新米クソ雑魚提督の艦これ日記   作:タケノコ軍曹

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二日目 その2 下

――――――カチカチカチカチ

 

 

コントローラーのボタンをせわしなく押す提督と明石。

少し慣れてきたのだろう、提督の操作も最初と比べ中々上達している様に思える。

 

 

「―――それで、さっきの提督の大事な仕事なんですが、それより提督。【キラ付け】って知ってますか?――――やっぱ初代はショットガンが最強です、ねっと。」

 

「―――ですから、ショットガン全部取らないでっていってるじゃあない、か!……【キラ付け】って何ですか?」

 

 

メタルス○ッグ(初代)のステージも5面。

ラスト一歩前のステージに入っていった。まだ建造までに時間は余裕がある。

しかし、焦りは禁物だ。焦ったら無駄になる。最悪、ボムの抱え落ちして死ぬことは避けなければいけない。それはアクションシューティングゲームで最も恥ずべき行為である。

 

 

「漫画とかであるじゃないですか。絶対絶命のピンチ!だがそこで仲間とヒロインの応援で覚醒して大逆転的なテンプレ。」

 

「其処は王道と言いなさい。―――まあ、ありますね。それが?」

 

「別に漫画だけに限った話じゃあないですよ。例えば、何気に寄ったお店で食べたお昼ご飯が美味しかったら午後も頑張ろうと思えるし、実際いつもと違って作業が捗った。そんな経験ありませんでした?」

 

「ありますね。」

 

「さっきいった2つの例の共通点ですが、『幸福感や達成感などのプラスの感情で満たされている』時の方が人は自分が思っているよりも力が出るのです。――――そして艦娘はそれが人以上に影響が現れる。これを私達は【キラ付け】と呼んでいます。」

 

 

その話を聞いて、提督は朝のことを思い出す。

ほぼ同じ睡眠時間なのに、昨日の夜から日が昇り始めるまで夜戦をした川内は出撃する前と比べ元気が有り余っているように思えた。まさか、あれが【キラ付け】なのだろうか?

 

 

「このキラ付けが非常ーーに大事で、キラ付けする前と後ではその艦娘の戦闘能力がド素人さんが見ても分かる位に変わります。」

 

「ガン○ムで例えて!」

 

「只のザクがシャ○専用ザクになるくらいに変わります。」

 

「そいつは凄えや。」

 

 

そしてこの【キラ付け】。要は艦娘たちが絶好調な時に雰囲気が輝いて見える事から付けられた。

主な付けるやり方としては戦いでMVPを取らせたり、強敵との戦いで完全勝利のS勝利を取ったりエトセトラエトセトラ。

とにかく彼女たちの気持ちがプラスに向いている時に付けやすいと言われている。

 

 

「あと、『好きこそ物の上手なれ』という言葉があるのですが、キラ付けついている娘は付いてない子よりも練度が高くなるのが早いって言われてます。」

 

「――――つまり、提督の大事な仕事ってのは『彼女たちのご機嫌取り』なんですね?」

 

「正解!……と言いたいですが、言い方が少し悪いですよ?其処は一緒に遊ぶくらいに仲良くなるで行きましょうよ……。」

 

 

実際、ビジネスライクなお付き合いな鎮守府よりも、和気藹々な家族の様な付き合い方の鎮守府の方が団結力も練度も高い傾向にある。

なので明石がいった『提督のお仕事』とは『時間を作って艦娘達とコミュを取れ』ということである。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――カチカチカチ

 

暫しの無言。しかし、悪くない。

実際、操作もさっきからミスをしていない。

 

 

「明石、あのーです、ねー……」

 

「はい?」

 

「あー、そのう―――――――アドバイスのお陰で結構前向きになれたからさあ、あーそのう……ありが、とう?」

 

「ぶふぁッ!!」

 

 

訂正、早速明石がミスをした。残り残機0である。

 

 

「ちょっと、いきなりデレないでくださいよ!!驚いたじゃないですか!?」

 

「本当に助かったから感謝の言葉を言っただけなのにデレた扱いか……。難しいな、言葉って……。」

 

「あー、もう。ちょっとこの空気変えるために今度は提督の話をしてくださいよ、もう~……」

 

 

ちょっと顔が赤いぞ明石!意外と異性耐性ないぞ明石!!開発キチと純情乙女のギャップでも狙っているんか明石!!!

……普段からそれくらい可愛げがあればそこの提督も含めて色んな男にモテるだろうに……

 

 

「私の話?」

 

「提督になる前に何をしていたとか、色々あるでしょう?」

 

「提督になる前は……ちょっと大きい企業の社員食堂で働いていました。」

 

「……へ~、コックさんだったんですか?」

 

「そんなたいそれたモンじゃあないよ。子供の頃から料理が好きで、そして他は全然だめだったけど料理だけは他の人より少し才能があって、そして技術を学べる機会と時間がたくさんあった――――そして親のコネ。」

 

「途中まで良かったのに!?……そんな人がどうして提督に?」

 

「いや~、実は1ヶ月前に失業しちゃいまして。暫くは貯蓄と失業手当で食いつぶしながら就職先探していたところだったから渡りに船でしたよHAHAHA!!」

 

 

「真面目一筋だと思っていたが、この人意外と楽観的なのか?」と明石は思いながらコントローラーを握り直し、スタートボタンを押しゲームを再開する。

 

