地球防衛軍戦記   作:第一連合艦隊

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組織改革

 

 

天の川銀河の各地で激戦が繰り広げられている頃、地球にある統括司令部では組織改正が行われていた。

これまで統括司令部では総長を筆頭に幾つかの部門長とそれらを纏めるゴップ総参謀長と副総参謀長の芹沢虎徹が参加する参謀本部で防衛軍の作戦計画を策定していた。またこれまで地球連邦そして地球連邦防衛軍は基本的に突発的な侵攻による受け身での戦闘が多かった為、統括司令部総長の権限が非常に強く、鶴の一声に近い感じで作戦が決まることもあった。

 

だがボラー連邦との開戦に伴う銀河大戦の勃発は現状の統括司令部の組織体制では無理が発生するようになっていた。特に地球本土防衛省の吸収により、統括司令部発足時より部門が細かく分けられていた為、参謀本部で会議があっても忙しく参加できない部門長も居るほどであった。その為組織体制の変更は急務であり、大戦の真っ只中であったが多少強引ながらも組織体制の改正が行われたのであった。

 

またこの改正では権限の変更なども行われた。まず統括司令部総長は防衛大臣の権限を引き継ぐと同時に突発的な有事の際の、統合参謀本部が招集されるまでの間の全権と有事の際のある程度の権限が与えらえた。また副総長には副参謀長だった芹沢虎徹が就任した。

 

そして最も大きな改正が行われたのが各部門の統廃合とスリム化であった。

まず参謀本部は統合参謀本部へと名前を変え、統合参謀本部が平時、有事を問わず常に軍全体の最高意思決定機関と決められ、総参謀長、副参謀長兼調整役、防衛艦隊司令長官、地上軍総司令官、作戦参謀長、情報作戦参謀長、後方支援・兵站参謀長、統括司令部事務局長、科学技術局長官、時間断層管理部部長が常時の構成役職となり、統括司令部総長及び副総長、地球連邦大統領や大統領補佐、政府防衛政策顧問の藤堂平九郎顧問も常時では無いものの構成役職となっている。

 

この統合参謀本部の構成役職のメンバーだが、一部は参謀本部から続投しており総参謀長はゴップ元帥が続投することになった。副参謀長にはガミラス戦役以降、艦隊整備計画などで大きな働きをしたロバート・マッキントッシュ大将、首席参謀は統合作戦本部との調整役も兼ねており首席参謀兼調整役と命名され、ガミラス戦役時においては第二次火星沖海戦後の火星からの撤退、遅滞戦及び月の防衛作戦、民間人避難作戦、ガトランティス戦役における防衛計画の策定など多くの作戦で大きな成果を残し、作戦部に居たワルター・G・F・マイントイフェル少将が特例で大将に昇格し就任した。続いて今まで統括司令部総長が兼任しており空白であった防衛艦隊司令長官には本国艦隊司令のチャールズ・ムーア大将の下で働いていたカール・J・マンフォード中将が此方も特例で元帥に昇格し就任、地上軍総司令官には大高弥三郎元帥が続投の形で就任、軍全体の作戦計画を担当する作戦部の長である作戦参謀長には戦略家と戦術家としての資質を持ち合わせるチュン・ウー・チェン大将、諜報組織などを含む情報部の長である情報作戦参謀長にはジャミトフ・ハイマン大将が続投という形で就任、兵器開発や補充などの後方支援を担当する部門の長である後方支援・兵站参謀長にはアレックス・キャゼルヌ大将、軍全体に事務を統括する統合参謀本部事務局長にはチェスター・アラン大将、科学技術局長官には真田志郎長官、時間断層管理部部長にはアルバート・ジャンク部長がそれぞれ就任している。

 

また部門の統廃合も大きく行われ、上記の参謀長や局長、長官、部長の配下に配置換えが行われたり合併された部門も少なからずあったが、これにより統括司令部の組織は大分スリム化されたのであった。また横の繋がりも強化され組織の柔軟性は大きく向上したのであった。

