出撃。が、ステージ間違った。
最初の戦い、勝利したがほぼ大破。勿論撤退。
MVP加賀「良い作戦指揮でした。こんな艦隊なら、また一緒に出撃したいものですね(煽り)」
ワイ「(#^ω^)ピキピキ」
〈PM 9:00〉
今、私は旗艦の前に立っています。
数時間前に見たものと比べて、何か機銃とか主砲とか追加されて物騒になっているんですが。
……え?私戦闘には参加できませんよ?とその事を明石に伝えたら「海の脅威は深海棲艦だけでは無いですよ?」と返されました。まあ、そりゃあそうですよ。
そしてこれら装備は乗艦する妖精さんがやってくれるそうなので、実質私のお仕事は椅子を温めるだけで……やっぱり私要らないじゃないか!あと、帳面を大淀さんが届けてくれて助かりましたが……見られていませんよね?いや、まあ既に一回見られているから今さらなんですけど。
川内たちが装備のおめかしのため時間に少し余裕があるので、子供っぽいですが旗艦の中を探検してみましょう。
〈PM 9:10〉
中に入ると出迎えてくれたのは妖精さんたちでした。
機銃と主砲を扱う妖精さんがそれぞれ一人ずつ。周囲の警戒担当の妖精さんが一人。そして、何か峠で豆腐運んでそうな老け顔な妖精さんが一人(勿論運転手でした)。計4人?いや匹?……人でいいか。しかし、運転役の妖精さん……凄い安心感があります。一先ず、お近づきの印にお菓子を上げたら大変喜んでくれました。妖精さんには甘いものが良い、と。。
肝心の艦の中だが、最初に思ったことは思った以上に広いということだ。
妖精さんたちが作業を行うスペースだが、要の妖精さんが小さいこともあってかスペースが小さい。妖精さんと比べると大きい舵輪だが、普通のものと比べて子供が乗って遊ぶあの子供用車のハンドルくらいしか無い。そのおかげか残りのスペースはほぼ私が自由に使っていいスペースです。先ずキッチン。簡易キッチンと言っていたが凝った料理もお菓子も作るのに十分過ぎる設備が備えられており、冷蔵庫の中を見たら材料が完備でした。誰がしてくれたのやらと思っていたら、運転手の妖精さんがプラカードを見せてきました。内容は『明石の嬢ちゃんに感謝しとけ』と書かれていました。……何だか彼女には来てから一番お世話になっているな……。後日ちゃんとお礼しなくては。
更に、畳に布団、シャワー室……あ、浴槽もある。しかも部屋のやつより広くて上等だ!トイレもウォシュレット完備で備え付けられている。パソコンから本部からの指令をその場で受取出来る。甲板に出て簡易テーブルとベンチを出して外でお洒落なご飯も出来る。更に備え付けられているサーバーからはキンキンに冷えたラムネが飲み放題。間違いなく私の部屋よりも良い。――――――――――もう、僕此処に住むのおおおお!!!!
……と、少し取り乱しましたが、多分それをしたらアカンのでしょう。だって、此処に住み込むようになったらその分出撃に随伴しろと言われたら……ねえ?それを断って我が物顔で此処に住み込むには、面の皮をもっと厚くしなくてはいけません。と言うより、寧ろそれ狙いで此処まで快適な空間にしたのだろうな、明石が。彼女、どうもドローンより旗艦のデータの方が欲しそうでしたし。
――――お?どうやら彼女たちの準備が出来たみたいですし降りましょう。
〈PM 9:30〉
あの後、ちょっとした挨拶を済ませて直ぐに出撃しました。特に大したイベントも無いですし、あってたまるか。
しいて言うなら2つ。1つは、三人の戦闘衣装見て川内は14cm主砲一本に魚雷を発射するランチャー61cm三連装魚雷。那珂ちゃんは14cmの主砲二本に対し、神通は――――20cm連装砲を2つ。気合の入りが違いました。「え?重くない?」と聞いたら少しだけ重いですが、扱えないことは無いとのこと。
それにやはり14cmと比べると火力の差が……。正直、重くて命中率が幾らか下がろうがそれでもこちらを採用するメリットがある、だそうで。……ただ、一番いいのは15.2cm主砲が一番良いそうなので今度からはそれを狙って開発しましょう。それまでは中継ぎとして苦労をかけることになりますが。
そして2つ目は、見送りに来た大淀さんと明石が餞別をくれたことでしょうか。明石からは何とお高いコーヒー豆を。ブルーマウンテンですよブルーマウンテン!……高くて飲むのが勿体ないですが、飲まないのが一番失礼なので航海中に飲むことにします。
そして大淀さんからはお守り代わりにという事で……ロケットランチャー渡されました。どうして……?
彼女曰く「深海棲艦に制海権を奪われてから長い長い時間が経ちました。そのせいか、はたまたは長い間人の手が入らなかったおかげか分かりませんが、海の生態系が大きく変化しました。」
深海棲艦が出てからこの海は大きく変化したそうです。現代っ子の私には分かりませんが、艦娘さん達が出てくるまでは魚を取るのが文字通りの命がけであり、輸入関係全て全滅だったそうで。今でこそ少しお高い程度まで戻っているようですが、昔はそれはそれは酷いものだったそうで。そういったせいもあり人の手が届かなくなった海、特に沖や深海は独自の生態系を形成するようになったそうな。…深海棲艦が出たのが約一世紀程で、そんな短期間で生態系が変わるのは可怪しいと思いますが。
それは頭の良い専門家の人たちが答えを出してくれると信じているので、私は心に棚を置いてそこらへんに放り投げておきますけど。
ただ、まあ生態系が狂ってっしまっているというのは知っています。
確か、三ヶ月前でしたっけ?陸からそんな離れていない所でシーラカンスが網に引っかかったんでしたっけ?
