・・」

 

「よ、よし、行くぞ、純夏」

 

 

武と純夏はソルダートJに捕まる。武が右、純夏は左からジェイの胴に捕まる。だが・・・

 

 

「痛ッ!」

 

「む、腕が折れてるのか」

 

 

武は純夏をBETAから助けるために負傷していたのだ。

 

 

「今は耐えて、しっかり掴んで置けよ。・・・ジェイウィング!」

 

 

宣言と同時にジェイのマフラーが形を変え、翼のようになる。そして、ジェイは飛び上がった。

 

 

「うわああああぁぁぁぁ」「きゃあああぁぁぁぁぁぁ」

 

 

いきなり飛び上がった事で少年少女たちは悲鳴をあげる。突然飛び上がった事もそうだが、上昇スピードがかなり速かったからだ。

 

 

「着いたぞ」

 

 

ジェイは、キングジェイダーの頭部にある艦橋に飛び込んだ。そして、彼らを床に下ろした。

 

 

「ここは・・・?」

 

「綺麗・・・」

 

 

下ろされた少年と少女は部屋の中を見渡す。その内装はまるで宮殿のようなつくりでおよそ戦闘兵器の内装では無かった。

 

 

「ようこそ、私たちの船へ」

 

 

辺りを見回している彼らに玉座に座っている赤い髪の少女が話しかける。

 

 

「子供!?」

 

 

武は思わず声を上げる。このようなロボットに子供が乗っているなど想像の埒外だからだ。

 

 

「私はかつて赤の星で主導者を務めていたもの、アベルです」

 

 

赤い髪の少女アベルは自らを紹介する。

 

 

「赤の星って・・・宇宙人!?」

 

 

ここで彼らは自分たちの勘違いを知覚する。赤の、星の戦士では無い。赤の星の、戦士だと言う事を。そして、それは彼らが地球人でないことを意味する。当然だ、地球人がこのBETAの巣窟ハイヴに彼らを救出しに来る余裕があるわけが無いのだから。

 

 

「まさか、BETA!?」

 

 

だが、今の地球人類が想起する宇宙人とはBETA以外無かった

 

 

「BETAというものが何なのかはわかりませんが・・・私たちはSOSを受けて、この場に来ました」

 

 

彼らの事情を詳しく知らないアベルは頭を傾げるが自分たちの目的を彼らに伝える。

 

 

「SOS?」

 

 

武はアベルの言葉に疑問を持った。自分を含めた多くの人がBETAに囚われていたが、通信機の類を持っていた人は一人も居なかったからだ。

 

 

「ええ。そこの女性の方がリミピッドチャンネルでSOSを出していたのでしょう?」

 

 

アベルはリミピッドチャンネルで語りかけて来た人物が、その声から鑑純夏であると確信していた。

 

 

「りみぴっどちゃんねる?」

 

 

ただ当の本人はアベルの言葉も頭を捻るだけだった。

 

 

「簡単に言うとテレパシーの事だ」

 

 

頭を捻る彼らに、ジェイがリミピッドチャンネルについて武たちに説明した。

 

 

「純夏・・・お前、何やったんだ?」

 

 

武は純夏を胡乱な目で見る。時たまヘンな事をしでかす奴だったので、もしやと思ったのだろう。

 

 

「ええ~!?わ、私知らないよ~!」

 

 

だが、それは彼女にとっては寝耳に水だった。

 

 

「ふむ、無意識か」

 

 

ジェイはその様子から本人に能力の行使の記憶があるとは見られなかった。

 

 

「そのようですね・・・む」

 

 

ジェイの判断にアベルは同意する。そんな時彼女はセンサーで察知する。

 

 

「どうした、アベル?」

 

「先程の蟲の増援が来たようです」

 

 

アベルはジェイセイヴァーのメインコンピューターでもある。それゆえセンサーで感知した情報をすぐに手に入れる事ができるのだ。そして、彼女はBETAの群れの接近を感知した。

 

 

「なるほど・・・では、私は再度フュージョン致します」

 

 

アベルの言葉にジェイは再び戦闘態勢に移行する

 

 

「任せましたよ、ジェイ」

 

「あ、あの・・・何を・・・?」

 

 

純夏は、彼らの様子に気付き、質問をしようとした。だが・・・

 

 

「フュージョン!!」

 

 

ジェイが後ろの壁に飛び込み、壁も中に消えた事で質問は中断された。

 

 

「「え、ええぇえぇぇぇぇぇl!?」」

 

 

それに対して少年と少女はただただ驚くだけだった。

 

 

「反中間子砲、五連メーザー砲、一斉正射!」

 

 

ジェイが再フュージョンしたキングジェイダーは両手を頭上に上げ、火力を集中させる。それと同時にキングジェイダーも上昇を開始した。彼は砲門の火力で穴を開けながらハイヴを脱出しようというのだ。そして、数分も経たぬ内にキングジェイダーはハイヴを貫通した。

 

 

「み、見て武ちゃん、外だよ!」

 

