地球防衛軍戦記   作:第一連合艦隊

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真の星間国家へ

ボラー連邦やディンギル帝国の地球侵攻により戦時状態真っ只中の地球連邦であったが、地球連邦は激戦を繰り広げつつも外交、内政を滞りなくこなしていた。

内政面ではこの銀河大戦を戦い抜くために必要な巨大な経済力と強大な軍事力を手に入れる為に様々な政策が実行されており、軍事が経済に及ぼす影響も最小限に抑えていた。

 

そんな中、ディンギル帝国の地球侵攻を払い除けた地球連邦は節目の日を迎えようとしていた。

 

「ボラー連邦という銀河の超大国との戦争を防げなかったという悪い名で地球連邦歴代大統領に名前を残すかと思っていたが、どうやらそれだけではなさそうだな」

 

そう地球連邦大統領は総長に話しかけた。

 

「えぇ。しかもいい意味で名を残せそうですな」

 

畏まった服装の総長はコーヒーの入ったカップを机に置くとそう大統領に返した。

 

「あぁ、これで地球連邦は真の星間国家になるのだな」

 

大統領はそう言うと机に置かれていた書類に目を向けた。

その書類には先程行われた国民投票の結果が記されていた。その投票の結果は賛成多数であった。

 

 

 

2205年5月15日、この日、地球連邦は星間国家の新たなるステージへと足を踏み入れようとしていた。

 

時は、ガトランティス戦役直後、星一号作戦終了後まで遡る。

防衛艦隊が星一号作戦を完遂した後、地球連邦防衛軍及び連邦政府はガトランティス帝国の天の川銀河における支配地域の地図を入手していた。そして軍及び政府は地図に基づき密かに調査艦隊をガトランティス帝国が支配していると思われる星系に派遣した。だがここで地球連邦は肩透かしを食らうことになった。

 

調査艦隊が星系に到着した時には既にガトランティス帝国は撤収していたのである。しかも一つや二つではなく地図に記されていた支配星系の全てにガトランティス帝国の姿が無かったのである。残されていたのは破壊もされずつい最近まで使用されていたであろう施設や建造途中である軍艦などであった。しかも嫌な置き土産も多少はあったものの嫌になる程の量は無かったのである。

 

この状況には防衛軍や政府は頭を傾けたのであったが、現地のガトランティス帝国軍などが大帝の死亡による内乱の気配や防衛軍の反撃により一大拠点であったシリウス・プロキオン星系の陥落を知り、一目散に撤退していったという事実にたどり着くには少し時間を要したのであった。何より地球連邦にはやらねばならぬ巨大な物事が多数あったからだ。

 

地球連邦がやらねばならぬ巨大な物事、その中の一つ、それは調査の為に訪れた星系で接触したガトランティス帝国の植民地人であった現地住民の支援であった。

現地住民はガトランティス帝国から過酷な扱いを受けており、栄養失調や負傷した者、病気に罹り動けない者などが大量にいたのだ。この事実を「宇宙の平和を守るリーダー」とアンドロメダ就役式典で盛大に宣言した地球連邦政府が見て見ぬふりを出来る訳がなく、可能な限りの支援を行うべく動き始めたのである。

 

幸いにしてガトランティス戦役では地球本土への被害はなく太陽系内の各惑星も甚大な被害を受けた訳では無かったため、支援は迅速に行われることになり地球各地からは食料、医薬品そして支援要員を乗せた艦船が急遽編成された護衛艦隊と共に各星系を目指して出港していったのである。

 

そして各星系に到着した支援隊は活動を開始し、支援物資の提供や負傷者の救護が行われまたそれらと並行して各星系の現地住民の間で国家再建委員会が設立、国家機関の再建活動も開始されたのである。これらの支援は地球連邦とデザリアム帝国の戦争が行われている間も続けられ、地球連邦政府としては支援して独立してもらう予定であった。

だがここで計画に狂いが生じたのである。地球連邦政府は独立してもらうつもりだったのだが現地住民及び現地民の国家再建委員会は地球連邦に対して保護国化もしくは併合を望んだのである。現地住民からすれば折角ガトランティス帝国の圧政から解放されたのだから再度ガトランティス帝国侵攻があった際の保険が欲しかったのである。

 

これに地球連邦政府は頭を悩ませた。政府としては植民地化にもなりそうなので保護国化は避けたいので併合が妥当ではあった。一方併合するにしても法律、戸籍などの問題もあり時間が掛かる物であった。だが現地住民の要望も聞かない訳にはいかないので連邦政府では議論が重ねられたのである。

 

そして時間は流れ、この日、漸く連邦政府の議論も纏まり現地住民の意見の取り入れと現地住民と地球連邦市民に対して併合への賛否の国民投票が行われた結果、地球連邦への併合が決まったのである。

 

 

それから8日後の5月23日、地球連邦議会で各星系の現地住民の国家再建委員会の代表が併合に合意する署名が行われたのである。この日、地球連邦に併合されたのはガトランティス帝国の植民地だったビダニア、ケモス、キマリミマ、ゼネバール、アルハキレニア、メタニアの6つであり、これにより地球連邦は地球人やガトランティス帝国からの亡命人以外の人種を持つ多民族星間国家になったのである。また併合により地球連邦の人口は一気に増加し190憶を軽く超えると共に更なる経済成長の可能性も大きくなったのである。

 

こうして着実に勢力を広げる地球連邦であったが、その結果後日、予想外の勢力と遭遇することになるのであった。

 

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