それ以外にもリュウグウノツカイがゴンズイ玉形成したり、私でも……いや子供さえそれは可怪しいやろう?と思われることが起きているのが今の現状です。
一般社会で知られているのがこのレベルなら、これから私達が向かう所にはどんな事が起きているのでしょうか?
―――他人事ならワクワクなのですが、当事者となるとドキドキです。行きたくねえ……。
だから護身用としてロケットランチャーと簡易マニュアルを渡されたのですが……。
普通のでは駄目なのですか?と訪ねたら「人相手だったらそれで十分なんですが……」と。私、B級映画に使う映像撮りに行くんですか?
勿論、主力は彼女たちで、保険は旗艦に設置されている兵器。これを使うときなど大淀さんも本気では考慮してはいないのだろう……多分。あくまでお守り代わり、無いよりはあったほうが安心。使わないことが一番いいのは間違いない。
―――でもそれならショットガンが良い。化け物相手にはショットガンて相場が決まっていると言ったら「は?」と言われました。ちょっとキレてましたね、あれ。どうやら彼女はバイオ派らしい。バイオのロケランは最終兵器ですもんね。分かります。ですが私はメタ●スラッグ派なのです。ショットガンこそが至高なのです。
〈PM 10:00〉
どうやら彼女たちが敵艦隊を発見したようです。後、数分もしない内に接敵するらしいです。私には全然見えませんが、兎も角索敵の重要性が良く分かりました。これはテレビ画面の前で大人しく見ていたら分からないことだったでしょう。だからといって随伴はもう今回キリにしてほしい。
さて、無事戦闘が終わることを祈って大人しく椅子を温めておきましょう。作戦は「高度な柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対応する」要は行き当たりばったりしか今の私には出せませんから。
あと、ロケットランチャーは弾頭抜いて倉庫にポイしました。ド素人元一般人が使えるわけないでしょう、こんなもの。
〈PM 11:10〉
戦いは4連戦続き、つい先程終わったようです。
遠く離れた画面越しに見る戦闘と、爆音が良く聞こえる実際の戦場は別物でした。そして肝心の彼女らですが、肉眼ではよく見えないので旗艦に設置してあるスコープ(自動で対象を追ってくれる優れもの)で見ました。
夜戦に自信満々な川内は敵艦の攻撃を華麗に避けながら敵艦を沈め、那珂ちゃんは出撃するまでのヘタレっぷりを何処にやったのか。敵の弾幕を恐れずに近づき、ほぼゼロ距離射撃で沈めていく。
そして、鬼やら武神と言われている神通に至っては遠くの敵には主砲の連撃を浴びせて着実に沈ませ、敵が接近してしきたら魚雷を直接相手に叩きつけて爆発四散させていく。
まだ建造したてでこれです。この先練度を上げて、改修を繰り返していけばどれ程の強さになるのやら。
4戦目は大きな盾を2つ持ったル級と呼ばれる敵戦艦がいましたが、彼女らの夜戦連撃によりあっさり沈み無事終了。これなら一度帰って補給したら、もっと沖の方に出て探索範囲を広げてみても良いかも知れない、と館内にある通信機で鎮守府にいる大淀さんに連絡したらOKサインが出ました。……一番良いのは川内がこれで今日満足してくれる事でしょうが、無理でしょうな……。昨日は朝4時過ぎまでしてたし、今日は姉妹揃って嬉しいのか昨日よりも士気が高いですし。ともあれ、彼女達の方は問題が無いので一安心です。――――こっちは問題が大アリですが。
戦いが始まると直ぐに旗艦は戦いに巻き込まれない&戦況が見えるという位置取りを維持していました。ですが、敵の撃った魚雷が何発か此方に流れて来たのが爆発して水柱を上げました。
『塗装版が少し削られただけ。狼狽えるな』と運転手の妖精さんがプラカードを見せてきました通り、艦内の揺れはそこまでありませんでしたし、『あの位のだったら直撃しても装甲が凹みもしやしないさ』と二枚目のプラカードに書かれた位には、この旗艦は敵艦に対しての迎撃能力は皆無ですが代わりにとにかく頑丈です。と言うより、その説明を事前に明石に聞いていないなら乗っていません。
―――戦場の緊張した雰囲気
―――直ぐ近くで上がる水柱に爆発音
―――揺れる艦内
―――そして戦闘が終わった後に気づく、股らへんがほんのり湿って温かい
……………ええ、そうです。初めての戦場で私は漏らしてしまいました。
通信機から神通から「大丈夫でしたか、提督?」と心配されたので、「小便漏らしてしまいました、やっちゃったぜテヘ♪」と恥ずかしさ紛らわすために茶目っ気で報告しました。すると、彼女からは「初めての戦場で緊張し過ぎたのでしょう。次からは大丈夫ですよ。」とフォローしてくれました。優しさで泣きそう……。
そしてそれを聞いた川内が「どんまいだよ、提督!新兵が誰しも通る事だから恥じることなんてないよ!!」と言ってくれた。
川内ぃ……お前、人を労れたんだな……。
そして那珂ちゃんは「………提督、ナプキンなら部屋にあるけど要る?要るなら帰ってから渡すけど?」と、フォローしているのでしょうが丁寧にお断りさせていただいた。……そう言えば男性用のナプキンってあったような……。いや、次は大丈夫ですよ、多分。
そういうわけで、私の初めての出撃は股間のダムの大破以外は特に問題なく終わりました。一先ず、濡れたズボンとパンツを洗濯機にドーン。後は戻る道中の間にシャワーと着替えを済ませておきましょう。………・はあ~泣きそう。いや泣いた。