 

純夏は艦橋の窓の風景が急激に変わってゆく事に気付き、そして青色すなわち空が見える外に出た事に気付いた。

 

 

「うお!?ホントだ!」

 

 

武はその事実に驚く。何せキングジェイダーが穴を開けていたとき多少の振動だけでこの様に脱出するために穴を開けているなど想像も着かなかったからだ。

 

 

「さて、と・・・あら?これはレーザーですか。この程度なら問題無いですね」

 

 

アベルは脱出した事で改めて武たちに話を聞こうとしたがキングジェイダーがレーザーの照射を受けてる事を知った。

地球人類から空を奪った光線級、彼らは砲弾だろうが飛行機だろうが簡単に打ち落としてきた。元は隕石撃墜や坑道構築などに使われていたの原光線級BETAを改造した作られていた。改造して生み出された新種である重光線級と光線級が人類を追い込んだ大きな原因だった。

だが、そのレーザーの威力はマグマの中でも行動出来るキングジェイダーを傷つける事が出来なかったのだ。

 

 

「ですが、先の戦いの消耗が回復していない状態では無茶は出来ないかと」

 

 

しかしジェイはアベルに慎重に行くようにと進言する。キングジェイダーは遊星主戦のダメージを蓄積したままだったからだ。ジェイアークよりはダメージが少ないとはいえ、ハイパーモードの起動はジェイセイヴァーの大きな負荷となっていたのだ。

 

 

「そうですね・・・急速上昇!」

 

「了解!」

 

 

ジェイはアベルの命令を聞き、キングジェイダーを上昇させる。その速度は地球の常識では考えられぬほどで一瞬で大気圏を突破した。

 

なお、武たちが囚われていた横浜ハイヴ周辺には帝国軍や国連軍が包囲しており、キングジェイダーの姿を目に捉えていたものが多く居た。しかし、その存在はレーダーなどに映らず、姿が見えたのも一瞬だった。だが、それでもキングジェイダーが飛び出した穴だけが彼の存在を証明し、地球の人々に混乱を与えたのだった。

 

 

 

 

***

 

 

 

武と純夏は外の景色を見て呆けていた。二人の顔は指が全部入るほど大きく口が開いていた。

 

 

「こ、ここって・・・」

 

「宇宙、だよな・・・」

 

 

そう彼らは宇宙に居た。キングジェイダー、いや既にその姿はジェイアーク級弩級戦艦へと変えたジェイセイヴァーは地球の衛星軌道上にいた。そして、艦橋の窓からは青の星、地球の姿を見る事が出来た。

 

 

「綺麗・・・」

 

 

BETAにより陸地部分が多く禿げ上がってしまっている地球。だが、それでも水の星という事実は消しがたく、その美しい青さはBETAごときでは自らを汚す事は出来ないと宣言しているかのようだった。

 

 

「さて、ようやく落ち着いて話が出来ますね」

 

 

アベルの言葉に武たちは振り向く。

 

 

「あなた方も私たちの正体が知りたいでしょう?」

 

 

その言葉を聴いた武たちはお互いの顔を見て、そしてアベルに向かって振り向いた。

 

 

「はい・・・お願いします」

 

 

武たちはアベルに話を促す。

 

 

「待て、その前にその少年の治療が先だ」

 

「えっ・・・・痛えええええぇぇぇぇ!?」

 

「た、武ちゃん!?」

 

 

安堵により気が緩み、なによりも負傷していたことを思い出した武を激痛が襲う。

 

 

「・・・仕方がありません。治療しながら説明しましょうか」

 

 

武の骨を超能力で固定しながら、アベルは語る。始まりを、機界大戦を、遊星主の戦いを・・・。

 

 

「これが我々が歩んできた軌跡です」

 

「そんなことが・・・」

 

 

腕を包帯で包んだ武と純夏は彼らの話にのめり込んだ。彼らの星は既に滅び、それでもなお戦い続けた彼らの物語に・・・。

 

 

「あの・・・あなた達は、どうして地球に来たんですか?」

 

 

武は彼らに質問する。何故自分達を助けたのか?何故地球に来たのか?

 

 

「そうですね、助けてと声を聞いたから・・・」

 

 

それにアベルは答える。

 

 

「そして、私達の事を知る人が増えて欲しかったと言った所ですかね」

 

 

赤の星、三重連太陽系は滅んだ。だが、それを受け継ぐ者達は居た。故にアベルは後継者を増やそうとしたのだ。そう、かつて存在した自分達の証を残すためにも・・・。




 君たちに最新情報を公開しよう。
武たちを助けた赤の主従。彼らは武と純夏を地球人に引き渡すと姿を消した。地球の人々は彼らを探すが、その足取りは掴めない。そして堕天使が舞う日よりも前に白き不死鳥は舞い戻る
 放浪の赤の星の主従NEXT『光り輝く翼』次回もこの小説にメガ・フュージョン承認!!



 これが勝利の鍵だ! 『香月 夕呼』
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。