地球防衛軍戦記   作:第一連合艦隊

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遅くなりましたが明けましておめでとうございます。
本年も本作をよろしくお願いいたします。


狼襲来

地球防衛軍が新たな作戦を行う準備をしている頃、天の川銀河最大の戦場となっているガルマン・ガミラス帝国北部戦線、その戦場の一つの宇宙空間を数十発の魚雷が駆け抜け展開中のボラー連邦艦隊に命中する。

 

 

ガミラス共和国天の川銀河派遣軍第1空間機甲軍団通称ドメル艦隊旗艦ドメラーズ三世

 

「着弾、敵艦隊に命中。敵前衛陣形乱れます」

 

観測兵がそう報告すると司令官であるドメルは空かさず命令を下した。

 

「第7戦闘団は直ちに突撃!敵を更に分断せよ」

 

その命令と共に部隊旗艦のメルトリア級1隻を先頭にデストリア級10隻、ケルカピア級8隻、クリピテラ級20隻からなる第7戦闘団が最大戦速に加速し陣形が乱れ混乱のさなかにあるボラー連邦艦隊に突撃を開始する。

 

一方、魚雷の猛攻撃をくらったボラー連邦艦隊は態勢を立て直せていなかった。

 

「前衛のデストロイヤー艦30隻中27隻轟沈、3隻大破行動不能!戦艦5隻も轟沈」

「敵艦隊の一部が突撃してきます!」

「敵艦隊にドメラーズ三世を確認。敵はガミラスのドメル艦隊です!」

 

ボラー連邦軍第17駆逐艦隊の旗艦A型戦艦フレドラ艦橋では兵達が次々と報告を挙げていた。だが司令は冷静に対処しようとしていた。

 

「怯むな!健在な艦は突撃してくる敵艦隊に火力を集中し応戦せよ」

 

司令がそう命令を下すと、第17駆逐艦隊の各艦は迎撃を開始するが第7戦闘団は怯まず突撃を続ける。そして攻撃地点に着くと第7戦闘団司令は命令を出した。

 

「痛いのをぶっ喰らわせてやれ」

 

第7戦闘団旗艦のメルトリア級ケルトリア艦橋で司令の少佐が命令を出すと第7戦闘団各艦は次々と砲撃とミサイル攻撃を開始する。

 

第7戦闘団がボラー連邦艦隊の側面から放った攻撃は次々とボラー連邦軍第17駆逐艦隊各艦の腹部に突き刺さっていく。

ビームが命中したデストロイヤー艦は爆発を起こし轟沈し、クリピテラ級が放ったミサイルが命中した戦艦は船体をぐちゃぐちゃにされ大破する。

 

勿論、ボラー連邦艦隊も反撃を行うが高速で動き回るガミラス艦隊には命中しない。特に打撃力のある戦艦が前期型の為、主砲が旋回できないのが痛手であった。

そんな中、偶然ガミラス艦に命中した砲撃もあったがその瞬間を目撃したボラー連邦艦隊将兵は驚愕した。1隻のクリピテラ級に命中した砲撃がシールドによって防がれたのだ。

 

「砲撃が防がれただと…」

「ガミラスも波動防壁を装備しているのか」

 

ボラー連邦艦隊の司令や艦長達は口々にそう呟いた。

この時、ガミラス艦隊全艦には漸くゲシュタムウォールが装備されていたのであった。

 

 

第17駆逐艦隊旗艦戦艦フレドラ

 

「波動防壁とは厄介な物を装備しているな」

 

司令はそう呟いた。

そして直ぐに対処法を考えたがその思考は長くは続かなかった。第17駆逐艦隊が第7戦闘団に対して応戦している間にドメル艦隊本隊が距離を詰め攻撃を開始したのであった。

 

ドメル艦隊は主砲を490㎜4連装カノン砲に改装した旗艦ドメラーズ三世を筆頭にランダルミーデ級4、ドルグラード級4、ハイゼラード級4、ガイデロール級4、デストリア級10、ケルカピア級8、クリピテラ級20からなる旗艦直轄部隊と第7戦闘団と同じ編成の戦闘団が8個、デストリア級8からなる戦隊が8個、ケルカピア級4からなる高速戦隊が4個、ケルカピア級1、クリピテラ級12からなる宙雷戦隊が8個、クリピテラ級12からなる駆逐戦隊が15個、ゲルバデス級2、ガイペロン級6、クリピテラ級15からなる空母艦隊と大兵力であった。

この大兵力の内、空母艦隊を除く全艦から開始された砲撃は苛烈だった。

第7戦闘団の攻撃で隊列が乱れている状態のボラー連邦軍第17駆逐艦隊に対してボラー連邦艦隊の倍以上の艦艇からの砲撃の嵐は第17駆逐艦隊を破滅へと追い込んだ。

 

 

第17駆逐艦隊旗艦フレドラ

 

「第6、第14駆逐戦隊壊滅」

「第2戦艦隊壊滅」

「第17駆逐戦隊被害甚大」

 

