地球防衛軍戦記   作:第一連合艦隊

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レッドプラン

バダルメ恒星系におけるSUSとの交戦の結果報告を防衛艦隊司令長官マンフォード元帥から電文で受けた総長は執務室で溜息をついていた。

 

「やれやれ、ボラー連邦陣営を相手にするのにかなり戦力と国力を取られているというのにこの期に及んで新たな乱入者とはねぇ。面倒くさい事になったものだ」

 

総長はそう呟くと電話を手に取り防衛艦隊司令部に居るマンフォード元帥に連絡を取った。

 

「元帥、レッドプラン発動だ。容赦は要らん。徹底的にやれ」

 

総長は電話越しのマンフォード元帥に短くそう伝え終わると引出しから1冊のファイルを取り出した。

そのファイルには『レッドプラン(対SUS戦計画)』と書かれていた。

 

 

『レッドプラン』、それは統括司令部及び地球防衛艦隊司令部が策定した対SUS戦の基本計画である。

策定に至った経緯は単純であり、過去にあったガトランティス帝国内戦に伴う地球への亡命者が襲撃された事件において、撃沈した襲撃犯の艦艇から取得した情報により犯人がSUSという国家と判明したため、地球連邦政府はSUSを潜在的敵対国と指定、これに伴い統括司令部と防衛艦隊司令部が対SUS戦を想定して策定したのがこの『レッドプラン』であった。

 

そしてこの計画において急遽中核を担う存在がある、それがウルップ星域国家連合である。

 

ウルップ星域国家連合はバダルメ恒星系に存在するエトス国、ベルデル国、フリーデ国と偶然エトス国が発見したアマール王国からなる国家連合であり、銀河連合を形成している一員でもある。

 

ウルップ星域国家連合の国力は高く、成長著しい新興国であるアマール王国を含んでも銀河連合内でも列強と称されるほどの実力がある存在であった。

現在の銀河大戦では前線に大規模艦隊戦力を派遣しつつ船団護衛や軍需物資等の生産が盛んに行われていた。

特に船団護衛ではアマール王国派遣の護衛艦隊が輸送船団を襲撃してきたボラー連邦艦隊を撃退する戦果を挙げる他、エトス国、ベルデル国、フリーデ国の3ヵ国連合艦隊がガルマン・ガミラス艦隊と共にボラー連邦主力艦隊を撃破する戦果を挙げるなどの活躍をしていた。

 

これら活躍の中でも特に大きかったのはアマール王国第1遊撃艦隊がロンド・ベル隊のネェルアーガマ、ガランシェールと協力しボラー連邦軍の強行輸送艦隊を襲撃、20隻の輸送艦と10隻の護衛艦を悉く撃沈、中でも輸送艦隊に突撃したアマール王国第1遊撃艦隊は輸送艦隊を食い散らかしボラー連邦軍を驚愕させ、輸送艦隊の壊滅を確定的なものとした。そしてこの影響により補給が届かなったボラー連邦占領下の惑星のボラー連邦地上軍が立て籠もっていた要塞は物資不足になり、戦意が低下したところを地球連邦軍地上軍が総攻撃を実施し、ビッグトレー級、ヘビーフォーク級の地上戦艦群やガンタンク等の砲撃の嵐を受けた後、歩兵部隊が侵攻し要塞は陥落したのであった。

 

これらの戦闘は正にウルップ星域国家連合が高い軍事力を保有している事を内外に示すことになり、ボラー連邦軍からも「ウルップ星域国家連合は侮れない勢力である」とまで言われることになっていた。

 

そしてウルップ星域国家連合はSUSと最初に大規模戦闘を繰り広げた存在であり、地球防衛艦隊が活躍の期待を抱いている存在である。その為、対SUS戦においてはウルップ星域国家連合と地球防衛艦隊が全体的に戦力の中核を為していくこととなり、対SUS戦の司令部はバダルメ星系に置かれることとなったのである。

閑話休題

 

 

こうして発動された『レッドプラン』であったがその計画は防衛戦が基本であった。

SUSの遭遇から時間が経っていないこともあり、本星の位置や総戦力が不明な中、攻勢に出るのは危険であるというのが多数派の意見であり、また原作においても最後までSUSの総戦力が不明だった為、転生者達も攻勢には足踏みをしていた。その為、基本は防衛戦を行い時間稼ぎを実施、その間に次元潜航艦等により偵察を行い敵情を把握、その後使用可能な戦力を用いて大艦隊を編成、強大な物量を誇るであろうSUS艦隊に対して火力面で優位を取り敵を撃破し本星へ進撃するのがレッドプランの計画であった。

これに伴い『レッドプラン』発動直後から防衛艦隊及びウルップ星域国家連合は偵察用の艦艇や艦隊を多数派遣すると共に撃沈したSUS艦艇からの情報取得を急いでいたのである。

 

既に銀河大戦においてボラー連邦陣営というSUSとは比較にならない強大な陣営と戦闘している以上、地球連邦及び銀河連合からすればSUSなど時間を掛けず排除したい存在でしかなかった。その為、SUS戦は短期決戦、占領を目的とせず排除を優先するのが攻勢の基本方針であり惑星破壊ミサイル及びシステムの無制限使用は勿論、惑星破壊を伴う波動砲使用も無制限使用がレッドプランでは許可されていた。

まさに情け容赦のない攻勢計画でありやられる側からすればたまった物ではないのだが、当のSUSは知る所では無かった。

 

 

後に「やりすぎだったかもしれない」と関係者から言われるほどの代物が『レッドプラン』であった。

 

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