なので、少し長いです。……途中で切れば良かったかな(汗
〈12:00 PM〉
建造してきたのは軽巡洋艦「那珂」ちゃんでした。なんと、あの川内の一番下の妹です。
実は那珂ちゃんが建造している間に明石とTVゲームをしていて思いもよらず夢中になってしまい、気づいたのは那珂ちゃんが建造し終わる時間を大分過ぎてた模様。
しびれを切らした妖精さんが独断で顕在化を決めたわけですが、いや~ナイスな判断です。
明石と一緒に――――一人で逃げようとしましたが逃しませんよ。おめえも道連れじゃ……!―――正座して那珂ちゃんの説教を聞いた後、彼女から「それで、提督。那珂ちゃんのこの鎮守府のアイドルとしての最初の仕事は何かな?」と話を振ってきたので、こいつは丁度いいと思い、考えていた事を伝えました。
「貴女の最初で、そしてこれからメインになる仕事は「君の一番上の姉である川内の面倒を見る」ことですよ(にっこり)」
そして私の言葉を聞いて嬉しい―――くは無かったな。何かアイドル?らしくキラキラ振りまいていた雰囲気が一瞬で消えて、更に目のハイライトが暗くなった様に見えました。
「え……、那珂ちゃんアイドルなんだよ……?アイドルの夜ふかしは厳禁なんだよ……?」と言ってきましたが……
―――これも私の健康な生活の為。許せ……!
……偶に付き合うのは良いんですが、頻繁に付き合わされたら過労で死にますよ。
だから、そうならないためにも君はストッパーか、駄目だったら川内が中破以上の怪我をした際には無理矢理にでも連れ帰ってきて欲しい。そうすれば私も安心して寝れる。
川内が満足できる、私も満足できる―――win-winだなと言うと「那珂ちゃんはlose-loseじゃん!?」と泣き叫んだ。
う~ん、姉妹なのにそんなに嫌なのか?
そのあと那珂ちゃんに「せめて……せめて【神通】姉さんをどうか、どうか……。最悪物理で止めてもらうから……。」と縋ってきましたが……これ完全に運なんですよ……。
「今日は出来るだけ建造を回すけど、あとはもう神様にでも祈っていて。」と言って、部屋に備え付けられている通信機で憲兵さんを呼び出して「先に川内達が行っているけど……まだ時間はあるから一先ず必要なものとか買ってきなさい。」と言い、彼らに連れて行ってもらいました。
引きづられて行く那珂ちゃんは「タスケテ……タスケテクレメンス……」とつぶやいていたが……私の方も他人事じゃないから、負担が減るならもう一人のお姉さんである【神通】さんにぜひ来てもらいたいものです……(遠い目)
〈12:15 PM〉
那珂ちゃんにああ言った手前、出来るだけ努力はしなければいけません。
なので、軽巡が出やすいレシピで回しました。250/30/200/30、ちょっとお高めですが、昨日の最初の任務達成祝でちょっと多めの資材を貰えたので、一回くらいは十分回せます。……でなかったら、次からまた最低値ですが。
そして回したわけなんですが……建造時間1:30。
「明石、これ何や?」
「重巡、ですかねぇ……?」
ま、まあ、火力は欲しかったですし、うん。まだ本日二回目だからまだまだ回せますから、きっと来ますよ……多分。
出来上がるまでに建造報告のレポートを提出&お昼ごはんを済ませましょう。
〈12:45 PM〉
レポート提出終わり。ご飯、ご飯~。
……と喜ぶのもつかの間、冷蔵庫、冷や飯と卵だけ……。後で購買で買い物をするとして、チャーハンで良いか……。豆腐と挽肉があったら此処に麻婆豆腐もつけるのに……。
〈1:30PM〉
建造終了まで後少しなので戻ってきました。そして何か整備している明石を発見。
何をしているのか尋ねると、「『旗艦』の整備です」と返ってきた。……旗艦?
彼女が言うには、『旗艦』―――提督が乗る船で、つい最近まではこれに乗って艦隊の指揮をしていたそうだが、魔改造ドローンの登場で普段は使う人はあんまりいなくなってしまった。
しかし、上からの招集命令とかで行かなければならない時の足代わりや、一部の現場で実際に指揮しないと満足出来ない提督もいるっちゃあいるのでいつでも使えるように定期的なメンテを各鎮守府でしているそうだ。
しかし、あれですな。見た目は艦なんだが大きさはクルージング用の船よりちょっと大きい程度。……10分の1スケールの模型かな?パーフェクトグレートの上ってありましたっけ?
