地球防衛軍戦記   作:第一連合艦隊

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レオ星系にて1

地球連邦の一員となったデザリアム帝国非主流派は連邦政府から提供されたレオ星系を本拠地とし地球連邦デザリアム自治州となっていた。

 

この星系提供により本拠地を構え、晴れて地球連邦の一員となったデザリアム帝国非主流派であったが、そこからは苦難の連続であった。

まず提供されたレオ星系であるがこの星系は1つの恒星と5つの惑星、4つの準惑星からなる星系だが、まだ手付かずの星系であり、人工物は観測拠点等の他には何も無かった。そこに約1億5千万もの同胞の為の住居建設からインフラなどの生活基盤の構築、地球連邦に対応した経済活動の実施、更に戸籍等の作成という山があったが、地球連邦政府及び地上戦が殆ど無く暇をしていた連邦地上軍が総力を挙げて支援を行った。

これらの支援によりレオ星系は急速に開拓されると共に次々とデザリアム帝国非主流派の住民が住む都市が建設されていった。また企業でもヤシマグループや南部重工などが進出し最低減の経済活動は行えるようになった。

 

そして最低限の経済活動が行えるようになったデザリアム自治州だがデザリアム帝国非主流派の人々は更なる成長を目指した。

レオ星系には膨大な資源、しかもデザリアムにとって必須な物もあることが調査により判明しており、それを保有していた重機等を使い多数の資源採掘場を開設し資源の輸出等を始めた。更に科学者や技術者は地球連邦防衛軍や防衛軍傘下の研究施設に所属し様々な研究に勤しむと共に自国が保有していた技術を地球連邦に提供した。この提供された技術は様々な分野に大きな成長をもたらした。特に医療技術に関してはとてつもなく大きな成長をもたらし、数多くの命を救うことになる他に、その倍の数を軽く超える人々に生きる勇気と希望を与えたのであった。

また彼らが外で働き成果を出すにつれ地球連邦の各企業や研究所、技術者がレオ星系に進出し移住し始めたことでデザリアム自治州の発展は著しかった。

 

 

そんな発展著しいレオ星系デザリアム自治州の州都デレザリアのデレザリア軍港に1隻のパトロール艦と護衛の秋月型A2型4隻が入港した。

その入港したパトロール艦から降りた一行は専用車に乗り込むと州庁へと向かっていった。

 

州庁へと向かう専用車の中では統括司令部総長と同行している補佐官が話をしていた。

 

「この短期間でここまで発展するとは凄まじいな」

 

総長は補佐官に話しかけた。

 

「ですな。前回訪れた時はまだ更地同然でしたが、この短期間で大型複合施設からそこそこな大きさのビルまで出来上がるとは驚きですよ」

「全くだ。当初大統領は発展には時間が掛かるだろうと言っていたがこの発展速度は他の開拓地より早いぞ」

 

総長はそうにこやかな笑顔を浮かべながら言った。

それから暫くして州庁に着いた総長と補佐官は知事室へと向かった。

 

 

デザリアム自治州知事室

 

近くの駐屯地に駐車してある掃討三脚戦車、メ―サー戦車などの戦車やガンタンク、ジェガンなどのモビルスーツが見えるデザリアム自治州知事室には暫定知事のヘルード中将、総長、補佐官の3名が集まり話し合いをしていた。

 

「提供して頂いた艦艇や兵器ですが、現在フロンド博士や防衛軍の技術者陣からの提案された改装案に従って逐次改装を実施しています。改装内容ですがやはり使用されている金属とタキオン粒子との反応は防げない為、ミサイル発射管の改装と、実用化されたものの防衛艦隊では波動防壁の実用化に伴い装備されなかったビームシールドを応用したビームコーティングを装備します。このビームコーティングは実弾に対しても効果を発揮しますので外見上の変化はありませんが耐久性は格段に上がっています」

 

 

その資料には詳細な改装内容や搭載可能なミサイル一覧が記されていた。

 

「了解しました。私も港に停泊している先行改修艦を見てきましたが、外見上の変化が無く、話には聞いていましたが驚きましたね」

 

そう感想を述べるとヘルードは続けた。

 

「一つお聞きしたいのですが塗装は変更しなくて良かったのでしょうか。連邦防衛艦隊の通常塗装は黒では無く明るいグレーのはずですが問題ないのですか」

 

ヘルードがそう質問をすると、総長が答えた。

 

「何も問題ありません。参謀本部と私の方から塗装は変更しないようにと通達を出しておきました。デザリアム艦は隠密性に優れた艦艇です。それをわざわざ明るい灰色に塗り替えても意味は無いでしょう。むしろ黒いままの方が有益ですよ。先のディンギル帝国侵攻作戦でもステルス性の高さは証明されています」

 

総長はそう笑顔で回答した。

先のディンギル帝国侵攻ではデザリアム自治州艦隊も参戦しており地球製ハイパー放射ミサイルの実戦試験で戦果を挙げていた。

 

