地球防衛軍戦記   作:第一連合艦隊

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決戦に備えて2

「それは間違いないのか」

 

そう土方司令は聞き返した。

 

「間違いありません。プロキオン恒星系方面からガトランティスの大艦隊が太陽系に向けて進軍してきています。それとタイタン基地にヤマトが帰還したとのことです。」

 

幕僚からの報告を受けた土方司令は直ぐに全艦に対する命令を出した。

 

「わかった。本艦隊と全パトロール艦隊に打電、{タイタン基地に集結}とな。防衛艦隊は敵艦隊を全力で迎え撃つ」

「了解しました。全艦に伝達します」

 

こうして月軌道に展開していた艦隊がワープ準備に入る。

 

 

「司令、全艦ワープ準備完了しました」

「全艦 土星に向けてワープ!」

 

山南艦長の報告を聞いた土方司令の号令により続々と艦がワープしていく。そしてワープしていく艦隊を見送る一つの部隊がいた。

戦艦アマテラスを旗艦とした艦隊は練度不足や艦の不具合、性能試験が終わらずに主力艦隊に参加できなかった艦から構成されており各艦の将兵は出撃していく友軍の無事の帰還を願っていた。

 

 

一方、タイタン基地周辺宙域は主力艦隊が合流したことにより大量の艦艇で埋め尽くされていた。そしてタイタン基地ではヤマトからのテレザート星やテレサに関する調査の結果及びデスラー総統との戦闘結果、そして和解についての報告が終了すると進軍してくるガトランティス艦隊への対策会議が行われていた。

 

「現在我が軍はこのタイタンの主力艦隊を中心に前衛の索敵部隊がヒペリオン、予備の部隊が土星本星、後衛が木星沖に展開している。他に予備の部隊がア・バオア・クー要塞及び地球圏に待機。地球本星には地球軌道艦隊が張り付いている。何か質問は」

 

土方司令は指揮棒でモニターに表示された部隊配置を指しながら説明した。

 

「敵艦隊の進路は」

 

一人の艦隊司令が問いかけた。

 

「天王星通過後は掴めておりません」

 

作戦参謀がそう答えた。

 

「それでは我々の裏をかくことも考えられるわけですな」

「そうですな。この陣形では思わぬ方向から地球本土進攻も考えられすな」

 

指揮官達から次々と意見が出たが土方は堂々と答えた。

 

「敵艦隊の進路はわかっている」

 

そう土方司令が言うと会場はざわついた。

 

「敵艦隊は必ず正面から来る。数でも戦力でも遥かに勝る彼らが戦う相手を前にして逃げ隠れするほど腰抜けではあるまい。敵は正面から来る。我々は、これを叩く!」

 

土方司令はそう力強く言った。

 

「では敵の陣容は」

 

一人の艦隊司令が発言すると作戦参謀が答えた。

 

「進軍してくるガトランティス艦隊ですが現在二つの艦隊に分かれています。一つは多数のカラクルム級やメダル―サ級そして未確認の巨大空母からなる主力と思われる艦隊、その後ろには未確認の巨大空母や多数のナスカ級からなる空母艦隊が確認されています。また白色彗星は進路を太陽系に向けており進軍してきている艦隊は白色彗星の前衛艦隊と思われます」

 

そう作戦参謀がモニターに敵艦隊の陣容を映しながら発言する。

それを聞いた各部隊の指揮官は苦い顔をする。なんせ艦隊の規模が防衛艦隊の倍以上あるし、空母に至っては勝負にすらならない規模である。しかも前衛である。

後方に存在している白色彗星本体及び白色彗星内に潜んでいる大艦隊の事を考えると頭が痛くなるレベルである。

 

「いくら何でも規模が大きすぎる」

 

そう一人指揮官が言葉を漏らす。

 

「敵空母艦隊だけでも先に潰さないと我々は手も足も出ないな」

 

第一航空艦隊司令のスコット少将がそう発言する

 

現在、防衛艦隊の空母はアンタレスとアポロノームの他に改ドレッドノート級戦闘空母が8隻、その改良型のイラストリアス級が12隻、マゼラン級戦艦改造のトラファルガー級が2隻、そしてコロンブス級輸送艦を改造した軽空母が4隻あり合計28隻となっており数だけは一応ある、しかし正規空母と呼べるものは保有しておらず航空戦力では圧倒的に劣勢であった。