こんな艦が出たら真っ先に狙われない?大丈夫なの?と思ったが、彼女の話からこの『旗艦』は妖精さん製のオーパーツだと言うことが分かりました。以下まとめ
・操縦はプロの妖精さん。直ぐに戦闘海域から離脱をしてくれるぞ。
・大和の主砲をまともに食らっても大 丈 夫 !。
・と言うよりも、出撃する際に出撃艦隊のリーダーとリンクする事によって、そのリーダ艦がダメージを負わない限り『旗艦』は謎のバリアーで守られてほぼ無敵だ!実際凄い!―――リンク先のリーダーが轟沈したら?許容範囲外のダメージを食らったら?う~ん、そうね~……、助けが来なかったら艦とともにするしかないんじゃないでしょうか?
・燃料等は艦むすに比べれば無いも同然。超低燃費。
・明石「どうだ、提督?『旗艦』に乗って出撃したくなっただろう?」
私「わ〰、凄いね。じゃあドローン飛ばすわ。」
明石「待てや!」
以上。
凄い技術だということは分かりましたが、普段はドローンで良くないですか?
まあ、いざって時の為に整備してもらってるのは本当にありがたいですが。
それよりももう少しで新しい艦むすさんが来るのでお出迎えしましょう。
〈14:00PM〉
「吾輩が利根である!吾輩が艦隊に加わる以上、もう索敵の心配はないぞ!」
え~、というわけで重巡の利根が仲間に加わりました。
さんづけ?……したら「トネさんっておばあちゃんみたいで嫌じゃ!さんはいらんぞ!!」と言われたので利根で。
――――ハイ、じゃあ次行ってみよう!!
次からは最低値で回して行く。というわけで早速資材投入!時間は1:00!!
軽巡来ましたね!後は祈るだけです。
――――――――――――――――――――
「提督よ、お主なかなか暇そうじゃの?」
日記帳を閉じ、建造が終わる時間まで少し寝ようかと思っていたときであった。
利根が先程大きなあくびをしていた提督に話しかけてきた。
「暇ではありませんよ。これから私は一時間ほど瞼を閉じて心を落ち着かせる仕事がありますので。」
「つまり暇なんじゃな?」
昨日の徹夜の疲れが今になって出てきた提督は、ちょっと寝たいのでのらりくらりと交わそうとする。
が、駄目。言い訳があまりにも下手すぎた。
「提督よ、戦闘は兵站や準備こそ一番重要なのだぞ?―――というわけで、装備の開発をしようぞ。」
「『開発』ですか?」
一番手っ取り早く強くなるにはやはり装備の質を上げるのが良い。
提督は装備の開発は利根に言われるまでもなくする予定だった。ただ、先ずは人数を揃えることを優先していただけである。
「因みに、利根は装備は何が欲しいんです?」
「欲しいというより、先ずは全艦に主砲2つ装備は最低限しておかんと戦いに心もとないぞ?」
「(川内、あいつ昨日主砲一本で夜戦行ったよな……)」よくもまあそんな装備で嬉々として夜戦出来るものだと改めて川内の夜戦キチぷりに呆れた。
「でも、建造するのが優先ですから……回せても資材の関係で5回ってところですかね?」
「5回もあれば十分じゃ。吾輩に任せておけ!」
「(開発も運なんだがな……)」と心の中で呟くと、開発資材等を妖精さんに渡した。
そして待つこと5,6分、出来上がったのは『20.3cm連装砲』―――主に重巡洋艦が装備する中口径主砲であった。
「やったぞ!」利根は歓喜の声を上げると直ぐに艦装に装備させる。やはり片側だけより左右両方に主砲を装備した方が見栄えのバランスも、そして火力も良いものである。
「では提督、あと4回回すのじゃ!」
「え?もう装備それで良くないですか?」
「馬鹿者!他の娘の分もじゃ!ほら、はようやれ!」
あと4回は余裕はあるが、今は資材等は建造に回したいのだ。何か会った時様に取っておきたいと思う。が、その一方で利根の言い分も一理あるとも思っている。
