新米クソ雑魚提督の艦これ日記   作:タケノコ軍曹

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ある日の我が艦隊の演習風景

不知火「弱いのね」
(相手)武蔵改二miss

ワイ「(;^ω^)」
不知火「不知火に何か落ち度でも?(震え声)」


三日目 その1

〈AM 0:10〉

 

一度戻って補給してまた出撃。やっぱりこの位では満足してくれませんでした。ハハッ……(乾いた笑い)。

道中の敵はあら方片付けたので、先程進んだところまで彼女たちの艦装に使われる燃料節約のために旗艦の甲板に乗ってもらって周りの警戒をしてもらいながら先程の最後の戦闘があった所まで戻りました。さて、ここからは私達にとっては未知のエリア。気を引き締めて行きましょう。

……しかし、ズボン洗濯中だから代わりに黒のジーパンを穿いてますが、白色の提督制服と合ってまないのが気になります。明日、予備の制服を申し込んどきましょう。……経費で落ちますかな?

 

 

〈AM 0:40〉

 

進むこと三十分。人の手から離れた其処は鎮守府近海と比べて不気味であった。

音も風の音と並くらいで静かなのですが、それが逆に不安を煽る。まるで世界に一人ぼっちで取り残されたかのような……いや旗艦の横に並んで並走している川内達と妖精さん達がいますから一人ぼっちではないですけど。

……そういえばこういった状況に似た映画がありましたね、海に取り残されるやつ。あの状況になったら誰でも絶対発狂しますよ。

 

「静かですね……姉さん。」「ああ。敵さん、戦力を軒並み上の方に回してるのかもな。」と、通信機越しから聞こえる神通と川内の会話から彼女たちも暇で仕方がないのでしょう。私だってすること無くてこうして日記をつける位しか……。これは沖に出たのは失敗だったのかも知れません。

 

やることが無いので台所に立って何か作りましょうか……。そういえば、晩飯まだ―――――

 

 

 

―――――――――――――――――

 

―――――――――――

 

 

 

『―――――――――――!!!!』

 

突然アラーム音が艦内に響き渡った。びっくりして提督は使っていたシャーペンを落としてしまう。

 

一体何事だと思い彼は動揺を抑えながら(傍から見ればバレバレな位に抑えられていないが、喚き散らすだけしかしないのに比べれば少しはマシになったと思われる)妖精さんに尋ねると『此方に向かってくる大型の反応あり』と書かれたプラカードを見せられた。

 

 

「そんな!!周りに敵影は―――」

 

『下からだ。―――落ち着け、まだ距離は十分ある。速さも余裕で離せる。』

 

 

潜水艦型の深海棲艦。まさかちょっと遠出した先に出会うとは……!こんな所まで深海棲艦の手が伸びていることに提督は戦慄した。初めては済ませたおかげか、数時間前と比べたら漏らさない程度には余裕ができているがまだまだ駆け出し。恐いものは恐い、が泣き言は言ってられない早く指揮を取らなくてはと思い行動を開始する。

 

 

「直ぐに離脱を――え?既にやっている?。じゃ、じゃあ川内達に連絡を―――自分達が気づく前に気づいて行動している?アッハイ。大人しく椅子温めておきますね……。」

 

 

が、駆け出しド素人の出番など無かった。すごすごと椅子に座り直し拗ねる提督であった。

 

 

=================================

 

 

一方、此方は川内達三姉妹。

先に気づいた彼女らは警戒態勢を維持しつつ、迎撃は捨て旗艦の護衛に専念する事にした。何故か?

 

 

「対潜装備持ってきてないどころか、開発さえしてないじゃん……。」

 

「提督も私達と同じく着任したばかりですからねぇ……。これはもう仕方ないですよ、那珂ちゃん。」

 

「持ってたとしても、暗くて墨ぶち撒けたかのような水の中にいるやつを狙って当てる自信はないよ。」

 

 

答えは、対潜水艦型にはそれ用の装備が必要なこと、それに加えて夜戦での潜水艦を撃破するのは大変難しい為である。

なので此処での正しい行動はさっさと尻尾巻いてスタコラサッサなわけなのだが……。

 

 

「ていうかさ……何か、違和感感じない?」

 

「川内姉さんもですか?実は私もです。」

 

 