 

スコット少将の発言に対して誰も意見を出せずに沈黙の時間が流れ続けていた。この永遠に続くと思われた時間は土方司令の発言で途切れた。

 

「ヤマトと第一、第二機動艦隊それと各艦隊から抽出した空母艦艇で敵空母艦隊に奇襲を仕掛ける」

 

この発言に場がざわめいた。

 

「奇襲ですか」

「そうだ。奇襲が成功すれば得るものは大きい」

「しかし危険すぎるのでは」

 

一人の指揮官が懸念を示した。尤もこの意見はその場にいた殆どの者の意見でもあった。

 

「確かに危険だ。失敗すれば航空戦力を失い艦隊が壊滅させられるかもしれん。だが俺はヤマトと各機動艦隊の将兵が奇襲を成功させると信じている。各部隊の指揮官に聞きたい異議はあるか」

「古代艦長代理異議なしです」

「第一機動艦隊もです」

「第二機動艦隊も同じく」

 

各部隊の指揮官は「異議なし」と答えた。

 

「わかった 作戦の詳細についてはそちらで決めてくれ。苦労を掛ける」

「「「了解」」」

「また奇襲部隊とは別に主力艦隊は土星沖に展開しガトランティス艦隊の侵攻に備える。なお艦隊行動については事前に配布してある艦隊行動計画に従うように」

「「はっ」」

 

奇襲部隊の指揮官達が敬礼し短く返答した後も対策の協議が行われ防衛艦隊は決戦への準備を進めた。

 

その後、協議終了後に土方司令は参謀長を呼び出していた。

 

「参謀長、基地周辺や太陽系内の掃除はどうなっている」

 

土方司令が言ったこの『掃除』とはガトランティスの潜宙艦のことである。

 

「はい。潜宙艦ですがフリゲート戦隊や各基地駐留艦隊による殲滅作戦を実施しこれまでに35隻撃沈、10隻撃破、5隻鹵獲致しました。今現在も作戦は継続中ですが侵入していた潜宙艦は警戒衛星などの情報から殆ど排除したと思われます」

「了解した。引き続き警戒はしてくれ」

「かしこまりました」

 

参謀長はそう言うと敬礼し退室した。

 

 

 

そして数日後、遂にバルゼー艦隊は太陽系へと到達、地球艦隊撃滅の為、土星へと進軍していた。

 

タイタン基地の会議室のモニターには監視衛星から進軍するガトランティス艦隊の映像が映されていた。映像には凄まじい数の艦隊が映されており指揮官達は気を引き締めていた。

だが数分間映像を送り続けていた監視衛星だったがバルゼー艦隊に発見、破壊され、そこで映像は途絶えた。

 

「なんて数だ」

「こちらの3倍以上だな」

 

そう指揮官達が話していると土方司令が口を開いた。

 

「敵は圧倒的な戦力を持っている。しかし負けるわけにはいかん、諸君の健闘を祈る」

 

土方司令の言葉に返すようにその場にいた全員が敬礼をし、それに返すように土方司令も敬礼をした。

 

それから三十分後にタイタン基地よりヤマトを含む奇襲部隊が出撃、さらに一時間後主力部隊が発進し土星を背に展開した

 

 

 

そしてその光景を、完全裏方に居る転生者たちは防衛艦隊の勝利を願い各々がモニターを見詰めていた。

 

「いよいよだな」

「あぁ」

「彼等は勝ってくれるよ。必ずな」

「そうですな」

 

 

 

一方、ガトランティス艦隊は着実に土星に接近しつつあった。

 

無数の艦艇を周囲に従える空母アポカリクスを旗艦とするバルゼー率いるガトランティス艦隊主力は太陽系内を進軍していた。

 

「ゲルン、敵の主力は土星沖に展開している。土星空間を攻撃範囲に捉えしだい攻撃を開始しろ。叩き潰すんだ。一気にな」

 

バルゼーはそう通信が繋がっている空母艦隊司令のゲルンに言った。

そう言われたゲルンは「はっ」と言い礼をし通信を切った。

 

 




この世界のヤマトはほぼ2202に近い航海をしています。
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