目の前の利根の姿―――主砲2つ装備している彼女の姿は装備一つだけよりも強そう(小並感)。
やはり装備は大事、ならば他の娘の分も主砲等を開発するべきだろう。
「じゃあ、今は小か中口径主砲が足りてないので回しましょうか?」
「そう、その意気じゃ!」
そして資材を妖精さんに渡すこと5,6分。出来上がったのは『20.3cm連装砲』―――先程出たのと同じであった。
「物欲センサーか……」と呟く提督。
今日はもう止めたほうが良いのかもしれない。
昔買ったカードゲームで欲しい物が手に入らなかった時、なけなしの金集めてもう1パック買った事が子供の頃両手両足の指全部合わせても足りないくらいあったが、そのどれもが手に入れられなかった事を提督は思い出す。出ない時は本当に出ないのだ。こういう時は止める方が良い。
「ええい!!こうなったら3連続開発じゃ!!回せ回せ!」
しかし、それも利根の三連ガチャで終わった。止める隙も無く三回分の資材が投入されてしまった。
「………………えぇー……(困惑)。」
「何を呆けておる!勝負はノリと勢いがある方が勝つのじゃ!我輩達がドーンと構えておればきっと出るに決まっておる!!」
「どこからそんな自信が……」
「吾輩を誰だと思っている!利根じゃぞ!筑摩の姉ぞ?」
「私を誰だと思っている?駆け出し雑魚提督やぞ?貴女のことも妹さんの事も詳しくは知らんがな……」
「それより無駄になったらどうするんです?」「だ・か・ら!大丈夫だと言うとるじゃろうが!」と言い合う二人。
提督が取り消しを幾ら願おうと、一度投入した資材は戻ってこないし、時間は無情にも過ぎていく。悲しいな。
そして3回目の開発。結果は――――『20.3cm連装砲』!
続く4回目――――『20.3cm連装砲』!!
泣きのラスト5回目――――『20.3cm連装砲』!!!
「「………」」
あんまりな結果に無言になる二人。
そんな空気を知らない第三者―――さっきまで近くで『旗艦』の整備をやっていた明石がやってきた。
整備で暑かったのだろう。上の制服を脱いでタンクトップシャツ姿の彼女は汗だくも相まって艶めかしい。
そして制服姿では分かりづらかったが胸元の想像以上の戦闘力にはゴウランガ!実際、豊満。
そんな童貞を殺す無防備な格好など当の明石は気にもせずに話しかけてきた。
「あれ?提督、装備の『開発』をしてるんですか?」
「あー、うん。そうねー、そうだったよー。」
必死に目を(何処とは言わぬが)逸しながら話す提督は良く言えば紳士、悪く言えば童貞感丸出しであった。そんな提督の様子に明石は気づいていない。
「でしたら一緒につれている艦娘はちゃんと選んだほうが良いですよ?」
「………何だって?」
――――装備の開発は完全な運では無かったのか?と言うより、連れている艦娘で変わるのか?
「だって、妖精さんは提督と一緒にいる娘を見て「こいつの装備を作ればいいのか。」て判断してますよ。
例えば、連れている娘が駆逐艦だったら大口径主砲なんて作っても重すぎて扱えませんから候補から外れますし、逆に戦艦や重巡系の娘だったら小・中口径の主砲載せるとか無駄ですから作りません。
なのでどの装備を開発してほしいなら一緒につれてくる娘をしっかり選ばないといけませんよ?」
「じゃあ、後もう少しで建造終わりますから、その間開発頑張ってくださいね~」と言って去る明石。
残ったのは哀れな男と女だけであった。
「………」
ジ~と利根の方を見る提督。その利根は冷や汗をダラダラ流しながらサッと目を反らす。
「わ、吾輩が悪かったと言いたいのか……?(震え声)」
「いや、私も知らなかったですから一方的に悪いとは言いませんが……。―――――しかし、せっかく作ったこれはどうするんですか?」
提督が指差した先にあるのは『20.3cm連装砲』が4つもある。……いや、マジでこれどうするんでしょうか?
