地球防衛軍戦記   作:第一連合艦隊

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外伝 イスカンダル文明の遺産

「活性化した古代イスカンダル文明の遺跡か…」

 

キーストン・チャーチル大統領はそう書類を目にしたまま呟いた。

 

「で、実際現状どうなのかね。古代イスカンダル文明の遺跡。これは我々に無限の可能性を与えてくれる。しかし、もしも敵対する国にこの遺跡が渡ればそれは大きな脅威となる。それは避けなければならない」

 

チャーチルは拭いたメガネをかけ直し正面に居る総長に問いかけた。

 

「その通りです。イスカンダル文明の遺跡が敵対国に利用さるようなことが起きてはなりません。情報部には情報収集を欠かさぬよう指示を出しています。ただ今回の活性化については資料の通りですので他文明がイスカンダル純製波動コアを保有していない限り最低でも活性化は起きないと見て良いかと」

「うむ。情報収集については頼むよ。ただ活性化についてはそうだがね。イスカンダル純製波動コア、地球とガルマン・ガミラスのみの保有であれば同盟国からは表立って批判は出ないだろうし、銀河連合としては恐らく安心だが安全保障上は下手すれば不味い。活性化の原因は隠してはいるが公になると奪い合いになる」

「はい。その通りです。その点については厳重に気を付ける必要があります。新たな火種になりかねません」

 

総長は深刻な表情を浮かべながら答えた。

現在存在するイスカンダル純正波動コアは地球連邦には1つ(ヤマトに装備しているコア)、ガルマン・ガミラスに1つ(ヤマトがビーメラ星で回収したコアを譲渡した物)の2つである。今のところこの2つ以外にイスカンダル純正波動コアは発見されていないがビーメラ星での一件がある為、まだどこかにイスカンダル純正波動コアがあるのではないかと地球連邦及びガルマン・ガミラス上層部は警戒していた。

 

「兎に角、不測の事態は避けねばならないから頼むよ」

「かしこまりました」

 

チャーチルの言葉に総長はそう言葉を返し退室したのであった。

 

そもそも事の発端は1ヶ月前、ガルマン・ガミラス帝国内の実験場にて新型デスラー艦の建造に伴う技術試験においてガルマン・ガミラスは唯一保有するイスカンダル純正波動コアで様々なテストを行っていた。そしてその中での1項目である「臨界稼働」を行った際に古代イスカンダル文明の遺跡の活性化は起きた。

 

ガルマン星及び衛星スターシャで確認されていた多数の古代イスカンダル文明の遺跡が次々と活性化し未確認の古代都市等新たの物も多数発見された。

流石にこれは大事件でありデスラー総統直々に事の詳細がチャーチル大統領の元に届けられると、事の重大さを受け地球連邦からも真田科学技術局長官を始めとした多数の科学者が急遽ガルマン星に派遣されたのである。

 

そして遺跡の中には活性化した古代イスカンダル文明の戦闘艦も存在しており、遺跡戦闘艦はその性能テストが行われた際、古代文明の戦闘艦としての恐るべき力を発揮したのである。

試射で放たれた主砲は一撃で標的の鹵獲したボラー艦艇を数隻纏めて粉砕する程の威力を誇り、その威力を見た者は驚愕すると同時に恐怖すら感じた者も居たレベルであった。

この結果を見たデスラー総統はこの遺跡戦艦の艦隊への配備を決め、この決定は地球連邦にも伝えられたのであった。

 

この試射の結果や遺跡戦艦を含めた遺跡についての情報は真田長官を通じて地球連邦政府にも届けられた。その内容は連邦政府に古代イスカンダル文明とは何だったのか等をイスカンダル事変以来改めて考えさせられる結果となったのである。

だが政府として何もしない訳にはいかない為、これを機に軍に命令が下された。それはイスカンダル星防衛という任務である。かつてイスカンダルを狙ったデザリアムのような勢力からイスカンダルを守ると同時の地球連邦とガルマン・ガミラス帝国しか知り得ないイスカンダルの秘密を守る為であった。

 

一方、ガルマン・ガミラスでもデスラー総統から大小マゼラン銀河の統治を任せられているヒス副総統に地球連邦と同様の命令が下った。現在ガルマン・ガミラスは大小マゼラン銀河の約8割を領有しており、総督府は再建された第2バレラスに存在している。なお残りの2割の内1割が地球連邦、更に残りの1割が親銀河連合寄りのガミラスからの独立勢力である。

閑話休題

 

そしてガミラス星からの移民事業が完遂した今、第2バレラスはガミラス星の状態観察の拠点と大小マゼラン銀河の領土とイスカンダルを守備するための拠点となっていた。

そんな第2バレラスに新たな役割が地球・ガルマン・ガミラスより与えられた。それはイスカンダル守備の拠点であった。

これは両国がイスカンダルとイスカンダルの秘密を守るという方針を苦しい現状ながらも改めて決定した為であった。

ガミラスとしては過去の経緯からイスカンダルに思うことが無いでも無い、また地球もイスカンダルを狙う存在との戦争の可能性があった。だが今回の遺跡活性化の一件はその様な事を些細な事にすると同時にイスカンダルという存在が他の勢力に渡る危険性を両国に知らしめる結果となったのであった。

 

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