ディンギル帝国の太陽系侵攻から2カ月後、地球防衛軍はディンギル帝国に対する反攻作戦「カタストロフィ作戦」を開始した。
議会ではディンギル帝国が好戦的な傾向であることや時間が無いことを理由に「無差別攻撃許可法」が可決されディンギル帝国に対して殲滅戦を実施することを決定事項として作戦部隊は行動を開始した。なおこの法案可決の裏には原作のディンギル帝国の好戦性を知る転生者達の暗躍がかなりあったのである。
そして作戦開始の命令を受け「艦隊発進!」の号令でバジウド星系から出撃したワイアット中将率いるディンギル帝国侵攻艦隊はアンファ恒星系外縁部にワープアウトした。
ディンギル帝国侵攻艦隊旗艦バーミンガム
「全艦ワープアウト完了。脱落艦ありません」
「了解した。それでは攻略作戦を開始する。全艦進撃を開始しろ」
副官からの報告を受け、ワイアット中将はそう言うと帽子を被り直した。
そして艦隊はその圧倒的な戦力を持って進撃を始めた。ディンギル帝国にとっては悪魔の行進の始まりであった。
そのディンギル帝国は地球艦隊の出現を観測すると直ちに迎撃態勢を敷いた。しかしこの時ディンギル帝国の戦力は非常に貧しい状態であった。先の地球侵攻艦隊に多くの戦力を動員したせいで本格的な防衛戦力を最外縁の惑星と本土のみにしか配備できない状態であった。
その本格的な戦力は最外縁部の惑星軌道上に展開しているカリグラ級中型戦艦10隻、水雷艇100隻、本星軌道上に展開している本土防衛艦隊のガルンボルスト級戦艦10、カリグラ級中型戦艦50隻、空母4隻、水雷艇200隻その他雑務艦艇であるが、1つの恒星と4つの惑星からなるアンファ恒星系を防衛するには貧しい戦力であった。
これらの防衛戦力に対して地球防衛艦隊の戦力は総旗艦であるバーミンガムを筆頭に第六主力艦隊ドレッドノート級8、マゼラン級6、エンケラドゥス級12、サラミス級10、レパント級10、フレッチャー級18
第七主力艦隊旗艦アナンケ級ネレイド以下ドレッドノート級6、マゼラン級6、エンケラドゥス級10、サラミス級8、レパント級6、フレッチャー級18
第八主力艦隊旗艦アナンケ級ルザル以下ドレッドノート級6、マゼラン級6、エンケラドゥス級12、サラミス級8、レパント級16、フレッチャー級14その他強襲揚陸艦隊とその護衛艦隊及び多数の作戦支援艦隊という大戦力でありその戦力差は絶望的なほど開きがあった。
「来たぞ、地球の大艦隊だ。戦闘用意!」
最外縁の惑星に配備されたディンギル帝国防衛艦隊旗艦ジミグラ艦橋で艦隊司令は声を大にして言った。
ジミグラ艦橋のモニターには白く塗られた大型戦艦を中心に出現した地球艦隊が映しだされていた。
ワイアット中将は第六主力艦隊を中心に置き右翼に第七主力艦隊、左翼に第八主力艦隊、後方に強襲揚陸艦とその護衛艦隊を配置し進撃していた。
旗艦バーミンガム
「前方にカリグラ級10隻確認」
「全艦砲撃用意。対空警戒も厳となせ。それと電磁パルス砲も何時でも撃てるようにしておけ。何処からあの凶悪なミサイルを搭載した水雷艇が襲い掛かってくるから分からん」
「イエッサー」
オペレーターからの返事を聞いたワイアット中将はモニターに映るディンギル艦隊を見つめた。
そして艦隊は徐々に距離を詰めていった。
「敵艦隊間もなく射程に入ります」
「うむ。射程に入り次第各艦攻撃開始だ。奴らに地球防衛軍の恐ろしさを味合わせてやれ」
「はっ」
一人のオペレーターがそう返事をした時、別のオペレーターが大声で報告してきた。
「レーダーに反応!敵水雷艇約100接近!」
「やはり来たな。全艦、射程に入り次第電磁パルス砲発射だ。敵にミサイルを撃たせるな!」
ワイアット中将はそう力強く言った。そしてディンギル帝国水雷艇群は直ぐに射程に入った為、各艦隊のマゼラン級から電磁パルス砲が乱れ撃ちで発射され、水雷艇群はハイパー放射ミサイルの射程に入る前にミサイルの誘爆により全滅した。
「敵水雷艇群全滅!」
「敵艦隊射程入りました!」
「よし、全艦撃ち方始め!」
ワイアット中将の号令が下った瞬間、ディンギル帝国侵攻艦隊全艦の主砲からショックカノンが撃ちだされ漆黒の闇を貫くとカリグラ級10隻を瞬く間に宇宙の藻屑にした。
文字通り一瞬の戦闘であった。
「正面のディンギル艦隊全滅を確認」
「うむ。第八主力艦隊と強襲揚陸艦、護衛艦隊は惑星制圧に向かえ」
「了解。伝達します」
命令は直ぐに伝達され艦隊は惑星の基地に猛攻撃を仕掛けた後に強襲揚陸艦が基地に降下し空間騎兵隊が瞬く間に基地を制圧した。
最外縁の惑星を制圧した地球防衛軍ディンギル帝国侵攻艦隊は増援の第九主力艦隊と基地運用要員の到着を待った後、予定通り再び進軍を開始する準備に入った。