 

 

そしてこの組織改正後に新たな地球防衛軍は新たな戦線構築の準備に入った。

その戦線は飛び地となっている占領地であるアルゼ星系と連合国側の支配領域を繋ぐための戦線であった。

 

アルゼ星系は連合国、ボラー連邦双方にとって飛び地であるが、連合国のアルゼ星系占領後にボラー連邦は連合国の支配領域とアルゼ星系の間にある星系や惑星の幾つかを電撃的に占領したため、連合国側からしたらそれらのボラー連邦軍は厄介な存在であった。そして今回それらのボラー連邦の拠点を制圧し、アルゼ星系までの航路を完全な連合国の支配領域にするために新たな戦線構築が決定されたのであった。

そしてこの戦線の拠点にはアルゼ星系に近く補給上の負担が少ない立地であり、尚且つ大規模な要塞であるゼダンの門がありアスターテ星系が選ばれたのである。

 

 

アスターテ星系ゼダンの門

 

先の攻防戦での傷も癒されつつあるゼダンの門は今や活気に満ち溢れつつあった。

要塞内外には多くの戦闘艦艇が集結しつつあり、その数は日に日に増えつつあった。またコロンブス級多目的艦も連日船団を組みアスターテ星系やゼダンの門にやってきて様々な物資を積み上げていっていた。

 

「素晴らしい光景だな」

 

ゼダンの門司令室では先の攻防戦後責任を取らされるかヒヤヒヤしたが何もお咎めなしだった要塞司令がモニターを見つめつつ呟いていた。

 

この時点でゼダンの門には4個艦隊が集結しており、アスターテ星系全体だと揚陸艦やその護衛艦隊なども集結してその数は数百隻にもなっていた。

 

「しかしこの辺境も前の様に賑やかになりましたな。尤も前は民間船で今は軍艦で、ですが」

 

副司令はそう司令に話しかけた。

 

「まぁな。だが忘れ去られる辺境よりは遥かにマシだよ。まあ辺境でも貿易で賑やかな辺境の方がのんびりしていて楽だったがね」

 

司令はそう副司令に本心を言った。

司令自身のんびりした空気が大好きであった。実際、戦争勃発前までこの星系はボラー連邦が露骨な軍事演習を別の宙域や近辺の宙域で行っても地球連邦、ボラー連邦双方の民間人が仲良くしていたのだから本当にのんびりした空気が流れていた星系であった。

 

「早くこんな下らん戦争は終わってほしいものだよ。勿論我々の勝ちで、だが」

「全くですな」

 

司令が続けて言った言葉に副司令も同意したのであった。

 

こうして司令と副司令が会話をした数日後、新たな戦線がアスターテ戦線と名付けられることと方面軍が結成されることが通達され、同時に方面軍司令部が要塞に設置されること、要塞司令とは別に方面軍司令が着任することが統括司令部から伝達されるのであった。

 

 

数日後、ワン・グンロン中将を司令とする方面軍司令部がゼダンの門に到着したのであった。

 

 

 

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統括司令部組織

 

統括司令部総長 

統括司令部副総長 芹沢虎鉄

 

 

統合参謀本部 (統括司令部内に存在する意思決定の機関)

 

総参謀長        ゴップ元帥

副参謀長        ロバート・マッキントッシュ大将

首席参謀兼調整役    ワルター・G・F・マイントイフェル大将

統括司令部事務局長  チェスター・アラン大将 (軍全体の事務等を統括)

防衛艦隊司令長官    カール・J・マンフォード元帥 

地上軍総司令官     大高弥三郎元帥

作戦参謀長       チュン・ウー・チェン大将

情報作戦参謀長     ジャミトフ・ハイマン大将

後方支援・兵站参謀長  アレックス・キャゼルヌ大将

科学技術局長官     真田志郎長官

時間断層管理部部長   アルバート・ジャンク部長

 

 

 




今年も一年本作を読んで頂きありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
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