ロンド・ベル隊、それは地球連邦防衛艦隊の精鋭部隊である。
その創設目的は非正規戦や各種残党軍を殲滅するためであり、将兵は精鋭兵で固められていた。一方創設目的には裏の面もあり、ヤマト型などの正規艦隊に組み込んでは艦隊行動に支障をきたす艦艇やアンドロメダ級の派生型であるアマテラスなどのワンオフ艦を所属させる目的もあった。
だが本国艦隊が結成されるとロンド・ベル隊創設の裏の面の役割は終わりを迎えつつあった。
戦艦アマテラスは本国艦隊へ移動となり、ヤマト型3隻こそ防衛艦隊司令部直属にして起きたいという意思が働きロンド・ベル隊に残留したが事実上ロンド・ベル隊司令のブライト中将の指揮下からは外れたのも同然であった。
これによりロンド・ベル隊から波動砲搭載艦が収束波動砲搭載の3隻のネェル・アーガマ級を除き消滅したのであった。その代わりに増強されたのがモビルスーツ搭載艦であった。
波動砲搭載艦と入れ替わるかのようにロンド・ベル隊に編入されたモビルスーツ搭載艦は他国に輸出されている機動戦艦や重航空巡洋艦やMS搭載型サラミスなどであった。
他にマゼラン級戦艦アイリッシュとラーディシュは艦名をニューウェーブ、マギアティターニアと改名され、新たに建造・配備されたアイリッシュ級機動戦艦にアイリッシュとラーディシュの名が引き継がれることになった。この機動戦艦の配備によりロンド・ベル隊には機動戦艦が6隻所属することになる。
地球圏サイド4
ロンド・ベル隊の本拠地があるサイド4はボラー連邦との戦争勃発直前に完成した30基のコロニーからなるサイドである。その中にある1つのコロニー『ロンデ二オン』はロンド・ベル隊の本拠地になっていた。
『ロンデ二オン』はロンド・ベル隊の本拠地となるように整備されたコロニーであり、大規模な艦隊駐留用の港湾施設の他に多数のドック・コロニー周辺には浮きドックが整備されていた。
そんな『ロンデ二オン』の港に併設されてあるロンド・ベル隊の司令室でロンド・ベル隊司令のブライト中将は参謀本部から送られてきた資料に目を通していた。
「ここにきて戦力再編とはな」
ブライト中将はそう呟いた。
防衛艦隊司令部から送られてきた資料には波動砲搭載艦と入れ替わるように配備される艦艇の一覧が書かれていた。
配備される艦艇は下記である。
・重航空巡洋艦アレキサンドリア、アル・ギザ、ハリオ、アスワン、オルデロ、ガウンランド
・MS搭載型サラミス級ルネ、ハイフォン、ウェストサハラ、デルフォイ、ヴァルナ、ジャブロー、ヴィッカーズ、ダーダネルス、シブヤン、カーンフン、ビルケニア、マケドニア
・クラップ級クラップ、ダマスカス、キャロット、テネンバウム
・クラップ級の改良型であるスペースアーク級のスペースアーク、リーンホース
そして上記の巡洋艦の他にマゼラン級アイリッシュとラーディシュの名を受け継いだ機動戦艦2隻を含むアイリッシュ級機動戦艦6隻である。これによりロンド・ベル隊の機動戦艦はアイリッシュ級アイリッシュ、ラーディシュ、オアシス、ツバイカウ、ザンクトガレン、エシャロットの6隻とネェル・アーガマ級3隻の計9隻に膨れ上がったのであった。
ブライトが艦隊司令部から送られてきた資料に目を通して数日後、ロンド・ベル隊司令部の作戦会議室ではブライト中将を筆頭に数人が集まり話し合いをしていた。尤も正式な会議ではない為椅子には座らず立ち話のような感じになっていた。
「今回の編成変更でロンド・ベルはモビルスーツ運用に特化した艦隊編成になった訳だが何か質問はあるか。今後の方針を含めて意見も聞きたい」
ブライトはそう参加者を見渡しながら言った。
「編成変更を見る限る防衛軍最大のモビルスーツ運用艦隊になる訳だが各艦の練度は問題無いのだろうか」
そう言ったのはモビルスーツの操縦ではエース級のシャア大佐であった。
「問題は無いとは言えんな。どの艦も比較的練度が高いがモビルスーツ隊は既存の部隊と対等かと聞かれたら違う。少なくとも既存部隊との訓練が必要だろう」
「なら直ぐに訓練をするべきだな。艦隊司令部が急に大部隊を配備させたということはいずれ多少無茶な作戦にロンド・ベルを投入するつもりだろう。シャアもそう思うだろ」
「アムロの言う通りだな。いつ艦隊司令部から敵地奥深くの基地を奇襲・強襲しろという命令が飛んできても不思議じゃない」
ロンド・ベル隊最強格のMSパイロットの意見は直ぐに一致した。
「わかった。訓練は直ぐにやらせよう。ハヤト艦長。アーガマを旗艦とした訓練部隊を編成し訓練に当たってくれ」
「わかりました。精鋭部隊に相応しい練度に鍛え上げて見せましょう」
ブライトからの指示を受けたネェル・アーガマ級アーガマ艦長のハヤト大佐はそう答えた。
「忙しくなるとは思うが頼む」
その後も幾らか雑談交じりの話し合いが行われた後、集まりは解散となった。
そして話し合いから1日後にはネェルアーガマ級アーガマを旗艦とした訓練部隊がロンデ二オンを出港していった。
一方統括司令部では総長や防衛艦隊司令長官など数人が会議をしていた。
「ロンド・ベル隊の再編成は完了しました現在は新規配属艦の訓練を実施しているようです」
「なるほど。ではもう少しすればいつでも多少無茶な作戦も可能なら実施してくれそうですな」
「えぇ。まぁブライト中将を説得しなければなりませんがね」
総長がそう言うと話し合い参加者は「ですな」という同意の声が参加者から出たのであった。
そして同時刻、タイタン基地にて編成が完了したディンギル帝国攻略部隊が侵攻部隊集結地であるバジウド星系を目指して出撃していった。