敵意は確かに感じる。―――感じられるが、深海棲艦特有の「絶対に此処で沈めてやる……!」という悪意が感じられない。もし、彼奴らならばこちらを見つけ次第に先制雷撃をしてくる筈。それではそれ以外の艦種ではないのか?と考えるだろうが、水中から奇襲攻撃してくる深海棲艦は潜水艦型以外は知らないし、もしそうだったとしても―――

 

 

「あれれ~?まだ距離縮めてきてる?」

 

 

幾ら何でも近づきすぎている。もう、十分射程距離に入っているだろうに一向に撃ってこないのは可怪しい。

 

 

「一先ず回避に専念するよ、神通、那珂!あっちが態々近づいてくれるなら……姿見えたと同時に弾丸と魚雷をくれてやる!二人共遅れないで!!」

 

「「了解!」」

 

 

水中から出てくれるなら殺り様はある。出待ち戦法を取ることにした川内達は可能なら此処で、無理そうなら逃げる時間稼ぎに魚雷をばら撒いて時間を稼ぐ事にした。速度を少し緩め、しかし一瞬でその場から離脱出来る様に準備しながら水の上を走り続ける。そして――――

 

 

「――――!!来るよ!二人共回避ー!!」

 

「了解!!」「了か―――あれ?想像以上に大きくない、これ?「那珂!」いや、これ棲艦じゃなくて―――」

 

 

真下から飛び出してくる気配を察知して水面を蹴って避ける川内と神通。しかし、那珂は少し遅れたせいでもろにドデカイ水飛沫に巻き込まれてしまった。

「那珂ーーー!!!」と妹を呼ぶ長女の声も飛沫音でかき消されてしまった。

 

 

 

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同じ頃、艦内にいる提督は窓から見えてしまった。

 

 

「な、なんじゃありゃあああ!!!????」

 

 

大きな飛沫を上げながらその中心から出てきたもの。

それは大きかった。10mは超えていると思われるくらいに大きかった。そしてその大きさに相応しい、見るだけで背筋がぞっとする鋭利な牙。――――そして、提督はこいつを知っている。

 

水飛沫を上げて5~6m程跳ねるそいつの姿をはっきりと捉えた提督は、その名を叫ばずにいられなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ジョー●だあれーーーー!!?」

 

 

そう、●ョーズ――――でかい鮫(shark)である、大きなホオジロザメが跳んでいた。

サメ映画界の金字塔にして、世界中に鮫の恐ろしさを広げたジョ●ズが映画の中から飛び出してきた……わけでは無いが、しかし、実際にあの映画で出てくる鮫が現実にいたらこんな感じなのだろうと思われる。そんな鮫に今襲われているのはかなり恐いだろう。実際、数時間前にお漏らし耐性を手に入れていなかったら提督はこの場で漏らしていただろう。

 

 

「ええい……・!!とにかく逃げましょう!川内達にも連絡を――――那珂ちゃん?」

 

 

窓から見ると、川内と神通の姿は確認できたが、那珂がいない。まさか!と嫌な予感が提督の頭を過ぎった時であった。

 

 

 

『―――――――――――!!!!』

 

 

巨大鮫の方から突然の爆発音。相当の激痛だったのか堪らず暴れだす鮫。鮫の方を提督は思わず見ると、鮫の大きな背びれに掴みながら主砲を構えている那珂の姿が見えた。

 

 

「ごめんね~。魚は那珂ちゃんのファンクラブに入れないんだ。生まれ変わって出直してね。チャオ♪」

 

 

そう言って、鮫の頭に向けて弾を撃ち込む。基は軍艦用のだ、ジョー●だろうがM●Gだろうが耐えられるはずもなく、頭の半分が吹き飛ぶ。そして止めに鮫の背を蹴って離れる間際に魚雷を口の中に投げ入れた。跳んだ那珂がそのまま姉たちのもとに着地すると同時に鮫は爆発四散。当たり一面に鮫の巨大な亡骸と飛び散った肉片、そして大量の血が海を染める。

 

 

「ただいま~。」

 

「おかえりなさい、那珂ちゃん。……・怪我はない?」

 

「おかえり。しかし、こんなでかい鮫見たの初めてで一瞬呆気に取られたよ。私もまだまだだね~……。」

 

 

姉妹仲良く談笑する三人。それに近づく旗艦から提督が甲板に姿を見せる。

 

 