 

 

 

「もう……何かやらかしたんですか?」

 

「私ではなくて、そこの会社員がね……。わざわざ食堂でね修羅場起こしましてね。その会社員の人の同僚に刺されちゃったんですよね……。しかも、私の目の前で。」

 

「え~……」

 

「もともとコスト削減のため前から考えられていたそうなんですが、それがきっかけで食堂が閉鎖されちゃいまして、お役目御免ってことで。

一応、会社が他の仕事を紹介していたのですが……目の前で人ぶっ刺されてる所見ちゃって、ちょっと働く気起きなかったんで断ってしまいました。」

 

「うわ~……」

 

「しかし、まさかね~。――――――食堂で一緒に働いていたおばちゃんから噂には聞いてましたが『男同士のオフィスラブ』からの刃物持ち出しの修羅場とかないわ……」

 

「ブフォ!?」

 

 

    明石、残機0、GAME OVER!

 

 

 

「何だって!?」

 

「ですから男同士の修羅場――――その人達にしか分からない耽美な世界だったんでしょう。私にはさっぱり分かりません。」

 

「分からなくて良いですよ!!」

 

「別に男の修羅場何か今に始まったことじゃあないですがね……。――――例えば江戸時代の刃物沙汰の大部分は男同士の修羅場が大部分を占めてたらしいですよ。」

 

「うわ、自国の性事情にショック!!」

 

「あと、その男性社員、社長含め上の方々と夜の街に消えた所何度も見たそうで……あ、勿論その人達全員男ですよ。」

 

「ダブルショック!!!??」

 

「……もしかしたら、私はその会社からさっさと離れたかったから、仕事の斡旋を無視してスタコロサッサ逃げ出したのかもしれませんね……。」

 

「――――!!――――!??」

 

 

「もっと早くやめろ!」とツッコミを入れようと思ったが、もしそうしていたら目の前の男は提督になっていなかったかもしれないわけで……。何やかんやでこの提督を気に入り始めた明石としては色々言いたいことがあるが言えないジレンマに陥っていた。

 

 

 

「――――で、どうしますか 明石?もう時間的にはギリギリですけ――――」

 

「も う 一 回 !!!」

 

 

 

 

 

――――――――――――――

 

 

 

 

場所は少し変わって。

 

部屋全体が海の中のように青いだけで、そこには特に何もなかった――――中央にある兵器―――『艦装』を覗いて。

 

その艦装から推測される艦の名は、軽巡洋艦『那珂』。川内型の末っ子である。

 

そして、その艦装の周りをふわふわと小人達が集まり、会話を始めた。

 

 

 

―――――――で、もう出来たのにあいつらゲームに夢中で取りに来ないんですけど?

 

―――――――こっちも仕事があるから邪魔なんだけど。早く、解体か娘を顕在させるか決めて欲しいよね?

 

―――――――……此処の鎮守府でこの娘見てないよな?

 

―――――――あの提督、駆け出しで今は1艦でも戦力欲しがってたよ!

 

―――――――じゃあ、こっちで顕在させとく?

 

―――――――「「「そうしよう!!」」」

 

 

すると艦装が光輝き、そして――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「艦隊のアイドル、那珂ちゃんだよ~!!よろしくね~!!……あれ?提督は?」

 

 

 

その部屋に一人だけぽつんと立っている娘がいた。

 

艦娘の名は川内型「那珂」。川内型三姉妹の末っ子である。

 

 

「ねえ~!!ちょっと!!歓迎のあいさつとかは~!?というより提督は何処~!」

 

 

ちょっと泣きそうになっている那珂ちゃん。そんな時に外から声が聞こえ、部屋から出る。

そして声のしている方向を見ると――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よしゃあああああああ!!!!ノーコンティニューでクリアしてやったぜええええ!!!」

 

「最高難易度でだぜええええええええ!!!!」

 

 

 

 

 

―――――那珂ちゃんそっちのけでゲームクリアに歓喜している二人がいた。

 

 

 

「ちょっと!!何やってんの!!??」

 

「――――え?どなた?」

 

「提督。彼女は確かあの川内の一番下の妹の那珂ちゃんですよ。どうして此処に……。」

 

「まさか、妖精さん達が勝手に顕在を……?」

 

「そ ん な こ と よ り !!那珂ちゃんほったらかして何してるの!

あなたが那珂ちゃんの提督さんでしょ!?もっと、こう……那珂ちゃんを大事にしようよ!?」

 

「でもよお、那珂ちゃん……。――――メタルスラッ○グだぜ?」

 

「知らないよ!?」

 

「でもよお、那珂ちゃん……。――最高難易度ノーコンティニュだぜ?」

 

「あんたは黙っとれ!!」

 

 

 

こうして、クソ雑魚無能提督は悩みが消え、更に新たな頼れる仲間「那珂」が加わった。

頑張れ提督!君達の戦いはこれからだ!!

 

 

「でもよお、那珂ちゃん……。――――実は本音言うと初代じゃなくて最高傑作の3したかったんだ……。」

 

「もう良いよ、それ!!」

 

 

―――あ、因みに最終回じゃないです。というより、まだ全然始まっていません。




那珂ちゃんはうちの川内に続くエースです。
万能キャラなので困ったら那珂ちゃん入れてます。
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