「なるほど。了解致しました」

 

ヘルードがそう答えると補佐官が続けた。

 

「では続けさせていただきます。次に中間補給基地ですが此方も艦艇同様にビームコーティングを行いました。改装はそれだけで後は実戦投入するだけです。最後にゴルバですが此方も追加のビームコーティングを行いました。改装は此方もそれだけで後は実戦投入するだけです。また建造中のゴルバ4基は外殻が出来上がっていますのでそのまま建造は続行したいと思います。またゴルバと中間補給基地を参考に地球初の移動要塞、地球式の中間補給基地を建造したいのですが、その開発、建造拠点をこのレオ星系に設置したいのですが問題ないでしょうか」

「改装内容はわかりました。それと建造拠点ですが私としては問題ありませんが、太陽系やその他の施設の整っている星系、惑星の方が良いのではないですか」

 

ヘルードが疑問を補佐官に返した。

 

「問題ありません。むしろ地球初の試みなのとデザリアム人技術者の力添えを頂きたいのでレオ星系の方が都合がいいのです。それにデザリアム人技術者の方々を漸く見つけた安息の地から長期間離すのは良くないでしょう。」

「そういうことでしたか。そこまで配慮して頂けるのは感謝しかありません。提供して頂いた土地は幾らでもあるので問題ありません。是非開発、建造拠点を置いてください。出来る限り協力致します」

 

補佐官から配慮の言葉を聞いたヘルードはそう感謝の言葉を述べた。

 

「いえいえ。此方こそあなた方からの技術提供には大変感謝しているので当たり前のことです。それに先の地球侵攻艦隊撃破後に救助し捕虜になったデザリアム将兵の治療活動にも協力して頂き助かります。彼等5741人も同胞と再会できて嬉しいでしょう。間もなく彼らも療養の身も終わり正式に地球連邦の一員になるでしょう」

 

総長はそう言う。

地球連邦は先のデザリアム帝国地球侵攻艦隊撃破後、救助活動を実施し6千人近い将兵を救助していた。そして救助後、懸命の治療も虚しく残念ながら命を落とした将兵も少なくなかったが、比較的軽傷だった情報部技術部のアルフォン少尉の協力のもと多くの命を治療し救っており、そこに非主流派の医師達も加わり治療を実施し、結果5741人という人数が心身ともに健康な状態となり悲主流派に合流することとなっていたのだ。

閑話休題

そして一息ついた総長は深刻な表情をして話題を切り出した。

 

「それとヘルード中将、いい話の後で申し訳ないのですがデザリアム関連で余りよくないニュースがあります」

 

この言葉を聞いたヘルードは表情硬くしたあと逆に質問した。

 

「デザリアム関連でよくないニュースと言いますと。生き残りの主流派だったりしませんか」

「その通りです。先日ボラー連邦に居るスパイから情報が届きました。内容はボラー連邦傘下に生き残りのデザリアム帝国主流派が入ったとのことです」

「やはりそうでしたか。実は地球連邦と接触する前に主流派の生き残りが居ると思い捜索した事があったのですが、その時に主流派残存勢力が存在する証拠を見つけたのですが、捜索虚しく残存勢力発見には至らなかったのです。通信での応答はあったのですが決別を言い渡されました」

 

ヘルードはそう言うとタブレットに捜索時のデータを出し、総長に渡した。

そしてデータを見た総長は切り出した。

 

「そうでしたか。それで一つお聞きしたいのですが非主流派としてはこの生き残りの主流派にどう対応したいですか。軍の方針を決めるに当たってお聞きしたいのです」

 

その言葉を聞いたヘルードは覚悟を決めた顔で返答した。

 

「我々は主流派とは既に帝国崩壊時に指揮系統諸共断絶しています。ですので我々は残存主流派との戦闘も躊躇しません。むしろ積極的に戦えることを望みます。地球侵攻という罪の責任は我々の手で清算したい気持ちがあります」

 

ヘルードはそう強く力のこもった声で言った。

ヘルードとしては既に主流派とは縁を切っており、自らの手で罪を償うつもりでいた。

 

「わかりました。全面的に戦闘することになっても本当によろしいので」

「えぇ。何も問題ありません。我々は過去のけじめをつけます」

「わかりました。では艦隊司令部にそのように伝えておきます」

 

総長はヘルードの覚悟の決まった顔を見つめてそう言った。

 

「よろしくお願いいたします」

 

ヘルードはそう言うと一礼した。

その後も幾つかの議題が話し合われ2時間にも及んだ話し合いは終わった。

 

「では、今回の話し合いは終了ということで」

 

補佐官が最後に締めくくりの言葉を言い話し合いが終わると総長が補佐官に話しかけた。

 

「私は少しヘルード中将と話すから君は下のカフェで待っていてくれ」

「わかりました」

 

補佐官は総長に返事を返すと知事室を後にしたのであった。

 

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