「お~い!大丈夫ですか~!!」

 

「那珂ちゃん、余裕だったけど~、服に鮫の血が掛かって臭うからシャワーと洗濯機かして!!」

 

「良いですけど、それなら早く艦に乗り込んで下さい!血の匂いで他の鮫が寄ってきますから早く此処から離れますよ。」

 

 

艦を側まで寄せ、梯子を下ろす。川内と神通にも乗るかどうか聞いたら、艦の護衛しなきゃいけないから良いという答えが返ってきたので鮫の血で汚れている那珂だけ艦に入る。

 

 

「だが、よく一人で勝てましたね。」

 

「いや、提督さあ……。私達、海の勢力圏カーストぶっちぎりのトップに立っている奴らと戦うのがお仕事なのに、デカイだけの魚に今更遅れを取るわけ無いじゃん。」

 

「……そう言われればそうですね。」

 

 

よくよく考えたら、あれは対峙する側はほぼ一般人だから脅威に感じるわけで、一般人ではなくスーパーマンの類だったら只の出落ち要因でしか無いのだ。改めて艦娘の強さを再認識する提督であった。

 

 

「しかし、人の手から離れた海がこうまで変わっているとは……。普通の生活してた時は知りませんでした。」

 

「深海棲艦達が現れてからは海上調査も禄に出来なそうだからね~。提督、服乾くまで替えのもの貸して~。」

 

「男物ですけど、構わないならどうぞ好きに使って下さい。」

 

 

提督の許可を貰い中に入ろうとする。しかし、先程爆殺した鮫の亡骸の方からバシャバシャと水が激しく打たれる音が聞こえそちらの方に視線を向け、提督も釣られてそちらを見る。

 

 

「もう他の鮫が寄ってきましたか。」

 

 

風と波の音に混じって肉が食いちぎられる音が聞こえてきたので早く此処から離れたい提督、そして川内達。彼女たちも深海棲艦相手でないと何しに夜戦に来たのか分からないので早めに移動したかった。

 

 

「ほら、早く離れないと寄ってきた鮫がこっちに―――――」

 

 

その時、初めて提督は鮫に食らいつく者達を見て、表情が固まる。そんな提督を見て何だろうと思い三人もそっちの方を見て固まった。

 

巨大サメに食らいつく鮫――――ではない。好き好んで捕食シーンなど見るものではないのでちらっと見ただけで済ませたが、よく見ると死骸に群がっているのは鮫ではなかった。鮫にしては小さく、鱗が煌めいていた。

 

 

「……あれサンマか……!?」

 

「サバと鰯も混ざっていますね……」

 

 

鮫ではなく青魚の群れであった。普段鮫などから食われている奴らが今度は逆に食っている。肉を食いちぎる歯など何処にあるのか?と思うかも知れないがとにかく死骸に群がっていた。

 

獲物に群がるピラニアを連想させる魚達。魚は何でも食うとは言うが此処まで肉食めいた光景は生み出さないだろう、多分。

 

 

「わけがわからねえ!!わけが分からねえよ!!」

 

 

巨大サメの直ぐ次がピラニアめいた青魚の群れ。数日前までは只の一般ピーポーだった提督はとうとうSAN値が大幅に減って一時的狂気に陥ってしまう。

 

 

「ああ、提督があんまりな光景に混乱しちゃいました!!」

 

「いや、無理ないでしょ。那珂ちゃんだっていまいち実感がわかない。」

 

「早く提督を此処から離すよ、皆!!急いで!」

 

 

そんな提督を彼女たちはさっさと艦内に押し込めてさっそうと離脱した。

……去り際に、提督は魚たちが「恐いか人間どもよ!!」という幻聴が聞こえた。

 

 

 

===========================

 

 

あれから暫く―――と言っても10数分程

現在時刻は〈AM 1:00〉を過ぎようとしていた。

 

あの後、駆逐イ級2隻に遭遇するも直ぐに撃沈。その時のことを、川内は「まさか深海共見てホッとするとは思わなかった……。」と後日遠い目で語ったがそれは置いておく。

 

巨大サメにその鮫に群がる魚……鮫に群がる魚?……まあ、いい。とにかくそんな今までの常識が2連続で壊されたのだ。只でさえメンタルクソ雑魚ナメクジなのに……心の負担は相当なものだろう。

 

