地球防衛軍戦記   作:第一連合艦隊

129 / 145
アスターテ戦線5

メルゲル要塞攻撃開始から1時間後、攻撃を終了した第77任務部隊と第二十四主力艦隊は飛鳥型戦闘補給母艦飛鳥、呼倫湖、サプライと合流していた。

この飛鳥型戦闘補給母艦は2205年3月から順次大量就役し始めた艦艇である。船体は艦前部がドレッドノート級であり後部は飛行甲板となっている艦艇であり、友軍艦艇への物資補給が主任務ながらも艦前部がドレッドノート級と同じなため、それなりの戦闘力を保有している。また波動共鳴導波装置を搭載しており他艦の波動エンジンを活性化させることも可能な他、波動防壁弾を搭載しており通常艦艇の使用するバリアミサイルが直径8キロの波動防壁を3分間展開可能なのに対して、飛鳥型が搭載している波動防壁弾は直径20キロの波動防壁を展開可能であり、更に展開した波動防壁を波動共鳴導波を用いて最大10分間程度展開することが可能である。なお波動共鳴導波装置は転生者達のテコ入れにより原作より遥かに強力な装置になっている。

閑話休題

 

 

「各艦への補給は1時間程度で終わります」

 

第77任務部隊旗艦敷島に出向いてきた第11補給部隊の司令兼飛鳥艦長の森雪大佐はタブレット片手に安倍中将に説明していた。

 

「了解した。迅速な作業に感謝する」

 

「いえ。我々も職務を遂行しているだけですので礼には及びません」

 

森は安倍の感謝の言葉にそう返すと一区切りを置いて話を続けた。

 

「それと方面軍司令部から命令が届いております。我々の補給部隊と第77任務部隊、第二十四主力艦隊は現宙域で待機せよとのことです。第二十四主力艦隊にも命令は伝達済みです」

「了解した。わざわざご苦労」

 

安倍は森にそう返答した。

その後は直ぐに森が飛鳥に戻ったものの補給作業は継続され艦隊は待機状態となったであった。

 

 

アスターテ星系ゼダンの門

 

アスターテ星系方面軍司令のワン・グンロン中将は副官や参謀達を会議室に集め作戦の状況について聞いていた。

 

「作戦は問題なく成功か。上出来だな」

「はい。各艦隊とも目立った損害はありません」

 

副官は手元のタブレットに目を通しながら報告した。

事実各艦隊とも大きな損害は出ておらず、艦載機には被弾により機体破棄に至った物もあったものの艦艇の損害は大きくても小破であった。

 

「うむ」

 

報告を聞いたワンはそう言い少し考えると口を開いた。

 

「ここは一気に攻めるか」

 

この言葉を聞いた参謀達は一瞬固まったが作戦参謀が一番に口を開いた。

 

「攻めるというのはどういった形で、でしょうか」

 

「そうだな。それは敵惑星の占領という形だ」

 

一間置いた後にワンはスパッと言い切ったが参謀達を驚かせるには十分な言葉であった。

参謀達は一同驚きを隠せていない表情になっていた。

 

「しかし陸上戦力がありません」

 

驚きを隠せない中、情報参謀が答える。

事実、アスターテ星系方面軍には敵地占領を出来る陸上戦力は属しておらず、アスターテ星系方面軍に属する陸上戦力は良くて現地守備隊程度であった。

 

「そんなことはわかっている情報参謀。だが、たしかアルゼ星系にはガルマン・ガミラスの強襲上陸隊が居たな」

 

「はい。アルゼ星系にはガルマン・ガミラス軍の空間強襲上陸師団が2個師団待機しています」

 

情報参謀はワンの質問に素早く答えた。

このガルマン・ガミラス軍の空間強襲上陸師団は地球防衛軍の空間騎兵隊のような部隊であり、強襲上陸作戦などに動員される部隊である。その戦力は強襲上陸を行う部隊ということもあり、戦車はもちろんの事、ガルマン・ガミラスが地球から輸入及びライセンス生産している空間機動甲冑を装備しており強力な部隊である。

 

「司令、まさかその空間強襲上陸師団を拝借するのですか」

 

作戦参謀が驚きめいた声で言った。

今現在アルゼ星系は情勢が落ち着いており星系に展開している軍は地球・ガルマン・ガミラスの連合軍とはいえ、仮にも空間強襲上陸師団はガルマン・ガミラス帝国軍の指揮下の部隊である。そう簡単に拝借できる部隊では無いのである。

 

「そうだ。少し前から考えている作戦がある。作戦の大元はディンギル帝国方面に抜かれた戦力を使用する予定だった物だが、戦力移動に伴い作戦内容を変更した物を考えている。それで今回の各惑星襲撃が想定より成功したので実行を考えている」

 

ワンはそう言うと副官に合図に会議室のモニターに作戦概要を映し説明を始めたのであった。

 

そして30分程度で説明を終えた後、ワンは作戦の是非を参謀達に確認した。

そこで作戦参謀が懸念を呈した。

 

「異論はありませんが、この作戦遂行にはガルマン・ガミラス軍の協力が不可欠です。ガルマン・ガミラス軍は協力してくれるでしょうか。余り向こうも戦力的余裕があるとは思えませんが」

 

「大丈夫だ。アルゼ星系のガルマン・ガミラス軍は我が軍のアルゼ星系駐留軍同様今は暇ではないが余裕は有るだろうからな。向こうのガイデル司令に話は一度している。そしてガイデル司令からは上層部の判断次第だと返答を貰っている。後は今から本国にこの作戦を投げて返答を待つだけだ」

 

作戦参謀の懸念に対してワンはそう言った。

事実、地球防衛軍アルゼ星系駐留軍とガルマン・ガミラス帝国軍東部方面軍はアルゼ星系の守備に専念しており、ボラー連邦が攻めてこない現状では暇とは言い切れないものの余裕はある状態であった。

 

「わかりました。では本国の返答次第ですね」

「そういうことだ」

 

ワンはそう作戦参謀に返答すると副官に作戦内容を本国とアルゼ星系に駐留しているガルマン・ガミラス帝国軍に打電するように伝えたのであった。

 




本年も本作をご愛読いただきありがとうございました。
来年も本作をよろしくお願いいたします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。