「……ほ、他の重巡洋艦を建造す――――」
「そんな資材無いですよ……。」
「……吾輩がローテーションで使い回――――」
「勿体ない使い方しないで下さいよ……。」
「「………」」
押し黙る二人――――情けなさで顔が真っ赤かな利根(そりゃあ、自信満々で言ったくせに結果がこれじゃあ恥ずかしいでしょうね。)と少し途方にくれている提督。
それから5分ほど―――――隣の部屋から『建造終了』のブザー音が鳴るまでそうしていたのであった。
ブザー音で提督が我に返ったのと同時にヒョコッと現れた明石。格好は先程のままだ。
「提督、建造終わりましたが……」
「神通さん、来た?」
「いえ、残念ながら…・…。」
「そう、ですか……。」
「妖精さんに顕在して貰います?まだこちらにはいない艦種ですが?」
「じゃあ、顕在してもらいましょう。今は人を揃えないと……」
「分かりました!」と返事が返ってきて数分後に、建造を行う隣の部屋から一人の背が低い少女が出てきた
「クマは球磨だクマー。よろしくだクマー。」
建造で来たのは球磨型一番艦『球磨』であった。
球磨型の長女であり、性能はかなり高い。
(第2改装案がある他の艦娘を除けばがつくが……。それでも全部の性能が負けているわけではなく、一部では第2改装した艦娘よりも性能が上な部分もある。その頼りがいのある高性能さで長い間お世話になることだろう。)
「………」
新たに来てくれた娘に提督は歓迎の―――いや、少し様子がおかしい。
ジ~と球磨を観察―――先程無駄に作り上げた『20.3cm連装砲』も一緒に視界に入れながら観察する。
――――そして、漫画だったら頭に豆電球がついていることだろう。しかし、当の本人には碌でもない事を思いついた。
「……何だクマ?どうかしたかク――「利根、少しあの娘を取り押さえて!」「了解じゃ!!」――――うわ!!?何をするクマー!?―――――「明石!改装準備」「わーかりましたー!」――――ちょっ、何装備を勝手外してるんだクマ!?ちょ、ちょっとそんな大きいもの……ヤメロー!ショッカーぶっ飛ばすクマーーーーーーーー!!!」
――――――――――――――――
―――――――――
――――――
「――――うおおおう……。お、重いクマー……」
そしてものの1分も満たない時間。
軽巡洋艦なのに、持参してきた『14cm単装砲』を外され代わりに『20.3cm連装砲』を2つ装備させられた球磨の姿が!
――――そしてその主砲で腹を殴られ悶絶している雑魚提督の姿が……。
「いきなりで悪かったと思ってます……。」
「悪かったと思っているなら、先ずはそんなことした経緯を三行以内に教えろクマー……!」
「・利根が2回目でやめればいいのを三連ガチャ開発した。
・結果、20.3連装砲が4つも余って困っていた。
・そんな時に貴女が来たから軽巡の娘でも扱えるか試したかった。」
「…………今回はそれで許してやるクマ。だけどクマ!クマだって女の子何だからいきなりあんな事されたらびっくりするクマ!」
「説明したら断られそうで、つい……」
「確かにこれは重くて嫌だクマ……。だけど、必要なことなら断るわけないクマ!今度はちゃんと説明しろクマー!!」
「はい、おっしゃる通りで……。」
流石長女だ。あっさり許す器の大きさに雑魚提督は平服するしかなかった。
そんな提督を他所に、明石は球磨から装備後の調子の確認を行う。―――利根?先程から提督の横で正座させられているよ?
「どうです?扱えそうですか?」「使えないことはないクマ。ただ、重い分照準がちょっとズレそうだクマ。」「やはり2つ装備はバランスが悪いですね。メインは14cm単装砲で、20。3cmはサブで行きましょう。」「それだったらまあ、行けそうだクマー。」
そんな会話をしている他所で、利根暇なのか隣で未だ平伏している提督に小声で話しかけてくる。
「のう……提督よ。あの球磨の主砲の装備の仕方、ちょっとカッコ良いと思わんか?」
そんな事を言われる球磨の姿は『20.3cm連装砲』を両手で構えて持てない為か、明石の急ピッチで仕上げた補助器で両肩で構えて撃てる様にされている。
「まあ、最終決戦用ガンダムみたいでかっこいいと思いますけ――――「提督!反省してんのか、クマー!」―――アッハイ。ちゃんとしてますよ。」
人の話の横でおしゃべりは実際シツレイ!怒られても仕方ない。
―――――そしてこの後、提督は球磨に後でホールケーキ一つまるごと奢ることで許された。
……が、球磨としては購買で自腹切ってこいというつもりだったのだが、この提督指揮官等の才能は無いが料理だけは出来るのだ。
「分かりました!今から自分焼いて持ってきます!一時間30分程待ってて下さい!!」と言って出ていった提督の背を見送りながら
「…………女子力、高くないクマ?」
呆れ果てた球磨はもう怒る気分ではなくなっていたのであった。
「……あのう?……吾輩、いつまで正座をしていれば良いのか、のう……?」