地球防衛軍戦記   作:第一連合艦隊

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北極作戦2

メルデーリング星系外縁部にワープアウトしたのは第二十四主力艦隊と第77任務部隊を中心に飛鳥型戦闘補給母艦飛鳥、呼倫湖、サプライの戦闘補給母艦3隻の他に本国艦隊第2艦隊を加えた第77統合任務部隊である。この内で本国艦隊第2艦隊は下記の戦力からなる空母艦隊であり、この第77統合任務部隊の航空戦力である。

 

本国艦隊第2艦隊

改ガイペロン級グロスターポイント、スウェルズポイント、アキアクリーク、ピッグポイント

ブリストル級ノーウォーク、リアルト、リオランチョ

秋月型A2型ウオッデル、リチャード・E・バード、ベンジャミン・ストッダート、ゴールズボロ、タットノール、セムズ、カニンガム、ジョセフ・ストラウス

 

以上からなる本国艦隊第2艦隊であるが、その中核戦力たる空母は改ガイペロン級4隻である。

この改ガイペロン級は地球防衛艦隊創設最初期にガミラス共和国から購入した艦艇であり、イラストリアス級等が配備されるまでの間の空母戦力の中核として運用されていたが、地球製の空母戦力が揃い始めると早々に第一線を退き、その後は無人艦載機のテスト母艦として運用されていた。だが防衛艦隊の規模拡大に伴い再び第一戦に戻ってきた改ガイペロン級は無人艦載機運用に特化した艦艇に改装されており、艦載機は全機が無人艦載機である。また搭乗員スペースが空いたことで居住性も改善されていた。そして前線に復帰した改ガイペロン級はその堂々たる姿を前線に現したのであった。

 

閑話休題

 

 

 

「全艦砲撃用意。空母からは直掩機を上げろ!」

 

第77統合任務部隊旗艦アナンケ級ベガ艦橋で司令の尾崎中将は覇気のある声で命令を出していた。

この統合任務部隊に課せられた任務は惑星モウルド制圧完了までの期間のボラー連邦艦隊の可能な限りの吸引である。そしてワープアウトしたタイミング完璧であった。

 

メルデーリング星系から惑星モウルド救援の為に出撃したボラー連邦艦隊は否応なく艦隊を二分することを強要されたのである。

 

 

 

 

「最悪なタイミングだな」

 

ボラー連邦軍モウルド救援艦隊旗艦ベルガルドの艦橋では艦隊司令であるガヴリイル・トゥーロフ中将がワープアウトした地球艦隊を見ながら呟いた。

 

「司令どうします」

 

副官がそう尋ねた時、通信兵が電文を読み上げた。

 

「司令、メルデーリング星系方面軍司令部より入電です。貴艦隊は地球艦隊に構わずモウルド救援に向かうように。地球艦隊は司令部直属艦隊が対処する。とのことです」

「うむ。わかった。艦隊はモウルド救援に急ぐ」

 

通信兵が読み上げた電文の内容を聞いたトゥーロフは直ちにそう命令を下した。

 

 

 

「敵艦隊、此方に対応せず進路を惑星モウルドに向け移動中」

 

旗艦ベガにはそのような観測報告が入ってきていた。

事実、位置関係を表すモニターには防衛艦隊を無視して航行するボラー連邦艦隊のマークが記されていた。

 

「此方を無視するのか」

 

尾崎がそう呟いた時、新たな報告が入ってきた。

 

「敵艦隊後方ワープアウト反応多数!」

「何!」

 

その報告が艦橋内に響いた直後、モニターには空間を割るようにしてワープアウトするボラー連邦艦隊が映し出された。

 

新手のボラー連邦艦隊は空間を割るように次々とワープアウトしその陣容を地球防衛艦隊の前に現した。

 

「新手のボラー連邦艦隊出現。数はクロトガ型後期型50、アマンガ型後期型50、ガノンダ型後期型5、クロンタット型16、ソユーズ型4と未確認の大型戦艦1です」

 

その報告を聞いた尾崎は思わず顔を曇らせ呟いた。

 

「これが敵の隠し玉か」

 

未確認の大型戦艦を含む最新鋭艦を含む大艦隊の出現に思わず漏れた言葉だったが、艦橋に居た者、各艦艦長の代弁でもあった。

だが尾崎はすぐに思考を戻すと命令を出した。

 

「司令部とモウルド攻略部隊に状況報告だ。それと本艦隊は敵のモウルド救援艦隊では無く新手の艦隊を相手する。敵のモウルド救援艦隊の相手はモウルド攻略部隊に任せる。敵の艦隊がモウルドに向かった事も報告だ。急げ」

 

尾崎が命令を下すと艦橋内は各々が情報を伝達し始めた為、騒がしくなった。

そして各員の情報伝達が終わると尾崎は口を開き次の命令を下した。

 

「全艦戦闘準備。新手の敵艦隊を叩き潰す」と。

 

 

一方、新手のボラー連邦艦隊であるメルデーリング星系方面軍司令部直属艦隊はメルデーリング星系方面軍司令のデルギン大将が本国に掛け合い用意された艦隊である。デルギンは親衛隊出身の為、融通もかなり効き最新鋭の艦隊で固められた戦力が用意された。特に旗艦であるベルカ型戦艦はボラー連邦版アンドロメダ級であるソユーズ型すら凌ぐ大戦艦である。そして1番艦であるベルカがこの艦隊に配備されていた。

そんな大戦艦の旗艦ベルカの艦橋では艦隊司令のイヴァノヴナ・ヴァガノフ中将がモニターに映る地球艦隊を見つめていた。

 

「あれが噂に聞く地球艦隊か。相手にとって不足無しだな」

 

そう呟くとヴァガノフはニヤリとした。

ヴァガノフもまた親衛隊出身でありデルギンの後輩かつ旧知の仲であり、今回はデルギンからの強い要望でこの艦隊の司令官になっていた。

 

両軍とも艦載機の発艦から始まり、地球側は艦隊防空に徹することになった。改ガイペロン級とガノンダ型では搭載艦載機数が違いすぎたのである。

そしてメルデーリング星系外縁での戦闘は開始された。

 

だが、戦闘が開始されていたのはメルデーリング星系だけでは無かった。

 

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