艦内の提督の椅子に俯いて座っている提督を見て、「もう、今夜は帰ろうか。」と夜戦の中断を提案した、川内が。あの川内が。

 

 

 

「……さ……い」

 

「え?何か言いましたか、提督?」

 

 

心配する神通だったが、その提督がブツブツなにか言っていたので思わず聞き返した。すると、提督は彼女の心配を他所に立ち上がり、顔をキッと険しくしながら叫びだす。

 

 

 

「許さないぞ……絶対に許さないぞ―――――深海棲艦共!!!」

 

「ええ~……。」

 

 

 

自分達の提督が突然責任転換し始めて困惑する神通であったが、提督は構わず叫び続ける。

 

 

「巨大なサメが出て来たのも、ピラニアじみた魚たちも、全部深海共のせいだ!」

 

「いや~、どうですかね~……?」

 

「そして私が寝不足なのも、給料が低いのも何もかも全部深海共のせいだーーー!!」

 

「いや、それは完全な言いがかり「そうだよ提督!全部あいつらのせいだよ!!」姉さん!?」

 

 

流石にそれはちょっと……と思い止めようとする神通。しかし、拾の姉が便乗してきたせいでそれが出来ない。

 

 

「深海棲艦ぜってえ許さねえ……!よおし……これから索敵&殲滅に入りますよ皆さん!!―――安全第一で!!」

 

「(あ、根っこは変わらず小心者で安心しました……。)」

 

 

「許さねえ。深海棲艦ぜってえ許さねえー!」と言って夜戦の続行を決めた提督は、軽い夜食づくりに入る。勿論、妖精さん達の分もだ。その後を「ゆるさねー、ゆるさねー」と言って川内が手伝いに行く。実は三姉妹どころか現在鎮守府に要る艦娘の中では一番料理が上手い。大本宮もそう言っている。

 

「え~……何、これ、どうしたら良いの?」と途方にくれ始めた神通は那珂の方に助けを求める。が、その那珂は首を横にしてお手上げポーズで匙を投げていた。

 

 

「那珂ちゃんが思うに提督はさ~、もう深海棲艦が全ての元凶だと思わないと心を保てないんだと思うよ。だって、那珂ちゃんも鮫までは耐えれたけど、肉食お魚さんたちにはこう、まいったね、本当……。まあ、お日様が昇る頃には頭も心も大分落ち着くと思うから神通姉さんも乗ってあげたら良いんじゃない?」

 

 

「あれを……?」

 

「あれを。」

 

 

あれと指差した方には「許さねえ、殲滅だー!」と言いながら鮮やかな手さばきで軽めの一品を色々作っている。そして川内は「ゆるさねーゆるさねー」とちょっと笑いながら夜食に丁度いいおにぎりを握っていた。

 

 

「じゃ、那珂ちゃんはシャワー浴びてくるから姉さん後はよろしく~。」

 

「え、待って那珂ちゃん!」

 

 

一人にしないでと言おうとするもそれを言い切る前にさっさとシャワー室に入っていく妹を、捨てられた子犬のように見送る神通であったが、急にゾクッと背筋が冷たくなる。誰?と思いその悪寒の基を辿ると姉の川内であった。川内が提督が見える角度では可愛い表情で、しかし神通からすれば笑顔は笑顔なのだがこちらを見る目が全く笑っていない。そんな姉は神通の方に顔を向けると、口パクで何かを神通に伝える。

 

 

 

『お ま え も や れ 』

 

 

……あれを?やれって?いや~自分そんなキャラじゃあ無いですしお寿司と思い苦笑いしながら首を横にフル。が、姉は許してくれない。さっさとやれと甲板の方を指差す。

次女も所詮長女からしたら妹。姉の言うことには逆らえないのだ。古事記にも書いてある。

 

数秒間、ううっと呻きながらもしかし最後は諦めが着いたのか、若干顔を赤らめながらトボトボと艦から出ていき甲板の上に立って叫んだ。

 

 

 

「ゆ、ゆぐさねえ!!深海棲艦絶対ゆぐさねえ!!」

 

 

――――――めっちゃ恥ずかしかったそうだ。




海なら鮫出さなきゃと思った。ピラニアは……知りません。
そして三日目はほぼ夜戦で終わると思いますのでメインで出るのは川内三姉妹だと思います。
(筆が滑ったら知らん。)
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