旗艦フレドラ艦橋には凄まじい勢いで被害報告が上がっていた。その報告を聞き司令は険しい表情を浮かべながら命令を出した。

 

「全艦直ちに反転し撤退せよ。これ以上の抵抗は無駄だ」

 

司令はそう声を張って命令を出した。

そして命令は直ちに実行に移された。第17駆逐艦隊各艦は命令が伝わると直ちに反転し戦域より最大戦速で離脱したのであった。

 

この壊走する第17駆逐艦隊に対してドメル艦隊は追撃を行わなかった。これにより第17駆逐艦隊は辛うじて全滅を免れたのであった。

 

 

ボラー連邦軍ガルマン・ガミラス帝国方面軍司令部

 

「壊滅状態か」

 

ガルマン・ガミラス帝国方面軍を預かるボラー連邦軍司令は報告を聞くとそう呟いた。

 

「どうやらガミラスのドメル艦隊にやられたようです。追撃が無かったのが奇跡です」

 

副官がそう付け足した。

実際第17駆逐艦隊はドメル艦隊の追撃を受けていたら壊滅は確実であった。

 

「だがこれで第17駆逐艦隊は旗艦フレドラも大破し壊滅状態、他にも第3軍が地球艦隊の無謀とも思える突撃をくらい半壊状態だ。他艦隊も被害を受けていて前線の戦力密度は低下するばかりです」

 

作戦参謀はそう言った。

そして現実は参謀の言う通りであった。

 

「当面は第17駆逐艦隊と第3軍の残余、それと予備戦力を統合して第3軍を再建し予備兵力とする。その他の戦力は増援が到着するまでの間は控えの属国艦隊で穴を埋める。流石に宇宙艦隊司令部も増援要請を無視はできまい」

 

司令はそう言った。

この司令の言葉に情報参謀が少し口を挟んだ。

 

「それで良いとは思いますが懸念もあります。入手した情報にはこの戦線に地球防衛艦隊第三主力艦隊、通称レビル艦隊が派遣されたという情報があります。大将指揮の艦隊派遣ですから連合軍は準備を整えたら大規模作戦を実施するつもりかもしれません。また連合軍の通商破壊作戦で打撃艦隊や遊撃艦隊が最近では確認されています」

 

情報参謀はそう言った。

この時、地球防衛艦隊は通商破壊作戦にマゼラン級フッドを旗艦にマゼラン級レナウン、レパルスを中心とする第一打撃艦隊、マゼラン級シャルンホルストを旗艦にマゼラン級グナイゼナウ、ビューローを中心とする第二打撃艦隊、マゼラン級デアフリンガ―を旗艦にマゼラン級フォン・デア・タン、ザイドリッツを中心とした第三打撃艦隊の3個打撃艦隊と3個遊撃艦隊などが派遣されていた。

 

「その懸念も分かるが現状の戦力ではやむを得ない対策だ。通商破壊作戦ではバジリスク級の打撃艦隊が出てきていないだけでも良しとするしかない」

 

司令は少し疲れたような声で言った。

 

ボラー連邦軍ガルマン・ガミラス帝国方面軍には課題が山積みであった。

 

 

ボラー連邦本星宇宙艦隊司令部

 

「増援要請は了解した。参謀本部が煩いだろうが用意しよう」

 

副官から報告を聞いたボラー連邦軍ガルゴフ宇宙艦隊司令はガルマン・ガミラス帝国方面軍からの要請書を見ながら言った。

ガルゴフは開戦以来敗北を続ける軍の体たらくを受けつい先日失脚した前任者の後継の人物である。

 

「ガルマン・ガミラス帝国方面軍はだいぶ苦戦しているようですね」

 

副官は真剣な表情で言った。それを聞いた司令はため込んでいたものを吐き出した。

 

「これも全部首相閣下と総参謀長が国家体制と権力維持の為に地球連邦を巻き込むからこうなるのだ。おかげで前線は2倍以上に伸び、地球連邦を筆頭とする銀河連合構成国との全面戦争だ。これで地球連邦の波動砲艦隊は各地でその性能と火力に物言わせて暴れまわるし、しかもガミラス共和国という大国のおまけつきだ。ガミラス共和国の存在で連合軍は我々が手を出せん大小マゼラン銀河から膨大な艦隊戦力や戦争遂行物資などの支援が受けられるんだぞ。これでは只でさえ強力な連合軍は恐れ知らずだ」

 

司令はそう言い終わると副官が慌てて口を開いた。

 

「司令、めったなことを言わないでください。どこで親衛隊が聞いているか分からないんですから」

 

副官がそう慌てて言ったが当の司令は落ち着いていた。

 

「大丈夫だ。この部屋は常に掃除をしているし君の事は信頼しているからね」

 

司令はそう言うと笑みを浮かべた。

 

 




第1空間機甲軍団通称ドメル艦隊

ガミラス共和国航宙軍が保有する艦隊の中でも最大規模の艦隊。
空間機甲軍団と称される艦隊はドメル艦隊の他にルント艦隊、ガーデル艦隊の3個艦隊しか存在しない。
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